【TRPG】感想:TRPGルールブック「ファイティング・ファンタジー」(スティーブ・ジャクソン/1985年)

アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版
アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版
 

http://www.amazon.co.jp/dp/4488901050
ファイティング・ファンタジー・基本ルールブック (日本語) 文庫 1985/12/1
スティーブ・ジャクソン (著), 本田 成二 (著), S.ジャクソン (著)
発売日 : 1985/12/1
文庫 : 310ページ
出版社 : 東京創元社 (1985/12/1)

【※以下ネタバレ】
 

『ソーサリー』四部作でおなじみのスティーブ・ジャクソンが『ソーサリー』などのファンタジーアドベンチャーゲームブックの読者のために書き下ろした、本格的ロールプレイング・ゲーム。既成のアドベンチャーゲームではものたりないという人のためには、自分でゲームを作るためのヒント集も収められている。ゲームブック・ファン待望の書!

 

内容

1.アドベンチャーゲームブックからロールプレイング・ゲーム

 ロールプレイング・ゲームの説明。ゲームブックならは二、三の選択肢しか選べないが、人間相手にプレイするロールプレイング・ゲームなら、思いつく限りどんな行動でも試すことができる。


2.ゲームマスター

 ロールプレイング・ゲームの進行役「ゲームマスター」について。プレイの具体例、ゲーム中に行う各種の判定、など。


3.プレイヤー

 冒険を行うプレイヤーキャラクターの説明。「技量」「体力」「運勢」の各ポイントを決定して作成する。


4.怪物との戦い

 戦闘ルールの説明。


5.起こりやすい状況への対処の仕方

 ゲームマスター向けに、ダンジョン内での視界についてや、扉を開けるときの判定など、様々な状況でどうふるまうべきかの説明。


願いの井戸(シナリオ)

 初めてゲームマスターを担当する初心者向けシナリオ。ダンジョン探索物。


シャグラッドの危険な迷路(シナリオ)

 長編シナリオ。


ロールプレイング・ゲームを発展させていくためのヒント

 新しいシナリオはファンタジー映画、小説、漫画などをヒントに作り出そう云々


感想

 2018年頃から新作TRPG「アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版」が展開されているのですが、最近このゲーム関係の記事を色々読んでいるうちに、原点である(アドバンストが付いていない)「ファイティング・ファンタジー」の事がやたら懐かしくなってしまいました。そして軽く調べてみると、中古価格がお手頃だったことから(ほぼ新品と同じ値段)、思い切って購入したのですが……

 うわぁ、懐かしい……、読み込んでいると、ゲームブックTRPGがまだまだ目新しい趣味だった1980年代半ばにタイムスリップしたような気持になれました。


 本の内容は、大まかに言えば「TRPGのルールブック+サンプルシナリオ2本」ですが、無味乾燥なルールの羅列、というわけではないのが良い所。発売されたのが1985年末と日本のTRPGの黎明期だけに、入門書としての要素もあり、「ロールプレイングゲームとは何か?」という基本のキの説明から始まっています。

 そしてロールプレイング・ゲームの説明として、ゲームブック火吹山の魔法使い」の導入部をTRPGとしてプレイするとこんな風になる、という事を、ゲームマスターとプレイヤーの会話の形で掲載しており、「昔はこういうサンプルプレイでTRPGの何たるかを説明するのが常識だったよなぁ」と凄く懐かしくなりました。


 ゲームの基本的なルールは、有名なゲームブック・シリーズ「ファイティング・ファンタジー」の物をそのまま使用しており、

・キャラクターは「技術」「体力」「運」の3つのパラメーターをダイスで決める
・戦闘は、互いに6面ダイス2個の出目を技術点に足し、数値が大きいほうが相手の体力点から2点引く

とほぼこれだけ。一応ゲームマスター向けには「これこれの場合にはサイコロを振って、これこれの数値より大きければ成功」云々というものがありますが、大した量ではありません。おそらく市販されたTRPGの中では最もルールが簡単なゲームでは無いでしょうか。


 全300ページのうち、ルールは80ページ程度で、残りはサンプルシナリオ二本で占められているのですが、これが読んでみると、まんまゲームブック。どちらのシナリオもダンジョン探索物ですが、まず最初にダンジョン全体の地図が掲載され、部屋毎に番号が振られています。そして、番号毎に部屋の状況を示すイラストが掲載され、どんな状態なのか視覚的に把握できるうえに、ゲームブック風に「部屋の中はこれこれの状況だった」という説明文が書かれているので、ゲームマスターはそれを読み上げれば良いという親切設計。

 発生するイベントもいかにもゲームブックノリで、箱が二つあり、右の箱は開けると金貨が手に入るが、左の箱は罠で体力を失うだけ、といった感じの舞台設定が色々用意されています。出会うキャラクターとはむやみと戦うのではなく、慎重に交渉すればゲームクリアに必要なアイテムが手に入る、等という展開もゲームブックでよく見た光景です。ある程度ゲームブックをプレイした人間ならば、さほど苦労も無くゲームマスター/プレイヤーどちらも担当できることでしょう。


 ということで、ゲームブックブーム当時の事を懐かしく思い出せるアイテムとして、これは買って良かったな、というところですね。
 

2020年の読書の感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
魔法使いの丘‾ソーサリー (1)