ウルトラQ 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P5138/
放送 NHK BSプレミアム。
【※以下ネタバレ】
第26話 燃えろ栄光
あらすじ
ウルトラQ 4Kリマスター版(26)燃えろ栄光
[BS4K] 2021年09月20日 午後11:15 ~ 午後11:41 (26分)
35mmフィルム原版から4Kリマスター。ボクサーのジョー。飼っている動物の予言通りに勝利を収めるのが特徴。トカゲのような動物は水から出すと巨大化する性質だった!
人気ボクサーのダイナマイト・ジョー。彼の特徴は、自分の飼っているピーターという動物の予言通りに勝利を収めることだ。一見トカゲのようなピーターは水から出すと巨大化する性質を持っていて……。もともと35ミリフィルムで制作されていた1966年放送の特撮ドラマを4Kリマスター。だれも見たことがなかった「ウルトラQ」。
登場 … 深海怪獣ピーター
プロボクサー「ダイナマイト・ジョー」は、試合前に勝利するラウンドを予告し、試合では予告したとおりに対戦相手をKOする、という派手なパフォーマンスで大人気となっていた。そんなジョーのマスコットは、学名「アリゲトータス」というトカゲのような希少な深海生物で、名前を「ピーター」といった。アリゲトータスは、冷たいと体が縮み、熱くなると巨大化する不思議な性質を持っており、普段は水槽の中で小さな姿で飼われていた。
ある日、ついにジョーは世界王者ロニー・カンポへの挑戦が決定したが、試合一週間前になってジョーが失踪してしまう。万城目・一平・由利子は、あるホテルのショーを見にいくが、万城目はショーに出演しているピエロがジョーだと気がつき、事情を聞く。
ジョーによれば、ピーターはフィリピンで釣りをした際釣りあげたが、ある試合前に何気なしにピーターに試合結果を尋ねてみると、KO勝ちすると表情で教えてくれたという。そしてそれ以降も、ピーターは勝利するラウンドを教えてくれていたが、今度のタイトルマッチではジョーがKO負けると予言したという。万城目は別にピーターに予言能力があるのではなく、ジョーがピーターを通じて自分自身に暗示をかけているだけと解釈する。ジョーは、さらに試合で目を痛め、もう見えなくなってきていると弱音を吐く。
ホテルの支配人は、ピーターが熱で大きさを変える動物だと知り、ショーの出し物に使おうとするが、逃げられてしまう。それを知ったジョーはさらに落ち込み、ピーターがいなければ、ボクサーとしてもピエロとしてもやっていけないと嘆く。
夜。落雷で森に火災が発生し、その熱でピーターは巨大化してしまった。ジョーは決死の覚悟でピーターを海に誘導した。
別の日。素顔に戻ったジョーは、自信に満ちた顔つきで歩き去っていった。<完>。
脚本:千束北男 監督:監督:満田 かずほ 特技監督:的場徹
感想
評価は○(まずまず)。
一応怪獣は出るものの、ほんのお義理で出した感じで、ほぼ全編がとあるボクサーの生きざまを描いた人間ドラマという異色回。超常物とか怪獣物とか、そういう感じはほぼしませんが、それなりに面白いエピソードでした。
今回は、いきなり激しいボクシングの試合から始まって、以後もずっと一人のボクサーの物語で、万城目たちは添え物だし、怪獣も添え物だし、で、最後までどこに着地するのか解らずドキドキさせられました。ピーターが超能力的な物でジョーを勝たせているのかと思ったら、どうもそうではなさそうだし、そもそも途中で失踪してしまうし、で、怪獣がこのボクサーの物語の結末とどう結びつくのかと思ったら、全く結びつかなかった(笑)
別にアリゲトータスを持ち出さなくても、亀とかトカゲとかがペットでも十分成立してしまうエピソードだったので、別段深海生物を持ち出す必然性が無かったのはやや苦しかったなという感強しです。
しかしまあ、一人の人気ボクサーの挫折と再生の物語、という観点からすると、それなりに面白かったのも事実。特撮ドラマとしての面白さではなく、一般ドラマとしての面白さ、というところでしたね。ホテルの支配人・ビル大山がショーの面白さを流れるような口調でまくしたてるシーンとか、記者がプロモーターの奥井に横柄に「なんのつもりだい奥井さん」「あんたが指並べたってはじまらないんだよ」とか言うシーンとか、特撮ドラマの台詞じゃないよね、って感じでしたし、
ところでこの話は結末がよく解らない……、ラストでジョーが道路に倒れていたタイトルマッチの立て看板を引き起こすシーンから「タイトルマッチは開催されず既に終わってしまった」と判断し、ジョーが試合をすっぽかしたと考えていたのですが、「覚悟を決めてタイトルマッチに向かうところ」説もあり、どう判断していい物やら……、結論は見た人の心の中にだけある、とかいうアレでしょうか?
深海怪獣ピーター
他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ
perry-r.hatenablog.com
Vol.2
Vol.3
Vol.4
Vol.5
Vol.6
Vol.7