感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第160話(シーズン7 第11話)「指令なき作戦計画」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン7(150~171話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン7」あらすじ・感想まとめ

 

第160話 指令なき作戦計画 Kidnap (シーズン7 第11話)

 

あらすじ

休暇中にフェルプス(ピーター・グレイブス)が拉致された。交換条件は犯人らが関連する犯罪組織のボスを有罪にする物的証拠となる手紙。バーニー(グレッグ・モリス)がリーダーとなり手紙を貸金庫から奪う計画を進めると共に、フェルプスの救出作戦に取り掛かる。


休暇中のフェルプス(ピーター・グレイブス)がテニスコートから拉致された。交換条件は犯人らが関連する犯罪組織のボスを有罪にする物的証拠となる手紙。バーニー(グレッグ・モリス)が中心となり手紙を貸金庫から奪う計画を進めると共に、フェルプスの救出作戦に取り掛かる。

 
【今回の指令】
 無し


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、バーニー、ケイシー、ウィリー
 ゲスト:老婦人(エレベーターに同乗)


【作戦の舞台】
 アメリカ国内


【作戦】
 フェルプスとバーニーが一緒に休暇を楽しんでいるところを謎の男たちが襲撃し、フェルプスは何処かに連れ去られてしまう。襲撃の首謀者アンドルー・メツガーは、かつてIMFが作戦で大金を奪ったカジノのボスで、復讐のためIMFメンバーを探していた。しかし、IMFの腕前を見込み、フェルプスを人質にバーニーにある仕事を命じてくる。

 その仕事とは手紙の盗み出しで、メツガーは犯罪者仲間のミッチ・コナリーに殺人の証拠となる手紙を出していたが、最近になってコナリーは政府当局と取引し、その手紙を政府に差し出す代わりに自分は罪を免れるつもりだった。メツガーは、バーニーに対し、コナリーは今日の午後3時に銀行の貸金庫に入っている手紙を政府の情報局員に引き渡すので、その前に手紙を盗んで来い、と命じる。

 バーニーはケイシーとウィリーを呼び、手紙を盗みだしてコピーをとっておき、手紙はメツガーに渡すが、コピーの方を政府に提出することに決める。

 ケイシーが銀行に向かうコナリーから貸金庫の鍵をすり取って型を取ってから戻し、合い鍵を作って銀行に向かう。そしてバーニーがコナリーたちを足止めしている隙に、貸金庫から手紙を盗むことに成功するが、銀行を出た途端謎の男たちに手紙を奪われてしまう。手紙を奪った相手は、メツガーの部下ホークスで、手紙で自分のボスを脅迫するつもりだった。

 バーニーたちはケイシーの記憶を元に封筒を偽造してメツガーに見せ、中身の手紙は無事なフェルプスを確認したら届けさせると交渉しフェルプスと対面する。そこにホークスたちが現れ、自分たちが本物の手紙を持っていると言い、邪魔なフェルプスたちを殺そうとするが、IMFは隙を見てメツガーやホークスたちを殴り倒して手紙を奪い、部屋に閉じ込めた後、警察に連絡して悠々と立ち去る。


監督: ピーター・グレイヴス
脚本: サム・ローカ&ジェームズ・L・ヘンダーソン

感想

 評価は○。

 サブタイトル通り、今回はいつもの謎の上司のテープの指令に従った作戦ではなく、IMFがアクシデント的な事態に対応するストーリーとなっている。スパイ大作戦では、王道から外れたこの手の番外編話は大概の場合面白くもなんともないのだが、今回は手堅い展開で予想よりも楽しめた。

 今回の悪役メツガーは、バーニーに対し、以前にカジノから大金を盗まれた云々と恨み言を口にするが、この話は実は前シーズンのエピソード(シーズン6の第21話・通算第148話)「カジノ規制法」(Casino)の事である。

 もっとも今回の話を楽しむ際に「カジノ規制法」の内容は知らなくても全く問題は無い、というかメツガーたちは前の話で登場していたわけではなく、今回初登場なので、マニアがカジノ云々と聞いてニヤリとすれば良い程度の繋がりである。

 本作はフェルプス役のビーター・グレイブスが監督を担当している。もっとも、監督の仕事が忙しかったからか劇中におけるフェルプスの出番は少なめで、冒頭に悪人たちに連れ去られた後は、狭い部屋に監禁されて一人で必死で脱出の方策を練るくらいで、他の登場人物との絡みは殆ど無い。事情が解っているだけに仕方ない気もするが、IMFの顔のフェルプスの活躍が無いのは物足りなかった。
 
 今回のIMFの作戦は、朝の8時40分に指示を受けて、午後3時までに貸金庫から手紙を盗まなければならない、という飛び込みかつ超特急の仕事だったため、内容が薄い。見せ場は貸金庫の鍵をすり取って複製を作る場面くらいで、変装を駆使して壮大な騙しを仕掛けたわけでもなく、実にあっさりした話だったが、テンポが良かったのでそれほど不満は感じなかった。

 今回驚くのはケイシーの記憶力で、貸金庫から盗んだ手紙を奪われた後、それの偽物を作るために封筒の細部を思い出すのだが、外観や封蝋の色はともかく、宛先、貼ってあった切手、果ては消印が「シカゴ 1963年9月9日」ということまで完璧に思い出すのである。まさにカメラ的記憶力と言われるもので、一流スパイは並の人間とは違うというところを見せつけてくれた。

 コンゲーム物で、詐欺師チームが以前騙した相手に見つかってしまい、その挙句無理やり別の仕事をさせられる羽目になる、という話を見たことが有るが、今回のエピソードはそういったシナリオをスパイ大作戦に応用したというイメージが強い。フェルプスが拉致されて危機に陥るというところも含め、あまりスパイ大作戦の匂いはしない話だが、これはこれでそれなりに面白かったことも間違いない。

 最後も普段のスパイ大作戦とは違い結構ユーモラスで、悪党一味を部屋に閉じ込めた後、助け出されたばかりのフェルプスが現在時刻が午後4時47分だと知り、「5時半からテニスコートを予約しているので間に合うぞ」とバーニーに言うのである。朝テニスをする前にテニスコートから拉致されたので、改めてテニスをやろうと言っている訳で、フェルプスのとぼけた一面が垣間見えるオチだった。


 今回のサブタイトルの原題「Kidnap」とは「誘拐する」の意味。

参考:今回の指令の入手方法

 無し。

参考:指令内容

 無し。
 
 

シーズン7(150~171話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

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