『ヒトラー帝国の興亡』は、第二次世界大戦におけるヨーロッパの戦いを戦略級のスケールで再現したシミュレーション・ゲームです。従来の戦略級ゲームでは複雑なルールが用いられてきましたが、本作は極めてシンプルなルールで各国の海軍力や空軍力を再現し、また陸軍による軍事作戦を再現しています。各陣営が採り得る戦略の幅が広く、また2時間ほどでゲームが終了するため、何度でも気軽に楽しむことができます。 戦略級に興味を持った人が初めて挑戦するのにふさわしいゲームです。
※『ヒトラー帝国の興亡』は、かつて翔企画から発売され、次いでコマンドマガジンで「ヒトラー帝国の盛衰」として改訂版が付録になり、その後初版のルールに準拠した「コマンド・ベスト」版も発売されました。このベーシック版は、「コマンド・ベスト版」と内容は同じですが、補給切れマーカー、PP減少マーカーが追加されています。
「ヒトラー帝国の興亡」とは!?
昨年2023年12月のゲームマーケットで株式会社IEDからウォーゲーム「ヒトラー帝国の興亡」が再販されたので、うぉぉ懐かしい~と思って、つい購入してしまいました。
このゲームは上記の説明にあるとおり、第二次大戦のヨーロッパ(とアフリカ大陸の北部)での戦いをテーマにした戦略級ウォーゲームです。
ウォーゲーマーは、この手の「一つの戦争の最高指揮官となり、戦いのすべてを思うがままにコントロールする」というやつが大好きで(※1)、この手の欧州戦線ゲームは十指に余るほどあるのですが、この「ヒト帝」は初版が1989年12月に発売(34年前!!)にも拘わらず、今まで定期的に再販を繰り返してきた人気ゲームであります。
※1 … ガンダムファンでも一年戦争全体をプレイできる「ギレンの野望」が好きじゃん?
第二次欧州大戦ゲームの歴史は古く様々な作品が作られていますが、多くの要素を盛り込もうとするとルールが非常に大量になり、「5~6人がかりで数十時間かけてプレイする」というモンスターになってしまいがちでした(それでもプレイする人たちはいますけど……)
かといって手軽にプレイできるようにまとめようとすると、抽象化が多くなり「プレイはできるけど、求めていたものとはなんか違う……」になってしまうという問題がありました。
ところがこの「ヒト帝」オリジナル版は、税抜き1500円という低価格と小ぶりなマップにも拘わらず、そういう抽象化感が極力抑えられていた「こういうのが欲しかったんだよ」感があふれていたので大人気になり、その後も愛され続けて来たのでした。
34年ぶりの再会
私も初版は購入したのですが、その後ウォーゲームが斜陽化→業界が(一時的にせよ)壊滅、という流れを受けていったん縁が切れてしまい、このゲームも手放してしまいまして…… しかしゲームマーケット情報を見ていたら、懐かしいこれが再版されるとのことで、また気分が盛り上がってつい購入してしまいました。
久々の再会となった「ヒト帝」ですが、第一印象は懐かしいではなく「君、ホントにヒト帝なの……?」でした(笑)
なにせオリジナル版のマップはある意味素朴、ある意味手作り感満載、ある意味「安いのだからまあこういうもんでしょ」というものでしたが、今回のバージョンはA2サイズの超小ぎれいなもので…… まあ2023年にあのオリジナルのマップを差し出されたらどうかと思いますけど、ここまでキレイになっているとは……
ルールすっかり忘れてしまったので一から読み直しております。昔、ゲーム分析記事が掲載されたシミュレイター誌も読み直すかなぁ。
第二次世界大戦 下-1943-45