【SF小説】感想「生命ゲームの勝者」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 643巻)(2021年6月16日発売)

生命ゲームの勝者 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-643 宇宙英雄ローダン・シリーズ 643)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123284
生命ゲームの勝者 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-643 宇宙英雄ローダン・シリーズ 643) 文庫 2021/6/16
クルト・マール (著), ペーター・グリーゼ (著), 井口 富美子 (翻訳)
出版社:早川書房 (2021/6/16)
発売日:2021/6/16
文庫:264ページ

【※以下ネタバレ】
 

惑星マルダカアンでブルはついに行方不明だったツナミ艦の生存者を発見。ロワとテケナーは生命ゲームに参加することになるが……


惑星マルダカアンで生命ゲームに参加したロワ・ダントンとロナルド・テケナーは、永遠の戦士の法典に謳われる三つの戒律をことごとく無視しつつも、次々に勝利をおさめていった。やがてふたりは決勝に進出し、ダントンが伯爵の息子ソルトゥウン・アヂュフに、テケナーが反乱軍の首領ウォラシュに扮することになる。対する相手は、法典ガスの過剰摂取で恐ろしい戦闘マシンと化したヴォルカイル扮する暴君、タルジーヴだ!

 

あらすじ

◇1285話 生命ゲームの勝者(クルト・マール)(訳者:井口 富美子)

 惑星マルダカアン。ブルはウパニシャドに潜入し、ついにツナミ艦の乗員を発見するが、彼らは法典分子で完全に洗脳されており、ブルを捕まえてしまった。同じ頃ロワ・ダントンとテケナーは生命ゲームの決勝でエルファード人ヴォルカイルに勝利し、法典分子の過剰摂取で死にかけていたヴォルカイルをイルミナに治療させた。永遠の戦士イジャルコルは、ダントンやテケナーを初めとするヴィーロ宙航士たちに自分の元に来るように指示する一方、ブルとイルミナを法典違反の罪で「トシン」という身分へと落してしまった。(時期:不明:NGZ429年)

※初出キーワード=十二銀河帝国、トシン


◇1286話 女性植物の夢(ペーター・グリーゼ)(訳者:井口 富美子)

 シガ星人ヴィーロ宙航士・ジジと意志を持つ植物コマンザタラは、船の事故でシオム・ソム銀河の未開惑星に漂着した。

 ロワ・ダントン、テケナーたちは、プシ転送機「紋章の門」が新しく設置されるという「惑星パイリア」へと連れてこられるが、転送機の稼働に伴いパイリア周辺の宇宙プシオン・ネットが変質して「凪ゾーン」と化し、ヴィールス船は航行できなくなった。後を付いてきていたブルたちは、突如現れた遷移エンジンを使う宙賊船の助けを借りて逃亡した。(時期:NGZ429~430年初頭)

※初出キーワード=七恒星帝国、ザートラ星系、惑星パイリア、パイリア人、ゴリム・ハンター、テラナー門


あとがきにかえて

 神奈川近代美術館で、雑誌「新青年」についての展示を見た話


感想

・前半エピソード 原タイトル:DAS SPIEL DES LEBENS(意訳:生命ゲーム)

 仮想現実世界で戦う「生命ゲーム」内の設定が、どう見ても地球の中世のそれなのにめっちゃ違和感あり。故郷銀河から4000万光年離れた世界のゲームなのに、めちゃくちゃお馴染みな光景ばっかりです。まあ、全然理解できない世界観にされたら、それはそれで困るかもしれませんけど。


・後半エピソード 原タイトル:COMANZATARAS TRAUME(意訳:コマンザタラの夢)

 ブルとイルミナは「トシン」という賤民的な立場に落とされてしまいましたが、そのわりに結構自由に行動できている模様で拍子抜け。

 色々イベントは起きているのですが、昔とは随分変わって各話ごとの起承転結が無くなってしまったので、なんか締まりのない話がダラダラ続いているような感じで、イマイチ満足感が無い……
 
 
 

600巻~650巻(「クロノフォシル」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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