【特撮】感想:特撮「ウルトラセブン 4Kリマスター版」第6話「ダーク・ゾーン」

ウルトラセブン Vol.1 [DVD]

ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。

 

第6話 ダーク・ゾーン

 

あらすじ

ウルトラセブン 4Kリマスター版(6)「ダーク・ゾーン」
[BS4K] 2021年05月09日 午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)


ウルトラセブン』初の4K化・国内初放送!アンヌ隊員に忍び寄る謎の黒い影。その頃宇宙空間都市ペガッサから地球の軌道を変更してほしいという連絡が入った。


1967年に地上波放送された『ウルトラセブン』を初の4K化・国内初放送!アンヌ隊員のプライベート・ルームに謎の黒い影が出現した。黒い影は、自分の正体は宇宙人であり、危害を加えるつもりは全くないのだと語った。そのころ、宇宙空間都市ペガッサから、システムトラブルが発生したため、地球の軌道を変更してほしいという連絡が入っていた。このままでは地球と衝突するというのだ!


【出演】中山昭二森次晃嗣ひし美ゆり子毒蝮三太夫阿知波信介古谷敏

 
登場 … 放浪宇宙人 ペガッサ星人

 アンヌの私室に黒い影のような物が現れ、怯えたアンヌはダンを呼んでくる。影は自分は遠い都市から来たが事故を起こして傷ついていると言い、治療は済ませたので治るまで黙っていてくれと頼む。ダンとアンヌはその言葉を信じ、とりあえず二人だけの秘密にした。

 やがてダン・アンヌと影は打ち解け、影は地球人が想像してたような怖い存在ではなかったという。影の故郷である都市は科学的に極めて進歩しており、水や空気も巨大な工場で生産しているという話に、ダンたちは驚く。

 同じ頃、地球防衛軍は、宇宙空間の「宇宙空間都市ペガッサ」と名乗る相手からの通信を受信していた。通信によれば、ペガッサ市は動力の故障で漂流しており、地球の軌道に入りそうなので地球の軌道を変更してくれとのことだった。

 ダンは影にペガッサ市から来たのではないかと問い詰めるが、影は否定する。影によればペガッサ市は、ペガッサ星が消滅する前に脱出したペガッサ星人が宇宙空間に作った都市で、密度は地球の8万倍だという。ダンはペガッサ市が地球に衝突すれば地球の方が破壊されると知る。影はこともなげに地球が軌道を変えればいいというが、地球人はそんな技術を持たない事を知り驚愕する。

 キリヤマたちは影の事を知り、攻撃しようとするが、アンヌの必死の懇願で部屋を立ち去る。

 地球防衛軍はペガッサ市を爆弾で破壊することを決定し、その前にペガッサ星人を脱出させ地球に避難させることにした。ダンは必死でペガッサ市に呼び掛けるが応答はなく、やがて新型爆弾によりペカッサ市は破壊された。

 同じ頃影は突然アンヌに、自分は地球を破壊するので、ダンと一緒に脱出しろと命令する。影の正体はペガッサ星人で、地球が軌道変更しない場合に備えて、地球を破壊する任務を帯びてやってきたのだった。地球に戻ったダンは、ペカッサ星人から地球を破壊する爆弾を地球の中心に向けて打ち込んだと知らされる。そしてペガッサ星人はペガッサ市が破壊されたと知ると、復讐を宣言する。しかしダンはセブンに変身してアイスラッガーでペガッサ星人を追い払い、爆弾は宇宙に運んで爆発させた。

 後日。パトロールに出たダンとアンヌは、暗闇の中にあのペガッサ星人がいるような気がすると語り合うのだった。


脚本:若槻文三
監督:満田かずほ
特殊技術:有川貞昌


感想

 評価は○。

 明らかに子供向けに作っていないエピソードで、ある程度の年齢になってから見ると本当に味わい深い話。個人同士は仲良く出来ても立場の違いで敵対してしまう悲しさ、種族同士は恨みはないのにやむにやまれぬ事情から全面対立してしまう悲劇、と、大人の味わいの話です。

 ペガッサ星人は(外見は怖いが)侵略の意図はなく、宇宙を平和に旅する種族であり、影の中の相手もダン・アンヌと世間話をする仲になるなど、時と場所が違えば友好を結べただろう相手でした。しかしペガッサ市の動力の故障という不慮の事態により、どちらが生き残るためには相手を滅ぼすしかない、という悲劇になってしまうわけです。

 ペガッサ星人は地球を破壊しようとしましたが、その前に地球人の方が(自分たちが生き延びるために)ペガッサ市を爆弾で吹き飛ばしているのですから、ペガッサ星人に復讐されても文句の言える立場ではありません。セブンがペガッサ星人に大したダメージを与えずに逃がしてしまったのも、そういう負い目があったからなのかもしれません。

 影の中のペガッサ星人は、悪党ではなく、故郷のために非情な任務を実行しようとしても、ちゃんと恩人のアンヌとダンに逃げろと警告してくれているなど、最後まで良い人(?)で居続けました。本当なら分かり合えたはずなのに、立場の違いで対立してしまう。子供向けの作品なのに、とても重いテーマの作品でした。

 ちなみに、有名な写真で「化粧台に向かうアンヌの後ろから忍び寄るペガッサ星人」というのがありますが、ああいうシーンは本編にはありません。最初見た時は、そういう展開に全くならなくて騙されたと思いました(笑)
 
 
 
メディコム・トイ RAH リアルアクションヒーローズ ペガッサ星人 1/6スケール ABS&ATBC-PVC製 塗装済み可動フィギュア
 
 

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