笑わない数学 NHK https://www.nhk.jp/p/ts/Y5R676NK92/
放送 NHK総合。
www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
パンサー尾形が難解な知の世界を大真面目に解説?!
内容
笑わない数学 スペシャル 微分・積分
[総合] 2024年12月29日 午後10:00 ~ 午後10:45 (45分)
「笑わない数学」が1年ぶりにスペシャルで帰ってきます!今回のテーマは、学校数学の最難関「微分・積分」。美しくも不思議な知の世界をパンサー尾形が大真面目に解説!
数学の歴史のなかでもこれほど人類社会にインパクトを与えた分野はないとも言われる「微分・積分」。でも「あのヘンテコリンな記号のおかげで数学に挫折したな~」なんて思ってませんか?今回は「なんで数学者は微分・積分なんて考えたくなっちゃった?」「あの記号はなんであんな形なの?」という話に始まり最後は数学に自信のある理科系の人も驚く話まで。見ればきっと数学の深遠さを「微かに分かった積もり」になれるはず!
●曲線で囲まれた面積の求め方
曲線で囲まれた図形の面積をどうやって求めるかは数学上の大問題だった。アリストテレスは、放物線で囲まれた図形は、三角形を無数に敷き詰めて求める事に成功したが、他の図形ではそのやり方は使えなかった。
●積分
やがて数学に「座標」という概念が誕生し、曲線が方程式であらわせるようになると、先の問題は「グラフの面積をどうやって求めるか」という問いに変わった。これを解決したのが、ニュートンとライプニッツ。
その方法は
1)曲線で囲まれた図形に対し、細長い長方形を敷き詰めて階段状の図形と見なす。その細長い長方形の面積を全て合計すると近い面積が得られる。
2)細長い長方形の幅をもっと小さくすれば、より段が細かい階段状図形となり、先よりもっと正確な面積が得られる。
3)長方形の幅を果てしなく小さくしていけば、それだけ元の図形に近いていくので、それを突き詰めて、長方形の幅「Δx(デルタエックス)」を「無限小量:ゼロではないがゼロと見なしても良い数」と考えると、曲線で囲まれた面積が得られる。
●微分
微分は曲線の接線(傾き)を得る方法。これもグラフ上で三角形を描き、無限小量の考えを使うと簡単に求められる。微分を使う事で、大砲の弾を発射した後の軌道も、惑星が太陽の周りを回る軌道も計算できるようになった。
天文学者エンドモンド・ハレーは、過去に観測された彗星の軌道を計算し、そのうち「1531年、1607年、1682年」に観測された彗星の軌道が極めて似ていることから同じ彗星と判断した。そして彗星が75年ごとに現れているので次は1758年に戻ってくると予測し、その予言は見事に的中した。その彗星は今はハレー彗星と呼ばれている。
●挫折の歴史
しかし微分・積分はすぐに受け入れられたわけでもなかった。アイルランドの聖職者・哲学者ジョージ・バークリーは、無限小量の考え方について、「最初のうちはゼロでない数として扱うのに、最終的にはゼロと見なして計算しているのでおかしい」と批判した。数学者たちは、それに反論しようと色々な試みを行うがうまくいかなかった。
最終的に19世紀の数学者オーギュスタン=ルイ・コーシーとカール・ワイエルシュトラウスが、無限小量を「極限」という厳密な定義に置き換えることで、ようやく微分・積分は完成した。
感想
数学をかみ砕いて教えてくれる番組が一年ぶりに45分スペシャルで復活です。お題は「多くの人に馴染みがあるが、大半の人には嫌な思い出でしかない」微分と積分の話。
積分の説明は割とわかりやすかったのですが、微分は流したというかそういう感じで「積分が解っていれば簡単ですよー」とか言っていたけど、ちっとも簡単じゃなくて適当にごまかされた感じでしたが!?(※あくまで個人の感想です)
あと、「微分・積分はニュートンとライプニッツが完成させました」と言われていたのに、実は19世紀まで未完成のままだった、という話は新鮮で面白かったですね。
この番組について
パンサー尾形貴弘が難解な数学の世界を大真面目に解説する異色の知的エンターテインメント番組! 「リーマン予想」「フェルマーの最終定理」「連続体仮説」「四色問題」「ガロア理論」「abc予想」「確率論」「P対NP問題」「カオス理論」「ポアンカレ予想」「暗号理論」「虚数」・・・。天才数学者をも苦しめてきた数々の難問、そして美しくも不思議な知の世界を、1回30分ワンテーマ、ギャグ封印で、トコトン分かりやすく掘り下げる!
MC 尾形貴弘 (パンサー)
語り 合原明子 (アナウンサー)