TVアニメ「彼方のアストラ」公式サイト http://astra-anime.com/
放送 BS11。全12話。
【※以下ネタバレ】
第12話(最終回)『#12 FRIEND-SHIP』(最終回一時間スペシャル) (2019年9月18日(水)深夜放送)
あらすじ
カナタは右手を失うものの、キトリーの処置で命はとりとめる。シャルスは責任を感じ、ザックたちに自分を監禁するように頼むが、カナタはシャルスも仲間だといって断固として反対する。
アストラ号は惑星ガレムで水と食料を補給し、ついに惑星アストラに向かう最後の旅に出た。そしてその途中でシャルスは惑星アストラに関する全ての真実を語る。
地球と小惑星が激突する事が判明し、急遽避難先となる惑星探しが始まり、幸運にも5000光年離れた場所にある、地球に酷似した惑星「アストラ」が発見された。そして同時期に開発されていたワームホール技術を使って先遣隊が送られ、現地の開発が開始された。
やがて移住計画は世界中に公表されるが、人々は混乱し、さらに移住先の領土をめぐる争いが始まり、世界規模の戦争が始まってしまう。その際にはワームホール技術が武器として使用され、争いを激化させた、その結果わずか2か月で世界の人口は半減し、生き残った人々は争いをやめ、争いの原因となる国家という枠組みも宗教も武器も無くした。
2057年、4年かけたアストラ移住は完了し、その直後7月に地球に小惑星が激突した。やがて発足したアストラ世界統一政府はワームホール技術の永久封印を決定し、さらにその技術が無かったことにした。しかしこれでは地球からアストラへの移住が説明できなくなるので、政府は歴史を捏造し、移住その物が無かったことにした。そしてつじつまを合わせるため、西暦を100年巻き戻した。
カナタたちは、1962年の第三次世界大戦の翌年、1963年に世界統一政府が発足し、世界はそこから復興していったと教えられていた。しかし実際は2063年から100年巻き戻した偽の1963年のアストラ移住から世界が開拓されていったのだった。そして移民第一世代も、世界から戦争を無くすため、真実を下の世代に語らず、やがて人々は偽の歴史を本物として受け入れていったのだった。
アストラ号はアストラに近づくものの、カナタたちはもし自分たちのオリジナルたちが自分たちの帰還を知れば、何らかの手を打ってくることを危惧する。そしてカナタたちは、ウルガーの知り合いの警官グレース警部に真実を伝える事にして、アリエスの母親からグレースに連絡してもらうようにメールを送る。グレースの活躍でディクシア国王他、クローン作りに関わった関係者は全員逮捕され、アストラ号は世界中の人々の待ち構える中無事にアストラに帰還した。
カナタが自分たちの旅について書いた本は大ベストセラーとなり、人々は本を通じて自分たちの世界の歴史の改変を知ることとなったが、穏やかに真実を受け入れていった。王のいなくなったディクシアでは、色々あった末にシャルスが新国王に即位した。
7年後。かつてのアストラ号の乗員たちはそれぞれの道を歩んでいた。キトリーはザックと結婚、ウルガーはジャーナリスト、フニは高校生、ユンファは歌姫、ポリーナは歴史教授、そしてアリエスはキトリーたちにカナタと結婚することになったことを打ち明ける。
肝心のカナタは、博物館に展示されていたアストラ号を買い取って整備し直し、ザックと共に宇宙に旅立とうとしていた。そこにシャルスが現れ、かつての「カナタの右腕となる」という約束を果たすためにアストラ号に乗り込む。そしてアストラ号は三人を乗せて新たな旅に出発した。
脚本:桜井 光 絵コンテ:柴田裕介/夕澄慶英!/仁昌寺義人/安藤正臣 演出:柴田裕介/仁昌寺義人
総作画監督:黒澤桂子 サブ総作画監督:山本由美子
作画監督:樋口博美/張 鵬/Park Ji-seung/本多弘幸/小関 雅/賽藤晴香/川本由記子/鈴木春香/夕澄慶英!/山本由美子/黒澤桂子
感想
最終回一時間スペシャルなので、アストラに帰還してからクローン元の親と死闘を繰り広げる展開かと思っていたら、30分過ぎには無事帰還して「クローン元は全員逮捕されたから安心して」とかいう話になって「このあと何するの……?」とあっけにとられました……
しかしまあ、そのあとは「帰還後のみんながどうなったか」という話でちゃんと埋めてキレイにまとめていたので安心しました。まあ「西暦が100年誤魔化されていて、学校で教えている過去の歴史も全部嘘だった」という衝撃事実が、カナタの書いた本一冊でなんとなくうまく収まってしまうというのに都合良すぎじゃんとかいう気もしたけど、オチが綺麗だったので良しとします。
総括
評価は○(まずまず面白かった)。
原作はWEBコミックサイト「ジャンプ+」で連載されていた王道少年漫画。途中までは読んでいてそこそこ面白いと思っていたのですが、予想外にアニメの出来が良くてホントビックリしました。夏クールアニメの拾い物でしたね。
2063年。宇宙旅行が日常となった時代。ケアード高校では、未開惑星で生徒たちだけで5日間を過ごすという「惑星キャンプ」を実施していた。カナタ・ホシジマたち9人からなる「B5班」は惑星マクパに降ろされるが、到着直後、謎の発光球体に吸い込まれ、場所も解らない宇宙空間に放り出されてしまう。カナタたちは偶然にも近くを漂流していた宇宙船に避難し、なんとか生き延びるものの、彼らの現在位置は、母星から5000光年も離れていた。カナタたちは宇宙船を「アストラ号」と名付け、故郷への期間を目指すが……
過去の経験から言って、「少年ジャンプ系のマンガをアニメ化すると、原作と何か違ってしまって面白くなくなる」というイメージが有ったので(※あくまで個人の感想です)、この作品も一ミリグラムも期待していなくて、初回一時間スペシャルとか知って「面白くないのに(決めつけ)何を力んでいるんだか……」と思ったら、予想が大外れで予想外にまともだった(笑)
雰囲気が原作のままだし、絵もまともだし、ストーリーも変にいじくって無いし、etcetcと、原作漫画を読んでいるのと同じ感覚だったので、へーっと感心しました。
また原作は「全員がクローン」と判明するところ辺りまでしか読んでいなかったので、後半の「カナタたちの母星は地球じゃなかった」という叙述トリック的な展開とか、「謎の発光球体の正体」「グループの中の刺客は誰か」といった謎解き部分は大いに驚愕させられて楽しめました。
最後も一時間も取って綺麗に締めくくったし、良く出来た作品でしたよね。ジャンプ系のアニメだと見くびって、スルーしなくて本当に良かった。
彼方のアストラ
宇宙への往来が当たり前になった近未来で、
9名の少年少女たちが惑星キャンプへと旅立つ。
宇宙旅行に胸を躍らせながら出発した彼らを待ち受ける、
予想外の事態とは……!?「マンガ大賞2019」大賞を受賞!
『SKET DANCE』の篠原健太が描く大人気SFサバイバルストーリーが
待望のTVアニメ化決定!
制作会社
Lerche
スタッフ情報
【原作】篠原健太(「ジャンプ コミックス」集英社刊)
【監督】安藤正臣
【シリーズ構成】海法紀光
【キャラクターデザイン】黒澤桂子
【メイン総作画監督】黒澤桂子
【サブ総作画監督】山本由美子
【メカデザイン】有澤 寛
【プロップデザイン】本多弘幸
【宇宙生物デザイン】廣瀬智仁
【助監督】柴田裕介
【美術監督】甲斐政俊
【美術設定】 虎 順、羽根広舟
【色彩設計】多田早希
【撮影監督】酒井淳子
【CGI】ラークスエンタテインメント
【CGディレクター】加藤大輔
【2Dデザイン】いまむら
【モニターデザイン】山田可奈子
【編集】宮崎直樹(森田編集室)
【音楽】横山 克、信澤宣明
【音楽制作】KADOKAWA
【音響監督】飯田里樹
【音響効果】奥田維城
【制作プロデューサー】比嘉勇二
【製作】彼方のアストラ製作委員会
音楽
【OP】nonoc「star*frost」
【ED】安月名莉子「Glow at the Velocity of Light」
キャスト
カナタ・ホシジマ:細谷佳正
アリエス・スプリング:水瀬いのり
ザック・ウォーカー:武内駿輔
キトリー・ラファエリ:黒沢ともよ
フニシア・ラファエリ:木野日菜
ルカ・エスポジスト:松田利冴
ウルガー・ツヴァイク:内山昂輝
ユンファ・ルー:早見沙織
シャルス・ラクロワ:島﨑信長
ポリーナ・リヴィンスカヤ 生天目仁美