【SF小説】感想「ストレンジネス狂詩曲」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 685巻)(2023年3月23日発売)

ストレンジネス狂詩曲 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-685)

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ストレンジネス狂詩曲 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-685) 文庫 2023/3/23
K・H・シェール (著), マリアンネ・シドウ (著), 工藤 稜 (イラスト), 嶋田 洋一 (翻訳)
出版社:早川書房 (2023/3/23)
発売日:2023/3/23
文庫:272ページ

【※以下ネタバレ】
 

トスタン、プースらは《ツナミ=コルドバ》でハンガイ銀河へ出発したが、突入後に船内で覚醒した乗組員はこの2人だけだった!


447年7月、新造艦“ツナミ=コルドバ”は、この宇宙に物質化したハンガイ銀河に向けスタートした。乗員はラトバー・トスタンとポージー・プース、5名の司令室要員、ストレンジネス・ショックの被験者150名。その目的はハンガイの星図データを作成し、タルカン宇宙に転移可能な星域を探すこと。だが突入後すぐにトスタンとポージーは覚醒したが、ほかの全乗員は昏睡状態に!この難関に立ち向かうことになった2名は…!?

 

あらすじ

◇1369話 ストレンジネス狂詩曲(K・H・シェール)(訳者:嶋田 洋一)

 NGZ447年7月末。ラトバー・トスタンは新造艦《ツナミ=コルドバ》を率いて通常宇宙側のハンガイ銀河の調査に向かった。ハンガイ突入時のストレンジネス・ショックにより、想定通り大半の乗組員は昏睡状態となるが、耐性のあるトスタンとポージー・ブースの二人は即座に回復し、過去にタルカン宇宙で出会ったカルタン人「虎の王」マン・グロと再会した。トスタンたちは8月4日に予定されていたハンガイ銀河の第三クォーターの転送が行われておらず、次の転送は11月30日になることを突き止めてハンガイを離脱した。(時期:NGZ447年6月27日~8月30日)

※初出キーワード=シングイソ星系/惑星ゴロナク。



◇1370話 全知者たちの暴走(マリアンネ・シドウ)(訳者:嶋田 洋一)

 M-33(三角座銀河)では、カルタン人女性たちがパラ露を使用しても超能力を発現できなくなり、社会は大混乱に陥っていた。オーグ・アト・タルカンは、プシ定数が低下したことでパラ露の効果が無くなったことに気が付く。カルタン人を秘密裏に支配していた集団・全知者たちは、超能力が使えなくなったことをきっかけに錯乱状態に陥り、宇宙船《ナルガ・サント》こと自殺しようとするが果たせず、結局自分たちだけで自決した。(時期:不明:NGZ447年9月頃)

※初出キーワード=無し


あとがきにかえて

・ハンターマウンテン塩原にスキーに行った話&お父上が亡くなった話


感想

・前半エピソード 原タイトル:STRANGENESS-RHAPSODIE(意訳:ストレンジネス狂詩曲)

 シェール先生執筆回。ラトバー・トスタン&ポージー・ブースがハンガイ銀河に突入して、二人で色々調査する話。シェール作品らしく、冒頭から新型艦の性能のあれこれの仕様説明がずらずら記載されるし、ハンガイではトランスフォーム砲(懐かしい響きですね)をやたらぶっ放すし、とシェール風味満載でした。



・後半エピソード 原タイトル:AMOKLAUF DER WISSENDEN(意訳:全知者たちの暴走)

 M-33でのカルタン人エピソード(の多分最終章)。パラ露が使えなくなって超能力に依存していた社会が大崩壊するという大変な回でした。全知者たちはもうストーリー的に不必要になったから体よく退場させられた感強し……
 
 
 

675巻~700巻(「タルカン」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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