【SF小説】感想「疫病惑星の女神」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 633巻)(2021年1月21日発売)

疫病惑星の女神 (宇宙英雄ローダン・シリーズ633)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123128
疫病惑星の女神 (宇宙英雄ローダン・シリーズ633) (日本語) 文庫 2021/1/21
H・G・フランシス (著), クルト・マール (著), 星谷 馨 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2021/1/21)
発売日 : 2021/1/21
文庫 : 269ページ

【※以下ネタバレ】
 

メタバイオ変換能力者のイルミナがヴィールス船で訪れた惑星は、"神"キドによる病気を利用して神官がその住人を支配していた!


メタバイオ変換能力者イルミナ・コチストワは、不運な者たちの病を癒やす目的のため、ヴィールス船に乗りこんで、ひとりテラを旅立った。彼女もほかの多くのヴィーロ宙航士と同様、エスタルトゥをめざすつもりだ。その途中でたどりついた惑星マガラでは、トカゲの末裔である神官が、かれらの神マガラ・キドが引き起こす病気を利用して住民を支配していた。キドが発信するパラプシ性インパルスが病気の原因と判明するが!?

 

あらすじ

◇1265話 疫病惑星の女神(H・G・フランシス)(訳者:星谷 馨)

 イルミナ・コチストワは、ヴィールス船でグルエルフィン銀河近傍の惑星「マガラ」を訪問するが、マガラ人は神「キド」の力で発生する腫瘍に苦しんでいた。イルミナは、キドの正体がこの星に墜落した宇宙船の乗員で、異常な細胞増殖に侵され、超能力で惑星の住民に危害を及ぼしていることを突き止めた。イルミナはキドの正常な細胞を培養してトカゲ人として再生し、マガラ人を治療して立ち去った。そのあと、イルミナはエレンディラ銀河でブルたちと接触してから、エルファード人の基地に忍び込み、彼らが「法典分子」というガスに依存していることを調べて逃走した。(時期:~NGZ429年5月25日)

※初出キーワード=惑星マガラ、マガラ人、惑星ウルダラン、法典分子


◇1266話 まやかしの楽園(クルト・マール)(訳者:星谷 馨)

 テケナーたちが墜落した惑星ナガトは、ハイパー嵐により接近不可能な状態が続いていた。その間に、ナガト周辺に「戦士の輜重隊」と称する宇宙船団が出現し、「歳の市」を開催し始めた。ブルは市に潜入し、エレンディラ銀河が「永遠の戦士カルマー」に支配され、「恒久的葛藤」というルールで動いていることを知る。しかしブルは富裕層専用の施設「エリュシオン」で捕らえられてしまう。またイルミナもエルファード人に追われて逃走を余儀なくされる。(時期:不明:NGZ429年5月頃)

※初出キーワード=エリュシオン、法典忠誠隊、護衛部隊、自由忠誠隊、恒久的葛藤、法典ペプチド


あとがきにかえて

 時事ネタで「トランプ大統領が敗北を認めていない」という話。


感想

 前半エピソード … 原タイトル:DIE HEILENDE GOTTIN(意訳:癒しの女神)

 ローダン史上初の、イルミナ・コチストワが主役を張るエピソード。体感で普段の二倍の密度があり、惑星マガラの冒険に加えて、さらにエレンディラ銀河に到着後ももう一活躍、とイルミナ大忙しでした。いつものローダンシリーズなら、マガラの冒険で一回・惑星ウルダランの冒険で一回、は使っていたと思う。

 ところでイルミナたちはミュータント部隊とかの仕事を辞めてふらりと宇宙の旅に出たわけですが、政府から、私人になるなら細胞活性装置を返還せよとか言われなかったのでしょうか。装置は私物では無くてあくまで人類に貢献してくれる人間への恩恵だと思うのですけど……


 後半エピソード … 原タイトル:DER TROSS DES KRIEGERS (意訳:戦士の供)

 ブルが宇宙を移動する催事場に乗り込んであれやこれやと調べて回る話。ようやくエレンディラ銀河の体制が見えてきましたが、話をどう転がす気なのかはさっぱり見えてこない…… このヴィーロ宙航士がどうのこうのという展開、さっぱり魅力を感じないのですが……
 
 
 

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