【人形劇】感想:人形劇「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀3」第13話(最終回)「照君臨」

Thunderbolt Fantasy 東離剣遊紀3

武侠ファンタジー人形劇 TVシリーズ3期『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀3』 https://www.thunderboltfantasy.com/season3/
放送 BS日テレ

www.thunderboltfantasy.com
【※以下ネタバレ】
 

第13話(最終回) 『最終話 烈士再起』 (2021年6月26日(土)深夜放送)

 

あらすじ

 無界閣[ムカイカク]に魔界の軍勢が出現し、萬軍破(バングンハ)(大塚明夫)や西幽皇軍の兵士・神蝗盟[シンコウメイ]の構成員たちとの死闘が開始された。

 萬軍破は魔剣目録[マケンモクロク]に収められている剣を取り出し、照君臨(ショウクンリン)(悠木碧)との戦いに挑むが、魔剣はどれも萬軍破の力をもってしても制御することができない。それでも萬軍破は自分が使える剣を求め、次々と魔剣目録から剣を取り出していった。

 刑亥(ケイガイ)(大原さやか)は牢に閉じ込めている殤不患(ショウフカン)(諏訪部順一)に、いつから計略をもくろんでいたのか問いただすが、そこに凜雪鴉(リンセツア)(鳥海浩輔)が現れ、自分が確保していた逢魔漏[オウマロウ]と殤不患の身柄の交換を提案する。しかし凜雪鴉は刑亥と少し話しただけで逢魔漏で姿を消してしまい、不審に思った刑亥が殤不患の牢を叩き壊すと、中には殤不患はおらず、声を伝える人形が置いてあるだけだった。

 殤不患は萬軍破の元に駆け付け、共に照君臨と戦うが、魅了の術を使われてしまい、それを避けるため全力で戦うことができない。しかも照君臨は割られずに残っていた逢魔漏を見つけ、無界閣の外へと出ようとする。

 しかし、その瞬間、凜雪鴉の逢魔漏で過去から戻って来た婁震戒(ロウシンカイ)(石田彰)が、七殺天凌(ナナサツテンリョウ)で照君臨を刺し貫き、再び七殺天凌に照君臨の魂を取り込んだ。婁震戒は七殺天凌と二人だけの場所に行くために、凜雪鴉の逢魔漏でどこかへと消えた。婁震戒と七殺天凌はどことも知れぬ闇の中に到達し、婁震戒は死に、七殺天凌は永遠に闇の中をさまようことになった。


 直後、萬軍破の部下たちが魔界の軍勢を壊滅させたと報告にやってきた。萬軍破は剣を使用したことで瀕死となっていたが、彼らに対し、来るべき魔族との戦いに備えて東離に行ってほしいと頼み、自らは死の前に帝に直訴するため凜雪鴉の逢魔漏で宮中に戻った。そして帝に対し皇女・嘲風(チョウフウ)(釘宮理恵)の悪政をいさめるように訴えるが、次の瞬間帝の刃により切り殺される。実は既に帝はおらず、禍世螟蝗(カセイメイコウ)(速水奨)が帝のふりをして嘲風を操っていたのだった。

 殤不患は、とりあえず無界閣の入り口を封じて使用できないようにしようとするが、突然浪巫謠(ロウフヨウ)(西川貴教)が無界閣の中に消えてしまう。浪巫謠は阿爾貝盧法(アジベルファ)(三木眞一郎)を討つため魔界に行くことを決意しており、阿爾貝盧法はそれを歓迎し、刑亥に道案内を命じる。(とりあえず終幕)


感想

 ほふぅ、またしても虚淵マジックを見せられてしまった……

 前回のラストまでで「殤不患(ショウフカン)は捕まったまま」「照君臨(ショウクンリン)は大復活」「魔界との入り口が繋がってしまい魔族の軍団が参戦」「婁震戒(ロウシンカイ)は過去に置き去り」、と、これを一体どうやって収拾するのかと思ったら、キッチリ30分で収めてしまった……

 何といっても照君臨の倒し方が最高にしびれた。魔剣目録の中のどれかを使って倒すのかと思ったら、前回で退場したと思っていた婁震戒(ロウシンカイ)をこう使ってくるとは……、魔剣の最期も封印というありふれた(?)手段ではなく、狂信者の婁震戒に引きずられて宇宙を永遠にさ迷う羽目になるとはインパクト強すぎでした。

 殤不患の件も(視聴者の見ていないところで)とっくに凜雪鴉が救い出していて、話していたのは可愛い殤不患人形だったというのにちょっとワロタ(笑)

 しかしこのラストは……、「2」の最終回も「このあとまだまだ続くよ」と匂わす終わり方ではありましたが、今回はそれ以上、というか、もう「4」の製作を完璧に前提にした終わり方(笑) これで続きが無かったら許されないレベルじゃん(笑)

 2024年冬クールくらいに今度こそ完結編をやるんですかねぇ。まあ期待して待ってます!

総括

 評価は◎(良く出来ました)。

 2018年10月~12月に放送された人形劇の二年ぶりの第三期。今回も第一期・二期に負けず劣らずの濃いストーリーが展開されてしびれっぱなしでした。


 殤不患(ショウフカン)(諏訪部順一)は魔脊山[マセキザン]の谷底へと転落した魔剣・七殺天凌(ナナサツテンリョウ)を取り戻すため、浪巫謠(ロウフヨウ)(西川貴教)、凜雪鴉(リンセツア)(鳥海浩輔)、捲殘雲(ケンサンウン)(鈴村健一)と共に谷底へと向かうが、やがて謎の空間・無界閣[ムカイカク]にたどり着く。その中では、魔族・刑亥(ケイガイ)(大原さやか)が、秘密結社・神蝗盟[シンコウメイ]と手を組み、殤不患が持つ魔剣目録[マケンモクロク]を奪おうと企んでいた……


 第三期は再び魔族との対決を前面に押し出してのストーリー。異空間・無界閣をメインに、今まで名前のみの登場だった西幽や魔界へも舞台を広げ、殤不患一行、神蝗盟、魔族、婁震戒、等、様々な勢力の思惑が複雑に入り乱れる先の読めないストーリーが展開され、もう毎回引き込まれっぱなしでした。


 しかし、まあ、

・第一期…「主役コンビの凜雪鴉と殤不患がそれぞれ正体を隠していた」
・第二期…「敵だと思っていた相手が途中で脱落し、全く別のキャラとの最終決戦が待っていた」

 のような驚天動地級の驚きはさすがに無かったので、ちょっと「1」「2」と比べると落ちた感はあります……、まあそれでも十分に面白い展開だったので不満はありませんけど。

 あとは、今回は次に向けての伏線を張りまくりというか、張り過ぎというか、浪巫謠と爾貝盧法(アジベルファ)の対決は持ち越しになってしまったし、睦天命も「え、出番はこれだけ?」と顔出し程度にしか登場しなかったし、白蓮もまた出てきそうだし、露骨に続きをアピールしすぎって気もしました。

 いくら面白くても、そろそろ次辺りで完全決着してほしいですよね。
 
 
 

他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2 オリジナルサウンドトラック