感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン3」第24話(最終回)「タリサ・クミ」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第24話(最終回) タリサ・クミ TALITHA CUMI

■あらすじ

 お題は「エイリアンの地球侵略、政府の陰謀」。


 銃の乱射事件の現場で、「ジェレマイア・スミス」なる男が、撃たれた人を手かざしで治療したあと姿を消す。しかし直後彼はスモーキング・マンたちに捕らえられる。スミスは治癒の他に変身能力もあり、異星人の一人だが、スモーキング・マンたちの行動に批判的らしい。


 同じ頃、モルダーの母は脳卒中で倒れ、モルダーはその直前スモーキング・マンと母が会っていたことをミスターXから知らされる。そしてモルダーは母親が隠していた対異星人用の武器(キリみたいなやつ)を手に入れる。ミスターXはモルダーに武器を渡せと迫るが、モルダーは拒否し、ミスターXの態度から「コロニー計画」が進行していることを察する。


 やがて、モルダーとスカリーの前にスミスが現われ、「ある計画」やモルダーの妹サマンサのことなどを話したいという。ところがさらにそこに異星人の殺し屋(バウンティ・ハンター)が現われる。次のシーズン4へ続く。



監督 : R.W.グッドウィン
脚本 : クリス・カーター(story:デイビッド・ドゥカブニー&クリス・カーター)



■感想

 冒頭の展開で心霊系の話のように思わせておいて、途中から異星人がらみのストーリーへと移行していくトリッキーな展開のエピソード。やはり異星人関係のエピソードは完成度が高い。


 この回で、それまで独立した話扱いだった、シーズン2の異星人の地球入植計画(16話「入植 Part1」・17話「入植 Part2」)に、実はスモーキング・マンたちの組織が関与していることが明かされる、という衝撃の筋立てとなった。


 捕らえられたスミスが拘束されてスモーキング・マンに詰問されても余裕を崩さず、逆にディープ・スロートやビル・モルダーに変身してスモーキング・マンを揺さぶるシーンが印象的。二人の会話は、抽象的だが、一般市民をどう扱うか、神をどう考えているか、など多岐に渡り、なかなか興味深かった。


 終盤、スミスは収監されていた建物から忽然と逃亡するが、逃がしたのはスモーキング・マンで、逃亡の手助けの代わりに肺がんの治療をしてもらった、ということだろうか。



★一言メモ

 サブタイトル「TALITHA CUMI」とは古代アラム語で「少女よ、起きなさい」の意味。新約聖書の中でイエス・キリストが、少女を死から蘇らせる際に使った言葉。ジェレマイア・スミスが人々を治療したことに掛けている。