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コマンザタラの冒険 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-672) 文庫 2022/9/2
K・H・シェール (著), ペーター・グリーゼ (著), 工藤 稜 (イラスト), 嶋田 洋一 (翻訳)
出版社:早川書房 (2022/9/2)
発売日:2022/9/2
文庫:288ページ
【※以下ネタバレ】
"丸太"から15年ぶりに脱出してきたトスタンとプースに対し、ローダンらはそこでの記憶を呼び覚ますためパラ心理尋問を試みる!
タッファス・ロゾルとロルカ・ヴィセネンは、“丸太”から脱出してきたラトバー・トスタンとポージー・プースの救出に成功する。“丸太”での15年間の記憶を取り戻させようと、ローダンは“パラ心理尋問”にかけるが、記憶はもどらない。最初は協力していたトスタンだったが、やがて「自分を必要としているのは故郷銀河だ」という思いがつのり、相棒のポージー・プースとともに、“タアフル”で故郷銀河をめざすが…!?
あらすじ
◇1343話 虎の王(K・H・シェール)(訳者:嶋田 洋一)
NGZ446年6月。ラトバー・トスタンとポージー・プースーは「丸太」を脱出し、ローダンたちと合流した。しかし、以後三ヵ月の治療にも関わらずトスタンが15年前に行方不明になってからの記憶は回復せず、トスタンはついに強引に故郷銀河に旅立った。故郷銀河にたどり着いたトスタンは、カルタン人と遭遇したことで15年前のことを思い出した。
NGZ430年、トスタンの乗船は事故で異宇宙に転移してしまい、やがてトスタンはカルタン人「虎の王」と出会って友好関係を結んだ、「虎の王」はある任務に投入予定の巨大宇宙船の指揮官で、トスタンも「虎の王」に協力し宇宙船に乗り込んだのだった。(時期:NGZ446年6月30日~11月15日)
※初出キーワード=虎の王。グラヴォエネ(グラヴォ・エンジン+エネルプシ・エンジン)
◇1344話 コマンザタラの冒険(ペーター・グリーゼ)(訳者:嶋田 洋一)
NGZ430年。元ヴィーロ宙航士のシガ星人ジジ・フッゼルは、力の集合体エスタルトゥで遭遇した意志を持つ植物コマンザタラと地球で再会した。
16年後、コマンザタラはジジに、力の集合体エスタルトゥで「丸太」が姿を消したことや、デメテルたちがハイブリッドから解放されたことなどを教える。さらにコマンザタラはカルタン人と出会ったことで、自分が五万年間カルタン人を探していたことを思い出し、また未来のカタストロフィを予言した。ナックはカタストロフィ阻止のため、イーストサイドの「番人の失われた贈り物」を停止させるが予言は変わらず、またスティギアンはナックの反逆に怒り、銀河系破壊を宣言した。(時期:NGZ430年8月15日~NGZ446年11月28日)
※初出キーワード=≪ナルガ・プウル≫(丸太)
感想
・前半エピソード 原タイトル:DER KONIGSTIGER(意訳:虎の王)
新銀河歴時代には珍しい個性派キャラのラトバー・トスタンが暴れまわる話。シェールが書いているからか、ちょっと雰囲気が昔っぽい話でした。
・後半エピソード 原タイトル:DAS ENDE DER HYBRIDE(意訳:ハイブリットの終焉)
16年間かけて、グリーゼの持ちキャラ(おそらく)のジジとコマンザタラが大活躍する話。ハイブリッド植物がコマンザタラの親戚筋だったという設定はちょっとオッとなりました。確かに両方未来予知できますよね。
しかし、もうローダンたちが殆ど何もしなくても、恒久的葛藤勢力が勝手に自壊してしまう、という流れはいかにも物足りません。まあ往年の「敵の支配者種族と大艦隊で決戦!」的な決着方法はシェール時代にさんざんやったと言えばそうなんですけど、ローダンたちが何もしなくても、カルタン人やナックが色々動いただけで、もう戦いの決着はついたようなもんだというのが……、このサイクルはローダンもアトランもいなくても何も問題無かったような。話はそれなりに面白いのですが「ペリー・ローダン物語」ではない……