感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第135話(シーズン6 第8話)「海底に消えたダイヤ」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン6」あらすじ・感想まとめ

 

第135話 海底に消えたダイヤ Underwater (シーズン6 第8話)

 

あらすじ

盗品を扱う宝石商が、部下に7500万ドルのダイヤを奪われる。海底で繰り広げられる攻防戦。フェルプス(ピーター・グレイブス)たちはダイヤのありかを突き止め、取り戻すことが出来るのか。

 
【今回の指令】
 盗品の宝石の売買ではアメリカ随一と言われる男バーリンガー(George Berlinger)は、48時間後に多量の盗品ダイヤを暗黒街の大物に7500万ドルで売却する予定である。ところがバーリンガーの腹心ホフマン(Frederick Hoffman)は、ダイヤを横領しどこかに隠してしまったため、バーリンガーはホフマンを拷問して隠し場所を聞き出そうとしている。IMFはダイヤを発見し、またバーリンガーの事業を終わらせなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、バーニー、ケイシー、ウィリー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 アメリカ国内


【作戦】
 冒頭。ホフマンが海上のボートの上でダイヤの運び屋を殺した後、ダイヤの入ったアタッシュケース共々死体を海中に沈め、さらにダイナマイトでボートを爆破する。そのあとホフマンはバーリンガーに捕まり、船の爆発で死にかけたがダイヤなど知らない、と言い訳するが、バーリンガーは信用しない。

 フェルプスがテープで指令を受け取る。

 バーリンガーは部下にダイヤを探させるものの見つからず、またホフマンは自白剤を投与しても何もしゃべらないため、手詰まり状態である。

 IMFは盗品ダイヤの中で最も目立つ指輪のレプリカを作り、ケイシーに身につけさせて、バーリンガーの部下の目につくようにする。ケイシーは指輪は知り合いから売ってもらったと大声で言い、部下はケイシーから指輪を盗んでバーリンガーの元に持っていく。

 バーリンガーは、これはホフマンがくすねたダイヤの一つだと信じ込み、他のダイヤを見つけるためケイシーを訪問し、ダイヤの売り主だというフェルプスにたどり着く。バーリンガーはフェルプスに、海で見つけたダイヤは一億ドルの価値が有るが、素人では到底売りさばけないので、自分が500万ドルで買い取ろうともちかけ、フェルプスも承諾する。

 一方、バーニーはバーリンガーに捕まっていたホフマンを助け出し、保険の調査員だと名乗る。そしてダイヤを取り戻せば保険会社から報酬として一割の750万ドルが手に入るので、二人で山分けしようと提案する。それを聞いて、ホフマンはダイヤ回収のため潜水服で海に潜り、それをウィリーが追跡する。一方フェルプスバーリンガーにダイヤを取りに行くと言って同じタイミングで海に出る。

 バーニーはホフマンがダイヤの隠し場所にたどり着いたと見計らったタイミングでガスで眠らせ、ウィリーがダイヤを回収し、フェルプスアタッシュケースとダイヤ一個だけを持って海上に戻る。そしてバーリンガーに対して、今ここでダイヤを渡せば殺されるのは解り切っているので、水中で友人に渡してきたと言って、バーリンガーに金を先に払うように要求する。

 バーリンガーは仕方なく、フェルプスの家に取引相手の暗黒街の大物を呼び、フェルプスに現金を見せて、ダイヤを持ってきてくれと頼む。フェルプスは了承して電話をかけるが、次の瞬間警官が部屋に飛び込んできて、バーリンガーも暗黒街の大物も逮捕されてしまう。最後フェルプスが家を出て、他のメンバーが待っている車に乗りこみ、そのまま車が走り去るシーンで〆。


監督: サットン・ローリー
脚本: アーサー・ウェイズ


感想

 評価は○。

 今回のエピソードは、犯罪者たちが探している巨額のダイヤをIMFが横からかすめ取ってしまう、という展開で、お宝がターゲットという事で、いつにも増して詐欺師たちによるコンゲームのような雰囲気が強く、なかなかに楽しめる内容だった。

 今回IMFは、フェルプスとケイシーが盗品ダイヤ売買の大物に接触し、一方バーニーは捕らわれた裏切り者の部下の方からダイヤの居場所を探ろうとする、という二正面作戦を行う。プロット自体はかなり単純で、複雑な伏線を張り巡らせている訳でもなかったが、見せ方が面白いので、特に物足りないと言う事も無かった。

 またケイシーがダイヤの指輪を落とした振りをして、バーリンガーの部下の目に指輪が止まるように大げさな芝居をしたり、バーニーが保険の調査員のふりをしてホフマンを嵌めて行ったり、と、いつもより各人の演じるキャラクターが面白く、そういう意味でも楽しめる回だった。

 バーニーは、かつてはメカに強い裏方メンバーという設定だったが、シーズン6ではそのあたりを完全に無かったことにして、フェルプスに次ぐチームのナンバー2として活躍するようになった。そして、今回はさらにその傾向が強まっており、唐突に声帯模写という技能を披露したばかりか、変装マスクをつけて別人に化けることもやってみせる。

 こういった役目は、かつてのチームメンバーのローラン(シーズン1~3)、パリス(シーズン4~5)の「変装担当役」の仕事だったが、このシーズンはバーニーがその仕事を引き継いでおり、あの地味だったバーニーが、声帯模写から何からこなすようになるとは驚きの一言だった。

 また変装マスクを脱いだ後も、自分が保険の調査員だと信じ込ませ、ケイシーと組んでホフマンに思いっきりだましを仕掛けていくというシチュエーションが痛快だった。その一方で、ウイリーが敵陣に運び込んだ木箱の中に隠れていて、こっそりそこから抜け出して目的地まで忍び込む、という、昔よく見られた懐かしい展開も用意されており、今回はバーニーの過去と現在が同居するようなエピソードだった。

 終盤、バーニーは、水中に潜ったホフマンをレーダーのような装置で追跡し、また水中のウイリーに無線で指示を与える。水中では電波は届かないので、さすがにこの辺りは現実離れしているが、まあフィクションなのだから細かい事を突っ込むのは野暮という物かもしれない。

 今回笑ってしまったのが、「海底」という設定のダイビングシーンで、人物のすぐ横に壁や窓のようなものが見えて、水槽というかそういう場所で撮影しているのが丸わかりな事である。まあ本物の海底で撮影するのは大変なのも理解できるが、もう少しばれないようにしてほしかった。ちなみに今回の水中シーンは水族館を利用したそうである。

 最後、フェルプスが電話で短く「良いぞ」というと、次の瞬間制服警官がどっと飛び込んできて、バーリンガーたちをホールドアップさせてしまう。そしてバーリンガーたちが訳が分からないまま立ちすくんでいるところを、フェルプスが涼しい顔で退散していき、車で仲間と共に立ち去る、という流れるようなシチュエーションが中々に痛快だった。という様に、複雑な策略のシナリオでなくてもそれなりに楽しめた回で、なかなかに満足度は高い話だった。


 今回のサブタイトルの原題「Underwater」とは「水中」のこと。実に直球なタイトルである。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが郵便局に入り、無数の郵便受けが並んでいる中から、目当ての郵便受けを見つけて、分厚い封筒と薄い封筒の二つを取り出す。そして分厚い封筒を開き、中から小型のオープンリール式テープレコーダーを引っ張り出す。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、薄い方の封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」と言い、テープから煙が吹き上がる。


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。今から48時間後に、その男、盗まれた宝石の売買にかけては国内随一と目されるバーリンガーが、多量の盗品ダイヤをある暗黒街の大物に7500万ドルで売り渡す予定になっている。ところがこの多量のダイヤを輸送の途中で横領し、これを巧みに隠してしまったのが、バーリンガーの腹心ホフマンであり、このため目下彼はダイヤの隠し場所についてバーリンガーから拷問を受けている。

 そこで君の使命だが、このダイヤの所在を突き止め、取引額7500万ドルを押さえてバーリンガーの商売に終止符を打つことにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

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