【SF小説】感想「アルマダ工兵の謀略」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 560巻)(2018年1月10日発売)

アルマダ工兵の謀略 (宇宙英雄ローダン・シリーズ560)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121613
アルマダ工兵の謀略 (宇宙英雄ローダン・シリーズ560) (日本語) 文庫 2018/1/10
ハンス・クナイフェル (著), ウィリアム・フォルツ (著), 増田 久美子 (翻訳)
文庫: 272ページ
出版社: 早川書房 (2018/1/10)
発売日: 2018/1/10

【※以下ネタバレ】
 

"アルマダ年代記"のデータ収集船は、ある恒星系をめざしていたらしい。情報を得るため、ローダンは視察部隊を送りだすが……!?


無限アルマダの歴史がすべて記されている“アルマダ年代記”に、ペリー・ローダンは強く興味を引かれていた。クリフトン・キャラモン提督の出動で得られた成果により、アルマダ年代記に記載するデータを収集する船が、ある青色恒星系をめざしていたことが判明する。そこには居住可能な一惑星があった。なにか情報が得られるかもしれないと考えたローダンは惑星に《バジス》の基地を築くため、視察部隊を送りだすが……!?

 

あらすじ

◇1119話 殺戮の惑星(ハンス・クナイフェル)(訳者:増田 久美子)

 ロワ・ダントンはデータ収集船が目的地にしていた惑星を軽巡で偵察に向かうが、謎の宇宙船に撃墜されてしまった。その惑星にはクランドホル公国の宇宙船もやはり撃墜されていたが、乗員は狂暴な現住種族との戦いで全滅する。ロワたちは味方に救出された後、未知の敵はアルマダ艦であり、「アルマダ年代記」を安全に隠せる惑星を探していたらしいと知る。(時期:NGZ426年8月はじめ~8月15日)

※初出キーワード=クルアム、ヒルジメン(どちらも種族名)



◇1120話 アルマダ工兵の謀略(ウィリアム・フォルツ)(訳者:増田 久美子)

 ローダンは、アルマダ炎を手に入れるため、コンタクトしてきた白いカラスに「ライレの目」と「コスモクラートのリング」を渡すが、さらに自身の細胞サンプルまで要求される。グッキーとアラスカは白いカラスを追跡するが、実はその白いカラスは「まだら」と呼ばれる追放者で、アルマダ工兵と繋がっていた。アルマダ工兵には、製造したクローン「シンクロニト」を使ってオリジナルを操る技術が有った。グッキーたちはアルマダ工兵を追うが、目とリングは破壊され、細胞サンプルは持ち去られ、結局成果の無いまま帰還した。(時期:NGZ426年8月16日~)

※初出キーワード=シンクロニト、シンクロドローム、グツェラコール(種族名)


あとがきにかえて

 パンデイロという楽器を習っていた話。


感想

 前半。未開惑星の原住民族にテラナーやクランドホル公国の宙航士たちが虐殺されるだけ、という気の滅入る話でした。これはちょっと酷い。

 ちなみにこの話には誤記が一ヵ所有ります。P129で「NGZ462年」と書いてありますが、明らかに「426年」の間違いです。多分、早川側の間違いではなく、原書からそうなっていたのでしょう。


 後半。久々のフォルツ担当回で、今まで忘れられていた(?)「仮面の無くなった男」アラスカが再登場。グッキーとアラスカが白いカラスにしがみついてリニア空間を旅するという一幕が有りますが、長いローダン・シリーズでも宇宙服で超空間に突入する展開は初めてで仰天しました。宇宙船に守られてなくてもリニア空間は耐えられるのか…… あと大事なアイテムの「ライレの目」と「コスモクラートのリング」がいとも簡単に壊されてしまうというのもショッキングでした。もう使い道のないリングはともかく、目の方は便利過ぎたので処分した、という事の様な気がします。
 
 

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