感想:DVD付き雑誌「燃えろ!新日本プロレス」『Vol.26 闘魂敗れる! シュツットガルトの惨劇!!』(2012年9月27日発売)

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(※以下、試合の勝敗まで書いてありますのでご注意ください)


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1978年11月25日、西ドイツ・ギルスベルクホール
アントニオ猪木vsローラン・ボック(〇ボック−×猪木)

 25年ぶりくらいに視聴しましたが、やはり眠くなる展開。派手な技も無く延々掴んで寝かせてスリーパーとかそんなんばっかり。総合格闘技から打撃を省いたような試合です(それは総合じゃないだろ、と言わないで)。25年前もおおっと思いましたが、座り込んでいる猪木を背後から中腰で近づいたボックが捕まえて、そのまま無造作にバックドロップに投げたシーンの怪力ぶりはたいしたものです。まあたいしたものというなら、こんな眠い試合に金を払うドイツ人の感覚もそうですが。



1979年12月6日、蔵前国技館
WWFヘビー級選手権 [王者]アントニオ猪木vs[挑戦者]ボブ・バックランド(〇パックランド−×猪木)

 猪木はひたすら首狙いでボブは足狙いで、グランドでネックロックとかレッグロックとかを延々と続けて地味です。「ああ、そうだったなぁ〜、昔のプロレスはこんなんだったよね〜」と懐かしくなります。何せバックドロップを出すとアナウンサーが「ああっーっ、バックドロップだぁぁぁ」とか絶叫するくらいですから。

 それでも意外と面白く25分くらい魅せるのですが、そこでシンが会場に入ってきて、その途端会場の客がみんな飛び跳ねる様に立ち上がるのが面白い(それを見ているほうが驚きましたわ、何があったんだって)。でリング下でシンが猪木に一撃食らわして、フラフラ上がってきた猪木にバックランドが股間をロープに叩きつけるダーティー技からフォール勝ち。ところがそこで新間が出て来て「今のは無効試合だから王座異動は無し」と宣言するのですが、解説の山本小鉄さんは「レフリーが3カウント叩いた以上王座は移動でしょう」と言っていて収拾がついておりません…、観客がマジ怒りで「負けてるだろうがコラー」とか叫んでいるのも楽しい。昔はこういう雰囲気が有りましたね。イタズラにあの頃がよかったという気もないですけど。



1980年9月25日、広島県立体育館
NWFヘビー級選手権 [王者]アントニオ猪木vs[挑戦者]スタン・ハンセン(〇猪木−×ハンセン)

 伝説の逆ラリアットの試合。どんなに凄いのかとこれだけが目当てでDVDを勝ったのですが…

 猪木は調子が悪いのかもうこんなもんだったのか、とにかくハンセンに押されまくって何もできない状態(前日まで欠場していたらしい)。で、何の面白みも無いまま、ハンセンがラリアットを狙ったところにいきなり逆にラリアットを打ち込んでたじろがせた後、逆さ押さえ込みでフォール勝ち。試合時間は10分少々…、なにが伝説だ。昭和プロレスに過大な幻想を抱くと痛い目を見ますな。

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