【SF小説】感想「秘密惑星チェオバド」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 689巻)(2023年5月23日発売)

秘密惑星チェオバド (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-689)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150124078
秘密惑星チェオバド (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-689) 文庫 2023/5/23
ロベルト・フェルトホフ (著), ペーター・グリーゼ (著), 星谷 馨 (翻訳)
出版社:早川書房 (2023/5/23)
発売日:2023/5/23
文庫:272ページ

【※以下ネタバレ】
 

惑星タルウルに転移したローダンは、レングとベオドゥの三人で異種族訓練センターにて制御マスターになるべく訓練を受けるが!?


暗殺者“水使い”の猛攻をかろうじてかわし、惑星タルウルに転移したローダンは、背教者シャルンの助けをかりて砂漠に潜伏する。三日後、ナイ・レングとベオドゥがタルウルに到着すると、三名で異種族訓練センターで制御マスターになるための訓練を受けることに。講義を受けるかたわら、必死で物質シーソー、あるいはその制御施設が隠された場所を探索する。やがてそれが、第五惑星チェオバドにあることをつきとめるが…。

 

あらすじ

◇1377話 思いがけない味方(ロベルト・フェルトホフ)(訳者:星谷 馨)

 ローダンはハウリ人の背教者の助けで暗殺者の攻撃をかわし、ハウリ人の主星タルウルへと潜入した。やがてローダンは発見されるものの、同じ頃ベングエルとジュアタフ・ロボットの大艦隊がウシャアル星系に出現した。ローダンは艦隊を退去させるという条件でハウリ人と交渉し、タルウルから無事脱出した。(時期:NGZ447年8月4日とその前後)

※初出キーワード=無し



◇1378話 秘密惑星チェオバド(ペーター・グリーゼ)(訳者:星谷 馨)

 ローダンはベングエルとジュアタフ・ロボットの大艦隊をウシャアル星系から退去させる一方、厳重に警戒された惑星チェオバドへと向かった。ところが謎のプシオン・インパルスによって、ローダンたちにヘクサメロンの侯爵の一人・アフ=メテムの情報が与えられた一方、チェオバドの住民はみなローダンをアフ=メテムと認識するようになっていた。ローダンは状況を利用し、チェオバドに「物質シーソー」があることを突き止めるが、本物のアフ=メテムからの連絡が入ったために偽物とばれてしまい、チェオバドから脱出した。(時期:不明。NGZ447年8月頃)

※初出キーワード=ナコード・アズ・クール(永遠なる穴)


あとがきにかえて

・ローダンたちが四人組を結成したのでビートルズを連想したという話


感想

・前半エピソード 原タイトル:DER ROTE HAURI(意訳:赤いハウリ人)

 ローダンがハウリ人の主星タルウルに乗り込んで(収穫なく)脱出するまでの話。

 この話で一番驚いたのが、ローダンたちを助けたハウリ人の背教者シャルンが今回限りで退場した事です。前回と今回であれだけ過去とか描写して重要人物みたく思えたのに、ただのゲストキャラだったなんて!? まあ、過去を思い返せば初期のフォルツ作品も似たような事をしていたので、今回の作者のフェルトホフはまさしく帰って来たフォルツという感じですね。

 ハウリ人がウシャアル星系に現れたベングエルたちの艦隊に対し、銀河中からの非難を恐れて攻撃できない、という描写があるのが解らない。ハウリ人の勢力からすると、そのような非難を恐れる必要はないと思うのですが、ハンガイ銀河の勢力図は本当に理解しがたい。

 P104「むしろ、操作回路と作用回路の間におのずと類似性が生まれるためらしい」の意味がさっぱりわからない。これホントに正しい翻訳なんですか?



・後半エピソード 原タイトル:GEHEIMNISWELT CHEOBAD(意訳:秘密惑星チェオバド)

 ローダンたちが惑星チェオバドに潜入したところ、何故か「炎の侯爵アフ=メテム」と間違われて大歓迎される話。

 通常宇宙で奇妙な事が起きればたいていは“それ”のせいですが、タルカン宇宙の話ですから、これは行方不明のはずの超越知性体エスタルトゥが、『イマーゴ』のローダンを密かに支援したという事か……? 謎は深まります……
 
 
 

675巻~700巻(「タルカン」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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