感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第72話(シーズン3 第19話)「地下百メートルからの脱出 (前編)」

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【※以下ネタバレ】
 
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海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン3」あらすじ・感想まとめ
 

第72話 地下百メートルからの脱出 (前編) The Bunker Part1 (シーズン3 第19話)

 

あらすじ

天才科学者が妻と共に某国に捕らえられ、地下研究所でミサイル開発をさせられている。ミサイルが完成する前に科学者夫婦を救出しようと、IMFチームが動きだす。そんな中、ミサイル完成を恐れる国のひとつが、科学者暗殺に変装が得意な凄腕の殺し屋を送り込んできた…。


天才科学者が妻と共に某国に捕らえられ、地下研究所でミサイル開発をさせられている。ミサイルが完成する前に科学者夫婦を救出しようと、IMFチームが動きだす。そんな中、ミサイル完成を恐れる国のひとつが、科学者を暗殺しようと変装のスペシャリストである凄腕の殺し屋を送り込んできた…。

※DVD版のタイトルは「地下百メートルの円盤 (前編)」。


【今回の指令】
 某敵性全体主義国家は、天才的科学者ロジャック博士(Dr. Erich Rojak)を地下研究所に閉じ込め、新型の小型遠距離ミサイルを開発させている。博士は妻アンナ(Anna)を人質にされ、やむなく開発を行わされている状況である。もしミサイルが完成すれば、東西の軍事バランスが崩壊する可能性があり、それを恐れる某仮想敵国は博士の抹殺のためプロの殺し屋ベントロス(Alexander Ventlos)を送り込んだ。IMFは博士夫妻を救出し、また試作ミサイルを破壊しなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 某敵性全体主義国家


【作戦】
 ベントロスは、地下研究所の警備担当士官プレイドー大尉を殺し、そっくりのマスクで変装すると、まんまと地下研究所に潜入した。

 フェルプスは軍人役で地下基地に入り込み、基地の責任者に「ベントロスという殺し屋が博士暗殺を狙っている」と教える。続いて、シナモンもやはり軍人役で研究所にやってくるが、フェルプスはこの女はニセモノで、おそらくベントロスの仲間に違いない、と告発し、シナモンは逮捕されて国家保安本部に送られることになった。

 国家保安本部では、ウィリーが焼却炉の煙突から潜入し、シナモンを助ける。さらに二人は監獄に収監されていたアンナ夫人を見つけ、シナモンがアンナそっくりに変装して入れ替わる。地下研究所では、ロジャック博士がもう研究には協力しないと宣言したため、軍は博士に圧力をかけるため、アンナ夫人(実はシナモン)を研究所に連れていく。一方、ウィリーとアンナは煙突から脱出しようとしていたが、焼却炉に火をつけられてしまう。続く。


監督: ジョン・モクセイ
脚本: ポール・プレイドン

感想

 評価は○。

 今回はおなじみの要人救出任務で、話の方向性はまずまずだったが、テンポが遅くてちょっと退屈だった。やはり『スパイ大作戦の前後編は、一作分のアイデアを水で薄めて二話分にした中身の薄い話』という宿命から逃れられなかった様である。

 今回は活躍しなかったが、冒頭にバーニーが秘密小道具の小型の空飛ぶ円盤のようなものをリモコンで操作するシーンがあった。直径が30センチくらいで、底に6個の小型プロペラがついており、自由自在に飛行することが出来る代物である。40年ほど前に視聴した時は、ただのSFチックな小道具にしか見えなかったが、2017年現在の視点で改めて見直してみると、これは明らかに「ドローン」である。こう考えると、スパイ大作戦は時代を50年先取りしていた、とでも言えるのでなかろうか。

 今回のミッションはワンアイデアを前後編に引き伸ばして間延びしているからか、今回の前編ではローランが殆ど出てこないという妙な事になってしまっている。その代わり、いつも裏方のウィリーが人質救出を担当し、しかも焼却炉の炎でであぶられて大ピンチ、という美味しい場面を割り当ててもらっていたりする。

 また今回は珍しくシナモンが変装マスクで別人になり替わるという展開があるのだが、顔かたちは変えられても声はどうしようもないのでは、と思いきや、突然シナモンも声帯模写の達人になったのか、アンナ夫人そのままの声で喋ったりするのが、ちょっとご都合主義ではあった。

 今回のサブタイトルの原題「The Bunker」とは、おそらく「ロケット発射・核兵器実験などの地下観測室」という意味であろう。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスがビルから出てきて、噴水前に停車していた車に乗り込む。車のダッシュボードの蓋を開けると、中には大きめの封筒と8トラックカセットテープが入っている。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なおこの録音は自動的に消滅する」といい、テープから煙が吹き上がる。


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。君が今見ているのはロジャック博士といって、敵性全体主義国家の地下研究所に閉じこめられている天才的科学者である。目下博士は、妻アンナを人質に取られているため、やむなく、小形ながら強力な遠距離ミサイルの試作を強いられており、それの完成は東西勢力の均衡を大きく崩す危険をはらんでいる。ミサイル完成を恐れるのは我々だけではなく、某仮想敵国もプロの殺し屋ベントロスを送って博士の仕事をくい止めようと謀っている。

 そこで君の使命だが、ロジャック博士夫妻を救い出し、試作ミサイルを破壊することにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 

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海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン3」あらすじ・感想まとめ