【SF小説】感想「希望なき惑星」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 627巻)(2020年10月15日発売)

希望なき惑星 (宇宙英雄ローダン・シリーズ627)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123020
希望なき惑星 (宇宙英雄ローダン・シリーズ627) (日本語) 文庫 2020/10/15
クルト・マール (著), 増田 久美子 (翻訳)
発売日 : 2020/10/15
文庫 : 254ページ
出版社 : 早川書房 (2020/10/15)

【※以下ネタバレ】
 

レジナルド・ブルとヴィーロ宙航士を乗せたヴィールス船は、超越知性体エスタルトゥが支配するエレンディア銀河に向かった!


暗黒エレメントとの戦いで無数のヴィールス雲に分散したヴィールスインペリウムは、みずからの物質でつくったヴィールス船をギャラクティカーたちに提供した。異郷への憧れにとらわれた人々を乗せて、ヴィールス船はそれぞれの目的地へ向かっていく。レジナルド・ブルひきいる《エクスプローラー》もその一隻だった。異銀河からの客人"ストーカー"が宣伝していたエレンディラ銀河へとコースをとったブルだったが……

 

あらすじ

◇1253話 エレンディラ銀河をめざして(クルト・マール)(訳者:増田 久美子)

 ブル、ロワ・ダントン、テケナーが、それぞれ指揮するヴィールス船は、エレンディラ銀河に到達したあと、別々の道を行くことになった。ブルたちは奇跡「至福のリング」を持つ惑星を発見するが、惑星の住人は核戦争で自滅しており、唯一の生き残りで住民の監視役を名乗る「エルファード人」は、別の惑星「クロレオン」の位置を教えると自決してしまう。ブルたちはやはりリングを持つクロレオンに到着するが、惑星を覆うバリアに捕まってしまい、さらに「クロレオン人」は、ブルを「最後の闘争」のために来た「戦士」だと誤解していた。(時期:NGZ429年3月8日~4月5日)

※初出キーワード=メンター、エルファード人、惑星ギイダイ、ギイダー種族、惑星クロレオン、クロレオン人、戦士のシンボル、最後の闘争、恒星おとめ座の門、隠者の惑星



◇1254話 希望なき惑星(クルト・マール)(訳者:増田 久美子)

 ブルたちはクロレオン人と接触し、彼らが5000年間「最後の闘争」のために「戦士」を待っていたことを知る。5000年前、星間帝国の盟主だったクロレオンに戦士の軍勢が現れて無条件降伏を迫り、クロレオン人が拒否すると、戦士は惑星を封鎖した後、5000年後に「最後の闘争」を挑む事を予告して立ち去った。それ以降、クロレオン人は最後の闘争に勝利するため、クローンで繁殖する全体主義社会を作り上げていた。ブルは戦士であることを否定するが、クロレオン人は認めず、クロレオンの支配者たちはブルに5000年前の資料庫に案内すると言う。(時期:不明:NGZ429年4月頃)

※初出キーワード=戦士のこぶし


あとがきにかえて

 コロナ流行の始まり頃に広島旅行をした話。


感想

 前半エピソード … 原タイトル:AUFBRUCH NACH ERENDYRA(意訳:エレンディラへの旅立ち)

 ブルが、ヴィーロ宙航士になった途端、単なる無責任おじさんになってしまって、なんかモヤモヤする……、そして西暦4000年代になっても、宇宙では核兵器が究極兵器みたいな書き方をされていて、そこもなんか妙な気分。

 あと、パーミットは棒かと思っていたら、穴の開いた中空のパイプらしい……、そんなものに手を突っ込んで身分証だと言っている光景はかなり妙ちきりんである。

 ところで航海士の宇宙版なら「航宙士」であるべきなのでは? というか、昔は「航宙士」じゃなかった? いつの間にか「宙航士」にひっくり返ってしまったような? というのも「ヴィーロ宙航士」という言葉が言いづらくて仕方なくて気になるから……



 後半エピソード … 原タイトル:WELT OHNE HOFFNUNG(意訳:希望なき惑星)

 完璧な全体主義のクロレオン社会の描写がなかなか面白い。ただ、星間帝国を作るほどの科学力があったにしては、5000年経っても大して進歩してないのはどうなんだろうという感じですけど……
 
 
 

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