【小説】感想:NHK番組「100分de名著」『シャーロック・ホームズ スペシャル 第2回 事件の表層と真相「赤毛組合」「唇のねじれた男」』(2023年9月11日(月)放送)

シャーロック・ホームズ スペシャル 2023年9月 (NHKテキスト)

100分de名著 NHK https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/
放送 NHK BSプレミアム

www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
 

誰もが一度は読みたいと思いながら、なかなか手に取ることができない古今東西の「名著」を、25分×4回=100分で読み解く番組です

 

第2回 事件の表層と真相「赤毛組合」「唇のねじれた男」 (2023年9月11日(月)放送)

 

内容

100分de名著“シャーロック・ホームズスペシャル”(2)事件の表層と真相
[Eテレ] 2023年09月11日 午後10:25 ~ 午後10:50 (25分)


シャーロック・ホームズ・シリーズでは、ささいな出来事の裏に大きな犯罪があり、重大事件と思われた出来事が実は平凡な人間の弱さから発しているという皮肉が描かれる。


赤毛の人だけを募集して不思議な仕事を依頼する奇妙な出来事の裏に巨大な犯罪が潜んでいたという顛末(てんまつ)を描く「赤毛組合」。恐ろしい誘拐事件にみえた犯罪が、実は妻に自分の秘密を隠すために行われた夫のとっさの行為だったことを描く「唇のねじれた男」。事件の表層と真相の反転をドイルは見事に描いていく。第二回は、人生や出来事が一筋縄ではいかない多層的なものだというコナン・ドイルの洞察に迫っていく。


【講師】京都大学大学院 教授…廣野由美子,【司会】伊集院光安部みちこ,【朗読】山寺宏一,【語り】小口貴子

 
・「赤毛組合」内容紹介。イラスト付き。朗読は山寺宏一。人は知らないうちに犯罪に巻き込まれている可能性がある。


・「唇のねじれた男」内容紹介。イラスト付き。朗読は山寺宏一。妻を信じて真実を打ち明けていない。つまり法律的には犯罪では無くても罪を犯している。


感想

 うーん……? なんか求めていた物と違う……

 あの超有名作「赤毛組合」を扱っているのに「人は知らないうちに犯罪に巻き込まれているかもしれません」みたいな事言っておしまいとか……、なんか、うまく表現できないけど、ホームズものの解説でこんなん聞きたいわけじゃないんだ感凄い……
 
 

https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/blog/bl/pEwB9LAbAN/bp/pW4AmyoLVk/
名著133「シャーロック・ホームズスペシャル」
NHK


世界で最も有名な名探偵、シャーロック・ホームズ。どんな難事件も持ち前の推理力でたちどころに解決する鮮やかな探偵ぶりは、鹿打ち帽、インヴァネスコート、パイプ、虫眼鏡といったいでたちともに、世界中の人に愛され、今も、ドラマ、映画、ゲーム、漫画などで二次創作が続けられています。生みの親は、アーサー・コナン・ドイル(1859-1930)。19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した人気作家です。元医師という経歴から発する人間洞察に裏打ちされた作品群には、単なるエンターテインメント小説の枠を超えて、「人間とは何か?」を問いかける深いメッセージにあふれています。そこで番組では、全シリーズからとりわけ人間洞察が透徹したエピソードを精選し、「人間の暗部や弱さ」「ささいな出来事に潜む犯罪の恐ろしさ」「人間の思考力・推理力の可能性」…といった奥深いテーマをあらためて見つめなおします。


作品の多くは事件の当事者や捜査に行き詰まった警察がホームズに助けを求め訪ねて来ることから始まります。ホームズは現場に調査に赴き、警察の見過ごした物証を発見し鮮やかな推理力を働かせて、事件の謎をことごとく解き明かしていきます。多くのケースが相棒であるワトスンによる事件記録という形で書かれますが、そこに浮かび上がるのは謎解きの答えだけではありません。憎悪や嫉妬がからみあう人間関係のもつれ、欲望に勝てず犯罪に手を染めてしまう平凡な人間の弱さ、善人の中に潜んでいる心の暗部……等々、私たち現代人も日々直面している人生の問題が露わになっていきます。「名探偵」とは、そうした人間に関する普遍的な問題を炙り出していく「文学装置」なのです。


番組では、イギリス文学研究者の廣野由美子さんを指南役として招き、シャーロック・ホームズ・シリーズのを分り易く解説。代表作8冊に現代の視点から光を当て直し、そこにこめられた【人間論】や【犯罪論】【文学論】など、現代の私達にも通じる普遍的なテーマを読み解いていきます。


<各回の放送内容>
第1回 名探偵の誕生
【放送時間】
2023年9月4日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ
【指南役】廣野由美子(京都大学教授)…著書に「ミステリーの人間学」など。
【朗読】山寺宏一
【語り】小口貴子


名探偵ホームズが世に初めて登場した作品「緋色の研究」。ささいな外見の特徴から初対面のワトスンをアフガニスタン帰りの軍医だと見抜くホームズの推理力に読者たちは喝采を浴びせた。世界で最も有名な名探偵誕生の瞬間である。実はこのホームズには実在のモデルがいた。コナン・ドイル医学生時代に出会ったジョゼフ・ベル教授。患者の表情や身体の様子からたちどころに病状を言い当てるベル教授からドイルはホームズを発想する。当時のロンドンは「切り裂きジャック事件」など猟奇的な事件が横行、不安に駆られた人々はそんなホームズに待望のヒーロー像をみたのだ。第一回は、ホームズ・シリーズの執筆背景を探りながら、どのようにしてこの名探偵が誕生したのか、そして人々の圧倒的な支持を受けたのはなぜかを考察する。



第2回 事件の表層と真相
【放送時間】
2023年9月11日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ
【指南役】廣野由美子(京都大学教授)…著書に「ミステリーの人間学」など。
【朗読】山寺宏一
【語り】小口貴子

赤毛の人だけを募集して不思議な仕事を依頼する奇妙な出来事の裏に巨大な犯罪が潜んでいたという顛末を描く「赤毛組合」。怖ろしい誘拐事件にみえた犯罪が、実は妻に自分の秘密を隠すために行われた夫のとっさの行為だったことを描く「唇のねじれた男」。些細な出来事の裏に大きな犯罪があり、重大事件と思われた出来事が実は平凡な人間の弱さから発しているという皮肉。こうした事件の表層と真相の反転を見事に描くのがホームズ・シリーズの特徴だ。第二回は、作品に描かれた事件の表層と真相を読み解き、人生や出来事が一筋縄ではいかない多層的なものだというコナン・ドイルの洞察に迫っていく。



第3回 ホームズと女性
【放送時間】
2023年9月18日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ
【指南役】廣野由美子(京都大学教授)…著書に「ミステリーの人間学」など。
【朗読】山寺宏一
【語り】小口貴子


王族スキャンダルの物証を取り戻そうとするホームズの裏をかき名探偵に苦杯をなめさせるアイリーン・アドラーの活躍を描く「ボヘミアの醜聞」。恐るべき児童虐待にみえた母親の行為が実は我が子を守ろうとする強烈な母性愛から発したものだったことが判明する「サセックスの吸血鬼」。ホームズ・シリーズに登場する女性たちは単なる添え物ではなく、確固とした自我をもち、ときにホームズを驚かせるような知性や行動力を発揮する。生き生きとした女性たちの活躍が作品に大きな魅力を与えているのだ。第三回は、19世紀後半~20世紀初頭の時代背景も交えながら、コナン・ドイルがなぜこうした女性像を描きえたのかを探っていく。



第4回 人間性の闇と光
【放送時間】
2023年9月25日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ
【指南役】廣野由美子(京都大学教授)…著書に「ミステリーの人間学」など。
【朗読】山寺宏一
【語り】小口貴子


幸せそのものだった夫婦が、ある人物の嫉妬による謀略で崩壊し憎悪の連鎖を生み出していく様を描いた「ボール箱」。数多くの状況証拠から父殺しは間違いないとみなされた息子の冤罪を晴らす「ボスコム谷の謎」。ホームズが発揮するのは冷徹な推理能力だけではなく、人生の機微を知り抜き、人間性の底に潜む闇と光を鋭く炙り出していく「人間学」の精華ともいうべき洞察だ。「名探偵」という設定はドイルが仕掛けた人間性の深みを照らし出す「文学装置」なのだ。第四回は、人間性の闇と光を浮かび上がらせる作品の魅力を通して、探偵小説やミステリーを「人間学」としても読み解ける可能性に迫っていく。

 
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