感想:映画「バルジ大作戦」(1965年:アメリカ)

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映画|NHK BSオンライン http://www.nhk.or.jp/bs/t_cinema/
放送 NHK BSプレミアム。2016年8月2日(火)

【※以下ネタバレ】

第2次大戦末期、ベルギーのアルデンヌ地方で繰り広げられたドイツ軍最後の連合軍への猛反撃を描いた戦争スペクタクル大作。戦勝ムードを漂わせていた連合軍は、突如現れた大量のタイガー戦車軍団による猛攻撃のため戦線が崩壊。さらに米兵に変装したドイツのパラシュート部隊が濃霧をついて降下、かく乱された連合軍は混乱の中で何とか反撃を試みるが…。迫力ある映像を手がけたのは「史上最大の作戦」のケン・アナキン監督。

あらすじ

 1944年12月。第二次欧州大戦はドイツ軍の敗走が続き、米軍兵士の間ではクリスマスまでに戦争が終わるというムードが漂っていた。しかしカイリー中佐(ヘンリー・フォンダ)は独特の嗅覚で、ドイツ軍の反撃が近いことを予感していた。

 直後、ドイツ軍の戦車戦のエキスパート・へスラー大佐(ロバート・ショー)は、タイガー戦車の大部隊を率いてベルギーのアントワープ目指して攻撃を始め、不意を付かれた米軍は敗走する。ドイツ軍戦車部隊は快進撃を続け、都市を次々と占拠していくが、米軍のグレイ将軍はドイツ軍が燃料が不足しており、米軍の燃料貯蔵基地を目指していることを察知する。

 その推察通りへスラーの部隊は貯蔵基地まで迫っていたが、兵士がドラム缶を戦車にぶつけて火をつけ、戦車部隊を炎上させる。そして燃料が切れたドイツ軍は戦車を放棄して、徒歩で撤退していった。


感想

 評価は◎。

 1944年に実際に発生した「バルジの戦い」の映画化。バルジというのは地名では無く「突出部」という意味で、ドイツ軍が米軍の守備範囲に突出して食い込んだことからこう呼ばれます。


 30年ぶりくらいに視聴したのですが、こんなに面白いとは思わなかった。スタートしてから一瞬たりともだれる場面がなく、合計2時間46分という超大作にもかかわらず、全く退屈するところが有りませんでした。「戦争スペクタクル映画」とはこういうものだ!!という見本の様な作品でしたね。

 一番の見所は、なんといっても登場する戦車がハリボテでは無く、本物のアメリカ製の戦車を使用していること。米軍・ドイツ軍の戦車のどちらも当時のアメリカ製戦車が使用されており、正確さという面ではともかく、数十台の本物の戦車が大地を突進する様は、さすがの重量感でした。特にクライマックスで、米・ドイツ両軍の数十台の戦車が激突するシーンは、もう問答無用の大迫力としか言いようがありませんでしたね。

 まあ、ロケ地の縛りがあったのか、12月にベルギーの森の中で行なわれたはずの戦いが、いつの間にか陽光が降り注ぐ大平原での大決戦になっていたりとか、へスラー大佐が戦車にガソリン缶をぶつけられて爆死とか、細かい点ではちょっとどうなのという点もありましたが、「ドキュメンタリー風映画」ではなく、「史実をベースにした戦争アクション大作」と考えれば、もう文句なしの出来栄え。公開から50年後の今見直しても大興奮できる傑作映画でした。


BSプレミアム8月2日(火)午後1:00〜3:43



【製作・脚本】
ミルトン・スパーリングフィリップ・ヨーダン
【監督】
ケン・アナキン
【脚本】
ジョン・メルソン
【撮影】
ジャック・ヒルドヤード
【音楽】
ベンジャミン・フランケル
【出演】
ヘンリー・フォンダ、ロバート・ショー、チャールズ・ブロンソン ほか


製作国:
アメリ
製作年:
1965
原題:
BATTLE OF THE BULGE
備考:
英語(※一部ドイツ語)/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ