感想:オタク系情報番組「コンテンツビジネス最前線 ジャパコンTV」『新規参入が続々! ソーシャルゲーム業界最新動向』他(2012年11月23日深夜放送)


 オタク系情報番組「コンテンツビジネス最前線 ジャパコンTV」の感想です。

■コンテンツビジネス最前線 ジャパコンTV|BSフジ
http://www.bsfuji.tv/japacontv/

>「アニメ」「ゲーム」「漫画」「ファッション」をはじめ、今後、日本経済を支えるジャンルとして期待される”ジャパン コンテンツ産業”。経済産業省もクールジャパン戦略として、この素晴らしい日本のコンテンツを経済成長政策の一つとして取り組んでいる。日本のコンテンツビジネスの最前線を国内、海外問わず徹底取材し、深く・鋭く切り込むビジネスエンタテインメント。<キャスト>
台場ミサキ(レポーター役):豊崎愛生
藤小梅(キャスター役):高垣彩陽
乙産軽一郎(解説者役):鷲崎健
ぐにゅ(マスコット役):やまだん

 BSフジでの視聴です(放送:毎月1回程度 金曜深夜 00:00〜00:55)。


■内容

 オープニングは今旬の「エヴァQ」の一番面をちょいと放送。アスカが雨流みねねみたいな眼帯になった経緯が気になる…、まあ録画している二作目を見れば良いわけですが。

〇特集1『新規参入が続々! ソーシャルゲーム業界最新動向』

スマートフォン普及に伴い成長を続けるソーシャルゲーム。国内に留まらず海外進出も目立ってきた2012年のソーシャルゲーム市場。ここにきて新たな企業の参入が話題となっている。カードゲーム大手の「株式会社ブシロード」や通信キャリア大手の「NTTドコモ」など。
>今後どのような展開が図られるのか、ますます目が離せないソーシャルゲーム業界を徹底取材。各企業の新たなゲーム展開を含めたビジネス動向をご紹介。これを見ればソーシャルゲームの最新ビジネス事情が分かる!

・9月の東京ゲームショウでは、出展717作品のうち、ソーシャルゲームが七割を占めた。
・2011年の国内ソーシャルゲーム市場は2794億円。パッケージゲームを追い抜いた。(「2008年:48億」→「2009年:231億」→「2010年:1099億」→「2011年:2794億」)
・新プラットフォームとして、ドコモが「dゲーム」、ブシロードが「ブシモ」で、それぞれ参入。
ブシロードは、既存のカードゲームビジネスはソーシャルゲームと近いと考えている。12月から参入予定。
・新技術「Live2D」。アニメ絵を3Dキャラにするのではなく、2Dの絵のままで動かす技術。
カプコンインタビュー。ソーシャルゲームは「ちょこっとプレイして云々」というところが昔のアーケードゲームに近い。

 ソーシャルゲームはカードゲームと同じだ、という考えはおおと思った。カードゲームは「カードを印刷するのはお札を印刷するのと同じ」というくらい儲けているそうですが、同じノリで儲けてやるゼェ、というブシロードのガツガツしたところがいかにもだなぁと。まあ、いくら儲けてもいいので、その中からいくらかを新日本プロレスに融通してね。

 Live2D、これは凄い。オタクの大好きなアニメ絵が(変な3Dモデルに変換されず)そのまま動く! オタクが喜ぶ超技術! ブシロード、さすがオタクの喜ぶポイントをガッチリつかんでますよ。

 しかしこの特集はタイトルに偽りありだなぁ。業界最新動向ではなくて「ブシロード特集」ではないですか。もっと業界を俯瞰した内容で、課金問題とかにも踏み込んでいればよかったのですが。

〇特集2『今熱い! ライトノベル業界成長の秘密を探る!』

>出版不況が叫ばれる中、着実に売上を伸ばし日本の書籍産業の大きな存在となっている「ライトノベル」。なぜライトノベルは売上を伸ばし続けられているのか、そのビジネスの鍵を番組では徹底取材。出版社や原作者、書店員などさまざまな視点から検証する。メディアミックスの仕組みや今後の新たなビジネス展開など、ライトノベル市場に起きている最新事情を徹底取材!作品もたっぷりご紹介!

・出版不況で本の売上げは減っているのに、ライトノベルの売上げは伸びている。
書泉ブックタワー(懐かしっ!)は一フロアを丸ごとライトノベル専用にした。出版社が増えまくったのと、普通の文庫本はライトノベルの半分しか売れないから
ラノベの定義=特にないが、話し言葉に近い文章が多い、近未来・ファンタジー物が多い
・強い出版社は=角川グループが一人勝ち。業界シェア70%(電撃、スニーカー、富士見、ファミ通、MF文庫)
・電撃インタビュー=「アクセルワールド」「ソードアート〜」を売るために、イラストも売り込んだ。
・イラストにこだわるのは、あとからアニメとかフィギュアとかメディアミックスを仕掛けるつもりだから。
・「とある魔術〜」の漫画版は他社のスクエニの「ガンガン」で連載。少年漫画風なので、あえて他社の少年漫画誌で漫画化して読者層を広げる手に出た。
・ソードアートはアニメ化のおかげで、たださえ売れている原作が、さらに倍売れてもうウハウハで笑いが止まらない。
・新人賞への募集は今年は6000作超。普通の文芸賞は3桁届けばメジャーと言われる。
・「アクセル〜」「ソードアート〜」の作者・川原礫インタビュー。ライトノベルの魅力は=懐の広さ。もう何を書いても良いから。大体、どっちの作品も主人公がゲームをしているだけだし。
・最近は「まおゆう」の様に新人賞以外のルートで売れている作品もある。

 角川が最強!というのは良く解りましたが、逆にここではないブランドって何があるんだ? ホビージャパンくらいしか思いつかないのですが…

 川原礫氏が、自作品を「どっちも主人公がゲームをしているだけだしぃ」と告白したのには笑った。ぶっちゃけ突き詰めたらそうだもんなぁ。作者も解ってるんだ。


■感想

 ソシャゲ特集がちょいとタイトルと違うのに不満。しかし後半のライトノベル特集は満足です。まあこっちも電撃の宣伝みたいなものでしたが、業界一位のブランドが今一押ししているタイトルをテーマにした、と考えれば間違った作りではないですしね。


■次回予告

 12月21日予定