【OVA】感想:アニメ(OVA)「装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE(ケース;アービン)」(2011年)

装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE

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【※以下ネタバレ】
 

装甲騎兵ボトムズCase;IRVINE OVA(全1話)ボトムズフェスティバル第1弾
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2011年2月25日発売


ボトムズフェスティバル第1弾としてイベント上映


異なる主義を持つ二人の男の戦い ~ここは試合か?戦場か?~
アービンは妹のドナと共に新天地への脱出を夢見てATの整備工場を営んでいる。
そのアービンにはウラの顔があった。ATの勝敗による裏賭博“バトリング”の凄腕ファイター“ザ・ダーク”。興行師イシュルーナのマッチメイクでペイガンという男と戦い、ペイガンの勝利で終わった。しかしペイガンは気付いてしまった。手加減された!?
そう、アービンは負け役のみを請け負う八百長ファイターだったのだ。
「バトリングは戦争じゃない、只の遊びだ」というアービン。
「戦場は勝った者が生き、敗者は死あるのみ」という信念を持つペイガンは屈辱を狂気へと変え、アービンの日常=ドナをも戦火へと巻き込んでいく…。

 

あらすじ

 とあるバトリング会場では、ペイガンという選手が圧倒的な強さで対戦相手たちを皆殺しにしていた。しかし、遅れて現れた「ザ・ダーク」という選手のATには手も足も出ないまま翻弄され、ペイガンは死を覚悟する。しかしザ・ダークは何故かとどめをささずに立ち去り、形の上ではペイガンの勝利となった。ペイガンは自分に情けをかけたザ・ダークに怒りを覚える。

 ザ・ダークの正体は帰還兵のアービンで、負け役専門の八百長を請け負う選手だった。ペイガンのエージェントのイシュルーナは、アービンに自分の元で働くように持ち掛けるが、アービンはすげなく断る。

 アービンは、妹のドナと二人暮らしをしながら、昼はATの整備工場を経営していた。アービンはドナには一切の戦いから手を引いたと説明しており、バトリングの選手であることを隠し続けていた。アービンのエージェントで戦友でもあるシラフは、アービンにもっと割の良いマッチメイクを提案するが、アービンは戦場の経験から負け役以外を断り続けていた。

 イシュルーナはシラフに大金を掴ませて、アービンをバトリング会場に呼び寄せるが、アービンの運転するトラックの中にはドナが潜り込んでいた。会場についたアービンは、ペイガンとの再度の対戦をマッチメイクされていること、またシラフがイシュルーナと取引して自分を売った事、を知らされる。

 アービンはペイガンにバトリングは所詮実戦では無いというが、その言葉に反発したペイガンは観客席に向けてミサイルを撃ち込み、観客たちを殺戮し始めた。イシュルーナは慌ててペイガンを制止しようとするが、ペイガンは聞く耳を持たず、さらに会場の破壊に取り掛かる。

 イシュルーナはアービンのトラックに同乗して逃走するが、トラックを追撃してきたペイガンは警察のヘリも撃墜するなど暴走を続ける。アービンたちはイシュルーナのアジトに逃げこむが、ペイガンはアービンに対決を要求する。シラフはペイガンを止めようとATで立ち向かうが、あっさり返り討ちに会って殺される。

 ドナはアービンが自分を騙してバトリングを行っていたことを知り非難する。アービンはATを改造すると、ペイガンとの戦いに向かう。ペイガンは、アービンがかつて戦争で「ビショップワン」というコードネームで活動していた兵士で、ゲリラに包囲された際、敵味方を問わずに殺戮し、ただ一人生き残った過去を突きつける。

 アービンはペイガンとの死闘に勝利するが、また相手を殺してしまったことを悔やみ、銃で自殺しようとする。しかし瀕死のペイガンは銃撃してそれを止めた後、こと切れた。そこにドナとイシュルーナが駆け付けてきて終わり。
 
 
 

感想

 評価は○(まあまあ)

 2011年に作られた新生ボトムズシリーズの一作。世界観はボトムズ世界ではあるものの、高橋良輔氏は全く関わっておらず、またキリコたちの物語とも一切関係が無いというスピンオフ作品。

 キャラデザが「舞-HiME」の人で、塩山紀生キャラとはあまりにも違い過ぎるので、ぱっと見は抵抗があったのですが、話としては悪くない部類でした。ボトムズ第1クール「ウド編」をベースにした感じのストーリーで、概ね「こういうボトムズが見たい」という方向の話だったので、割と満足度は高し。

 また、メカが手描きというのも高評価。ゼロ年代に入ってから他のボトムズ作品ではATがCGで描かれるようになってきていたのですが、やはり味が無いです。手間はかかると思いますが、やはり手で描いたものでないとねぇ。

 まあ、ATのデザインが「アーマードトルーパー」というより、蒼き流星SPTレイズナーのSPTっぽかったりしたのはどうかなって気がしましたし、ペイガンの機体が最終決戦時には巨大アームや何やらで超パワーアップして「もうこれATじゃねーだろ!」という状態になっていたのは、ツッコミを入れずにはいられませんでしたが……

 終盤にイシュルーナがツインテールになるのは、ウケ狙いであざといなぁって気がしました(笑) いい大人がそんな髪型するかぁ、みたいな。


 全体的には悪くは無かったとは思うのですが、話の方向性が暗すぎて、ガンダムのようにスピンオフが次々と作られるような事にはならなかったのが残念。まあ「明るいボトムズ」というのも、それはそれで何か違う気がするので、難しい所ではありますが……

 雰囲気良し、作画良し、声優良し、の思ったよりいい出来の作品ではありましたかな。ここからスピンオフが量産される流れを作れなかったのが減点対象というくらいです。
  
装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE [レンタル落ち]
 

https://www.at-x.com/program/detail/12451
装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE
【60分×1話】


<ストーリー>
新世代ボトムズ第一弾!


<スタッフ>
原作:矢立 肇、高橋良輔
監督:五十嵐紫樟
脚本:佐藤卓哉
キャラクターデサイン・キャラクター作画監督久行宏和
メカニカルデザイン大河原邦男寺岡賢司
カニカル作画監督:前田清明
美術監督:加藤靖忠
音響監督:たなかかずや
音楽:池 頼広
製作:サンライズ


<キャスト>
アービン:平川大輔
ペイガン:福山 潤
ドナ:豊崎愛生
イシュルーナ:遠藤 綾
シラフ:白鳥 哲
デニス:広瀬正志


2011年OVA作品 全1話

 

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星を求めて