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放送 AT-X。
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【※以下ネタバレ】
第12話(最終話) 『stage 12 ラストステージ」(発売日:1989年4月28日)
あらすじ
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キークによってヘルメシオン准将殺害の汚名を着せられたメロウリンクとルルシーは、コーザシティ基地からの脱出を計る。だが、その途中でメロウリンクは基地のAT乗りから罵られる。「仲間の仇」と。自分の行為もまた、誰かの仇となっていたことに気づかされ、呆然とするメロウリンク。
そこへキークからの通信が入る。キークはシュエップス少尉の裏切り行為を語った。シュエップス少尉は上層部との取引に応じて小隊を犠牲にし、成功の暁にはシルバースター勲章を約束されていたというのだ。そして、メロウリンクの復讐をチャチで鼻持ちならない自己満足だとあざ笑う。ルルシーが通信機を壊したことにより、キークの言葉は中断された。だが、メロウリンクは動揺せずにいられなかった。もちろん、キークの言葉が真実であるという証拠はなにもない。しかし、あの時ミヨイテでシュエップスが見せたささいな表情を思い出したメロウリンクには、自信を持って否定することもできなかったのだ。兵士たちの銃撃で我に返ったメロウリンクは、ルルシーとともに基地から脱出する。
その頃、惑星メルキアの衛星軌道上には、バララント軍の艦隊が迫っていた。基地から離れたところに落ち着いたルルシーは、メロウリンクにともに逃げることを提案する。だが、メロウリンクは彼女に街へ向かうよう伝え、自分は基地に戻ることを告げた。
全12話中の第12話。
メロウリンクとルルシーは、トラックでコーザシティ基地からの逃亡を図り、一方キークはバッテンタイン中将の特命をかさに着て基地の全権を握り、二人を追撃させた。
キークは無線でメロウリンクに呼び掛け、シュエップス小隊の最後の任務についての秘密を打ち明ける。シュエップス少尉は上層部からの無謀な命令を受け入れる代わりに、もし帰還した暁にはシルバースター章を約束されており、メロウリンクの復讐は全て無駄だったと嘲笑する。ルルシーは無線を破壊し罠だというが、メロウリンクは動揺する。
キークはなおも追撃を続けさせようとするが、惑星の軌道上にバララント艦隊の接近が確認され、メロウリンクの追跡どころではなくなり、基地は臨戦態勢に入る。
メロウリンクたちは追跡を振り切るが、メロウリンクはルルシーに一人で街に向かうように言い、自分は基地へと戻っていく。そして基地と艦隊との戦闘が開始された中で、待ち構えていたキークと対峙する。自分を利用したキークを許せないメロウリンクと、スキャンダルの関係者の口をふさごうとするキークの戦いは、メロウリンクの勝利に終わる。そして基地はバララントの攻撃で壊滅する。
基地から離れ荒野を歩くメロウリンクの前に、ずっと待っていたルルシーの姿が見えた。<完>
感想
最終回に相応しく盛り上がった展開で良し。シュエップス少尉の話が本当だったのかキークの作り話だったのか、その辺りをあいまいにしつつ終わらせたのもこれはこれで良かったかなと。最後の敵となったキークが、最期には「お前なら戦争という巨大な流れからはみ出て生きていけるかもしれん」とか良い感じの台詞を残しつつこと切れるとか、なかなか味がありました。
さて、今回やっと気が付いたのですが、このシリーズは
・主人公が休戦直前に参加した作戦で、上官たちの裏切りで死にかける
・その後、軍を脱走して軍に追われる身となる
・主人公はPS計画に巻き込まれていた
・最終回でバララントとの休戦が終わり再度戦争が始まる
と、TV版「装甲騎兵ボトムズ」の物語と、主人公の立場も扱っている期間も同じなんですよね。30年前に見た時には、単にスピンオフシリーズとしか受け止めていませんでしたが、ちょっと考えれば「裏ボトムズ」だったわけです。なるほどねぇ。
総括
1988~1989年にOVA展開された「装甲騎兵ボトムズ」のスピンオフシリーズ。
上層部の裏切りで戦友を失った兵士メロウリンク・アリティが、軍を脱走した後、命令を下した元上官たちに復讐を果たしていく、というハードボイルド物。
元々ボトムズ世界は殺伐としたハードな世界観でしたから、こういう設定の話を十分受け止める余地があった訳ですが、実に上手く話を組み立てていました。
最初は単なる単発の復讐談だったのが、後半になって「PS計画」が絡んでくるというボトムズ本編との連携や、最終盤の意外な(?)展開、等、後ろに行けば行くほど話のクオリティが上がっていったのは嬉しい限りでした。特に最終回は何回も見返したくなるくらい見ごたえがありましたしね。
30年ぶりの視聴でしたが、十分見直す価値のある作品でした。
機甲猟兵メロウリンク
https://www.at-x.com/program/detail/1173<ストーリー>
軍隊の暗部によって濡れ衣を着せられ仲間を殺されたメロウリンクが、その青春をかけて復讐を誓う。巨大なライフルと、おのれの身一つで鋼鉄のATに挑む異色ロボットアニメ。
濃厚なボトムズワールドを完全に継承し、本編以上に練りこまれたミリタリーとハードボイルドが魅力の外伝作品。
<スタッフ>
企画:伊藤梅男(バップ)、渋江靖夫(サンライズ)
原案:江田文行
原作・シリーズ構成:高橋良輔
キャラクターデザイン・作画監督:谷口守泰
メカニックデザイン:大河原邦男
音楽:乾 裕樹
音響:浦上靖夫
美術:平川栄治
撮影:奥井 敦
監督:神田武幸
プロデューサー:平山博志(バップ)、指田英司(サンライズ)
製作:バップ、サンライズ
<キャスト>
メロウリンク:松本保典
ルルシー:玉川紗己子
キーク:大塚明夫
ドックマン:永井一郎
フォックス:納谷六朗
スタブロス:加藤精三
ゴメス:飯塚昭三
ゴルフィ:若本規夫
ガナード:岸野一彦
ボイル:兼本新吾
バンス:仲木隆司
ヌメリコフ:三田松五郎
シュエップス:森 功至
スタルコス:田中信夫
ヘルメシオン:阪 脩
1988年-1989年OVA作品 全12話