【SF小説】感想「スカラベの道」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 695巻)(2023年8月17日発売)

スカラベの道 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-695)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150124175
スカラベの道 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-695) 文庫 2023/8/17
H・G・フランシス (著), ロベルト・フェルトホフ (著), 工藤 稜 (イラスト), 嶋田 洋一 (翻訳)
出版社:早川書房 (2023/8/17)
発売日:2023/8/17
文庫:272ページ

【※以下ネタバレ】
 

ローダン一行は"永遠なる穴"の手掛かりを求め、惑星ラムに到着。そこでベオドゥが見た夢を手がかりに惑星フンドロを目指すが!?


ウシャアル星系の惑星チェオバドから脱出したのち、ローダン一行は“永遠なる穴”の所在の手がかりを求めて、謎の通信インパルスを発していた惑星ラムに着陸した。だが何も発見できず、廃墟で謎の生物にナイ・レングが襲われ、精神に異常をきたす。そこでの唯一の成果は、ベオドゥが手がかりになりそうな夢を見たことだけだ。惑星フンドロにある巨大ピラミッドに、“永遠なる穴”へと至る秘密の部屋があるというのだが…

 

あらすじ

◇1389話 スカラベの道(H・G・フランシス)(訳者:嶋田 洋一)

 タルカン宇宙。ローダン、ベオドゥ、カルタン人ナイ・レングの三人は、ヘクサメロンの本拠ナコード・アズ・クールを求めて二ヵ月間さ迷っていたが、やがてベオドゥの見た夢を手掛かりに惑星フンドロにたどり着いた。この星はナコード・アズ・クールの影響で精神を病んだナックの治療惑星で、ヘクサメロンに支配されていた。ナイ・レングは殺され、ローダンたちはフンドロを含むハンガイ銀河の第三クオーターが通常宇宙に転移することを知りフンドロから脱出した。第三クオーターの星々が消えたことで、ついにローダンたちはナコード・アズ・クールを発見するが、その正体はコスモヌクレオチドだった。(時期:NGZ447年10月頃~11月30日)

※初出キーワード=惑星ラム。恒星ファンジ/惑星フンドロ。甲虫フン=クイザル。


◇1390話 ドリフェル・ゲート(ロベルト・フェルトホフ)(訳者:嶋田 洋一)

 ローダンたちはナコード・アズ・クールに突入し、ドリフェルが全ての宇宙にまたがって存在しており、ナコード・アズ・クールとはタルカン宇宙から見たドリフェルであることを知った。ローダンたちは過去を追体験し、200万年前に支配者ヘプタメルが重力定数を高めてタルカン宇宙の収縮を速めた事や、5万年前にカルタン人とハウリ人が決戦を行い、エスタルトゥは支配者ヘプタメルに敗れたことを知る。やがてローダンたちはドリフェルから脱出したが、待ち伏せしていた炎の侯爵アフ=メテムに捕まってしまった。(時期:NGZ447年12月4日~448年1月3日)

※初出キーワード=惑星クレドクレド人。亡霊を視る者。


あとがきにかえて

・亡くなった父上の家に引っ越した話。


感想

・前半エピソード 原タイトル:STRASSE DER SKARABAEN(意訳:スカラベの道)

 ローダンたちが惑星フンドロで奮闘する話。

 タルカン・サイクル唯一のフランシス担当回。フランシスはこのサイクルではほぼ本編の仕事をしておらず、書いた数がシェールよりまだ少ないという……、本編以外のローダンの別の仕事で忙しかったのかな?

 タイトルになっている「スカラベの道」も高度な知能を持つ甲虫「フン=クイザル」も物語的にはあまり意味が無かったので拍子抜けでした。カルタン人ナイ・レングは物語的に持て余したのか、あっさり退場させてしまってこれはちょっと……という感じでした。


・後半エピソード 原タイトル:DIE TORE DORIFERS(意訳:ドリフェルの門)

 ローダンたちがナコード・アズ・クールことドリフェルに突入する話。都合よくタルカン宇宙の過去の歴史が語られて、読者的にはありがたかったわけですが……

 途中で「ドリフェルとはなにか?」と哲学的な事を語りはじめますが、実のところ全く説明になっていなかったので苦笑い(笑) 作者たち自身も、コスモヌクレオチドとかその辺りが何なのかをはっきり決めてなかったのではなかろうか、という疑いが……
 
 
 

675巻~700巻(「タルカン」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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ローダン・シリーズ翻訳者一覧は以下へどうぞ

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