【少年漫画】感想:コミック「ゲッターロボ號 7巻[完結]」(原作:永井豪 作画:石川賢/1993年5月)

ゲッターロボ號 7 (少年キャプテンコミックス)

http://www.amazon.co.jp/dp/4198330603
ゲッターロボ號 7 (少年キャプテンコミックス) 新書 1993/5/1
永井 豪 (著), 石川 賢 (イラスト)
出版社:徳間書店 (1993/5/1)
発売日:1993/5/1

【※以下ネタバレ】
 

あらすじ

 シベリアでは、連合国軍のロボット軍団と恐竜帝国のメカザウルスが激戦を繰り広げていた。しかし恐竜帝国の最終兵器デビラ・ムウは、マグマを動力源として暴れまわり、人間側のロボット軍団を全滅寸前まで追い込む。ロシアは最後の手段として核ミサイルを使用する覚悟だったが、それは地球そのものを破壊することにつながりかねなかった。

 號は夢の中で「ゲッターロボの意思」と対話していた。直後目覚めた號は、自分が早乙女研究所にいる事、凱は精神を破壊され、渓は脳死状態となり目覚める可能性が無い事、を知る。號はゲッターロボを動かしたこと自体が間違いだったと激怒し、ゲッターロボの破壊を決意するが、竜馬は敵に対抗するためにはゲッターロボが必要だと制止する。

 その隙に錯乱した凱はゲッターロボ破壊を試みるが、自動的に再生したゲッターロボの機体に飲み込まれてしまう。しかし凱はゲッターロボと一体化したことで宇宙の真理に目覚め、號に対して、渓がともにいる事や、ロシアの核ミサイルが発射されようとしていることを伝えて消えた。

 號は凱がどこに消えたのかを知るためゲッターロボを操縦することを決意し、竜馬とタイールも共に乗り込んだ。竜馬は隼人は今後のために必要な人間だと言って置いていくことを決め、三人の乗ったゲッターロボは超高速でシベリアを目指した。

 シベリアでは翔やシュワルツたちがデビラ・ムウと対峙していたが、そこに到着したゲッターロボは、飛来した核ミサイルを自分の内部に取り込んで消滅させてしまう。その瞬間、號もまた宇宙の真理に到達し、エネルギー・生命・時間・空間・命、全てについてを理解する。

 ゲッターロボはデビラ・ムウ内部に突入すると、その巨体をも同化し、デビラ・ムウは巨大なゲッターロボと化した、そして宇宙を目指して飛びたつと、最終的に火星に到着した、その衝撃で火星に海が生まれ、海中では生命が生まれようとしていた。

 最後、隼人が未来に人類が火星に到達したとき素晴らしいものを発見するだろうとつぶやく。<完>


感想

 すげぇ……(言葉を失う)、本当にすごい。

 冒頭からいきなり『ゲッターロボ』が「すべてのものには意思がある」とか言い出して仰天したら、目が覚めたら凱は精神を破壊され、渓は脳死状態という惨状、しかもおかしくなった凱はゲッターロボに取り込まれて消滅してしまう、というとんでもない展開で呆然としていたのですが、そんなのは序の口だった……、終盤の展開と来たらもう……

 「なんということだ。こんな簡単な事だったのか」から「生物も物質も天国も地獄もここにある」「旅立ちの時だ 何も怖れることはない」「いったいこれから何が起こるんだ」「すばらしいことだよ」etcetc、畳みかけるような意味深なセリフも連発がもう心の染みる染みる……

 物語の最初が、ゲッターチームとメタルビーストの戦いという王道スーパーヒーローロボット物として幕を開けたのに、最終巻では宇宙の真理を語るような結末になろうとは予想もしてなかった……、ホント凄い。この巻は、結末があまりにも衝撃的過ぎて興奮してしまいい、すぐさまもう一回頭から読み直してしまった……


 これは、スーパーロボット漫画として凄い、というようなレベルを超えて、一つの物語として凄かった。イヤー、堪能させてもらいました。これは傑作の一言です。

おまけ

 ゲッターロボ號のコミックは、徳間書店版、大都社版、双葉社版、と複数バージョンがありますが、どれもこれも買おうとするとセット売りで7000円~という高値で、正直躊躇させられる値付け。しかし、先日運良く、徳間書店版をばら売りで7冊そろえることができ、しかも送料込みで3900円。発売当時に新品で買っても2800円(1990年代価格)だった事を考えれば、これは実にウマイ買い物をしたなぁという気分です。日頃の行いが良いせいでしょうか?(笑)
 
 

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