【OVA】感想:アニメ(OVA)「装甲騎兵ボトムズ 孤影再び」(2011年)

装甲騎兵ボトムズ 孤影再び

ボトムズWeb http://www.votoms.net/
ボトムズWeb | 装甲騎兵ボトムズ 孤影再び http://www.votoms.net/koei/
放送 AT-X

www.votoms.net
【※以下ネタバレ】
 

装甲騎兵ボトムズ 孤影再び OVA(全1話)
http://www.votoms.net/about/12.php
2011年4月26日発売
ボトムズフェスティバル第3弾としてイベント上映


“アレギウムの赫い霍乱”でマーティアルを追放されたテイタニアは、教団の追撃を受けながらもキリコの行方を掴む。キリコの目的地とは、仲間達が住まう砂漠の交易都市“グルフェー”であった。道中キリコは偶然にもバニラの娘・ステビアと出会い、グルフェーへ同行する。しかし、街は利権を狙うメルキア軍「黒い稲妻旅団」250機のATが包囲する緊張状態にあった…。試されるバニラ一家の絆、テイタニアの秘めた想い、―そしてキリコがグルフェーに現れた目的とは!?


フィアナの死という衝撃のラストで幕を閉じた「赫奕たる異端」とキリコ不在で幕を開けた「幻影篇」との空白期間に隠された驚愕のエピソード!

 

あらすじ

 テイタニアは、マーティアルの権威を失墜させた元凶として追われる身となりながらもキリコを追い続けていた。

 キリコは惑星メルキア上空の宇宙ステーションで、ステビアという女性に出会う。ステビアはゴウトの依頼でキリコを自由交易都市グルフェーに連れて行くという。グルフェーはメルキア軍の「黒い稲妻旅団」のATに封鎖されており、キリコたちを乗せたホバークラフトも攻撃を受けるが、キリコは荷物として搭載されていたATで稲妻旅団のATを撃破する。

 キリコはグルフェーで、ゴウト・バニラ・ココナたちと30年ぶりに再会した。バニラとココナは結婚してステビアたち六人の子供に恵まれ、ゴウトは二人の父親的な立場で一緒に暮らしていた。グルフェーはマーティアルの力でギルガメス・バララントのどちらにも属さない中立的立場を維持していたが、メルキア軍の「黒い稲妻旅団」が利権を狙って250機のATで街を封鎖している、というのが現在の状況だった。

 バニラたちの息子ソルティオは、マーティアルの信者であり、稲妻旅団への抵抗を訴える武闘派の筆頭ギャッシルマンの指示で、ATをグルフェーに密輸していた。しかしバニラは稲妻旅団にグルフェーへの介入の口実を与えないため、ATを隠してしまう。

 キリコは自分がグルフェーにいることが無用な争いを招きかねないと知り、三人に黙って姿を消した。ソルティオはバニラが隠したATの場所を突き止め乗り込むが、そこにギャッシルマンと稲妻旅団が現れる。ギャッシルマンは稲妻旅団と通じており、ソルティオを騙してATを持ち込ませ、それを口実に稲妻旅団にグルフェーを制圧させる計画だった。

 そこにキリコが現れ、ATに乗り込み稲妻旅団のATを引き付けてグルフェーの外の砂漠に向かった。キリコは一人で250機のATと対等に渡り合うが、そこにテイタニアと彼女を追って来たマーティアルのATたちが出現し、砂漠は大混乱状態となる。

 夜が明け、生き残ったキリコは瀕死のテイタニアを発見する。テイタニアは、空を通り過ぎていくフィアナのカプセルを見るように促すが、キリコはただテイタニアを見つめるだけだった。そしてキリコはこと切れたテイタニアを抱いて歩き去った。

 戦いの後、バニラたちはキリコを探すものの見つけることは出来なかった。砂漠の外れのオアシスに新しい墓が一つ見つかったのみだった。
 
 

感想

 評価は○(まあまあ)

 OVAシリーズ「赫奕たる異端」の続編。「赫奕~」と違ってちゃんとキリコが主役の物語になっており、またTVシリーズの仲間三人との再会もあり、面白さとしてはまあまあでした。作るなら最初からこういう話にしてほしかったよ。

 しかしATがCG描写になっているのはなんとも味気なかった……、なんというか軽いというかおもちゃっぽいというか……、手書きの頃の味が全く出せていなくて、そこはちょっとイヤだったなぁ……
 
装甲騎兵ボトムズ 孤影再び (角川コミックス・エース)
 

https://www.at-x.com/program/detail/12448
装甲騎兵ボトムズ 孤影再び


<ストーリー>
砂漠の流星が奴を呼ぶ。


“アレギウムの赫い霍乱”でマーティアルを追放されたテイタニアは、教団の追撃を受けながらもキリコの行方を掴む。キリコの目的地とは、仲間たちが住まう砂漠の交易都市“グルフェー”であった。道中キリコは偶然にもバニラの娘・ステビアと出会い、グルフェーへ同行する。しかし、街は利権を狙うメルキア軍「黒い稲妻旅団」250機のATが包囲する緊張状態にあった…。


「赫奕たる異端」と「幻影篇」との空白期間を描く。
新世代ボトムズ第三弾。


<スタッフ>
原作:矢立 肇、高橋良輔
監督:高橋良輔
脚本・絵コンテ:池田 成
キャラクターデザイン:塩山紀生
メカニカルデザイン大河原邦男
CGIディレクター:畑田裕之
美術監督野村正信
音響監督:浦上靖夫
音楽 :織田哲郎、乾 裕樹
チーフディレクター総作画監督:竹内一義
アニメーション制作協力:アンサースタジオ
製作:サンライズ


<キャスト>
キリコ:郷田ほづみ
ゴウト:富田耕生
バニラ:千葉 繁
ココナ:川浪葉子
ステビア桑島法子
ソルティオ:陶山章央
ギャッシルマン:櫻井孝宏
テイタニア:松岡洋子


2011年OVA作品 全1話

 

アニメ「装甲騎兵ボトムズ」シリーズあらすじ・感想まとめは以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 

2020年視聴映画のあらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
装甲騎兵ボトムズ 孤影再び  [Blu-ray]
 
 

【特撮】感想:NHK番組「ゴジラとヒロイン」(2020年12月19日(土)放送)

別冊映画秘宝 東宝特撮女優大全集 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

ゴジラとヒロイン https://www.nhk.jp/p/ts/P5MN1377R8/
放送 NHK BSプレミアム。2020年12月19日(土)

【※以下ネタバレ】

ゴジラとヒロイン「特撮怪獣映画27本大集合!銀幕女優が勢揃い!」
[BSプレミアム]2020年12月19日(土) 午後7:30~午後9:00(90分)


ゴジラモスラキングギドラの魅力はヒロインあってこそ!使用作品全27作、銀幕を彩った女優を一挙大放出!いま明かされる真実!本邦初公開の秘蔵メイキング映像も!


怪獣映画の歴史はヒロインの歴史。ゴジラよりモスラよりキングギドラより輝いていたのはスクリーンの花、ヒロインたち。東宝特撮映画27作を総動員して、女優たちの活躍を時代とともにお見せします。スタジオの進行役は塚地武雅潘めぐみ、そして特撮ヒロイン研究家の佐野史郎。ゲストには水野久美釈由美子ほか。今だから明かせるドッキリ秘話が飛び出します。当時の撮影現場を記録した本邦初公開のメイキング・フィルムも。


【司会】塚地武雅潘めぐみ,【キャスター】佐野史郎,【ゲスト】水野久美釈由美子,麻里圭子,小高恵美

 

内容

 
 特撮映画について「ヒロイン」に注目した番組。ちなみに「ゴジラ」映画以外にも「地球防衛軍」や「マタンゴ」「ガス人間第一号」なども対象。


 案内役として
  塚地武雅 … 塚地博士
  潘めぐみ … ロボットの潘ドロイドMEG
  佐野史郎 … 俳優 兼 特撮ヒロイン研究家
 というメンツが掛け合いやりながら特撮ヒロインについて語っていく構成。


 最初の特撮ヒロインは「ゴジラ」(1954年)の山根恵美子(河内桃子)


ヒロイン危機一髪
 ・地球防衛軍 (1957年)白石江津子(白川由美
 ・美女と液体人間 1958年 新井千加子(白川由美)
 ・ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(1966) ダヨ(水野久美


 ゲストに水野久美登場。


 田中友幸プロデューサーが、映画の撮影現場で撮影していた秘蔵のメイキングフィルム公開。


恋するヒロイン
 ・宇宙大戦争(1959)白石江津子(安西郷子)
 ・ガス人間第一号(1959)春日藤千代(八千草薫
 ・怪獣大戦争(1965)波川(水野久美


 水野久美は「怪獣大戦争」で恋人役を演じたニック・アダムスにリアルに言い寄られていて、贈り物を送られて困った云々。ちなみにニック・アダムスは当時既に結婚していて、のちに離婚したとか。


 ゲストの釈由美子が「ゴジラ×メカゴジラ」で撮影に使った戦闘服を着こんで登場。「4歳の息子に、自分が出演していることを伏せて映画を見せたら、母親が出ているのでビックリ&大興奮」「撮影中に叫びすぎて気絶した事も」等々。



●ワーキングヒロイン
 ・モスラ 1961年 花村ミチ(香川京子) 女性カメラマン
 ・モスラ対ゴジラ 1964年 中西純子(星由里子) 新聞社カメラマン
 ・ガス人間第一号(1959)甲野京子(佐多契子) 新聞記者



スペシャルヒロインインタビュー
 「ゴジラ対ヘドラ」1971年 でヒロイン富士宮ミキを演じた麻里圭子。劇中で「カドミウム~」とか変な歌詞の歌を歌うシーンで有名。本人は「あまり真剣に考えて歌うとマズいと思って、明るく歌った」とか。



●悪女なヒロイン
 ・海底軍艦 1963年 ムウ帝国皇帝(小林哲子)
 ・怪獣総進撃 1968年 キラアク星人首領(愛京子)
 ・マタンゴ 1963年 関口麻美(水野久美)

 水野久美によると、「マタンゴ」のキノコは和菓子屋が作った蒸し菓子で美味しかったとのこと。



佐野史郎のうんちく
 映画「吸血鬼」(1956)で塩沢ときが旧名の塩沢登代路で登場しているが、これが美人だ云々



●怪獣と心を通わせたヒロイン
 ・モスラ対ゴジラ 1964年 小美人:ザ・ピーナッツ伊藤エミ伊藤ユミ
 ・ゴジラvsデストロイア 1995年 等6作品 三枝未希(小高恵美


スペシャルヒロインインタビュー
 小高恵美デストロイアでは涙を出さずに悲しみを表してみた。スペースゴジラの撮影が一番大変だった。


プロデューサーだった富山省吾登場。
 モスラは母性の象徴。だからゴジラは勝てない。



●戦うヒロイン
 ・ヤマトタケル 1994年 オトタチバナ(沢口靖子)
 ・ゴジラ×メガギラス G消滅作戦 2000年 辻森桐子(田中美里) Gグラスパー隊長
 ・ゴジラ×メカゴジラ 2002年 家城茜(釈由美子) 第一機龍隊オペレーター


感想

 NHK内部のオタク勢力が趣味に走りまくって作った番組(多分) 特撮映画の怪獣・宇宙人・メカなどではなく「ヒロイン」に注目して90分番組を作るとか、よくこんな企画通ったな(笑)

 あと昭和世代には特撮ヒロインと言えばこの人だろ、の水野久美を担ぎ出してきたのはエライ。まあ、そこそこには面白い番組でした。
 
 

「特撮怪獣映画27本大集合!銀幕女優が勢揃い!」
https://www.nhk.jp/p/ts/P5MN1377R8


ゴジラ」を筆頭とする特撮怪獣映画。花を添えたのが美しきヒロインたち。モスラキングギドラマタンゴ…怪獣怪人の魅力は、ヒロインの存在あってこそ。「ヒロイン目線で特撮怪獣映画を斬る!」前代未聞の番組。


MC 塚地武雅
MC 潘めぐみ
解説・ナレーション 佐野史郎
ゲスト 水野久美
ゲスト 釈由美子

2020.12.21
特撮映画愛あふれる、出演者からのメッセージをお届け! ゴジラとヒロイン |NHK_PR|NHKオンライン
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=26837


今や日本のみならず、ハリウッドでも「ゴジラ」がシリーズ化されるほど世界中の人々を魅了し続けてきた特撮怪獣映画。ゴジララドンモスラキングギドラメカゴジラ、ガス人間、マタンゴ…。数々の怪獣怪人たちが登場する特撮怪獣映画のスクリーンに花を添えたのは、美しきヒロインたちです。
12月19日(土)放送の「ゴジラとヒロイン」は、「ヒロインという切り口で特撮映画を掘る!」というこれまでにないユニークな番組。27本もの東宝特撮映画を紹介しながら、それらを彩ったヒロインたちの姿をたどる、特撮ファン必見のディープでマニアックな89分です!


番組の見どころとともに、制作統括の西村 崇プロデューサーによる収録こぼれ話を紹介します。さらに番組MCを務める塚地武雅さん、潘 めぐみさん、出演者の佐野史郎さん、水野久美さん、釈 由美子さん、小高恵美さんからの、特撮映画愛がこもった熱?いメッセージをお届けします!



計27本もの東宝特撮映画が続々と!

番組には、1954年公開の「ゴジラ」などのヒット作から、知る人ぞ知る作品まで、なんと27本もの東宝特撮映画が登場。ヒロインのタイプ別に6つに分類し、昭和から平成へと時代をたどりながら、それらを紹介していきます。気になる6つのカテゴリーと代表的な作品は、こちら!

ヒロイン危機一髪…「地球防衛軍」(1957年)の江津子(白川由美)など
恋するヒロイン…「ガス人間第一号」(1960年)の藤千代(八千草 薫)など
ワーキングヒロイン…「モスラ」(1961年)のミチ(香川京子)など
悪女なヒロイン…「マタンゴ」(1963年)の麻美(水野久美)など
怪獣と心を通わせるヒロイン…「ゴジラvsデストロイア」(1995年)の未希(小高恵美)など
闘うヒロイン…「ゴジラ×メカゴジラ」(2002年)の茜(釈 由美子)など



“特撮映画愛”むんむんのスタジオトーク

スタジオでは、27本の特撮映画を堪能しながら、ヒロインの魅力について大いに語ります。スタジオに集まったのは、この方々です!

MCを務めるのは、塚地博士こと塚地武雅さんと、AIロボットの潘ドロイドこと潘 めぐみさん。実はお二人とも大の特撮好き! 進行役ではありますが、ついついトークにも力が入ってしまいます。また、俳優・佐野史郎さんは“特撮ヒロイン研究家”として登場。番組内には、知識量の豊富な佐野さんが、独自のヒロイン論について熱く語るコーナーもあります。


さらに、数多くの特撮映画に出演してきた「The特撮ヒロイン」の女優・水野久美さん、映画「ゴジラ×メカゴジラ」でメカゴジラを操縦するヒロインを演じた釈 由美子さん、平成ゴジラシリーズを手がけたプロデューサーの富山省吾さんがスペシャルゲストとして登場! 特撮映画の舞台裏や、初めて明かすマル秘エピソードなどが次々と飛び出します。さらにさらに、「ゴジラ対へドラ」に出演した麻里圭子さん、そしてゴジラ映画6作に出演された小高恵美さんのスペシャル・インタビュー映像まで!

 
ゴジラ×メカゴジラ 東宝特撮ヒロイン メモリアル・アルバム
 

【オカルト】年末は「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」の新作で超常映像祭りだぁ!!


UFO事件クロニクル

幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリーE+(プラス) https://www.nhk.jp/p/ts/R88ZYP985X/
放送 NHK Eテレ。毎週月曜午後7:25~午後7:50(25分)

www.nhk.jp


 Eテレで放送している「ダークサイドミステリーE+」が12月28日放送分で最終回、という事に衝撃を受けているのですが、それを補って余りあるお知らせが公式サイトに!!

新作登場!合計4時間超!「超常映像祭り」緊急開催!

年末は不思議映像で愉悦だ!
◆24(木)後3:02-5:01 BSプレミアム「幻解!超常ファイルSP超常映像2019」(再)
◆28(月)夜7:25-7:49 Eテレ「幻解!超常ファイルE+超常映像 謎解きスペシャル」
★30(水)後6:00-7:29 BSプレミアム「幻解!超常ファイルSP最新超常映像2020」(新作)
待て!而して希望せよ!

 
 わーい ヽ(´▽`)ノ BSプレミアムで放送の本家「幻解!超常ファイル」は今年は今まで一本も放送が無くて、「今年は歴史番組のダークサイドミステリーとか再編集版のE+で忙しかったから、スタッフも余力が無かったんだろう」 (´Д`)ハァ… とか思っていただけに、ここで緊急の新作のお知らせがぶっこまれて嬉しいったりゃありゃしないぜ!
 
UMA事件クロニクル
UMA事件クロニクル
「新」怪奇現象41の真相
「新」怪奇現象41の真相

【アニメ】感想:NHK番組「ガンダムを動かせ~夢に挑んだエンジニアたち~」(2020年12月21日(月)放送)

ガンプラ RG 1/144 RX-78-2 ガンダム (機動戦士ガンダム)

ガンダム動く!その瞬間を目撃せよ!メカニズムと舞台裏も大公開 生中継!ガンダム動く【1分動画】|予告動画 |NHK_PR|NHKオンライン
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/trailer.html?i=27034

【※以下ネタバレ】
 

ガンダムを動かせ~夢に挑んだエンジニアたち~
https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2020-12-21&ch=21&eid=33371&f=etc
[総合]2020年12月21日(月) 午後10:00~午後11:00(60分)


日本のモノ作りを代表するさまざまな分野の技術者が集結し、全高18mの実物大ガンダムが動いた!「アニメの巨大ロボを動かす」という夢に真剣に取り組んだ舞台裏を大公開


リアリティーある世界観でロボットアニメに革命をもたらした「機動戦士ガンダム」。アニメの設定である全高18mのガンダムが動いた。動かしたのは、少年時代にガンダムに夢を描いたエンジニアたちの情熱と技術だ。リーダーは会社を辞めて挑んだ。産業用ロボットに使われる精密モーターと新開発の減速機、全身を調和させて動かす。そして、6階建てビルに匹敵する巨体を支えるのはクレーン技術。メカニズムと舞台裏を大公開する。


【司会】設楽統,【ゲスト】及川光博片桐仁早稲田大学名誉教授…橋本周司,【語り】垂木勉

 

内容

 さる12月19日に横浜港の山下ふ頭で、実物大18メートルの初代ガンダムが動いた。それを作った技術者たちの開発物語。


 2014年プロジェクト開始→2016年から開発傘下企業募集→2018年設計→2019年組み立て→2020年完成


 プロジェクトリーダーは、某重機メーカーで、腕が二本ある重機、通称「ガンダム建機」を作った人が、会社を辞めてプロジェクトに参加。


 サーボモーター(安川電機)や減速機(ナブテスコ)の開発者たちインタビュー。


 指・手の部分を作ったのは、リアルな恐竜ロボットを作っている会社(ココロ)。指をそらすような動きの再現や軽量化に苦心。


 軽量化のため、足のサイズなどはアニメとは違うバランスで細目に作られている。

 18メートル・25トンのガンダムを後ろで支えてる台が通称「Gキャリア」。新居浜のクレーンの会社が開発した。


感想

 さる12月19日に動いたリアル1/1ガンダム開発物語。

 プロジェクトが立ち上がってからの大まかな流れの説明とか、開発の責任者たちや各部品の開発担当者のインタビューなどなど。その合間に、ミッチーとか片桐仁ガンダムファンらしい諸々のコメントを入れていく的な番組。プロジェクトリーダーの人は、日立の二本腕重機「アスタコ」に関わった人だったのねぇ。
 
 もちっとプロジェクトX風に真面目に進めるのかと思ったのですが、バラエティ風味で大して面白くは無かったので、ちょっとがっかりでした。
 

関連番組

perry-r.hatenablog.com
 
 
セガワ 1/35 日立建機 双腕仕様機 アスタコ NEO プラモデル SW04
ハセガワ 1/35 日立建機 双腕仕様機 アスタコ NEO プラモデル SW04
 
機動戦士ガンダムDVD-BOX 1

 
 

【歴史】感想:NHK番組「決戦!関ケ原 空からスクープ 幻の巨大山城」(2020年12月19日(土)放送)

関ヶ原 [Blu-ray]

空から読み解く! 新説・関ヶ原 決戦!関ヶ原 ~空からスクープ 幻の巨大山城~ https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=26648
放送 NHK BSプレミアム。2020年12月19日(土)

【※以下ネタバレ】
 

決戦!関ケ原「空からスクープ 幻の巨大山城」
[BSプレミアム]2020年12月19日(土) 午後9:00~午後11:00(120分)


天下分け目の関ヶ原の戦いの通説が覆る!?航空レーザー測量で、西軍が築いたとみられる巨大山城を確認。石田三成たちの幻の決戦計画がよみがえる。驚きの連続の2時間!


天下分け目の関ヶ原の戦い。戦国の一大決戦の通説が覆る!?NHKは航空レーザー測量を実施し、関ヶ原全域の赤色立体地図を作成。石田三成たち西軍が築いたとみられる巨大山城の跡を確認した。敗れたはずの西軍は、鉄壁の防衛網を築き上げ、家康を迎え撃とうとしていたのだ。さらに西軍武将たちの裏切りの痕跡も発見。壮絶な神経戦が浮かび上がる。最新研究と本格ドラマで描き出す新説・関ヶ原。驚きの連続の2時間スペシャル。


【アナウンサー】青井実,【出演】村井美樹千田嘉博小和田哲男,外岡愼一郎,石黒英雄,宍戸開,マルシア

 

内容

●大発見

 NHK関ヶ原の古戦場周辺を、最新技術のレーザー測量で調べ、地表の凹凸を「赤色立体地図」という3D地図にしたところ、古戦場から2Km離れた山の頂上に巨大な城の跡が見つかった。

 資料ではここには関ヶ原の戦いの200年以上前に「玉城」という城があったと記録されているが、城の作り方の跡を見る限り、これはそのような古い城ではなく、関ヶ原の戦い当時の様式で作られていた。

 城の規模は兵士一万人級の巨大な物で、西軍の大大名・毛利輝元か、もしくは豊臣秀頼を迎え入れるために作られた可能性すらある。

 関ヶ原の戦いで、関ヶ原が戦場になったのは偶然の成り行き、と考えられていたが、西軍がこのような巨大な城を作って準備していたということは、西軍は最初から関ヶ原を決戦の場と想定していた可能性が出てきた。

 資料では、この城についての記録は全く見つかっておらず、歴史上の大発見となった。


●IFドラマ

 1600年。石田三成徳川家康との決戦とのために関ヶ原に城を築き、当時8歳の豊臣秀頼を迎え入れた。秀頼が来たことで西軍の士気は鼓舞され、逆に東軍は秀頼の威光の前に戦意を喪失。かくして関ヶ原の戦いは西軍の大勝利となった。


●再構成された関ヶ原決戦

 玉城の存在の他にも、赤色立体地図で見ると、大谷吉継ら西軍の配置も従来考えられていた物と食い違っていた。そのため修正した西軍の配置図を元に、改めて関ヶ原の戦いの様相を時系列で展開し直してドラマと共に説明。


感想

 評価は○。

 日本史マニアどころか、一般人レベルでも良く知られている関ヶ原の戦い。今まで何度もドラマなどでネタになっていますが、この度全く知られていなかった城の存在が確認された、という歴史好きにはちょっと興味を引くネタで番組を一本作っています。

 「城跡が発見された」「現地を調べました」だけでは面白くないので(?)、さらに歴史ドラマも合わせて放送しており、まず「秀頼が関ヶ原まで来てくれたので、西軍が奮い立って大勝利」というIF編から放送。子供の秀頼が「馬印を挙げよ!」「逆賊・家康を討て!」と可愛く命じると、武将たちがウォォォとやる気になって、その勢いで西軍大勝利! という流れには、西軍ファンでなくても泣けてきます(ホントにちょっと泣いた)

 後半は、修正された西軍配置図を基に、やはり歴史ドラマで戦いの様相を説明。当然秀頼は来てくれないし、配置が変わっても小早川秀秋はやっぱり裏切るし(笑)、毛利軍はイマイチやる気がないし、で、結局西軍は負けて(涙)、大谷吉継切腹(涙)、石田三成も処刑されてしまうのでした(涙)

 まあ、かなりだるい部分もあり、すんげえ面白い番組とはいきませんでしたが、歴史好きにはちょっと面白いネタだったかなぁと思います。
 
 

空から読み解く! 新説・関ヶ原 決戦!関ヶ原 ?空からスクープ 幻の巨大山城? |NHK_PR|NHKオンライン
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=26648
12月19日(土)[BSプレミアム]後9:00~10:59


徳川家康の東軍と石田三成たち西軍が戦った関ヶ原の戦い。戦国の天下分け目の決戦の通説が変わるかもしれない!


今回、関ヶ原の航空レーザー測量を実施し、関ヶ原全域の赤色立体地図を作成。石田三成たち西軍が築いたとみられる“巨大山城の跡”を確認することに成功しました!
さらに専門家の協力のもと、関ヶ原の現場調査を行い、西軍の幻の巨大山城のCGで徹底再現! そこから浮かび上がってきたのは、幼き天下人・豊臣秀頼を巻き込んだ石田三成たちの決戦計画でした。


最新の調査研究と本格ドラマで描き出す新説・関ヶ原の戦い。驚きの連続の2時間です。

 
関ヶ原
ゲームジャーナル64号 シン・関ヶ原

【ゲームカタログ】感想:ゲーム関係本「甦る 伝説のRPG大全 Vol.1 黎明期編 1975年~1986年」

甦る 伝説のRPG大全 Vol.1

http://www.amazon.co.jp/dp/4802110472
甦る 伝説のRPG大全 Vol.1 (日本語) 単行本 2020/9/17
出版社 : メディアパル (2020/9/17)
発売日 : 2020/9/17
単行本 : 160ページ

【※以下ネタバレ】
 

甦る 伝説のRPG大全 Vol.1 黎明期編 1975年~1986年|メディアパル
https://www.mediapal.co.jp/book/1047/index.html

RPGの世界へようこそ!青春の1ページを捧げたあの名作が今甦る!RPGマニア垂涎の決定版!


日本で最も人気のあるゲームジャンルRPGロールプレイングゲーム)の名作が勢揃い!


ウルティマウィザードリィ以前から存在していたコンピューターRPGの歴史に急速接近!これまで紹介されることの少なかった黎明期の海外製RPGを実際にプレイ&詳細解説し現在遊べる方法まで紹介します。PC-8801FM-7・X1などホビーパソコンを賑わせた名作他、ブラックオニキス夢幻の心臓ドラゴンスレイヤーハイドライドザナドゥなど、時代を代表する作品から、ややマイナーな作品まで、数多くの画面写真と貴重な資料で当時を振り返りながらフルカラーで詳解します!RPGの成り立ちから発展まで手に取るように分かるRPG決定版です。

 

内容

 1975年~1986年に開発・発売されたコンピューターRPGのカタログ。

・1975~1980年頃に、大学用コンピューターネットワーク「PLATO」で遊ばれていたRPG
・アカラベス、ウィザードリィ1~3、ウルティマ1~4、バーズテイル、等
・国産ゲーム「ドラゴン&プリンセス」「ポイボス」「ぱのらま島」「ザ・ブラックオニキス」「ハイドライド」「夢幻の心臓」「ドラゴンスレイヤー」「ザナドゥ」「ロマンシア」「ドラゴンクエスト1」等々

 といった作品を、フルカラーで、基本的に2ページ、重要な作品なら4~5ページ、を使って紹介。記載内容は、ゲームの基本的な内容、評価、当時の業界事情なども含めて結構詳細に網羅しています。

感想

 評価は◎。

 「初期のコンピューターRPG」というと、一昔前は、基本的に、海外物は「ウルティマ」「ウィザードリィ」、日本では「ザ・ブラックオニキス」「ハイドライド」あたりから始めるのが普通でした。

 ところが2010年代に入って、海外ではウルティマやウィザードリイが始まりではなく、それ以前に多数のゲームが有ったことが解って来たりして、歴史観が書き換わってきていました。

 この本は、コンピューターRPG黎明期である1975年~1986年に開発・販売されたゲームについて、国内・海外作品の区別なく手広く取り上げています。

 ウルティマ・ウィズ以前の海外RPGについては、2014年に発売された

ロールプレイングゲームサイド Vol.1
http://www.amazon.co.jp/dp/4896374703

ロールプレイングゲームサイド Vol.1 (GAMESIDE BOOKS)
 
 に詳細に記載されていましたが、こちらの本は国産のRPGについても掘り下げています。正直国産ゲームについては「ザ・ブラックオニキス」より前のゲームはほぼ知識ゼロだったので、

・ドラゴン&プリンセス/光栄
・アルフガルド/アスキー
・剣と魔法/光栄
・ポイボス/ZAT SOFT
・アマゾン学術探検/スタークラフト
聖剣伝説/コムパック
・ダンジョン/光栄
・ぱのらま島/日本ファルコム

 等々のタイトルを並べられて「ほーう、こんな作品が有ったのかぁ~」と時間も忘れて読みふけってしまいました。マジ知らないタイトルばっかり。


 どんな古い作品でもフルカラーでCGが紹介されていますし、一通りのゲームの設定やシステムの紹介だけでなく、バランスが良い悪い、ハマりがある、当時評価された/されなかった、この時代は難しいゲーム程好まれたのでよく売れた、云々の、時代背景も含めた説明がされていて、かなり読みごたえありです。昔のRPGを懐かしみたいという人には嬉しい一冊となること請け合い。

 まあ、18×25.5センチのバカでかい本が届くとは思っていなくて、そこに意表を突かれましたが、満足度は高い一冊でした。
 
 

ウルティマウィザードリィ以前から存在していたコンピュータRPGの歴史に急速接近。ドラクエ以前の国産RPGも総力大特集!ウィザードリィウルティマ・ローグ・ザ・ブラックオニキス夢幻の心臓ハイドライドドラゴンスレイヤーザナドゥ・ファンタジアン・覇邪の封印…日米にまたがる歴史的遺産を多数収蔵。


RPGマニア垂涎の決定版登場!
ウルティマ』『ウィザードリィ』以前、1970年代中盤からコンピューターRPGの世界は構築されていた。
これまで紹介されることの少なかった黎明期の海外製RPGを実際にプレイ&詳細を解説。現在遊べる方法まで紹介します。
また、国産RPGにも注目。まだ、1つのジャンルとして確立されていなかった80年代前半のRPGも総力特集。
PC-8801FM-7・X1などホビーパソコンを賑わせた名作を多数掲載し、RPGの歴史を振り返ります。
ブラックオニキス』『夢幻の心臓』『ドラゴンスレイヤー』『ハイドライド』『ザナドゥ』など、時代を代表する作品から、ややマイナーな作品までを大特集。
家庭用ハードでのブーム以前のRPGの世界を知ることができます。

 
 

2020年の読書の感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 

甦る 伝説のRPG大全 Vol.1

甦る 伝説のRPG大全 Vol.1

  • 発売日: 2020/09/17
  • メディア: 単行本
 
 
 

【中継】感想:NHK番組「生中継!ガンダム動く」(202年12月18日(金)放送)

ガンプラ RG 1/144 RX-78-2 ガンダム (機動戦士ガンダム)

ガンダム動く!その瞬間を目撃せよ!メカニズムと舞台裏も大公開 生中継!ガンダム動く【1分動画】|予告動画 |NHK_PR|NHKオンライン
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/trailer.html?i=27034

【※以下ネタバレ】
 

生中継!ガンダム動く
[BSプレミアム]2020年12月18日(金) 午後4:30~午後6:00(90分)


横浜・山下ふ頭に出現した18mのガンダムがついに動く!一般公開直前の最後の「起動テスト」をメカニズム紹介などを交え生中継。初公開のアクションやスペシャル演出も!


全高18mの実物大ガンダムがついに動く!6階建てのビルに匹敵する巨体はどう動くか?一般公開直前の最後の「起動テスト」を生中継(起動は5時20分頃予定)▽日本のモノ作りを代表する技術者たちが結集して作り上げた、ガンダムらしく動くメカニズムを紹介。この日初公開のアクション、その難しさとは?▽港横浜の美しい夜景の中、迫力満点の動きを12台のカメラで生中継する。▽限定のスペシャル演出やサプライズゲストも?


【司会】西川貴教小松宏司,【ゲスト】本郷奏多,【リポーター】佐藤哲夫,【語り】古谷徹

 
 

内容

・横浜港の山下ふ頭からリアル1/1スケール初代ガンダムの起動テストの様子を生中継。

・開発裏話をVTR放送。

・テストの後に、LUNA SEAのシークレットライブ。


感想

 いつの間にか横浜にリアル1/1サイズ初代ガンダムが作られていて、それの起動テストをするというので、NHKが90分生中継(笑) どんな凄いイベントだよ(笑) ここ数年、NHKでは、アニメ作品の「xx大投票」とか「xxヒストリア」とか平気で放送していますが、ここまでオタネタに優しい局になるとは思わなかったわ。


 VTRのナレーションは古谷徹(笑) まあ、担当するとしたら、この人か池田秀一しかおらんわなぁ。


 中継は、西川貴教の兄貴が興奮してしゃべりまくりでしたが(笑)、「ガンプラ」とか「エルガイム」とか言っちゃってよかったのか?


 今回の起動テストなるイベントは、なんでも「昔の文明のガンダムというものを発掘したので、現代の技術で組み立て直して、今回起動テストをしてみた」という設定の小芝居となっており、実際に動かすのに合わせて声優たちのドラマが一緒に流れる、というものでした。なるほど、それで「起動テスト」か。


 まあ、初代ガンダム世代ですけど、映像で見る限りは別に「ふーん」程度のインパクトしか無かったです。しかし、そばで見上げていてそれが動いたら感激するかも。
 
 

関連番組

perry-r.hatenablog.com
 
 
機動戦士ガンダムDVD-BOX 1
 
 

【ゲームブック】記事:ゲームブック作家だった塩田信之氏にインタビュー【ファミコン冒険ゲームブック】

ウィザードリィ―魔術師ワードナの野望 (双葉文庫―ファミコン冒険ゲームブックシリーズ)

2020.12.3
オワリカラ・タカハシヒョウリのサブカル風来坊!!』おおらかで刺激的だった「ゲームブック」の世界 ライター塩田信之に直撃インタビュー【前編】 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス
https://spice.eplus.jp/articles/279503

spice.eplus.jp

2020.12.16
オワリカラ・タカハシヒョウリのサブカル風来坊!!』おおらかで刺激的だった「ゲームブック」の世界 ライター塩田信之に直撃インタビュー【後編】 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス
https://spice.eplus.jp/articles/280153

spice.eplus.jp

 

さて、読者の皆さんは「ゲームブック」をご存知だろうか?


一見すると普通のファンタジー小説のようにも見えるが、ペーシをめくってみると、物語が番号を振られた無数のパラグラフ(段落)に分かれている。


読者は、自ら行動を選択したり、ダイスを振ったりして、能動的に物語に参加し、それに応じて物語の行く末が変わっていくというインタラクティブな要素を持ち合わせた小説が「ゲームブック」である。


要するに、「ゲーム」のように遊べる「ブック」である。


海外から輸入されたゲームブックは80年代後半にブームを巻き起こし、国内では『ファイティング・ファンタジー』などの海外翻訳ゲームブックと共に、ゲームソフトを題材とした低年齢向けのゲームブックも次々と刊行され子供たちを熱狂させた。


今回は、そんな「ゲームブックの世界」に迫るべく、双葉社の『ファミコン冒険ゲームブック』シリーズなどで数多くのゲームブックの執筆を担当したライターの塩田信之さんにお話を聞いてきた!

 
 ということで、マイナーブランド(……でもないかもしれせんが、社会思想社東京創元社の作品ほどは取り上げられる機会のない)双葉社ゲームブックを書いていた人にインタビューした記事。色々面白いので引用多めで行きます。


■前編

ゲームブックブームの始まり

まず、そもそものゲームブックのはじまりというか、最初に国内でゲームブックが勃興してきたのっていつくらいだったんですか?


塩田:84年に、『火吹き山の魔法使い』という海外のゲームブックが翻訳出版されました。ブーム自体が、海外が先行なんです。『火吹き山の~』が日本で出た後くらいのころに、スタジオ・ハードっていう会社の社長さんが「これは売れるんじゃないか」と目を付けて研究を始めて、話を双葉社さんにもっていって、まず『ルパン三世ゲームブック』があって、そこからファミコンのゲームを題材にしたものがたくさん出始めたんですね。だから、ルートとしては海外からの翻訳ゲームブックルートと、こういう『ファミコン冒険ゲームブック』のような形で低年齢層に向けたものの二つに大きく分かれている感じですかね。

 
[コメント]
 社会思想社とか東京創元社とかの作品ばかりチェックしていたから、双葉社とかは遂に視界に入らないままだったよなぁ……



●スタジオハードの実態

タカハシ:スタジオ・ハードさんの社内のノリっていうのはどうだったんですか?わりと若い人が集まってゲームやってるみたいな感じだったんですか?


塩田:もともとベンチャー企業なんで、みんな若めといえば若かったけど、当時で30代くらいの人が多かったかな。でも、出版の編集者として仕事をしている人たちなので、そんなにゲームに詳しい人が多かったわけではなくて。ゲームを遊んでいる人っていうのももちろんいるんだけど、とくにゲームブックの部署に限って言えばそんなに詳しい人はいなかったと思いますね。

 
[コメント]
 スタジオハードは国産のゲームブックを気にすると必ず目にする名前なのですが、実体は全く不明だったのでこんな感じで内情が解って、何となく嬉しい。



ゲームブックを作る流れ

タカハシ:ここからは、当時実際にどうやってゲームブックが作られていったのかをお聞きしたいのですが、まずどのゲームをゲームブック化するかっていうのは、どういうふうに決まるんですか?


塩田:これはですね、まず版権がとれそうなゲームを出版社側で判断して交渉して、いくつかの編集プロダクションに振っていた感じですね。スタジオ・ハードのほかにも、レッカ社さんとか3つか4つくらいかな。その編集プロダクションに振った段階で、プロダクションの中に何人かずつライターがいるので、誰が書くかというのが自薦他薦で決まります。自分から「これがやりたい」って言ったこともあるし、「これやってくれよ」っていう感じで始まったこともありました。

 
[コメント]
 そんな流れで決まっていたのか……



●ライターの仕事

タカハシ:ゲームのシステム的な部分=チャートの作成と、シナリオのライターさんは基本的には同じ人なんですか?


塩田:基本的にはそうですね。僕はゲーム作りが好きなほうなので、ほかの人のチャート作りとかもしていたりはするんですけど、基本はライターがプロットも考えてチャートも書いてます。


タカハシ:分岐を作るうえでのスキルというか、コツみたいなものってあるんですか?


塩田:そうですね、いろいろあることはあります。たとえば、意味のない分岐は作らない。選択をした2つのルートがあって、その片方のルートが表示されたあとに、すぐに合流しちゃうような物ですね。そこにフラグ管理があって、何何にチェックを入れるみたいな所があればまだいいけども、単純にリアクションだけ違って、すぐ合流しちゃうようなものは作らないというルールはありましたね。あとは、ダンジョンみたいな物を作るっていうのはゲームブックの中でよくあるんですけど、ダンジョンを作りすぎると話が面白くならないとか。

 
[コメント]
 うん、ストーリー物にダンジョンをブッ混んだ作品はほぼ面白くない。若桜木虔作品で身に染みてます(笑)


■後編

ゲームブック衰退の理由

タカハシ:その90年くらいを境に、ゲームブック自体の人気が下がったってどういう理由だと思いますか?


塩田:やっぱりゲームの普及率が、とても上がったんですね。ゲームソフトを代替品で遊ぶ必要がなくなっていったんじゃないかなと。 それと、よく言われるのがあまりにも出しすぎた。自分で言うのもなんだけど、粗製濫造みたいな印象があったと思いますね。どれを遊んでもそんなに変わり映えしなくて、離れていく理由にはなっていたと思います。

 
[コメント]
 まあ、コンピューターゲームで簡単に冒険できるようになったら、紙の本が不要になるのは致し方ない……、あと基本的にゲームブックって「どれを遊んでも大差ない」娯楽という弱点があるから……、アクションゲームとRPGみたいな明確な違いが作れないから……



●〆の言葉

加東:でも面白いですよね。『ウィザードリィ』自体が『D&D』をコンピュータ上でやりたかったっていうのがきっかけだから、それが一回りしてアナログに戻っていくというのはすごい面白いと思います。塩田さんから見て、人生のなかでゲームブックに関わっていた時期というのは、どういうものかっていうのを最後にお聞かせください。


塩田:ゲームブック自体を作るのが、すごく好きでした。ゲームが好きだというのがもとにあるんですけど、チャートを作ること自体が好きでしたね。ゲーム的にするにはどうしたらいいんだろうと考えながら作っていくことが、すごく自分に合っていたんだろうなと思います。あと、ゲームブックのブームが終わってからすごく時が経ったあとに「昔ゲームブックやってましたよ」って言われることが結構多くて。それは、仕事をしていく中で支えになっているところはありますね。

 ということで、ゲームブック作家の貴重なインタビューでした。面白かった。
 
 
 
ルパン3世 謀略の九龍コネクション
ルパン3世 謀略の九龍コネクション (双葉文庫―ゲームブックシリーズ)
メトロイド―ゼーベス侵入指令
メトロイド―ゼーベス侵入指令 (双葉文庫―ファミコン冒険ゲームブックシリーズ)