感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第115話(シーズン5 第11話)「反乱軍、その信じしもの」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン5(105~127話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン5」あらすじ・感想まとめ

 

第115話 反乱軍、その信じしもの The Rebel (シーズン5 第11話)

 

あらすじ

細菌戦の詳細が書かれたノートを入手するという任務遂行中フェルプス(ピーター・グレイブス)が負傷しダナ(レスリー・アン・ウォーレン)が捕らえられてしまう。裏切り者の存在にチームがピンチに陥る中、果たして無事ノートを手に入れられるか。


独裁国政府に渡ると取り返しのつかない事態になりかねない、細菌兵器の詳細が書かれたノート。そのノートを入手するという任務遂行中に政府軍の攻撃に遭い、フェルプス(ピーター・グレイブス)が負傷、ダナ(レスリー・アン・ウォーレン)が捕らえられてしまう。裏切り者の存在にチームがピンチに陥る中、果たして無事ノートを手に入れられるか!?

※DVD版のタイトルは「生きた研究ノート」。


【今回の指令】
 無し


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、パリス、ダナ、バーニー、ダグ
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 某国(多分中南米


【作戦】
 IMFは某国のゲリラ組織と協力して、重要人物の科学者二人のイギリスへの亡命を無事達成した。しかしフェルプスとダナがゲリラたちに会って成果を報告していると、そこに政府軍が現れ、ダナとゲリラのイリナ、クロスの三人が捕まってしまう。

 IMFはゲリラのリーダー・アレックスの父親が研究していた「細菌戦」に関するノートを持ち帰るつもりだったが、ノートは現物は無く、その内容はイリナが全て記憶していると知る。フェルプスは仲間を呼び寄せ、ダナたちの救出作戦を開始する。

 ダナたちは近くの町の指揮官の大佐に尋問を受けていた。そこにパリスが首都から派遣された情報部員として現れ、大佐に民衆を支配する方法をアドバイスすると言い、まず宗教を利用するべきだと提案する。そこにバーニーとダグが高さ数メートルの聖像を乗せたトラックを運転してきて、故障で動けないふりをする。パリスはそれを見て、大佐に、聖像を町に置くことを許可すれば住民の好感度が上がると言い、大佐もそれを許す。

 町の神父セバスチャンは政府に反抗的で、大佐に対して見え透いたことをして民衆を騙そうとしても無駄だ、という。大佐はいらつくがパリスは上手く大佐をなだめる。

 実は聖像はハリボテで、中にはフェルプスとアレツクスが潜んでおり、聖像の底から地下道に入り、ダナたちが捕まっている監房まで穴を開ける。実はゲリラのクロスは政府のスパイだったが、ダナはそれを見破りクロスを殴り倒して失神させる。そしてフェルプス、アレックス、ダナ、イリナは聖像に隠れる。

 それを見計らってパリスは大佐に、かつて町はずれの荒れ果てた修道院に聖像が有ったという話を持ち出し、この聖像をそこまで運べばますます大佐に対しての住民の好感度は上がると助言し、大佐はそれを許す。ところが大佐は直後に監房からダナたちが逃げ出していることを知り、慌てて聖像を追跡する。

 修道院でバーニーたちが聖像を下ろそうとしていると、そこに軍隊が近づいてくる。セバスチャン神父はおぼろげながら状況を察し、住民たちに像を取りかこんで祈るように指示し、その隙にフェルプスたちは聖像から逃げ出す。そこに大佐がやってきて、宙づりだった聖像を下ろして破壊してしまうが中身は空だった。呆然とする大佐は、住民の厳しい視線を浴びることなってしまう。

 最後、IMFがイリナを車に乗せて立ち去るシーンで〆。


監督: バリー・クレーン
脚本: ケン・ペットス(原案: ノーマン・カトコフ&ケン・ペットス)

感想

 評価は○。

 第五シーズンの定番である「テープの指令シーン無し」話で、さらに序盤から「ゲリラと政府軍の派手な銃撃シーン」「フェルプスが撃たれて負傷」「ダナたちが敵に捕まる」といった展開だったため、正直全く期待していなかったが、結果的にはそこそこ面白いエピソードだった。

 今回は始まり方は派手だったものの、内容としては「敵の本部の監獄に捕らえられている重要人物(と仲間)を救い出す作戦」を遂行する話だったので、結構昔のノリが復活していて、思ったよりも楽しめた。

 まあIMFが遂行した作戦は、(即興だったこともあり)それほど手の込んだものではなく、中身ががらんどうのハリボテの聖像を本部の前に降ろし、そこに隠れていたフェルプスたちが地下トンネルを通って監房の壁を破り、ダナやイリナを救出する、という素朴な内容だったが、敵にばれないかと緊迫感を漂わせながらの作戦だったので、意外にも結構見ごたえが有った。

 さらに、パリスの存在が良い味付けになっており、パリスは首都から派遣されて来た治安維持のアドバイザーを演じ、大佐に対して「民衆の心をつかむためには宗教を大事にする事が大事だ」などと言って聖像を本部前に置くように誘導したり、そのあと修道院まで運ぶことを許可させたり、と上手くコントロールしていたのだが、その様が見ていてなかなか面白かった。今回の様に偽の身分で相手に接触し、口先で相手を操って上手くミッションを達成するのは、かつてのスパイ大作戦の展開と同じだったので、懐かしさもひとしおだった。

 まあ、フェルプスが敵の銃に腕を撃たれて負傷するとか、捕まったダナが尋問を受けて顔を腫らしているシーンが有るとか、昔のスパイ大作戦では考えられないシーンも色々あったが、概ねは昔風のストーリー展開だったので、まずまず満足だった。

 最後、出し抜かれた大佐が得意げに聖像を破壊するものの中身は空っぽで誰もおらず、目論見が外れて愕然としているところに、周囲を取り囲んだ住民からは冷たい視線が浴びせられ、その間にIMFは車で逃げ出してしまう、というオチが痛快で、やはりスパイ大作戦はこういうラストでないと締まらないなと再認識させられてしまった。

 それにしても、ゲリラのリーダーの父親が研究していた細菌戦争に関する内容を、イリナというゲストキャラが丸ごと記憶している、という設定だったが、専門の研究者でもないイリナがそんな複雑な内容を記憶できるものなのだろうか、と心配になった(別にイリナは写真的記憶力の持ち主という訳でも無さそうだったし)。

 ちなみにこのエピソードの日本語サブタイトルはなんと三種類もあり、

・日本初放送時「聖像作戦」
・DVD収録版「生きた研究ノート」
・今回のBSジャパン版「反乱軍、その信じしもの」

 とそれぞれ全く違う。センスとしては一番古い「聖像作戦」が一番しっくりくる。

 今回の敵役となる「大佐」を演じるのはマーク・レナードという俳優で、どこかで見た顔だと思っていたら、スタートレックでスポックの父親サレックを演じた人物だった。そしてスポック役のレナード・ニモイもパリス役で出演しているので、これはちょっと面白い顔合わせだったと言える。

 今回のサブタイトルの原題「The Rebel」とは「反乱」のこと。

参考:今回の指令の入手方法

 無し

参考:指令内容

 無し

 

シーズン5(105~127話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com