【ドラマ】感想:NHK番組「六番目の小夜子」(2000年)第2話「亡霊」

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六番目の小夜子 NHK https://www.nhk.jp/p/ts/YLVZ5L91N8/
放送 NHK総合

【※以下ネタバレ】
 

とある中学校に伝わる「サヨコ」という不思議な言い伝え。3年に1度、先代のサヨコから指名された生徒が、秘密裏にサヨコの約束を実行し、その成果が学園生活の明暗を左右するという伝説だ。サヨコ伝説に取り組む三人の少年少女を主人公に、彼らの友情と成長を描く、ミステリー仕立ての学園ドラマ。

 

第2話 亡霊

 

あらすじ

沙世子(栗山千明)にライバル心を燃やす玲(鈴木杏)は、花瓶を元の戸棚に戻すため、秋(山田孝之)と深夜の学校に忍び込む。そんな玲の行動は「深夜の学校にサヨコ出現!」とたちまちうわさに。玲は沙世子に呼び出され、日曜の学校へ。しかし沙世子も玲に呼び出されたという。サヨコをめぐる2人の会話は加藤(山崎育三郎)に立ち聞きされ、サヨコの正体がばれると大変なことになると聞いていた2人は口封じをすることに…。

 
 沙世子はテストで全科目で満点を取り、成績優秀者として貼り出されていた。玲は沙世子に何故神戸の超進学校からただの公立校に転入してきたのか尋ねると、沙世子は「呼ばれたから」と謎の答えを返す。

 深夜。玲は学校に忍び込み、サヨコの花瓶を戸棚に戻そうとするが、戸棚には手紙が入っていた。そこに秋が現れたため驚いた玲は悲鳴を上げてしまい、それを学校の関係者に聞かれて、二人で慌てて逃げ出す。玲が見つけた手紙には「もう一人のサヨコは鍵を返してください」と書かれており、令は沙世子が書いたものだと考え激高する。


 翌日。クラスでは前夜にサヨコが現れたと大騒ぎになっていたが、生徒の一人・加藤は何者かが成績に関するものを盗んだのではないかと神経質になり、担任に食ってかかる。学校では、花瓶が二つ飾られたことから、今年のサヨコは二人いるのではと話題になっていた。

 玲はその日休みだった沙世子の下駄箱に「そちらこそサヨコの鍵と台本を返してください」という手紙を入れておく。玲と秋は友人たちから過去のサヨコの話を聞くが、四人目のサヨコは周りに正体を知られてしまったたため、その年の生徒には様々な災いが降りかかったということだった。

 夜。玲と秋はサヨコの正体がバレるのを恐れ、沙世子の下駄箱の手紙を取り戻しに来るが何故か手紙は消え失せていた。そして二人はまた学校の関係者に見つかりそうになり、慌てて帰宅すると、玲は弟から「津村という生徒から日曜の夕方の学校に来るように連絡があった」という話を聞く。


 日曜日。秋は玲の母親からの連絡で、玲が「津村という≪男子≫生徒」に呼び出されて学校に行ったという話を聞き、慌てて学校に向かう。秋は夜の校内で、実家が蕎麦屋で職員室まで来ていた加藤とばったり鉢合わせする。秋は玲を探すが見つからず、沙世子の家に電話してみると、男の声で「沙世子はいない」と言われてすぐに切られてしまう。

 その頃玲と沙世子は二人で会っていたが、互いに相手から呼び出されたと思っていたことが解り混乱する。沙世子は唐突に学校傍で起きた交通事故の話をした後、「戻って来た」「自分が六番目のサヨコ」と言い放つ。そこに加藤が現れ、二人がサヨコであることを立ち聞きしてそのまま逃げてしまう。玲と沙世子は加藤を追いかけ、沙世子は加藤を追い詰める。


 翌日。秋は担任から加藤が持病のぜんそくが悪化して入院したと教えられ、また加藤の母緒から、加藤から秋への伝言として「戻って来た」「ひをみて」と謎の言葉を伝えられる。

 放課後。玲は沙世子を尾行して彼女の家にたどり着くが、謎の女から「家の中からいるはずのない人間の声がする」という怪しげな話を聞かされる。さらに帰り道に、幼い女の子が道路に「沙世子」と落書きをしているのを見て尋ねると「お墓のお姉さんから教えてもらった」と言われる。

 夜。玲と秋は校舎の隅にある碑を調べる。これはかつて交通事故で死んだ女子生徒のために作られた慰霊碑だった。秋は加藤の言葉が「碑を見て」だったことに思い至る。碑には「昭和六十三年 津村沙世子 享年十五」と刻まれていた。二人は沙世子が「戻って来た」事を悟る。

感想

 二回目も絶好調。沙世子の謎めいた言葉、二人を呼び出したのは誰か、沙世子の実家て聞こえる謎の声、そして慰霊碑に刻まれた名前、等、ホラーっぽい展開が実に良い。

 ちなみに、昭和六十三年は1988年で、劇中の時期西暦2000年の12年前となります。丁度二番目のサヨコの年になりますが、何か関係あるのか?
 
 

【原作】
恩田陸
六番目の小夜子
【脚本】
宮村優子
【音楽】
coba


【初回放送】
2000年4月8日~6月24日
ETVドラマ愛の詩にて放送


潮田玲 (鈴木杏)
津村沙世子 (栗山千明)
関根秋 (山田孝之)
黒川先生 (村田雄浩)
潮田真弓 (美保純)
潮田俊作 (上杉祥三)
唐沢由紀夫 (勝地涼)
花宮雅子 (松本まりか)
加藤彰彦 (山崎育三郎)

 
六番目の小夜子 (新潮文庫)