【映画】感想:映画「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」(007シリーズ18作目)(1997年:イギリス)

007/トゥモロー・ネバー・ダイ [Blu-ray]

BS-TBS|007シリーズ【吹替】 https://bs.tbs.co.jp/movie/007/
放送 BS-TBS。2022年3月12日(月火水木金土日)

【※以下ネタバレ】
 

007シリーズ第18弾。アクションシーン満載のピアース・ブロスナン=ボンドの代表作!


世界の情報を操作し、第三次世界大戦を誘発させようと画策するメディア王カーヴァー。ボンドは中国とイギリスの衝突を阻止すべく、カーヴァーの元へ潜入。そこで出会った女スパイ、ウェイ・リンと共に、ボンドは巨悪に立ち向かう!

 

あらすじ

 007/ジェームズ・ボンドは、ロシア国境で秘密裏に開催されていたテロリストたちの武器密売市場を偵察していた。イギリス軍はテロリストと武器をひとまとめに始末するためミサイルを発射するが、直後核魚雷を搭載した戦闘機を発見する。もしミサイルが核魚雷を破壊すれば放射性物質の飛散による核汚染が発生してしまうが、もうミサイルは自爆させられる範囲を超えていた。ボンドは単身テロリストたちの中に飛び込んで強引に戦闘機を発進させ、核汚染の危機を回避した。


 中国近海ではイギリスの軍艦が、中国空軍機から領海侵犯の警告を受けていた。直後、近くに潜んでいたステルス船がイギリス艦を撃沈し、同時に近くを飛行していた中国軍の戦闘機をミサイルで撃墜した。ステルス艦はメディア王エリオット・カーヴァー一味の物だった。

 イギリスでは、自国艦が公海で中国軍に撃沈されたと判断し、海軍は報復のため艦隊を中国近海に向けて出動させた。Mは、事件の時刻にカーヴァーの所有する人工衛星からGPS電波に似た不審な電波が発信されていたこと、またカーヴァーの発行する新聞が機密の筈の事件をいち早く特ダネとして報道したこと、を重視し、カーヴァーがイギリス艦に位置を誤解させたのではと判断、ボンドに調査を命じる。しかしイギリス艦隊が中国近海に到着するのは48時間後であり、時間の余裕は全く無かった。

 ボンドはカーヴァーのメディアセンターがあるハンブルグに乗り込み、元ガールフレンドで今はカーヴァー夫人であるパリスと接触し、情報を得ようとする。ボンドは新聞工場でGPSの位置を誤解させる「GPSエンコーダー」を発見するが、パリスはカーヴァーの放った殺し屋に殺され、ボンドはなんとか逃走する。

 ボンドは沈没したイギリス艦が中国領海に沈んでいるのか確認するために、中国近海に向かい、そこで中国のスパイ・ウェイ・リンと出会うが、カーヴァー一味に捕まってしまう。カーヴァーの目的は、イギリスと中国を衝突させ、その混乱の中で北京にミサイルを撃ち込んで首脳陣を皆殺しにする事だった。その後、カーヴァーと手を組んだ将軍が新たな中国の指導者となり、カーヴァーは中国での独占放映権を得られる、という筋書きだった。

 ボンドとウェイ・リンは逃亡すると、カーヴァーのステルス艦の基地を特定し、艦内に潜入した。同じ頃イギリスの艦隊は中国領海に接近しており、カーヴァーたちはイギリス艦を攻撃した後、盗んだイギリス軍のミサイルを北京に打ち込もうとする。しかしボンドとウェイ・リンの活躍でステルス艦は大破、カーヴァーは死に、ミサイルの発射は阻止された。こうしてイギリスと中国の第三次世界大戦は回避された。
 
 
 

感想

 評価は○(アクション映画として一級)

 シリーズ17作目の「ゴールデンアイ」(1995年)に続く第18弾にして「ピアース・ブロスナン007」の二年ぶりの2本目。スパイ物というより大作アクション映画と化してしまいましたが、これはこれで面白い映画でした。

 本作は、とにかく最初から最後までアクションが物凄い、というか、ほぼアクションシーンだけの映画となっています。もはや007/ジェームズ・ボンドがスパイであるという設定は、アクションシーンをするための理由付け程度で、移動→アクション→別の場所に移動→またアクション、とやっていたらいつの間にか事件が解決してしまった、的な展開で、ボンドが諜報活動をしているようには全く見えませんでした(笑) まあ、ボンド映画に深みのあるシナリオを求める向きはいないと思いますが、この映画はもう「アクションを見せる、ただそれだけ」に振り切っています。でも、それがスピード感があって良かったなと。


 そのアクションシーンは、

・冒頭。ロシア国境での武器密売市場から戦闘機で脱出
ハンブルグの工場内での肉弾戦
ハンブルグでのカーアクション
ベトナムでのバイクアクション
・ステルス船内での銃撃戦

 等々ありますが、どれも長めかつ迫力が物凄い。

 冒頭の武器密売市場でのシーンからして、いきなりクライマックス級の爆発炎上などのド迫力ですが、さらに凄いのはハンブルグでのカーアクションで、リモコン操作できるBMWで「車内に身を伏せ、ハンドルを触らず外を見ずに車を走らせる」というアクロバット的なことをしつつ、銃撃をかいくぐりミサイルを乱射しなど、もうまさに息もつかせぬアクションぶりでした。

 その他にも、ビルの窓から身一つで飛び降りて、垂れ幕にしがみついて引き裂きつつ落下していく、とか、手錠で片手を繋がれた二人が一緒にバイクに乗って街中を逃げ回る、とか、もう「漫画かよ!?」みたいなシーンの連発でしたが、それはそれで楽しかったです。


 本作のラスボスは、ロジャー・ムーア007映画時代によくいた「悪の大富豪」ですが、ラスボスの目的が人類滅亡とかアレな物では無く、中国におけるメディアの権利を獲得するため、というのがなかなかひねっていて感心させられました。本作が公開された1997年代と言えば、衛星を使った有料テレビ放送などメディアの力がクローズアップされていた時期でしたので、メディア王が悪の親玉、という設定は絶妙でしたね。


 ステルス艦から発射されるドリルミサイルを使っての軍艦攻撃、悪のメディア王の野望、最後はイギリス・中国のスパイが協力して悪事を粉砕、など、良い感じにフィクションぽく、ストーリーは薄いものの、アクション映画としての満足度は高でした。東西冷戦終結後の007は打ち切りもあり得たようですが、そういう時代に対応した新時代の007として見事な出来でした。
 
 

https://bs.tbs.co.jp/movie/007tomorrowneverdies/
007/トゥモロー・ネバー・ダイ【吹替】


2022/3/12(土)
よる9:00~11:24


◆キャスト
ピアース・ブロスナン
ジョナサン・プライス
ミシェル・ヨー
テリー・ハッチャー


◆スタッフ
1997年/イギリス
監督:ロジャー・スポティスウッド

 

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