【映画】感想:映画「MEG ザ・モンスター」(2018年:アメリカ・中国)

MEG ザ・モンスター [Blu-ray]

土曜プレミアム - フジテレビ http://www.fujitv.co.jp/b_hp/premium/
放送 フジテレビ系。2020年8月8日(土)

【※以下ネタバレ】
 

太古の昔に実在した超巨大ザメ・メガロドンが深海からよみがえり人間たちに襲いかかる!立ち向かうのはワイルド・スピードシリーズのジェイソン・ステイサム!地上波初登場

 

あらすじ

 水中救助活動のプロ・ジョナス・テイラー率いる救助チームは、フィリピン海溝に沈没した原子力潜水艦の救助作業に向かっていた。作業中テイラーは巨大な生物が潜水艦に体当たりしていることを知り緊急脱出するが、その際同僚の一人を失ってしまう。

 五年後。中国・上海沖に設置された海洋研究所「マナ・ワン」では、アメリカ人富豪モリスの出資の下、マリアナ海溝の調査を進めていた。研究チームのリーダー・ジャン博士の考えでは、今まで海溝の底と思われていた部分は硫化水素の膜で、その下には人類未踏の世界が広がっているはずだった。

 調査用潜水艇は、硫化水素の幕を突破し、その下に隠されてた世界に突入するものの、そこで巨大な生物に襲撃され行動不能に陥ってしまう。ジャン博士は今はタイで引きこもっていたジョナスに救助活動を依頼し、ジョナスは潜水艇の乗組員の救出に成功するものの、その際に全長20メートルの巨大サメに遭遇する。

 巨大サメは数百万年前に絶滅したはずのサメ「メガロドン」だった。しかもメガロドンは海底から噴き出した温水の塊にのって海面近くまで浮上してきたことが判明する。ジャン博士たちはメガロドン捕獲に向かい、苦労の末仕留めることに成功するが、直後さらに巨大な二匹目のメガロドンが出現し、ジャン博士は死んでしまう。

 ジョナスたちはメガロドンが海水浴場に向かっていることを知り、すぐさま退治に向かう。ジョナスは小型潜水艇メガロドンの胴体を切り裂き、その血に集まって来たサメの大群がメガロドンを食い殺した。おしまい。

感想

 評価は△(内容が無いよう)

 SFモンスター映画とも純粋サメパニック映画ともどっちつかずのB級ダメ映画。

 二十数年前にこの映画の原作となる小説「メグ」を読んだことがあって、その本のどこかに「ハリウッド映画化決定」とか書いてあったことを覚えていますが、そのあと全く音沙汰がなく、忘れかけていたころにようやくの映画化。旬を過ぎすぎにも程がある(笑)

 ちなみに原作小説は「海の中には寒暖が逆転して、上が冷たく下が温かいという層があり、その温かい水の中で数百万年前に説滅したはずの太古の巨大鮫が生き残っていた」というまともなものだったのですが、映画の方はそういう説明一切抜きの原作と程遠い内容になっています。そもそも中国人は一人も出ていた記憶がないぞ。

 前半のマリアナ海溝での救助パートは、水中にビューンと潜っていける大きな窓のついた小型潜水艇が登場したりして、もうリアリティ放棄の軽いSF。そこまでは良いとしても、水中で救助を待つ際の襲い来る恐怖とか、巨大サメが出てくるときの期待感とか、そういうものが一切感じられない、なんというか見ているかいの一切無い内容で、がっかりにも程がありました。

 また、そのあと、中盤パートは前半の展開から一転し、「ジョーズ」で見たような船による現実に寄せたサメ狩り話になってしまい「SFなのか普通の鮫映画なのかはっきりしろ!」と苛つかされました。そして起きるアクシデントも大体「ジョーズ」で見たようなアレばかりだったし。

 さらに、終盤は、せっかく(?)サメが客がいっぱいの海水浴場までやって来たのに、人間を一人も食い殺さないというぬるい展開に怒りが爆発でした。サメ映画といえば、人間が無惨に食い殺されて、肉片が飛び散って海が真っ赤に染まる、というシーンを見せるのが製作者の矜持でしょう。血を一切見せないとか、観客を舐めるにも程がある。

 それでも、最後は巨大サメをミサイルで吹き飛ばして爽快決着にしてくれれば赦せたのですが、それすらもせず、「巨大サメは他の鮫にくわれて死んでしまいました」という拍子抜けオチ。もうこれはあり得ない。

 ということで、B級SF映画なのか普通の鮫映画なのかとジャンルがぶれている上に、殺戮シーンも無ければ、爽快な結末も無い、と、全く褒めるところのない映画でした。まったくもう。


 しかし、ヒロイン(?)のリー・ビンビン、とても45歳には見えなかった。ああいうのが美魔女ってやつですかね。
 
 

https://www.fujitv.co.jp/b_hp/megthemonster/
土曜プレミアム・映画「MEG ザ・モンスター
巨大ザメの襲来!地上波初
前回の放送日時 2020年8月8日(土) 21:00~23:10


放送内容詳細
潜水艇のSOSを受けて東シナ海の海溝に潜ったレスキュー・ダイバー、ジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)は、そこで信じられないほど巨大なサメ、メガロドン通称〈MEG〉を目撃。しかし信じる者はひとりもおらず、彼は同僚を死なせた責任を取り、海難救助の一線から退く。


5年後、大陸から200キロ離れた海洋研究施設から潜水した探査船が未知の海溝を発見。ところがその直後、探査船は消息を絶つ。未知の海溝だけに捜索は簡単ではなく、ジョナスに白羽の矢が立てられ、復帰を決意して現地へ飛ぶ。そんな彼の前に、全長23mのあの巨大なサメMEGが再び姿を現わした!巨大モンスターの猛襲をかわし、ジョナスは元妻や先に救助に向かっていたスーイン(リー・ビンビン)をなんとか救い出す。


MEGと呼ばれる、このサメは200万年前に絶滅したはずの史上最恐、最大の古代生物。研究所のスポンサーは、この世紀の大発見を儲け話に換えようとスーインらに捕獲を命じた。仕方なくジョナスも加わり、MEG捕獲作戦は実行に移された。


やがて彼らは知ることになる、それが大きな過ちであったことを。研究施設はMEGの暴走によって無残に破壊され、海洋に投げ出された彼らの身に危険が迫る。さらに悪いことに、MEGは暖流に乗り、海水浴客でにぎわうビーチに接近していた。ジョナスらは、この危機を乗り切れるのか?人類は、果たしてこの脅威から逃げ切れるのか!?



出演者
ジョナス・テイラー: ジェイソン・ステイサム山路和弘
スーイン: リー・ビンビン(魏涼子)
モリス: レイン・ウィルソン伊藤健太郎
ジャックス: ルビー・ローズ(清水はる香)
ジャン博士: ウィンストン・チャオ(加藤亮夫
マック: クリフ・カーティス川島得愛



スタッフ
【監督】
ジョン・タートルトーブ

【原作】
ティーヴ・オルテン

【製作】
ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ/ベル・エイブリー/コリン・ウィルソン

【脚本】
ディーン・ジョーガリス/ジョン・ホーバー&エリック・ホーバー

 
 

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