【SF小説】感想「シオム・ソム銀河の凪ゾーン」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 644巻)(2021年7月1日発売)

シオム・ソム銀河の凪ゾーン (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-644 宇宙英雄ローダン・シリーズ 644)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123292
シオム・ソム銀河の凪ゾーン (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-644 宇宙英雄ローダン・シリーズ 644) 文庫 2021/7/1
ペーター・グリーゼ (著), H・G・フランシス (著), シドラ 房子 (翻訳)
出版社:早川書房 (2021/7/1)
発売日:2021/7/1
文庫:272ページ

【※以下ネタバレ】
 

シオム・ソム銀河のヘラルドゲートをくぐりパイリア星系に来たテケナー、ロワらは門番のウミウシ型のナック種族と邂逅するが……


惑星マルダカアンから惑星パイリアに向かったロワ・ダントンとロナルド・テケナーのパーミット保持者ふたりは、そこで第一の紋章の門“テラナー門”の落成式を挙行することになった。一方、ダントンとテケナーが法典分子に影響を受けるのを阻止するべく、抗法典分子血清を持参したアンドロイドのジョー・ポリネーゼもやはりパイリアをめざす。その体内にシガ星人ルツィアン・ビドポットとスーザ・アイルをしのばせて…

 

あらすじ

◇1287話 シオム・ソム銀河の凪ゾーン(ペーター・グリーゼ)(訳者:シドラ 房子)

 ブルとイルミナは宙賊の船で永遠の戦士に反抗する叛乱分子の基地に連れていかれ、彼らが伝説的指導者「デソト」を探していることを知る。ブルたちは叛乱分子と共にデソトを求める旅に出発した。一方、ロワ・ダントンたちは惑星パイリアで完成した紋章の門を通り、「惑星ブルウグ」に到着した。ロワ・ダントンとテケナーはパーミットのせいで法典分子に支配され始めるが、デメテルとジェニファーの尽力で正気を取り戻した。(時期:不明:NGZ430年頃)

※初出キーワード=ナック種族、惑星ブルウグ、ブルウグ人



◇1288話 蛮人の門(H・G・フランシス)(訳者:シドラ 房子)

 ロワ・ダントンたちは紋章の門による旅を続けさせられ、やがて「惑星ムリロン」に到着した。「ムリロン人」は2000年前に永遠の戦士の手先・ソム人に征服されながらも、戦士の法典の受け入れを拒否し続け、かつて永遠の戦士との戦いを支援してくれた存在「ゴリム」や、伝説の指導者「デソト」の事を語り継いでいた。ダントンたちは、ムリロン人に主権を与えることを主張すると、ソム人は何故かその提案を受け入れ、さらにダントンたちを永遠の戦士イジャルコルに面会させることした。一方ブルたちもムリロンに立ち寄り、この星に隠されていたゴリムの基地を宇宙船として離陸させた。(時期:不明:NGZ430年頃)

※初出キーワード=惑星ムリロン、ムリロン人、蛮族の門


あとがきにかえて

 スイスでの政府のコロナ禍の対応についての話。


感想

・前半エピソード 原タイトル:IN DER KALMENZONE VON SION SOM(意訳:シオム・ソムの凪ゾーン)

 ブルたちは十二銀河帝国の叛乱分子と接触、ロワ・ダントンたちは転送機で目的地不明の旅を……、という話。今回一番衝撃的だったのは、ロワ・ダントン/デメテル夫妻とロナルド・テケナー/ジェニファー・ティロン夫妻の「夜の夫婦生活」がストレートに描写された事(!) 今まで1200話超、期間にしてウン十年もローダン・シリーズを読んできましたが、ここまであからさまに男女の関係について書かれた話は初めてで、もう「えっ? ローダンでこんな話が?!」とドキドキしましたよ(笑)

 あと、謎だらけの力の集合体エスタルトゥに、またまた謎だらけのナック種族が登場。機械無しでハイパー・シグナルを処理できる代わりに通常三次元空間の感覚が無い、ってご飯食べるときとかどうするの? 日常生活をまともに送れそうにない訳ですが……



・後半エピソード 原タイトル:DAS BARBARENTOR(意訳:蛮人の門)

 ロワ・ダントンたちが惑星ムリロンに立ち寄って、圧政にあえぐムリロン人と共闘する話。今まで戦士の法典に従う狂信者みたいな連中ばかり出てきてウンザリしていたので、まともに自由を求めるムリロン人のエピソードにホッとしました。

 あちこちの惑星を転々とさせられて、散々引き延ばしがあったものの、ようやく次こそ永遠の戦士イジャルコルに面会することになるようです。長かった……
 
 
 

600巻~650巻(「クロノフォシル」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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