感想:アニメ「キャプテンフューチャー」第1話「宇宙帝王あらわる」

コロムビア・サウンド・アーカイブス キャプテンフューチャー オリジナル・サウント・トラック-完全盤-

http://www.animax.co.jp/programs/NN10002001
伝説のSFアニメーション 「キャプテンフューチャー」特別番組


米国のSF作家エドモンド・ハミルトンによるスペースオペラ小説の金字塔『キャプテンフューチャー』を原作に持つ、NHKとしては『未来少年コナン』に続くTVアニメーションシリーズ。放送開始は、『スター・ウォーズ』などの宇宙SFブームに沸く1978年。製作は東映動画(現・東映アニメーション)。チーフディレクターを担う『UFOロボ グレンダイザー』の勝間田具治を筆頭に、メインライターを『デビルマン』の辻真先、キャラクター設計を『アローエンブレム グランプリの鷹』の野田卓雄ら実力派が集結する。また前年に『ルパン三世』を手掛けた大野雄二の音楽や、主人公キャプテンフューチャーを爽やかな二枚目に演じた広川太一郎の好演も印象深い。


名曲といわれるオープニング主題歌「夢の船乗り」は1~31話までを“ヒデ夕樹/ピーカブー”、32話~最終話までを“タケカワユキヒデ/ピーカブー”が担当。ふたつの主題歌のそれぞれの魅力も堪能してほしい。


原作の魅力である個性豊かなキャラクターたち、センス・オブ・ワンダーなメカニックやストーリーを、当時のSF的未来観も取り込みながら魅力的なビジュアルと骨太のアクションで描いた本作は、いまなお国内外で高い評価を受けている。再放送の機会も少ない“幻の作品”、2016年9月待望のBlu-Rayによる初パッケージ化にともない、今回特別に発売直前に、第1話~第8話までを特別放送!「幻のスペースオペラキャプテンフューチャー」にご期待ください。

放送 アニマックス。2016年9月24日(土)深夜放送。


【※以下ネタバレ】
 

第1話  宇宙帝王あらわる (「恐怖の宇宙帝王」より)

 

あらすじ

 人類が銀河系に進出した未来。はくちょう座61番星デネブの第七遊星メガラ星では、地球人が猿人と化す恐ろしい奇病「先祖返り病」が蔓延していた。もしこの病気が他の星に拡大すれば全惑星の地球人は滅んでしまうしかない。太陽系政府主席カシューは、調査のためメガラ星に情報部員を送り込むが、その部員も猿人化した末に「宇宙帝王」と言い残して死んでしまう。カシューはこの謎の「宇宙帝王」と「先祖返り病」に対処するため、銀河系最大の科学者にして冒険家のキャプテンフューチャーに調査を依頼した。

 フューチャーたちは愛機「コメット号」でメガラ星に向かうが、船内にはフューチャーメン入りを熱望する少年ケン・スコットが密航していた。フューチャーたちは仕方なくケンをメガラ星まで連れて行くことにするが、メガラ星到着を前に、何者かが襲撃して来た。フューチャーたちは相手を捕らえ、「宇宙帝王」の部下だと知ると、フューチャーが死んだことにして宇宙帝王を待ち構えることにした。ところが現われた宇宙帝王は実体が無く、自在に壁を通り抜けてしまうため捕まえることも出来ないまま取り逃がしてしまう。


感想

 ウハハハハハ(快哉)、ついについに、約38年ぶり(?)に「キャプテンフューチャー」を視聴しました。ううう、ここまで長かった。ビデオもLDもDVDもブルーレイも発売されない上にNHKは再放送を全くしないため、もう記憶の中におぼろげに留めて置くしかなかった作品がついに自宅のレコーダーの中にっ! この感動は昭和世代で無ければ解りますまい。

 放送前に特別番組が放送されて、監督:勝間田具治氏&メインライター:辻真先氏が登場し、スペースオペラ浪花節だとか、あのジョージ・ルーカスのオフィスに行ったらフューチャーのアニメのポスターが張ってあったとかのエピソードを披露。いやはや、嬉しいボーナス映像でした。

 そしてついに本編を視聴。絵の粗さは昭和だから当然として、宇宙船とかメカの線の多さに今更ながらにビックリします。いやー、これはアニメーターは泣いたろうなぁ。しかしあらかじめ心構えが出来ていたからか、特に内容に失望という物は無かったですね。もちろん「今見ても面白い」とか言う気はなく、展開のスローさとか古さは隠し切れませんが、それより懐かしさが先に立ってその辺りは気になりませんでしたよ。

 そして、(初視聴時)一話目から度肝を抜かれた実体の無い宇宙帝王の描写。声を柴田秀勝氏が担当していたことは四半世紀以上経っても忘れておりませんで、「これこれ、この声だよ宇宙帝王」と大喜びでした。

 大野雄二サウンドは当時の子供心にも別格に聞こえ、OP曲「夢の船乗り」はもちろん好きでしたが、ED曲「ポプラ通りの家」を今聞くと、これが約40年前のアニメの曲なのか、と感嘆します。今聞いてもあのED絵とあわせるとホントに心に染み入りますよ。

 これから一日一話ずつくらいのペースでじっくり見て行きますよ。


キャプテンフューチャー」の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com


恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! <キャプテン・フューチャー全集1> (創元SF文庫)

http://www.toei-video.co.jp/BD/captainfuture.html
●キャスト
キャプテンフューチャー広川太一郎
ジョーン・ランドール:増山江威子
サイモン教授:川久保潔
オットー:野田圭一
グラッグ:緒方賢一
ナレーター:神太郎


●スタッフ
原作:エドモンド・ハミルトン(翻訳:野田昌宏
設定製作:須藤和一
製作:今田智憲
企画:田宮武、栗山富郎
製作担当:吉岡修、武田寛
音楽:大野雄二
主題歌:作詞 山川啓介 作曲 大野雄二 うた(1話―31話)ヒデ夕樹 ピーカブー (32話―最終話)タケカワユキヒデ ピーカブー
チーフディレクター:勝間田具治
キャラクター設定:野田卓雄
脚本:辻真先金子武郎神波史男 ほか
演出:佐々木正広、森下孝三、高山秀樹 ほか
作画監督森利夫、青鉢芳信、落合正宗 ほか
東映アニメーション
[1978年11月~1979年12月NHKにて放送]

感想:アニメ「逆転裁判 ~その「真実」、異議あり!~」第24話(最終回)「さらば、逆転 - Last Trial」:若干の不満は有りつつも原作ファンも概ね満足な作品でした

逆転裁判 ~その「真実」、異議あり!~ B2タペストリー

www.ytv.co.jp

逆転裁判読売テレビ http://www.ytv.co.jp/animegyakuten/index.html
日本テレビ系 毎週土曜 17:30~18:00

【※以下ネタバレ】

第24話(最終回) さらば、逆転 - Last Trial (2016年9月24日(土)放送)

 

あらすじ

真宵が誘拐され、犯人のコロシヤは藤見野を殺害した疑いの王都楼の無罪を勝ち取れと成歩堂に要求。成歩堂は王都楼が虎狼死家に殺害を依頼した事を突き止め、弁護士として葛藤しながら裁判に臨む。証人の虎狼死家は無線機を通し、華宮霧緒に依頼されたとウソの証言。成歩堂が証言の矛盾を指摘すると、虎狼死家は真宵を始末する事をほのめかして警告。これ以上尋問を続ければ、真宵の命の保証はなく、成歩堂は最大のピンチを迎える。

 殺し屋「虎狼死家佐々エ門」(ころしや・さざえもん)は、自分が藤見野イサオを殺したと認めたうえで、依頼人が他人に罪をなすりつけようとしているので証言を決意したという。ところが虎狼死家は依頼人は「華宮霧緒」で、実際に顔を合わせて依頼されたと言い、成歩堂と御剣は愕然とする。成歩堂は虎狼死家が霧緒の性別を男だと勘違いしていることから、虎狼死家の発言はウソだと追及するが、虎狼死家は真宵を殺すことをにおわせ、成歩堂に王都楼真悟(おおとろう・しんご)をさっさと無罪にするように命じる。

 裁判長が王都楼の無罪を求刑しようとした瞬間、狩魔冥が新しい証拠だといってディスクを持ち込んできた。それは監禁された真宵が王都楼邸でダビングした物で、虎狼死家の犯行の映像が収められていた。裁判長は今更虎狼死家の殺人の証拠を見ても仕方がないと主張するが、御剣は虎狼死家こそこれを見るべきだと言って強引に再生させる。

 成歩堂は虎狼死家に、この隠し撮り映像は、王都楼が虎狼死家にゆすられる事を想定して、逆にゆすり返すために撮影していたことを教える。虎狼死家は王都楼に裏切られたことを知り、真宵の解放と王都楼を殺すことを暗示して通信を切った。王都楼はこのまま無罪になり釈放されれば虎狼死家に復讐されることを悟り、慌てて藤見野殺しを依頼したことを認め、自分から有罪にしてくれと懇願する。王都楼は有罪を求刑され、成歩堂は裁判には敗れたものの、霧緒が冤罪で罰せられることを防ぐことが出来た。真宵も無事解放されて帰ってきた。

 御剣は、DL6号事件が解決した後、「検事とは何か」について迷いが生じ、検事局を離れ失踪していた。しかし最終的に、検事は弁護士と共に真実を追究するべき者、という考えにたどり着き、迷いを振り払ったのだった。冥はそんな考えは戯言に過ぎないと一蹴するが、自分が御剣にまだかなわない事を悟り、海外へと旅立った。

 そして、最後はいつもの成歩堂と御剣の裁判シーンでおしまい。


感想

 このエピソードは、「(心情的には)勝負に勝った」という感じですが、実際のところは主人公は裁判で負けて依頼人は有罪になっているし、その上、殺人の実行犯は野放しのままで終わる、という展開がどーも気に食わないんですよねぇ。不快ではないにせよ、心の底から万々歳、という展開で無いのでイマイチ好きではない……

 しかし、まあ、超長い原作のエピソードをはしょった分、Bパートは御剣の考える検事像の披露シーンや、冥との別れなどがそれなりの余裕を持って描かれ、最終回としては悪くない出来でした。ゲームのエピソードの内容をかなり削って不満も多いアニメでしたが、ラストの締め方は概ね満足です。


総括

 評価は○(まずまず面白かった)。


 カプコンの人気推理AVGが原作のテレビアニメで、原作ゲームは1から4までプレイしており、成歩堂が主役の1・2・3はホントに大好きです。それだけにアニメ化の知らせには、並々ならぬ期待と共に「原作のイメージを破壊するような駄作だったらどうしよう」という不安が入り混じっていましたが、結果的に言うと(若干の不満は残りつつも)概ね満足のいく作品でした。



●大人気ゲームのアニメ化

 若手弁護士・成歩堂龍一(なるほどう・りゅういち)が担当する事件は、いずれも依頼人が無実の罪を着せられた圧倒的に不利なものばかり。しかし成歩堂は毎回毎回崖っぷちまで追い込まれながらも、不屈の闘志で反撃の糸口を掴み、奇跡の大逆転により依頼人の無実を勝ち取るのだった……


 原作は1作目が2001年に発売されたあと、ナンバリングタイトル・派生作品も含めて未だに新作が発表されている人気作品で、今までアニメ化されなかった方が不思議とも思えるゲームです。それだけにアニメは数多い原作ファンを意識したのか、かなりの部分で「ゲームそのまま」でした。まずBGMをゲームから流用していますし、また場面転換の際に「四角い枠で月日場所の表示が出る」とか「証言開始」の描写、「裁判所内などの見た目」もゲームそのままです。さらに超有名な「成歩堂異議ありの時のポーズ」も含め、成歩堂・御剣・狩魔冥が裁判所内で取るリアクションのポーズは、セリフが吹き出しで出てくるところまで、ゲームの見た目を再現していました。ある意味新しいことに挑戦することを避けているわけですが、「冒険して無い代わりに失敗もしていない」ということで、まあ不満は無かったですね。


 声優は「成歩堂龍一梶裕貴」「綾里真宵悠木碧」「御剣怜侍玉木雅士」「狩魔冥弓場沙織」というキャスティングで、前の二人はアニメで何度も主役を演じた実績十分声優、後ろの二人はアニメ畑では名前を聞かないものの洋画・海外ドラマでは相当のキャリアがある人たち、という事で、実力的には何の問題も無いのですが、登場当初はどうしてもゲームで思い描いていたイメージと合致せず違和感が付きまといました。もっとも慣れればこれはこれでアリで、あんなに抵抗があったみっちゃん(御剣)の声も最後にはすんなり聞けてましたし。

 違和感が有った主要キャストとは逆に、「これは絶品」と思ったのは原作でもゲストキャラクターでありながらすさまじい存在感だった名物キャラ「オバチャン」こと大場カオル。演じる杉本ゆう氏の声とけたたましく、さらにのべつまくなしにしゃべる様はもう原作のイメージそのままで感激モノでしたよ。あの冷静な御剣をしゃべりでたじろがせるとか(笑)、もうゲストとは思えない存在感でした。

 全体的に見て、アニメという別媒体に移し変えたにもかかわらず、ゲームの雰囲気というものを上手く再現できており、「原作ゲームの内容? うん、アニメと大体同じだから」と言えるところまで作っていたのは感心しました。



●不満点もいくつか

 しかし前述したとおり若干の不満点も有りまして、最大のものは「原作ゲームの内容をはしょりすぎ!」。アニメは前半1クール目が原作1作目、後半2クール目が原作2作目、をそれぞれ映像化しているのですが、その尺に納めるために、原作の内容をかなり省略しています。原作をプレイした感覚から勘案すれば8話は必要と思われるエピソードが半分以下の話数でさっさと終了してしまうなど、原作の内容をないがしろにしすぎている感が有りました。

 どうせ2クールでは「成歩堂三部作」の全てをアニメ化は出来ないのですから、最初から割り切って一作目のみを2クールかけて映像化する、という作りの方が余裕が出来て良かったと思いますね。そして三部作の中でも最高のシナリオと評価している「蘇る逆転」を映像化してくれればもう言う事は無しでしたのに。

 また、原作ゲームの裁判シーン終盤の緊迫した展開がアニメでは全く再現されていないのも物足りませんでした。原作では、裁判終盤になると、テンポの速いBGMが鳴り響いて緊張感を高め、弁護側と検察側がそれぞれ矢継ぎ早に相手の主張に反論しあって火花が散るような展開の末に真実が解明されるので、プレイしながら物凄い興奮が味わえます。アニメでもゲームのあの空気の片鱗でも味あわせてくれれば良かったのに、と言いたかったですね。



●総合的にみて

 しかし、1話目からなんのかんのと文句を言いつつも、毎週放送が待ち遠しかったし、また一旦見始めれば最後までのめりこんで視聴したことも間違い有りません。後世に語り継がれるような傑作ではなかったにせよ、半年間テンションを落とすことなく視聴できたことを考えれば、「○」評価も妥当だと思います。原作ゲームファンも概ね満足できたそれなりのアニメでは有りました。

 希望するなら、今後再度同じスタッフでまたゲームのアニメ化をして欲しいですね。対象は「逆転裁判」の続編より、御剣が主役を演じた「逆転検事」の方です(みっちゃん主役アニメを是非見てみたい)。過去半年の放送で御剣のキャラクターにも浸透したと思うし、結構イケると思うのですが、どうでしょうね?



原作ゲーム

逆転裁判 蘇る逆転 NEW Best Price!2000

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逆転裁判2 NEW Best Price!2000

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逆転裁判3 NEW Best Price!2000

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スタッフ情報
【原作・監修】カプコン
【監督】渡辺歩
【チーフプロデューサー】菊川雄士
【プロデューサー】永井幸治
【シリーズ構成】冨岡淳広
【キャラクターデザイン】太田恵子、渡辺浩二
【プロップデザイン】佐々木守
美術監督】岩瀬栄治
【美術設定】大平司
色彩設計】中尾総子
【撮影監督】清水彩香
【CGディレクター】福田陽
【編集】後藤正浩
【音響監督】小林克良
【音楽】和田薫
【アニメーション制作】A-1 Pictures


音楽
前半
【OP】ジャニーズWEST「逆転Winner」
【ED】安田レイ「Message」

後半
【OP】ジャニーズWEST「人生は素晴らしい」
【ED】東京パフォーマンスドール「純愛カオス」


キャスト
成歩堂龍一梶裕貴
綾里真宵悠木碧(ゆうき・あおい)
御剣怜侍玉木雅士
綾里千尋中村千絵
糸鋸圭介岩崎征実
矢張政志:奈良徹
狩魔冥弓場沙織
綾里春美久野美咲

感想:人形劇「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」第12話「切れざる刃」

RAIMEI(期間生産限定盤)(DVD付)

www.thunderboltfantasy.com

Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 http://www.thunderboltfantasy.com/
放送 BS11。全13話。

【※以下ネタバレ】



※他のエピソードの感想はこちら
d.hatena.ne.jp


第12話 切れざる刃 (2016年9月23日(金)放送)

 

あらすじ

 殤不患(ショウフカン)(諏訪部順一)は、玄鬼宗[げんきしゅう]の追跡を振り切った後、丹翡(タンヒ)(中原麻衣)と捲殘雲(ケンサンウン)(鈴村健一)に再会する。二人の話で最新の状況を掴んだところに、また玄鬼宗が出現した。

 殤不患は丹翡たちを助けるため、自分の刀を投げつけ、捲殘雲は殤不患の刀がただの木刀であることに驚く。しかも殤不患は手近の木の棒を気を込めて刀の代わりにすると、玄鬼宗を全滅させた。殤不患は練った気をこめることで木の棒ですら鉄の刀に匹敵するものに変えるほどの使い手で、むやみと人を殺すのを避けるため、本物の刀を持ち歩いていないという。捲殘雲はようやく、殤不患が西幽[せいゆう]においては、おそらく殺無生に匹敵するような使い手なのだと悟る。

 一方、凜雪鴉(リンセツア)(鳥海浩輔)は天刑劍[てんぎょうけん]が封印されている鍛劍祠[たんけんし]にやってくるが、そこに狩雲霄(シュウンショウ)(小山力也)と刑亥(ケイガイ)(大原さやか)、蔑天骸(ベツテンガイ)(関智一)が来たので姿を隠す。蔑天骸は天刑劍のつかとつばを合わせて封印を解き刀を抜くが、次の瞬間地面の下から魔神・妖荼黎[ようじゃれい]の眠っている姿が現われる。伝承では200年前に妖荼黎は天刑劍で倒された事になっていたが、現実は眠らせて封印しただけだった。護印師[ごいんし]は天刑劍を守っていたのでは無く、妖荼黎の復活を防いでいたのだが、自分たち自身もそれを知らなかったのだった。

 狩雲霄は妖荼黎の復活を恐れて、蔑天骸に封印しなおすように命じるが、次の瞬間刑亥に殺される。刑亥の狙いは最初から妖荼黎の復活だった。蔑天骸自身も妖荼黎が復活した乱世の方が自分の力がふるえる、と、封印する気は微塵も無かった。鍛劍祠を去ろうとした蔑天骸の前に凜雪鴉が現われ、蔑天骸が真に大切にしているものは自らの無敵の剣の実力だと看破する。そしてそんなものならば奪うのは簡単だと言い放つ。


感想

 ウッハー、面白いいぃ。この展開(最後に魔物が復活する云々)は漠然とは予想していましたが、それでも思いっきり盛り上がって楽しい楽しい。クライマックスとはこういう風に盛り上がらなくてはねぇ。

 第10話で、凜雪鴉が殤不患の剣をさやから抜いて、「こんな剣を使っているとは恐ろしいやつ」云々と言っていましたが、ようやく謎が解明されました。まあ、こんなふうに飄々としているキャラが実は超凄い使い手というのはお約束では有りますけどね。

 次回は殤不患が西幽の護印師的な存在で、怪しげな予兆を感じてわざわざ東離まで遠征してきた、とかいう素性が語られるのかな。何にしても楽しみ楽しみ。


※他のエピソードの感想はこちら
d.hatena.ne.jp


Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 オリジナルサウンドトラック

感想:映画「グランド・イリュージョン」(2013年:アメリカ)

グランド・イリュージョン Blu-ray

【※以下ネタバレ】

4人のスーパーイリュージョニストチーム“フォーホースメン”彼らはラスベガスでショーをしながら遠く離れたパリの銀行から金を奪い、観客を驚かせた。FBIとインターポールから追われることになったホースメン。彼らはどうやって金を盗んだのか? 彼らの目的はいったい何なのか?!最後のショーが終わる時、すべてのトリックが暴かれる!

 

あらすじ

◆プロローグ

 マジシャンのダニエルとヘンリー、メンタリストのメリット、マジックを利用してスリをしているジャック、の四人は、それぞれ何者からか招待状を送られ、四人である部屋に入り何かを見つける。


◆第一のイリュージョン

 一年後、四人はイリュージョンチーム「フォーホースメン」として、ラスベガスでショーを行なうまでになっていた。四人はショーの最中、突然「観客の指定した銀行を襲撃してみせる」と宣言し、ランダムに呼び出した観客がパリの銀行を指定すると、すぐさま映像でそのパリの銀行の金庫室から札束を吸いだすシーンを見せ、紙幣を会場にばら撒いてみせる。しかも現実に銀行から札束は消えていたため、四人はFBIに捕まるものの、証拠不十分のため釈放される。

 FBI捜査官ローズとICPO捜査官アルマは、マジシャンのマジックのネタばらしを仕事にしている元マジシャン・サディアスに助けを求める。サディアスの推理によれば、映像で見せられた金庫室は本物そっくりのセットであり、四人は既にショーの前、現金が銀行に搬入される前に盗んでいたのだという。


◆第二のイリュージョン

 ローズとアルマはフォーホースメンが次のショーを行なうニューオリンズに向かう。そこでフォーホースメンは、ショーのスポンサーのトレスラーの口座から観客の口座に現金が振り込まれる、というマジックを見せる。トレスラーの経営する保険会社は、ニューオリンズの被災者たちに保険金を支払っていなかったのだった。トレスラーは自分の金が盗まれたことに激怒するが、フォーホースメンはFBIの包囲を逃れて行方をくらましてしまった。

 ローズは失態のため現場指揮官を外されヤケになる。アルマは、フォーホースメンは、魔法を追求する伝説的組織「アイ」に関係があるのでは、と推測する。


◆最後のイリュージョン

 やがてFBIはフォーホースメンの隠れ家を突き止めて襲撃し、三人は取り逃がすものの、ジャックは車で逃走中に事故死してしまう。隠れ家に残された資料から、フォーホースメンの次のターゲットはエルコーンという警備会社の脱税による隠し資産五億ドルだと判明する。ところがFBIはフォーホースメンを罠にかけたつもりが逃げられ、しかも五億ドルは消えていた。さらにその金はサディアスの車から見つかり、サディアスはフォーホースメンの共犯者として逮捕される。サディアスはフォーホースメンの使ったトリックをローズに説明する。隠れ家を襲撃させたのも実はフォーホースメンの計画の一部であり、ジャックも死んではいなかったはずである。しかし、ローズは聞く耳を持たずそのまま立ち去る。


◆エピローグ

 フォーホースメンは謎の相手に指定されたミッションを全てこなした後、指定された場所にたどり着く。そこで彼らを出迎えたアイのメンバーこそ、あのローズだった。一年前四人をスカウトしたのはローズだったのである。実はローズの父はライオネル・シュライクというマジシャンだったが、サティアスにマジックのネタばらしをされ、起死回生で脱出マジックを試みたものの失敗して消息不明になっていた。シュライクはトレスラー保険に入っていたが、保険会社は金を払わなかった。また支払いをするはずだったのがパリの銀行だった。またエルコーンはかつて粗悪な金庫を作っており、シュライクが脱出マジックでそのエルコーン製金庫を使ったために失敗して死んだのだった。つまり全てはローズの復讐劇だったのである。こうしてフォーホースメンはアイの一員となったのだった。


感想

 評価は◎。


 四人のイリュージョニストたちが派手なマジックのショーを行いながら同時に大金を盗み出す、というテンポの良い痛快犯罪映画。一瞬たりとも退屈しないジェットコースター型面白映画でした。


 イリュージョニスト4人組のチーム「フォーホースメン」は、ラスベガスのショー会場にいながら、大西洋の向こうのパリの銀行から大金を奪い取り、観客の頭の上から降らせる、という一大マジックを演じて見せる。しかも銀行からは現実に大金が消えうせていた。果たしてフォーホースメンはいかなるトリックでこの強盗を行なったのか?


 序盤から魔法としか思えない強盗事件が描かれ、その後も第二・第三の、文字通りの「劇場型」の犯罪が実行されていくという展開が実に楽しい。しかも主人公たちがこっそりどこかに侵入するとか地味に犯罪を行うのでは無く、官憲が厳重に警戒している中、しかも観客の目の前でド派手なショーを演じつつ同時に犯罪を成功させる、というストーリーは犯罪物ストーリーとしてはまさに新境地。邦題の「グランド・イリュージョン」というタイトルは実に上手いこと名付けたものだと思いました。


 しかし、最初から最後まで派手なショーの連続のあまり、主人公たちの個性を描くシーンがほとんど無く、キャラクターの掘り下げというものは殆ど行なわれなかった結果、主役たるフォーホースメンの四人の名前を最後まで覚えられませんでした……、まあ、フォーホースメンというチームの活躍話だから、ホースメンのメンタリストとかリーダー役とか紅一点とか若いやつ、と区別できれば十分、というつくりだったのかもしれません。実際名前を覚えていなくても困らなかったしね。

 また、とにかく最初から最後まで派手な展開で緩急が無かったため、最後にサディアスが罠にはめられた、とか、実はローズが全ての黒幕だった、とかいう「どんでん返し」があんまり効いていなかった、という感は否めませんでした。実はローズこそアイの一員で、動機は父親の復讐でした、という結末も「実はパリの銀行と見えたのはセットでした」とか「実はジャックは死んだはずが生きていました」と同レベルのイベントになってしまっていて驚きを呼ばなかったですね。スタッフにはあんまりにも「実は」「実は」とやりすぎると、最後の一番大事な「実は」が効果がなくなるので注意しましょう、と言いたくなりました。

 また視聴後冷静に振り返ってみると、派手なだけで意外と中身が無かった、というか殆どカラだった、という気もしますしね。

 しかしまあ、視聴中は楽しめたので良しとします。


原題: Now You See Me


●スタッフ
監督 ルイ・レテリエ
製作 ボアズ・イェーキン マイケル・シェイファー スタン・ヴロドコウスキー
脚本 エド・ソロモン ボアズ・イェーキン エドワード・リコート


●キャスト
J・ダニエル・アトラス ジェシー・アイゼンバーグ(武藤正史)
ヘンリー・リーブス アイラ・フィッシャー木下紗華
メリット・マッキニー ウディ・ハレルソン内田直哉
ジャック・ワイルダー デイヴ・フランコ細谷佳正
ディラン・ローズ マーク・ラファロ宮内敦士
アルマ・ドレイ メラニー・ロラン加藤優子
サディアス・ブラッドリー モーガン・フリーマン(坂口芳貞)
アーサー・トレスラー マイケル・ケイン小川真司

感想:アニメ「レガリア The Three Sacred Stars」第4話「虚勢 / PRIDE」(クオリティ修正版)

【Amazon.co.jp限定】 TVアニメ『レガリア The Three Sacred Stars』ED主題歌「Patria」(通常盤) (L判ブロマイド(Minamiアーティスト写真)付)

regalia-anime.com

TVアニメ「レガリア The Three Sacred Stars」公式サイト http://regalia-anime.com/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)。全13話。

【※以下ネタバレ】

第4話 虚勢 / PRIDE (クオリティ修正版) (2016年9月22日(木)放送)

 

あらすじ

 レナを付けねらう謎のグループの調査が進み、12年前に全国民が消滅したリムガルド王国の第一王女イングリッドイングリッドの侍従武官アーベル、レガリアのケイ、までは判明するが、残り一人の少年の正体は不明のままだった。またイングリッドは何故か12年前から全く姿が変わっていなかった。レナはイングリッドはケイの契約者であると推測する。

 そんな中、突然アーベルが姿を現してユイとレナを呼び出し、レナの引渡しを要求した。レナはレガリアを呼び出すが、アーベルの呼び出したレガリアギアに一方的に敗れてしまう。そこにサラとティアが助けに来るが、アーベルは余裕綽々で立ち去る。

 戦いの後、ユイとレナは、それぞれ自分ひとりで何とかしようと焦りすぎて、他人の力を借りようとしていなかったことに気が付くのだった。


脚本:小柳啓伍 / 絵コンテ:佐野隆史 / 演出:横田一平 / キャラクター作画監督:大田謙治 /メカニック作画監督:小美野雅彦 / キャラクター総作画監督:常盤健太郎 / メカニック総作画監督:鈴木勘太


感想

 クオリティ修正版の4話目ですが、何をいじったのか全く解りませんでした。うーん、スタッフの拘りがどこにあるのかちっとも理解できない。ホント前のバージョンとどこがちがうん?


 ちなみにこのレガリア、AT-Xの番組表を調べた結果、10月も引き続き放送することが判明いたしました。てっきり9月末で終了して、残りの回はブルーレイで視聴してね、というのかと思ってましたけど……、とすると、本来1クール13話だけで済むはずだったのに、2クール分の放送枠を放送局から買ったわけか……、元が取れるとはとても思えないんですけどねぇ。


※初回バージョンの感想はこちら
perry-r.hatenablog.com

感想:アニメ「クロムクロ」第25話「鬼の見た夢」

TVアニメ「クロムクロ」EDテーマ 「リアリ・スティック」(通常盤)(CD ONLY)

kuromukuro.com

TVアニメ「クロムクロ」公式サイト http://kuromukuro.com/index.html
放送 AT-X(最速放送)。全26話。

【※以下ネタバレ】

第25話 鬼の見た夢 (2016年9月22日(木)放送)

 

あらすじ

 レフィル隊長を尋問した結果、ゼルの母星はまだ完全制圧されていないこと、エフィドルグの侵略に抵抗する勢力が他にも存在すること、ムエッタたちは先に地球に来ていたエフィドルグからのデータを元に培養されたこと、さらにムエッタたち「辺境矯正官」は任務が終了すれば処分される予定だったこと、が判明した。

 エフィドルグ先遣隊を撃破し危機が去ったことで、地球側は異星人のゼルや、ナノマシンで不老不死のムエッタ・剣之介たちを一転危険視し、ムエッタは拘禁された。

 ゼルは450年前の出来事を剣之介たちに語った。ゼルは母星でエフィドルグ船を奪い、別の船に体当たり攻撃した結果、両者は地球・日本に墜落した。鷲羽の民はエフィドルグに虐殺され、生き残ったのは雪姫と剣之介だけだった。ゼルは雪姫にクロムクロの「纏い手」になるように頼み、雪姫と剣之介はクロムクロを操縦してエフィドルグの残党と戦ったが、戦いの末に雪姫は死に、剣之介は生死不明となったのだった。ムエッタは自分が持っている記憶が、ゼルの母星のデータを元に作られたことを知った。

 剣之介は母星に帰りたがっているゼルと拘禁されたムエッタを助けるため、宇宙船を使ってゼルの母星に行くことを決意する。由希奈は当然自分も一緒に行くものと思っていたが、剣之介はそれを否定した。


脚本:檜垣 亮/絵コンテ:今泉賢一 許 琮/演出:許 琮 岩月 甚/作画監督:諏訪壮大 ハン・ミンギ 竹内由香里 杉光 登 三浦菜奈 森川侑紀 宇津木勇 /総作画監督石井百合子


感想

 評価は△(×にするのは可哀相だから思いとどまってあげる)。


 なんかもうどうでも良くなってきたな……、前回の最終決戦がさっぱり盛り上がらなかったことに心底失望したのですが、その続きの回がまたテンションがガクッと落ちて超つまんないことになってます……、この期に及んでやっと450年前の事をつらつら説明されても、もう「今更」感しか無いです。なんでこのタイミングなの。

 どうせ次回の最終回は、「剣之介&ムエッタ&ゼルに、さらに加えて由希奈が、異星人の宇宙船に乗って宇宙の別の星に旅立っていって、それを地上から親とか友達とかが見送る」ということになるわけでしょ? ハァ、スピルバーグか誰かの映画みたいな事になりそう……


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【ゲーム】ファミコン「キャプテン翼」の「くっ! ガッツが たりない!」を懐かしむ

キャプテン翼


 以前何かの記事で、テクモファミコンゲーム「キャプテン翼」シリーズの名台詞「くっ! ガッツが たりない!」が、元々はスタッフの口癖だった、という話を読んだのですが、それで無性に懐かしくなって、キャプテン翼ゲームについて検索することに。


middle-edge.jp

テクモ(現:コーエーテクモゲームス)は、選手ごとにコマンドを選び、「ガッツ」と呼ばれる行動値を消費して実行させる新しいリアルタイムシミュレーションゲームのジャンルを確立。

オリジナルの選手や必殺技も多数登場するが、原作に登場した技も多数再現されており、一度しか披露されていないようなものやその際の台詞などの再現率も高い。第1作から「V」まで一つの長い続き物語となっており、「II」以降はオリジナルストーリーで原作のその後を描き、アニメ・マンガをベースとした作品としては珍しく原作終了後6年間も独自の発展を続けた。

ファミ通』が2003年にファミコン生誕20周年を記念して行った「最も心に残ったファミコンソフトは?」というアンケートでも『キャプテン翼』が27位、『キャプテン翼II』が51位に入り、キャラクターゲームとしては1位と2位を独占。

 うん、おかげで一度も手を触れたことすらないのに、何故か「ガッツが たりない!」は知ってましたから。というかどんな感じのゲームだったのか今回初めて知ったぞ(笑)



 もひとつ、ここも面白いです。
nocturnetsukubane.blog.fc2.com

 コラの「キーパー森崎くんだからとれなーい!」にはホント笑った。

感想:NHK料理番組「グレーテルのかまど」『映画“繕い裁つ人”のチーズケーキ』

あの人が愛した、とっておきのスイーツレシピ

NHKグレーテルのかまど」 http://www4.nhk.or.jp/kamado/
放送 NHK Eテレ。毎週月曜 22:00~22:25。

映画“繕い裁つ人”のチーズケーキ (2016年9月19日(月)放送)

 

内容

http://www4.nhk.or.jp/kamado/x/2016-09-19/31/19057/1440387/
映画“繕い裁つ人”のチーズケーキ


ふわふわな特製チーズケーキを、ホールのままひとりじめ!そんな夢のシーンが登場する映画「繕い裁つ人」。監督がケーキに込めた女性への応援のメッセージをひもときます。

真っ白ふわふわのクリームの下には、さわやかなレアチーズケーキと半熟ベイクドチーズケーキが二層に。そんな特製チーズケーキを、ホールのまま、丸ごとひとりじめするなんて、女性なら誰しも一度は憧れるシチュエーション!そんな乙女の夢を実現してしまったのが映画「繕い裁つ人」のヒロイン、市江。女性の心を癒やし、元気を出してもらうためにと、監督自らデザイン。ケーキに込めた、女性への応援のメッセージをひもときます。

【出演】瀬戸康史,【声】キムラ緑子

 

感想

 ひっさびさに話題にしたくなるお菓子が出てきました。なんと「半熟ベイクドチーズケーキの上にレアチーズケーキを重ねてボリュームを出しました」という、見ただけでよだれが出てくるようなケーキです。うぁぁぁ、こんなの食べてみたいよぉぉぉぉ。