【SF小説】感想「異銀河のストーカー」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 626巻)(2020年10月1日発売)

異銀河のストーカー (宇宙英雄ローダン・シリーズ626)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123012
異銀河のストーカー (宇宙英雄ローダン・シリーズ626) (日本語) 文庫 2020/10/1
エルンスト・ヴルチェク (著), 林 啓子 (翻訳)
発売日 : 2020/10/1
文庫 : 287ページ
出版社 : 早川書房 (2020/10/1)

【※以下ネタバレ】
 

クロノフォシル・テラが活性化した! 人々が異郷への憧れを感じはじめたなか、アダムスは宇宙ハンザの臨時会議を招集するが……


ヴィールスインペリウムが暗黒エレメントとの戦いに打ち勝ち、ついにクロノフォシル・テラが活性化した。これをみずから体験した者はみな、深い洞察と強い連帯感を呼びさまされ、銀河系全体をひとつの大家族とみなすようになる。真のギャラクティカーの誕生だ。そして同時に、かれらは異郷への憧れ、星々への憧れを感じはじめた。そんななか、ホーマー・ガーシュイン・アダムスは宇宙ハンザの臨時会議を招集するが……

 

あらすじ

◇1251話 異銀河のストーカー(エルンスト・ヴルチェク)(訳者:林 啓子)

 クロノフォシル・テラは活性化され、その影響を受けた者は、銀河系住民同士の強い連帯感と、未知の星々へのあこがれを感じるようになった。ヴィールスインペリウムは、暗黒エレメントとの戦いで分解した後、自らを高性能宇宙船・ヴィールス船に変化させ、人々に提供し始めた。ローダンは、クロノフォシル・エデンIIの活性化にはもはや無限アルマダは必要ないと判断し、護衛の《ソル》を付けて、二億光年離れたベハイニーン銀河に先行させた。

 ローダンたちは、アダムスから「警告者」こと異人「ソト=タル・ケル」、通称「ストーカー」を紹介された。ストーカーは、4000万光年離れたおとめ座銀河団に属する「エレンディラ銀河」からの来訪者で、12の銀河を統治する超越知性体「エスタルトゥ」の使者として、銀河系に交易を求めていた。ストーカーはエスタルトゥ諸種族は、秩序・混沌のどちらにも属さない第三の道を歩んでいると説明し、タウレクを敵視する。(時期:~NGZ429年2月20日)

※初出キーワード=ソト=タル・ケル/ストーカー、エレンディラ銀河、超越知性体エスタルトゥ、エネルプシ・エンジン、プシ・リフレクター



◇1252話 ヴィーロ宙航士の旅立ち(エルンスト・ヴルチェク)(訳者:林 啓子)

 ローダンの前に“それ”が現れ、今後への警告や、銀河系が「ギャラクティカム」となったことを伝えた。ローダンは“それ”にエデンIIの位置を訪ねるものの曖昧な答えしか得られず、仕方なく当てもないまま《バジス》でエデンII捜索に出発した。一方、多くの人々が星々へのあこがれにとりつかれ、ヴィールス船の乗員「ヴィーロ宙航士」になり始めていた。ブル、イルミナ・コチストワ、ロワ・ダントンたちも、公職を辞した後、自らのヴィールス船を手に入れていた。

 ストーカーは銀河系の住民にエスタルトゥ12銀河の魅力を宣伝し始めた。テケナーはストーカーが太陽系外縁に仲間の乗った宇宙船を隠していたことを突き止め、ストーカーを挑発すると、ストーカーは正気を失ってテケナーたちを監禁した。しかしアダムスのとりなしで、全ては悪意のない誤解だったということにされてしまう。(時期:NGZ429年2月24日とその前後)

※初出キーワード=グラヴォ・エンジン、プシオン・ライン、ギャラクティカム、ヴィーロ宙航士、ウパニシャド生命学校、パーミット、プテルス種族 ※エスタルトゥ銀河名と奇跡は後述


あとがきにかえて

 2020年8月28日時点で、コロナウイルス蔓延のため在宅勤務をしている、という話


感想

 前半エピソード … 原タイトル:STALKER(意訳:ストーカー)

 サイクルの後半戦に突入した途端、物語の雰囲気がまるで変ってしまって困惑……、サイクル前半戦は「無限アルマダ」「クロノフォシル」「混沌の勢力」というキーワードで推し進めてきたのに、突然この回からそんな設定は無かったような空気になり、代わって「宇宙ハンザ」「エスタルトゥ」「ストーカー」云々という用語で埋め尽くされてしまっている……

 まだクロノフォシルの活性化は終わっていないし、混沌の勢力「エレメントの支配者」は健在だというのに……、今までやって来た全てを放り出したような新路線に違和感というかそういうのしか感じないんですが……、大丈夫なんですかね、今後。

 ところでP31でベハイニーン銀河までの距離は二億光年と書かれていますが、623巻のP268では四億二千万光年と書いてましたよ? どちらが本当なのか……

 P35。カプセル光線族の濃淡グリーン、まだ《ソル》にいたとは(笑)

 P37。サーフォ・マラガンのスプーディー消滅……、フォルツの遺産であるベッチデ人たちを作者チームは持て余していて、この辺りで設定を大掃除しておこうと思ったのかしらん。



 後半エピソード … 原タイトル:START DER VIRONAUTEN(意訳:ヴィーロノートの旅立ち)

 クロノフォシル・テラの活性化の影響で、テラナーの重要人物たちが次々仕事を放り出して、宇宙の渡り鳥「ヴィーロ宙航士」になってしまうという驚愕展開。先行きに不安しかない。

 また、P178でしれっと「銀河系はギャラクティカムになった」と、ローダン悲願の(多分)銀河系統一が達成されましたが、このドタバタの中でそんなことを言われてもさっぱり喜べないですよねぇ。
 
 そして一見にこやかで耳ざわりの良いことしか言わないけど、実は狂暴、というストーカー、もろに侵略系SFの登場キャラです……
 

[参考]エスタルトゥの銀河とその奇跡

エレンディラ銀河(M-60/NGC4649)…奇跡名「至福のリング」
・シオン・ソム銀河(NGC4503)…奇跡名「紋章の門」
・スーフー銀河(NGC4596)…奇跡名「怒れる従軍商人」
・シルラガル銀河(NGC4579)…奇跡名「歌い踊るモジュールの輪舞」
・トロヴェヌール銀河(NGC4564)…奇跡名「オルフェウス迷宮をめぐるカリュドンの狩り」
・ムウン銀河(NGC4608)…奇跡名「番人の失われた贈り物」
アブサンタ=ゴム銀河(NGC4567)…奇跡名「不吉な前兆のカゲロウ」
アブサンタ=シャド銀河(NGC4568)
 
 

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