NHK番組「幻解！超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)の感想です。
（※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください）
■幻解！超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/
NHK総合での視聴です｡(放送：毎週土曜 22:30〜22:50)。（※初回のみ22:20〜22:40）
■概要
http://www4.nhk.or.jp/darkside/26/
＞UFO、ネッシー、雪男、予言＆占い、心霊現象、超古代文明、妖怪、吸血鬼、魔女…。闇の魅力がもつ妖しげな幻に対して、「今、何がどこまでわかっているのか？」を徹底検証！そこから浮かぶのは、自然の神秘、私たちの脳や心の不思議なメカニズム、社会のからくり、昔の人の驚くべき技術と想像力…。ダークサイドの向こうの“本物の不思議”をワクワクしながら楽しんでいただく、NHKならではの超常現象ガチンコ検証番組！
出演者 栗山千明 （くりやまちあき）
テーマ曲: 志方あきこ
オープニング曲“Arcadia（アルカディア）”
エンディング曲“Leyre（レイレ）”
アルバム名／ “Turaida（トゥライダ）”語り: 中田譲治（声優、俳優、ナレーター）
代表作 『巌窟王』（モンテ・クリスト伯爵）、『ケロロ軍曹』（ギロロ伍長）、『HELLSING』（アーカード）、『Fate/Zero』（言峰綺礼）、『劇場版 空の境界』（荒耶宗蓮）など
＞「幻解！超常ファイル」総合テレビに進出！4月5日より毎週土曜日、夜10時30分〜50分（※初回は10時20分〜40分）。BSプレミアム版の内容に一部未公開映像を加え、新たに再構成してお届けします。
『File-01 私は宇宙人に誘拐された！？』
■内容
＞宇宙人による誘拐事件、エイリアン・アブダクション。寝ている間に宇宙船に捕らわれ人体実験される…。恐怖体験を徹底分析！謎のカギは日本の心霊現象？衝撃の真実に迫る！
＞BSプレミアムの人気番組が、地上派に登場！ アメリカで数多く発生とうわさされる、宇宙人による誘拐事件=エイリアン・アブダクション。寝ている間に宇宙船に捕らわれ、人体実験を施された後、記憶を消されてしまう…。恐怖の体験者たちの証言集会に潜入、直撃取材。調査から浮かび上がる、日本の心霊現象との関係は？ 日米の科学者が明らかにする、衝撃の真実！ 謎が解明された時、あなたも他人事ではないことが明らかに！？
・「エイリアン・アブダクション」とは「宇宙人による誘拐事件」のこと。アメリカには宇宙人に誘拐されて生体実験をされた、と訴える人たちが一杯いて、同じ体験をした人たちの集まりが有る。
・誘拐の典型的パターンは、「夜中にふと目が覚めると体が動かない」→「部屋の中に怪しい影が……」→「翌朝目覚めると、記憶があいまいな時間帯がある」→「催眠術をかけてもらい、その時間の事を調べると宇宙人に誘拐されたことがわかる」というもの。
・しかし、この話は、日本の「寝ていてふと気が付くと金縛りに→目の前に幽霊が！」というパターンとそっくりである。
・実のところ、「宇宙人に誘拐された」というのは『幻覚』らしい。
・夜中に眠りが浅くなると、脳が活発に動き始める。そして脳の「扁桃体」という部分は恐怖と不安を司る部分で、そこが活発に活動すると人は怖い夢を見る。さらに眠りが浅くなると、五感が働き始め、まるで起きているかのような夢を見る。
・脳が目覚めているのに体が目覚めておらず動けない、というのは「睡眠麻痺」という状態。これこそが金縛り。
・つまり、眠りが浅い時に見た本物そっくりの悪夢が「宇宙人誘拐事件」。悪夢は文化の影響を受けるので、同じ現象が日本では「金縛り＋幽霊」となる。また中世ヨーロッパでは「夢魔」という悪魔の仕業と考えられていた。
・また「催眠は実際には体験していないフィクションでも事実のように思い出してしまうことがある」らしい。催眠中は脳が現実と作り話を上手く切り分けられないので、実体験でないことをまるで本物の記憶のように語ってしまう可能性がある。
・宇宙人に誘拐された！と語る人たちは、もともと体の不調とかそういうものを抱えている場合がある。そしてアブダクションのことを知り、「もしかして宇宙人に誘拐されたせい？」と疑い始め、催眠で偽の記憶を呼び出してしまい、最終的に「全ては宇宙人に誘拐されたせいだ！」と思い込んでしまう。
・ということで、有りもしない宇宙人体験を、催眠術で「思い出して」しまったのが一連のアブダクション事件の真相なのでしょう、という結論となりました。
■感想
BSプレミアムで2013年3月から不定期放送されていた一時間番組が、20分バージョンとなって総合に進出してきました。こういうオカルト系ネタの番組が総合で定期放送とは、良い時代になりました……
しかしいざ見てみるとイマイチでありました。
(1)オープニング曲「Arcadia」・エンディング曲「Leyre（レイレ）」はどちらも超名曲なのに、時間が無いので中途半端にしか流さず曲の良さがまるで伝わってないですよ。
(2)一時間枠のほうで40分くらいかけて放送したネタを20分に縮めているので、当たり前ですが物足りなさが……、SF作家のストーリーバーが宇宙人誘拐体験を書いた「コミュニオン」の話はバッサリカットされてましたし。
(3)一時間枠のほうでは、最後に「Leyre」に中田譲治氏の語りを載せて、余韻を持たせながら〆るのですが、こっちはそそくさと終わってしまって、バタバタ感しか無いし……
アカーン。やはり一時間枠が本命で、20分バージョンはお試し版みたいな位置づけみたいです。でも今後も見るけどね。
