感想:アニメ「武装少女マキャヴェリズム」第12話(最終回)「少女達の「マキャヴェリズム」」

TVアニメ『武装少女マキャヴェリズム』エンディング・テーマ「DECIDE」

TVアニメ「武装少女マキャヴェリズム」公式サイト http://machiavellism-anime.jp/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)。全12話。

【※以下ネタバレ】
 

第12話(最終回) 『第十二節 少女達の「マキャヴェリズム」』 (2017年6月21日(水)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 天羽斬々にとって納村は、かつての邂逅以来是非とも手に入れたい存在であり、もし手に入れることがかなわなければ殺す事も辞さないつもりだった。


 納村は因幡月夜のアドバイスで、上半身裸になって斬々を一瞬ひるませ、その隙に魔弾を決める。斬々は魔弾を食らいながらも立ち上がってくるが、それ以降は納村と技術も何もないノーガードの殴り合いを演じ、納村はなんとか斬々をKOした。しかし納村は今回の騒ぎを引き起こした責任を問われ、学園長により退学を宣告される。

 回復した納村は、斬々が学園を去ったと聞き、後を追おうとするものの、外出許可がない以上外に出られなかった。月夜は納村に、同じ流派の人間として未熟ぶりが見ていられないので、自分を師匠にするなら外出許可のハンコを押してやると申し出てくる。やむを得ず納村は月夜に弟子入りし、空港で斬々に追いつく。斬々は、学園の人間への伝言として、納村は自分の物だと伝えろと言い残して去った。

 同じころ輪とメアリは学園長に納村の退学撤回を求めて食い下がっていたが、実は退学云々の話は冗談だったと聞かされて唖然とする。そして二人は学園長から、納村をしっかり監督するするように言い渡される。最後、学園に戻ってきた納村をみんなが歓迎しているシーンで〆。


脚本 :下山健人  絵コンテ : 橘 秀樹 演出 :橘 秀樹


感想

 うーんんんん、まあ原作通りといえばその通りの結末(原作もほぼここまでしか描かれていなくて、次期展開がスタートするかというくらいの段階)なのですが、なんかぜんぜん盛り上がらなかったよなぁ。

 納村が斬々の意表をついて魔弾を決めるシーンはこのバトルのクライマックス的な部分だし、その後の二人のノーガードの殴り合いは二人の過去の因縁の決算的なシーンだし、と盛り上げて盛り上がってしかるべきなのに、かるーくこなして終わってしまって拍子抜け。最後の、納村と斬々の空港のお別れシーンも、もう少し何か余韻があっても良かったのでは……


 悪くはないのですが、別に良くも無かったよなぁ……、


 もっとお金をかけて、絵も声優も話も豪華にして作ってほしかったよ……


総括

 評価は(ぎりぎりなんとか)○。

 原作漫画はすごく好きなのですが、アニメはどうにも微妙な出来で終わってしまい、失格ではないものの、どうにも物足りない事になってしまいました……


 「愛地共生学園」は、かつて不埒なふるまいを行った男子生徒に対抗するため、女子生徒による自警団的な物が結成された。そして今では学校は完全に女子主導となり、男子生徒は完全に男であることを捨てて女子に服従しながら卑屈に生きるような校風となっていた。さらに、今では他校で問題を起こした男子生徒を受け入れ、「矯正」するような体制となっていた。そんな学園に「納村不動」(のむら・ふどう)という生徒が転入してくるが、いきなり初日から大騒ぎを引き起こし……


 原作漫画は月刊少年エースで好評連載中の作品で、作者コンビの前作「竹刀短し恋せよ乙女しなこいっ」同様、オタク好みの絵柄でありながら、実在の武術の設定のうんちくを織り交ぜるという結構マニア好みの内容。そのため連載初回から大いに気に入って応援していて、それだけに、アニメの出来は気になるところだったわけですが……


 声優陣はフレッシュな陣容というか、正直名前を見てもピンとこない声優ばかりですがまあ悪くはないかなというところだったし、絵も原作テイストをまずまず反映しており合格点、と最初の感触は悪くなかったのですが……

 しかし、結局、どこまで行っても「悪くはない」のままで終わってしまいました…… 見ていると、「原作をとりあえず動かして声をつけてみました、それだけ」という感じでアニメにした意味があまり感じられない内容で、見ていても全く食い足りなくて…… まあ、雰囲気はほぼ原作通りなので、視聴していると原作漫画を最初から読み直しているような気にはなれましたが、アニメ化して本当に良かった! みたいな喜びは殆ど得られませんでした。


 アニメにしたのなら、もっと絵をガンガン動かして本格バトルアクションを見せてほしかったし、話ももっとメリハリをつけて原作好きでものめり込むような内容にしてほしかった。バトルシーンは多数あったものの大した迫力ではなかったし、斬々の回し受けの描写とかなんか、もう少しなんとかならなかったのか。オープニングで「アクション監修」という役職の人が表示されていましたが、意味が有ったのでしょうか。監修しようも無かったのでは。


 結局のところ、原作を知らない人に「こういう感じの漫画だよ」と紹介するためのツールとしては使えますが、アニメ単体として魅力があったかといえばNOといわざるを得ず……、うーん、 SILVER LINKにガチバトルアクションものを作らせたのが間違いだったのか?

自由を愛する高校生・納村不動が転校してきた愛地共生学園では、武装した女子達による無慈悲な男子支配が行われていた! 納村は転校早々、学園を統治する「天下五剣」の一人で「鹿島神傅直心影流」の使い手・鬼瓦輪に目を付けられ、粛清対象として勝負を挑まれることになるのだが……。武装少女達に「無刀」で抗う納村不動の運命は!? そして彼との因縁を匂わす謎多き女帝・天羽斬々の秘密とは!?



制作会社
SILVER LINK.



スタッフ情報
【原作】黒神遊夜
【作画】神崎かるな(「月刊少年エースKADOKAWA刊)
【監督】橘秀樹
【シリーズ構成】下山健人
【キャラクターデザイン】滝本祥子
美術監督】李凡善
色彩設計】岡亮子
【撮影監督】廣岡岳
【編集】坪根健太郎(REAL-T)
【音響監督】土屋雅紀
【音楽】水谷広実(Team-MAX)
【音楽制作】日本コロムビア



音楽
【OP】伊藤美来「Shocking Blue」
【ED】天下五剣(鬼瓦輪(CV:高田憂希)、亀鶴城メアリ(CV:北原沙弥香)、眼目さとり(CV:西田望見)、花酒蕨(CV:日高里菜)、因幡月夜(CV:日岡なつみ))「DECIDE」



キャスト
納村不道:畠中祐
鬼瓦輪:高田憂希
亀鶴城メアリ:北原沙弥香
眠目さとり:西田望見
花酒蕨:日高里菜
因幡月夜:日岡なつみ
天羽斬々:松井恵理子
百舌鳥野のの:伊藤美来
蝶華・U・薔薇咲:小日向茜
倉崎佐々:花井美春
右井右井:武藤志織
東狐常美:澤田美晴
狸原絹衣:山田悠希
猿渡ニコ:山田奈都美
キョーボー:藤田咲
増子寺楠男:太田哲治

 
 
TVアニメ『武装少女マキャヴェリズム』オープニング・テーマ 「Shocking Blue」【通常盤】
武装少女マキャヴェリズム B2タペストリーA
【電子版】武装少女マキャヴェリズム(1) (角川コミックス・エース)