【SF小説】感想「潜入捜査官ブル」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 671巻)(2022年8月17日発売)

潜入捜査官ブル (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-671)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123748
潜入捜査官ブル (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-671) 文庫 2022/8/17
ロベルト・フェルトホフ (著), H・G・フランシス (著), 林 啓子 (翻訳)
出版社:早川書房 (2022/8/17)
発売日:2022/8/17
文庫:298ページ

【※以下ネタバレ】
 

カルタン人の秘密を追うレジナルド・ブルは惑星クマイにて彼らの顔を模したバイオ・マスクを装着し、医療施設への潜入に成功する


カルタン人の秘密を追うレジナルド・ブルは、惑星ピナフォルで入手したラオ=シンの植民地惑星の座標をもとに、惑星クマイへと向かう。イルミナ・コチストワに作成してもらった病気のカルタン人のバイオ・マスクをもちいて、潜入捜査を行なおうと考えたのだ。“エクスプローラー”がクマイに到着し、“ラヴリー・アンド・ブルー”で地表に降りたブルは、その変装に気づかれることなく、医療施設への潜入に成功するが…。

 

あらすじ

◇1341話 潜入捜査官ブル(ロベルト・フェルトホフ)(訳者:林 啓子)

 アブサンタ=ゴム銀河。ブルはさらにカルタン人の秘密を追うため、カルタン人に変装し、惑星クマイの基地に潜入した。しかし、すぐに発見され捕虜になってしまった。(時期:NGZ446年10月~11月13日~)

※初出キーワード=ブランデルク星系・惑星クマイ。アルゴム星系・惑星シャレジ。シャント星系・惑星バンセジ。エスポ(エスパー警察)。涙ネット。タルカニウム。



◇1342話 無限からきたる死(H・G・フランシス)(訳者:林 啓子)

 ローダンたちは、テスタレの報告で、奇跡「不吉な前兆のカゲロウ」の異常はカルタン人が原因だと知り、調査に乗り出した。そしてカルタン人の植民地「四星系植民国家タルカニウム」の中枢惑星フベイに潜入するものの、すぐに捕まってしまう。時を同じくしてカルタンエスパーたちが一斉に死に始め、カルタン人は大混乱に陥った。その原因はタルカニウムに接近するカゲロウのためだと判明し、カルタン人はパラ露の爆燃を阻止するため、ローダンたちと共闘することにした。エイレーネは、突如、カルタン人が五万年前、エスタルトゥ諸種族に影響を与える強大な存在であったことを理解する。(時期:不明:NGZ446年11月頃)

※初出キーワード=グイタ星系・惑星ファマル(惑星フベイ)


あとがきにかえて

・ロベルト・フェルトホフの略歴
・趣味のピアノと古賀政男の話


感想

・前半エピソード 原タイトル:DER SPION VON KUMAI(意訳:クマイのスパイ)

 フェルトホフの二作目。しかしブルがカルタン人の基地内をうろうろした挙句につかまってしまうだけの単調な話でちとガッカリ。

 あと邦訳サブタイトルもちょっとなぁ感ありますね。「潜入捜査官」て何よ、みたいな。素直に「惑星クマイのスパイ」で良かったのでは……



・後半エピソード 原タイトル:TOD AUS DER UNENDLICHKEIT(意訳:無限からの死)

 このネットウォーカー・サイクルでは殆ど主人公らしいことをしていないローダン(そもそも名前すらあまり出てこない……)が、同じくさっぱり仕事をしていないアトランや出番のないラス&フェルマーと共に敵地に乗り込んで諜報活動を行うという、かつてはしょっちゅうやっていたけど今では全然やらなくなった展開をやってくれて、もう懐かしさ爆発のエピソードでした。

 そして、ここに来てカルタン人がかつてエスタルトゥ12銀河の種族より強大だったという事実が判明したり、パラ露爆燃の危機が迫ったり、と、結構サイクル終盤らしく盛り上がってまいりました。うむ、なかなか。

 しかし、このサイクルの流れ、序盤から中盤はなかなか話が展開せず、と思ったら突然紋章の門が崩壊し、そのあとはバタバタと終盤の締めに入り、と、25冊(50話)もあったような気がしないんですよね…… ドルーフの頃なんか25冊あれば凄い盛りだくさんだったような……
 
 
 

650巻~675巻(「ネットウォーカー」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com

ローダン・シリーズ翻訳者一覧は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com