【ドラマ】感想:NHK番組「未解決事件 松本清張と帝銀事件 ディレクターズカット」(2023年2月25日(土)放送)

Nスペ 未解決事件(NHKオンデマンド)

NHKスペシャル 未解決事件 https://www.nhk.or.jp/mikaiketsu/
放送 NHK BSプレミアム

www.nhk.or.jp
【※以下ネタバレ】
 

あらすじ

未解決事件 松本清張帝銀事件 ディレクターズカット
[BSプレミアム] 2023年02月25日 午後9:00 ~ 午後10:30 (90分)


真犯人は誰だ?占領期の未解決事件に挑んだ国民的作家・松本清張の知られざる闘いを初ドラマ化。“戦後最大のミステリー”帝銀事件の真相に迫る。未公開映像を加えた完全版


社会派ミステリー「点と線」や「眼の壁」で人気作家となった松本清張大沢たかお)は、占領期に起きた未解決事件に着目する。白昼の銀行に現れた“謎の男”によって12人が毒殺された「帝銀事件」だ。逮捕された画家・平沢貞通(榎木孝明)は真犯人ではないと睨んだ清張は、文藝春秋編集長の田川博一(要潤)と共に独自に取材を開始。やがて警察が軍関係者を追っていた事実を突き止め、事件の底知れぬ闇へと分け入っていく―。


【出演】大沢たかお要潤井川遥迫田孝也榎木孝明佐野史郎豊原功補,【作】安達奈緒子,【音楽】川井憲次

 
 1957(昭和32)年。人気作家・松本清張は、新作の題材として1948(昭和23)年に発生した「帝銀事件」を選び、文藝春秋の編集長・田川博一と組んで調査を始める。


 帝銀事件とは、帝国銀行の支店に厚生省の人間と称する男が現れ、行員たちに集団赤痢の予防薬と偽って毒物を飲ませて12名を殺害、現金と小切手を盗んで逃走した、という凄惨な事件だった。警察は犯人として画家・平沢貞通を逮捕し、平沢は裁判で無罪を主張するも死刑が確定していた。


 清張は、事件の疑問点として、行員たちが飲まされた毒が青酸カリとされているが、青酸カリは即効性なので事件の状況と合致しないこと、また犯人がピペットを使って毒物を取り分けたが、ピペットは素人に正確に扱えるものではないこと、を上げる。

 さらに清張は、平沢が逮捕される直前まで、警察は薬物の扱いに長けた医療関係者、特に軍人を容疑者と見なしていたことを突き止める。清張は帝銀事件を担当し、退職した元刑事に話を聞き、警察は旧日本軍の「731部隊」の隊員を追っていたものの、突然その線の捜査が打ち切られたことを知る。

 731部隊は、生物兵器の開発のため、戦争中に大陸で人体実験を行っていた特殊部隊だった。しかし終戦時にその証拠は隠滅され、部隊長だった石井四郎は何の咎めも受けていなかった。さらに清張は警察や新聞社がGHQから事件について圧力を受けていたという証言を得る。

 清張は、731部隊の幹部は人体実験の情報を敵だったアメリカに提供することで処罰を免れたと推測する。そして帝銀事件の犯人はおそらく元731部隊の関係者だったが、GHQ731部隊について注目が集まるのを避けるため捜査や報道に圧力をかけ、平沢を犯人に仕立て上げたと考える。

 清張は田川に、調査した結果をノンフィクションとして発表しようと訴えるが、田川は小説として発表するべきだと頑なに拒否する。田川はもしノンフィクションとして発表した場合、清張に危険が及ぶことを危惧していた。結局、清張は調査結果を1959(昭和34)年に「小説 帝銀事件」という形で発表した。


感想

 NHKのこの「未解決事件」シリーズは今まで未見だったのですが、とんでもなく面白かった! 松本清張が古い資料を見つけ出したり、関係者から話を聞いたりしながら秘められた事実を掘り起こし、事件像を次々と明らかにしていく展開は興奮物でした。あと、NHKの実録系ドラマなのに音楽が滅茶苦茶カッコよかったし。

 これは良いドラマでしたね。

おまけ

 文藝春秋編集長・田川役を演じたのは要潤だったのですが、えっ? 要潤てこんなに演技上手かったの? 2001年放送の「仮面ライダーアギト」での棒演技が強烈に印象に残り過ぎて、こんなに自然に台詞を喋れる要潤の姿が信じられない……(笑) あと音楽がやたら「攻殻機動隊」ぽいなぁと思っていたら、まんま攻殻の音楽の人がこの番組でも音楽担当してました(笑)
 
 

https://www.nhk.or.jp/mikaiketsu/
File.09松本清張帝銀事件
未解決事件 松本清張帝銀事件ディレクターズカット
2023年02月25日(土) 午後9時00分~午後10時30分 BSプレミアム BS4K


“戦後最大のミステリー”と言われる占領期の闇・「帝銀事件」。
その謎に挑んだ国民的作家・松本清張の知られざる闘いに迫る。


作:安達奈緒子  音楽:川井憲次
実録ドラマ出演:大沢たかお要潤井川遥迫田孝也山崎銀之丞千葉哲也
桜木梨奈、久保田かずのぶとろサーモン)、広田亮平、井上賢嗣、大橋彰(アキラ100%
榎木孝明佐野史郎豊原功補 ほか


帝銀事件」が起きたのは、連合国軍の占領下にあった1948年。帝国銀行・椎名町支店に厚生省技官を名乗る男が現れ、「近くで集団赤痢が発生したので予防薬を飲んで欲しい」と銀行員らに液体を飲ませ12人を殺害。逮捕され、死刑判決を受けた画家・平沢貞通は、無実を訴え続け、獄中死した。

実は捜査の当初、警察が追っていたのは「軍関係者」。GHQが警察や報道機関に影響力を持っていた当時、松本清張は丹念かつ緻密な取材で、事件の壮大な「闇」に分け入っていく。そして清張の死から30年。NHKの取材班がたどり着いた、知られざる「真実」とは―。



第1部 ドラマ 松本清張と「小説 帝銀事件
松本清張VS.未解決事件
帝銀事件との知られざる闘いをドラマ化


GHQ占領期の〝闇〟に切り込んだノンフィクションの大作「日本の黒い霧」を書いた松本清張。そのきっかけとなったのが帝銀事件だった。逮捕された平沢貞通には、犯人という明確な証拠や動機はなく、無罪を主張し続けるも死刑が確定。
しかし清張は、警察が当初「真犯人は軍関係者」としながら、捜査線とはかけ離れた平沢に向かっていったことを強く疑問視する―。


清張の死から30年。裁判や捜査資料、関係者を徹底調査して、真相を追った清張の“知られざる足跡”を独自取材し、その闘いをドラマ化する。


<あらすじ> 1957年、「点と線」や「眼の壁」など次々とヒット作を手がけ、日本中に名を轟かせ始めていた松本清張大沢たかお)。次なる題材として注目していたのが「帝銀事件」だった。
逮捕された画家・平沢貞通(榎木孝明)は真犯人ではないと疑いを抱いた清張は、文藝春秋編集長の田川博一(要潤)と共に独自に取材を開始。


やがて警察が軍関係者を追っていた事実を突き止め、底知れぬ闇へと分け入っていく。
事件の核心に迫ろうとする中で清張はノンフィクションの執筆を決意するが、そこに巨大な「壁」が立ちはだかる―。

 

https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=36907
帝銀事件」に迫る松本清張 大沢たかお主演でドラマに!
NHKスペシャル 未解決事件 松本清張帝銀事件


第1部ドラマ 事件と清張の闘い 12月29日(木)[総合]後9:00~10:30
【作】安達奈緒子 【音楽】川井憲次
【出演】大沢たかお要潤、井川 遥、迫田孝也榎木孝明佐野史郎豊原功補 ほか

第2部 74年目の“真相”(ドキュメンタリー) 12月30日(金)[総合]後9:00~10:00


日本中に衝撃を与えた未解決事件の謎をドラマとドキュメンタリーで検証・追及するNHKスペシャル「シリーズ 未解決事件」の第9弾。今回は「帝銀事件」とその謎に挑んだ作家・松本清張の知られざる闘いに光を当てます。

日本がGHQの占領下にあった1948年に、帝国銀行・椎名町支店で行員ら12人が毒殺された「帝銀事件」。犯人は逮捕されたものの、いまだ多くの謎が残されており“戦後最大のミステリー”とも言われています。


真実がねじ伏せられたのではないか──。警察の捜査を疑問視した清張は、真実を暴こうと取材を重ねるうちに、事件を覆う巨大な“闇”へと分け入っていきました。第1部では、清張の事件との闘いをドラマ化。これまで描かれなかった実像と事件の謎に迫ります。清張役の大沢たかおさんと、演出の梶原登城ディレクターに役への思いや物語の見どころを聞きました。



ドラマのあらすじ
1957年、作家として勢いに乗っていた松本清張は、作品の題材として「帝銀事件」に着目。逮捕された画家・平沢貞通(榎木孝明)のほかに真犯人がいるのではないかと疑念を抱く。


文藝春秋の編集長・田川博一(要潤)と独自取材に乗り出した清張は、ある事実を突き止めノンフィクションを執筆しようとするが、巨大な「壁」が立ちはだかり……。



松本清張 役・大沢たかお インタビュー

「事件の謎を清張先生自身の視点で
解き明かしていく描き方が実に斬新だなと」

父が松本清張先生のファンで、僕自身も作品を読んだり原作ドラマを見たりする機会が多かったので、いつか作品に出演する機会があればと思っていたんです。

でも、まさか清張先生ご本人を演じさせていただけるとは思ってもみなかったので、最初にお話をいただいたときは驚きました。外見は似ていないし、ましてや清張先生を描く初の映像作品。果たして自分に役が務まるのだろうかと思いながら企画書を読んだのですが、企画のすばらしさに思わず胸が熱くなりました。

帝銀事件については、父から話を聞いたことがあったのでおおよその概要は知っていたものの、詳しい背景までは知りませんでした。清張先生がどんな“闇”を暴こうとしていたのか知りたいという思いも湧きましたし、その謎を清張先生自身の視点で解き明かしていく描き方が実に斬新だなと。これはぜひ挑戦したいと思い、参加させていただいたんです。


若き日の清張をほうふつとさせる大沢さんのビジュアルにも注目。「美術をはじめ、ヘアメイク、衣装、メガネなどの小物にいたるまで、スタッフの皆さんのなみなみならぬこだわりと作品へ熱量を感じて、ありがたかったですね。初めて映像を見たとき、自分だと思わなかったくらいです」と大沢さん。



清張が真実を追い続けた原動力とは?
自問自答しながら演じた日々


清張先生の作品は、罪を犯した人間の善悪よりも、そこに至った背景やその人物の生きざまがきめ細やかに描かれている印象が強く、きっとご自身も人間愛にあふれた人だったんだろうなと想像していました。ただ、実際はどんな方だったのか分からないところからスタートしたので、事前に史料を調べたりお話を伺ったりしてから現場に入りましたが、撮影しながら知ることのほうが多かったですね。

清張先生は、帝銀事件のほかにもGHQの占領下で起きた数々の未解決事件を徹底的に取材して執筆されましたが、その熱量が尋常ではないんです。“闇”の正体に近づきかけては何度も行く手を阻まれながら、絶対に書くことを諦めなかった。その原動力は何だったのか? 何に対してそこまで怒っていたのか? 僕がいちばん知りたかったのはそこで。いつも答えを探しながら演じていたので、撮影が終わるとぐったりするくらいエネルギーを使いました。


平沢犯人説に異を唱える清張は、被害者の夫で新聞記者の竹内(迫田孝也)にも協力を求めるが、竹内の口は重く……。


今回の作品を通して、清張先生からたくさんのメッセージやヒントをいただいた気がしているんです。特に強く感じたのは、松本清張という人が正しいことを正しいと言える社会の在り方を強く願っていたこと。そのメッセージは、今を生きる我々にも投げかけられているのではないかということです。

時代背景は違いますが、現代でも正しいことをストレートに言いづらい風潮がありますよね。僕自身、そういう世の中ってどうなんだろうと疑問を抱くこともあったので、清張先生の姿に自分の思いも重ねて表現しました。

「未解決事件」ですから答えは1つではありませんし、僕も、結局明確に答えを見いだせなかった部分があります。その謎が、翌日放送される第2部のドキュメンタリーでどのように検証されるのか、それを皆さんがどう解釈されるのか気になるところです。ぜひ、答え合わせをしながらご覧いただけたらと思います。




演出・梶原登城ディレクターより メッセージ
1959年、清張は帝銀事件を題材にしたフィクション『小説帝銀事件』を発表した翌年、GHQの占領下で起きた重大事件を考察したノンフィクション『日本の黒い霧』でも帝銀事件を検証しています。


なぜ帝銀事件なのか──。その背景を取材してみると、真相究明にかける清張の執念に改めて驚かされました。「なぜ」の部分を清張自身の視点で掘り下げることで、事件の再現だけでなく重厚な人間ドラマとして見ごたえある作品になるんじゃないかと思い、安達奈緒子さんに脚本をお願いしてドラマ化しました。


帝銀事件をノンフィクションで書くか小説として書くかを巡って激論を交わす清張と田川。
「清張がなぜ、小説のタイトルにわざわざ「小説」とつけて、『小説帝銀事件』としたのか疑問だったのですが、清張を知る方を取材する中で奇跡的に証言を得られたんです。このシーンは、そのエピソードから生まれました」(梶原D)。


ただ、清張の視点で事件を説明するとなると、彼は事件現場には立ち会っていないので映像表現に工夫が必要でした。清張の脳内イメージ、実際のニュース映像、現在軸のストーリーを違和感なく融合させ、事件当時の様子を説明的ではなくエモーショナルに描写するにはどうすれば効果的なのか。スタッフと話し合いながら試行錯誤を重ね、脳内イメージの部分は特に意識して映像を作りました。

また、事実をベースにしたドラマなので、フィクションを超えていけるような生々しさを大切にしたくて、極力テストをせず一発勝負で撮影しています。それぞれのキャストがこん身の芝居をしてくださっていますので、なんといっても俳優陣の熱演がいちばんの見どころです。


登場人物の“目”をクローズアップするカメラワークも印象的。言葉にせずとも、それぞれの心情がまざまざと伝わってくる。


どこか閉塞感漂うこの時代だからこそ、きっと皆さんの心に響くメッセージがあると思うのです。ミステリーならではの緊張感をご堪能いただきつつ、松本清張の魂の叫びから、何か希望の光を感じていただけたら幸いです。

 

https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=36988
戦後最大のミステリー「帝銀事件」の新たな真実に迫る衝撃のドキュメンタリー
NHKスペシャル 未解決事件 松本清張帝銀事件

第1部ドラマ 事件と清張の闘い 12月29日(木)[総合]後9:00~10:30

【作】安達奈緒子 【音楽】川井憲次
【出演】大沢たかお要潤、井川 遥、迫田孝也榎木孝明佐野史郎豊原功補 ほか

第2部 74年目の“真相”(ドキュメンタリー) 12月30日(金)[総合]後9:00~10:00


戦後最大のミステリーと言われる占領期の闇「帝銀事件」と、その謎に挑んだ作家・松本清張の知られざる闘いに迫るNHKペシャル「シリーズ 未解決事件」の第9弾。

事件の真相究明に奔走する清張の姿を描いた第1部のドラマ(→第1部の紹介記事は)に続き、第2部のドキュメンタリーでは、6年におよぶ取材と検証で、事件の「謎」に挑みます。

清張の没後30年にあたる2022年。取材班は、彼が暴こうとした“闇”にどこまでたどりついたのか──。取材を担当した中川雄一朗ディレクターと企画の立ち上げからドラマ・ドキュメンタリー双方の制作を担当した新名洋介ディレクターのコメントを交え、第2部の見どころを紹介します。



帝銀事件 とは
事件DATA
発生日時:1948(昭和23)年1月26日
事件現場:帝国銀行椎名町支店(東京・豊島区)
事件の概要:厚生省技官を名乗る男が「近くで集団赤痢が発生したので予防薬を飲んでほしい」と言って行員らに液体を飲ませ、12人を殺害。男は、現金と小切手を盗んで立ち去った。
事件後:同年8月21日、画家・平沢貞通を逮捕。平沢は裁判で無罪を主張するも死刑が確定。1987(昭和62)年に獄中死するまで無実を訴え続けた。


Point1 真犯人はほかにいる!? “平沢=犯人”の矛盾点を検証
帝銀事件の犯人とされている平沢貞通。平沢本人が獄中死した現在も、支援者や弁護団によって再審請求が続いている。
犯人みずからが手本を見せて毒物を飲ませ殺害するという巧妙かつ凄惨せいさんな手口で日本中を揺るがしたこの事件には、いまだ解明されていない多くの謎が残されています。
その謎の1つが、犯人とされた平沢貞通の自白。当初犯行を否認していた平沢は、一転して犯行を自供するも裁判では再び無罪を主張しました。一体なぜ、平沢は供述を二転三転させたのでしょうか? 供述記録を当時は不可能だった技術で徹底解析し、その謎に迫ります。



中川Dの取材メモ
今回、私たちが注目した点は大きく分けて2つ。1つは本当に平沢が犯人なのかどうかという点です。
平沢は、明確な物的証拠がないまま、取り調べでの自白が決め手となり有罪とされました。そこには多くの疑問や矛盾が生じるのですが、取材を進めると、その疑問をより深める資料が新たに見つかったんです。

さらに、74年経った今だからこそ発掘された貴重な資料や音声、映像を手がかりに、犯行に使用された毒物の正体や疑惑の人物などにもフォーカスします。



Point2 GHQの関与はあったのか? 事件の背後に戦争の影
帝銀事件を検証するうえで、もう1つ注目しなければならない大事なポイントは、事件発生当時の1948年、日本が連合国軍の占領下にあり、GHQ連合国軍最高司令官総司令部)が警察や報道機関に絶大な影響力を持っていた時代だったという点です。

当初、警察は軍関係者による犯行と見て捜査していましたが、突如、捜査方針を転換し平沢=犯人へとかじを切りました。この点に疑問を感じ、GHQの関与をいち早く唱えたのが松本清張でした。清張が追っていた警察やGHQの動向に着目しながら、戦後の日本を取り巻く当時の社会情勢に光を当てます。



中川Dの取材メモ
これまでの「シリーズ 未解決事件」の中で帝銀事件は最も昔の事件なので、当時の捜査状況を知る方が少なくなってきていますし、どんな事件だったのか知らない方のほうが多いかもしれません。

そんな中、今も平沢の無念を晴らそうと裁判のやり直しを求めている人々がいます。どう伝えたらこの事件の本質を多くの人に知ってもらえるだろうと考えながら取材を重ねてきました。

今回の取材ですべての真相が明らかになったわけでは、ありません。ただ、日本の戦後社会の起点となる時代に起きたこの事件を検証することで、戦後の日本の闇や、矛盾、問題点が浮き彫りになったように感じます。それは現代にも通ずる部分だと思うので、遠い時代の話ではなく身近な問題として感じながらご覧いただければ幸いです。



新名洋介 ディレクター メッセージ
2016年ごろ、最初に企画を提案したときは、帝銀事件を含め日本の占領期に起きたいくつかの未解決事件に焦点を当てようと思っていたんです。しかしその後、ドラマの演出を担当した梶原登城ディレクターと話していたときに、松本清張自身の生きざまと彼の視点で見つめた帝銀事件をテーマにしたらどうだろうという話になって。没後30年となる2022年の放送に向け制作が始動し、松本家の皆さんや文藝春秋の関係者をはじめ、清張先生をよく知る方々のご協力のもと細部まで取材させていただきました。


未解決事件には未解決のままになっている理由が必ずあるはずなので、今回も何が障壁になっていたのか、“未解決であること”が今の時代にどんな影を落としているのか、という部分にこだわって取材を積み重ねてきました。また、清張作品は、何十年も前に書かれたものなのに色あせることなく現代性を感じさせるテーマが大きな魅力だと思うので、ドラマもドキュメンタリーも現代性を意識して制作しています。


ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、戦争や国の在り方などさまざまな問題について考えさせられる機会の多かった2022年は、まさに清張先生が問い続けてきたテーマとリンクする1年だったのではないでしょうか。年の瀬、この番組が激動の1年を振り返るきっかけになればと願っています。


NHKスペシャル 未解決事件 松本清張帝銀事件
【放送予定】
第1部ドラマ 事件と清張の闘い 12月29日(木)[総合]後9:00~10:30
第2部 74年目の“真相”(ドキュメンタリー) 12月30日(金)[総合]後9:00~10:00

 
 
小説帝銀事件 新装版 (角川文庫)

【テレビ番組】テレビ番組評価[2023年2月分]

もういっぽん!
もういっぽん!
 
 最新のテレビ番組(アニメ、ドラマ、他)の評価です。
【※以下ネタバレ】

ランキング

※行頭が「◇」は今期クール開始作品、「◆」はそれ以前から継続放送。


●毎回楽しみ(評価:◎)
 ◇アニメ「もういっぽん!


●まずまず良い(評価:○)
 ◇アニメ「お兄ちゃんはおしまい!」
終◆NHK「小さなミニチュア鉄道の大冒険 スコットランドの大地をゆく」NHK Eテレ(2022/12/8~2023/2/16)
 ◆NHK「漫画家イエナガの複雑社会を超定義」NHK総合(2022/4/8~) ※情報番組
 ◇NHK「明鏡止水 ~武のKAMIWAZA~」NHK総合(1/11~)


●なんとなく見ている(だけ)(評価:△)
 ◇アニメ「異世界のんびり農家」
 ◆アニメ「うる星やつら」(2022/10~)
 ◇アニメ「大雪海(おおゆきうみ)のカイナ」
終◇アニメ「機動戦士ガンダム サンダーボルト(TVエディション)」(2/12~2/26)
終◇アニメ「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(TVエディション)」(1/15~2/5)
 ◇アニメ「便利屋斎藤さん、異世界に行く」
 ◆NHKグレーテルのかまどNHK Eテレ
 ◆NHK「サラメシ」NHK総合


●視聴中止(評価:×)
 ◇アニメ「アルスの巨獣
 ◇アニメ「犬になったら好きな人に拾われた。
 ◇アニメ「英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀~
 ◇アニメ「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件
 ◇アニメ「解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ
 ◇アニメ「最強陰陽師異世界転生記
 ◇アニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War
 ◇アニメ「シュガーアップル・フェアリーテイル
 ◇アニメ「しょうたいむ!2~歌のお姉さんだってしたい~
 ◇アニメ「スパイ教室
 ◇アニメ「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん
 ◇アニメ「転生王女と天才令嬢の魔法革命
 ◇アニメ「トモちゃんは女の子!
 ◇アニメ「NieR:Automata Ver1.1a
 ◇アニメ「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです
 ◇アニメ「HIGH CARD
 ◇アニメ「Buddy Daddies
 ◇アニメ「冰剣の魔術師が世界を統べる
 ◇アニメ「齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定
 ◇アニメ「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます


※今期お気に入りのアニソン
 無し

コメント

◇アニメ「もういっぽん!
 原作漫画の雰囲気が良く出せていて原作ファンニッコリ。あと面倒くさい柔道の試合のシーンを真面目に描いているのに好感が持てる。そんな難しい絵を描ける原画描きが日本にまだいたのか……


◇アニメ「お兄ちゃんはおしまい!」
 百合っぽい描写に時々オッとなるので悪くはない……、けど、時々なんじゃこれみたいな展開も入るので全面的に歓迎という程でも無いのでした。


◇アニメ「異世界のんびり農家」
 メチャクチャ面白いわけではないが、切るほどでもないなぁ、むむむ……、という微妙展開が続く。むむむ。


◇アニメ「便利屋斎藤さん、異世界に行く」
 コントみたいなミニストーリーを繋いでいたころは面白かったのですが、5話くらいからシリアス展開に突入してからなんか面白みが減ったなぁと。


◇アニメ「大雪海(おおゆきうみ)のカイナ」
 壮大な世界観のSFなので応援したいけど、半周したにも拘わらずとても全11話に収まりそうに無いので、なんか心配になってきた。


お兄ちゃんはおしまい!
お兄ちゃんはおしまい!

異世界のんびり農家
異世界のんびり農家

便利屋斎藤さん、異世界に行く
便利屋斎藤さん、異世界に行く

大雪海のカイナ
大雪海のカイナ

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

機動戦士ガンダム サンダーボルト
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TVアニメ「うる星やつら」2023年 壁掛けカレンダー
小学館集英社プロダクション TVアニメ「うる星やつら」2023年 壁掛けカレンダー A2 CL-994

【懐かし】あの「ファーストクイーン」のスイッチ版が2月に発売されたって!?【呉ソフトウェア工房】

ファーストクイーンIII・IV完全版

株式会社呉ソフトウエア工房 | 呉ソフトは1986年創業。ユニークなゲーム作りを行っております
http://www.kuresoft.net/

www.kuresoft.net

FQ1NEXTスイッチ版2月16日配信!


弱い味方を助けて強い敵と戦う、ファーストクイーン
2月16日スイッチ版DLで登場! 
ゲーム機の軽快な操作性でお楽しみください!!


〇スイッチ版の大きな変更
ゲーム内での傭兵やアイテム購入に使うポイントはゲーム内で稼ぐようになってます。
激戦場はクリアしなくてもシナリオを進める事ができますが、
クリアすれば、大きなボーナスポイントが得られます。

 
 ファーストクイーンの移植版……(ト書き:感慨深げに)


 呉ソフトウェア工房は1980年代半ばからゲームを作っている老舗会社で、特に80年代後半から90年代後半にかけては、「リアルタイムシミュレーション」と「アクションRPG」と「シミュレーションRPG」を全てミックスさせたような独特な作品、通称「ゴチャキャラ」ゲームを出して、オールドゲーマーには結構な知名度がある会社でした。

 21世紀に入ったころから名前を聞かなくなり、潰れたのかと思っていましたが、社長の呉英二氏も会社も健在で、2010年代後半に入ってから、呉氏は一人でゲームをコツコツ作っていたみたいです(スマホ向けとかで)

 いやー、2023年にファーストクイーンの新作(移植版ではありますが)が発売されるとはなぁ……(ト書き:再度感慨深げに)


公式サイトその二

呉ソフトウエア工房
http://www.kure.sakura.ne.jp/

www.kure.sakura.ne.jp

2023年 2月16日
二部隊戦「FQ1 NEXT」スイッチ版登場!
〇いよいよこの素材を使った最終作品、ゲーム機ならではの操作性をお楽しみください!
〇30年の時を超え、一周回って2部隊戦になったファーストクイーンⅠNEXT!!
 PC版、スマートフォン版、スイッチ版が揃いました。

 
 

参考

2017.06.06
現役最年長65歳プログラマの「好きなことを貫く」生き様 | Made with Unity
https://madewithunity.jp/interviews/first-queen-1/
呉 英二
First Queen 1
呉ソフトウエア工房

madewithunity.jp
 

2017.06.06
くれいじいさんのゲーム作り自伝 | Made with Unity
https://madewithunity.jp/stories/first-queen-1/
呉 英二
First Queen 1
呉ソフトウエア工房

madewithunity.jp
 
 
遊遊 ファーストクィーン 2
 

【ゲームブック】感想:ゲームブック「ティーンズ・パンタクル」(鈴木直人/1990年)【クリア】

ティーンズ・パンタクル (創元推理文庫)

http://www.amazon.co.jp/dp/4488909035
ティーンズ・パンタクル (創元推理文庫) 単行本 1990/3/1
鈴木 直人 (著)
出版社:東京創元社 (1990/3/1)
発売日:1990/3/1
単行本:332ページ

★★【以下ネタバレ】★★
 
 

あたしの名は大島いずみ、半年前にこの全寮制の学校、洋貝台学園に転校してきた。実はあたしには霊媒の血が流れていて、念力で人を気絶させるぐらいのことはできてしまう。でも、そんな力があることは隠して、みんなと仲よくやっている。これでけっこう人気者なのだ。でも、楽しく平和な学園生活も、氷室京子という、美しい転校生が来てからというもの、暗い影がさし始めた。学園になにやら異様な雰囲気が標いだしたのだ…。スーパーアドベンチャーゲーム

 

概要

 発売当時の現代日本(1990年代)を舞台にした学園サイキックバトル物。

 ゲームブックドルアーガの塔」三部作からのスピンオフ作品で、現代日本の物語にも関わらず「ドルアーガの塔」のキャラクターである魔術師メスロンが登場する。


あらすじ

 「あたし」こと女子高生・大島いずみは、霊媒の血筋だった亡き母から、霊的な物を見たり念の力で他人を気絶させたりする力を受け継いでいる。いずみは家庭の事情で半年前から寮生活を送っていたが、ある日不気味な黒猫に襲われ、それ以降学校の生徒が次々と失踪し始めた。学校には一体何が起きているのか? 謎めいた美少女転校生・氷室京子の正体とは?


ゲームシステムなど

 パラグラフ数400。主人公の能力値(技量・念力・体力・気力・武器・超能力)有り、サイコロ振り(戦闘等)あり、持ち物管理あり。

 フラグチェック要素があり、特定のパラグラフを通るとニ~三桁の数字やアルファベット一文字を記録しておくように指示され、その後の選択肢で「もし記録している数字が、100ならばパラグラフ***番へ、200ならばパラグラフ***番へ」のような形で分岐先を指定される。


感想

 評価は○(そこそこ)。

 1986年に発売され絶大な人気を獲得したゲームブックドルアーガの塔」三部作からの派生作品。作中の人気キャラだった魔術師メスロンのファンからの声にこたえ、メスロンが(発売当時の)現代日本に現れ、主人公の女子高生を助けて活躍してくれる、というファンサービスにあふれた作品となっています(その辺りのいきさつは、作者あとがきに書かれています)。


 展開は王道的な学園物で、主人公のいずみが、学園内をうろうろしつつ、手掛かりを探したり、敵と戦ったり、男子生徒からラブレターをもらってデートしたり、友達と買い物にいったり、と、色々なイベントをこなしていくことで話が進んでいきます。

 ちなみに、いずみは、学校内で使い魔的な物に襲撃されたり、夜な夜な友人たちが次々と失踪したり、と異常事態が立て続けに発生しているのに、気にも留めずに男子にデートに行こうと言い出すとか肝の座り方が凄く、とても可憐な女子校生とは思えません(笑)

 そしてある程度フラグが立つといよいよ最終決戦となり、メスロンと共に敵の本拠に殴り込んでラストバトル、となります。


 現代を舞台にした作品は、ファンタジー物と違ってもろに時代の変化の影響を受けるもので、本作も現代(2023年)に読むと、今となっては設定とか雰囲気にかなり違和感というかを感じます。

 まず主人公がわざわざ「あたし」と名乗るところからなんか妙ですし、また「霊媒の家系で念能力を持ち、また剣道は五段並みの腕前のスーパー少女」という設定も80年代風味というかです。また男子生徒がバイクに乗って来ていずみをデートに誘うというシーンも「昭和かな?」という雰囲気ですよね(1990年=平成二年発売の作品ではありますけど)


 さて、作者の鈴木氏はあとがきで本作を「初心者向け」とうたっていますが、正直それほど初心者向けの難易度とは思えません。理由はフラグ立てがやたら多いことで、特定のパラグラフを通過するたびに「今まで覚えていた数字を消し、新しい数字***を記録せよ」とひっきりなしに要求されるため、正直メチャクチャ面倒でした。初心者向けというのは、フラグ管理などメモを取る要素は一切ない作品のことだと思うので、個人的にはこれを初心者向けにカテゴリーする気にはなれません。

 作者の鈴木氏によれば、このフラグ管理を行う事で、主人公のいずみがある日に出合わなかったイベントを翌日以降に体験できるようにしており、結果としてイベントの見逃しが無くなり濃いプレイ体験が出来る、と自画自賛していますが、ややこしくて面倒くさいだけだった気がします。

 あと、この複雑な作りにしている事で、何度も同じパラグラフにループして戻ってきてしまうので、フローチャートが滅茶苦茶書きづらく、正直気力が萎えそうでした……

 こういうフラグでイベントを管理して同じシーンからでも別の場面に分岐する、とかの作りは、コンピューターを使ったゲームならストレスなくプレイできるのでしょうけど、人力でやらされると読み手に負担が多すぎでしたね。

 あと、一度に選べる選択肢が6個も8個もあるのも選択の楽しさというより面倒くささが先に来ましたし、ラストバトルに敵の本拠に乗り込んだあとでも何かというとスタート視点に送り返されるのもイライラしましたし…… 現代バトル物ならば、あまり複雑な事はせずに、それこそ疾走するように手早く読める作品にしてほしかったというところですね。

 まあ、メスロンが助っ人で来てくれたり、タウルス(にそっくりな男)が出てきてたり、まさかのゴルルグが復活している上に味方になってくれたり、と、「ドルアーガの塔」からのゲスト要素はそこそこ嬉しかったですけど、ゲームブックとしての楽しさはもう一つだったなぁ、という感想です。ちょっと残念でした。
 
 
 

2023年の読書の感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 

ティーンズ・パンタクル (幻想迷宮ゲームブック)
ティーンズ・パンタクル (幻想迷宮ゲームブック)


 

【レトロゲーム】80年代ゲーマーなら死ぬほど懐かしい「ドラクエ以前の国内パソコンゲーム(本文)」

甦る 伝説のRPG大全 Vol.1
 
「アラジン ゲーム pc88」と年寄りにしかわからないキーワードで検索していたら、面白いサイトを発見してしまいました。

ドラクエ以前の国内パソコンゲーム(本文)
https://roomhakase.ninja-web.net/PCRPG/PCOLDRPG.html

roomhakase.ninja-web.net

さて、ドラクエ30周年ということで、いろんな記事が出てるなぁと思いながらWebページを眺めていたのですが、そのときに下記の記事に目がとまりました。


ゲーム語りの基礎教養 (電ファミニコゲーマー)


2016年の6月ごろに書かれた記事ですが、この記事では第1回目にドラクエが生まれるまでのゲームの歴史をまとめ、第2回目にドラクエの特徴をくわしく解説しています。内容はとても充実しているものの、国内のパソコンゲームについて述べている部分にとても違和感がありました。


特にドラクエが発売される時期にRPGが「逆境」にあったという部分については、自分の経験や実感とはかなりかけ離れたものでした。ドラクエを特別なものとみなしたいがために、それまでの国内のパソコンゲームの歴史をゆがめているような印象すら感じてしまいました。


そこで、自分が当時楽しんでいた国内パソコンゲームが正しく評価されてほしいという思いから、この文章を書くことにしました。

 
 
 2016年にあの電ファミニコゲーマーに掲載されて、ベテランゲーマーから猛批判された

【ゲーム語りの基礎教養:第一回】初代ドラクエRPGへの逆風の中に生まれた――“ドラクエ以前”の国内RPG史に見る「苦闘」の歴史
https://news.denfaminicogamer.jp/column03/game-gatari01

news.denfaminicogamer.jp

 
をきっかけに書かれた文章とのこと。


 執筆のきっかけとなった記事の方は、80年代を知るゲーマーから「ドラクエ1以前のパソコンゲームのことは良く知らないまま書いている、またはドラクエ1を持ち上げるために意図的にそれ以前のゲームを貶めている」と猛批判を食らった記事ですが、それに対しての批判ですね。


 関連も含めると物凄い長文ですが、あの頃の雰囲気が甦ってきてなかなかに読みごたえがありました。これは良いサイトを見つけました。

 それにしても、このサイトを読むと、ドラクエ信奉者は「これこれはドラクエが世界で初めて実現した、それもドラクエが最初、あれもドラクエが一番」、とデマばかり並べ立てているらしい……、ダメじゃん。

 

【ウォーゲーム】感想:雑誌「ゲームジャーナル No.86」『特集:戦略級三国志英雄伝説』(2023年3月1日発売)

シミュレーションジャーナル ゲームジャーナル86号 戦略級三国志英雄伝説

 3月1日発売予定のゲーム雑誌を通販で早期入手しましたので感想をば。

http://www.amazon.co.jp/dp/B0BTGSHKMK
ブランド: シミュレーションジャーナル
シミュレーションジャーナル ゲームジャーナル86号 戦略級三国志英雄伝説
¥3,960

【※以下ネタバレ】
 
 

付録ゲーム

戦略級三国志英雄伝説
http://www.gamejournal.net/item_list/gj_086
個性あふれる数多の英雄たちが競演する三国志の世界を、アサノそんし氏の幻の名作「戦略級銀□伝」システムで再現!
本作で特徴的なのは各武将の個性を120%表現した戦闘システムで、通常のボードウォーゲームとは全く異なる斬新なシステムで、発表当時多くのプレーヤーに大きな衝撃を与えた訳であるが、その後四半世紀近い歳月を経ても類似システムのゲームが一切登場しておらず、前作「戦略級銀□伝」が掲載された旧GJ40号はまたたく真に完売して中古市場でもプレミアムが付いても滅多に入手困難な「伝説の名作」となっていたが、このたび舞台をよりキャラクターの個性が光る「三国志」の世界に移して再登場!


テーマ 曹操陣営と劉備を中心とする「後漢」陣営の戦いを「戦略級銀□伝」システムで描く
ゲームデザイン そんし~浅野&編集部・編
カウンター数 198駒
マップ フルマップ1枚
ゲーム期間 曹操献帝推戴と劉備の入蜀の間のいずれか
プレイ時間 2~3時間
プレーヤー数 2人
難易度(5段階、5が最高) 3

 
 三国志の戦略級物。ゲームジャーナルが同人誌だった時代の40号(1995年発行)・銀河英雄伝説特集号の付録「戦略級銀英伝」のゲームシステムを三国志の世界に移し替えたもの。


本誌内容

◆特集:戦略級三国志英雄伝説

 袋から出した途端に飛び込んで来た表紙絵を見て、「三国志テーマの筈なのに金髪のキャラがいて変だなぁ~?」とか首をかしげたのですが、直後に銀河英雄伝説のパロデイだと解って爆笑しました(笑)

 内容は、収録ゲームに関して「カラーページでのリプレイ」「デザイナーズノート」「ゲームのリプレイ」「関連人物紹介」「松田大秀氏のリプレイ漫画」を掲載。

 リプレイは小説調で、キッチリ銀河英雄伝説のパロディになっており、曹操=ラインハルト、荀彧=キルヒアイス孔明ヤン・ウェンリー、的な立ち位置で、どこかで読んだような名セリフを連発するのでもう無性に可笑しかったです(笑)



◆[連載]ウォーゲーム英雄列伝(近藤友樹)

 メインの徳川家がどうのこうのは正直どうでも良いのですが、コラム的にツクダホビーのゲーム「信長風雲録」に触れられていて、その内容がもう仰天。

・「信長風雲録」は戦国群雄伝シリーズの中で唯一福田誠氏以外の人がデザインした作品
・福田氏はテーマ的に面白く作れないと判断したので、別の人が手を上げて作った。
・そのため版権の所在が分からず、戦国群雄伝シリーズで唯一再版できなかった
・もっともゲームとしては駄作なので再版する必要なし
・次号に福田氏が改めてデザインした「新信長風雲録」が付録になる


 !? タクテクス1988年6月号を見ると、ちゃんと「デザイナー福田誠」って書いてあるのに…… 35年目に明かされる衝撃の真実やん!?



◆[連載]Mrことくの過激にレポートするぜ!
ホビージャパン スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ パンデミックシステムゲーム 日本語版

 お題は「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」。あのクローン戦争を大ヒットゲーム「パンデミック」のシステムで描く……、ということで、宇宙中にどんどんドロイド軍団が増殖していくので、ジェダイの騎士たちが協力してドロイドをやっつけつつ悪のボスをぶっ倒す、というゲームだそうです。なるほど、テーマには合っている気がする。



◆次号予告

 次号No.87(2023年6月1日発売予定)の特集/付録は「新信長風雲録」。ツクダ「信長風雲録」と同じマップ範囲ながら、福田誠氏が一から作り直した作品とのこと。


ファイナルコメント

 今回は面白おかしいリプレイ小説とかクローンウォーズ紹介とか普段よりちょっとだけ面白かった。
 
 

他の号の内容・感想はこちらからどうぞ

perry-r.hatenablog.com

 

 
 

【ゲームブック】エルデンリングを作った会社の社長があのジャクソン&リビングストンとリモート対談して進行役は安田均先生だ!【夢の豪華企画】

【PS5】ELDEN RING

2023/02/22 12:00
火吹山の魔法使い」と「ELDEN RING」――伝説的ゲームブックの生みの親と宮崎英高氏が語る,ダークファンタジーの創り方【聞き手:安田 均】
https://www.4gamer.net/games/576/G057634/20221216084/
編集部:御月亜希 編集部:touge ライター:岡和田 晃

www.4gamer.net
 

火吹山の魔法使い」はテーブルトークRPGのエッセンスを詰め込みつつ1人でもプレイできるよう本の形に落とし込んだ,「ゲームブック」の元祖にして金字塔と呼べる存在だ。


 今回4Gamerでは,この「火吹山の魔法使い」ならびに「ファイティング・ファンタジー」シリーズの40周年を記念して,生みの親であるSteve Jackson(スティーブ・ジャクソン)氏とIan Livingstone(イアン・リビングストン)氏,そして同シリーズを自身の“原体験”と語る,フロム・ソフトウェアの宮崎英高氏の3名による座談会を実施。また座談会の実現に向け,多方面で尽力いただいたグループSNEの安田 均氏にも,進行役としてご参加いただいている。

 
 という夢の企画が実現しました。凄いな、「馬場 対 猪木」とか「仮面ライダーウルトラマン」級の顔合わせですよ!(昭和人的比喩)
 

 そして日本とイギリスのクリエイター同士でエールの送り合いで、
 

宮崎氏:
 はい。とくに「ファイティング・ファンタジー」は作品ごとにテーマがあり,ゲーム性の進化みたいなものを感じる部分もあったんです。原点である「火吹山の魔法使い」で基本的なシステムを確立した後は,「バルサスの要塞」で魔法の概念と,それを選ぶキャラビルドの楽しさを提示し,3作目となる「運命の森」では冒険の舞台が屋内から屋外になるといったように,常に新鮮なゲーム体験があって……今振り返っても,あれが,私がゲームなるものを知り,魅了される原点ですね。

 
 とか

リビングストン氏:
 そこで宮崎さんに聞きたいんですが,「ELDEN RING」の基礎となる神話設定は,ジョージ・R・R・マーティンが書いているものですよね。もちろん同作は素晴らしい出来でしたが,次は「ファイティング・ファンタジ―」とコラボレーションするつもりはありませんか?


宮崎氏:
 それは……とても光栄なことです。でも正直に言うのなら,腰が引けてしまいますね。
 これは「ファイティング・ファンタジ―」に限らずですが,元々私は他作品とのコラボレーションをずっと避けてきました。それには理由がありまして,私がゲームを作る,ディレクションするうえでは,常にゲームが最優先なんですよ。ゲームが面白くなるのであれば,例えば世界観も物語も,そのために調整してしまう。そうしたやり方は,もしかしたら,ときに他作品を傷付けることになってしまうのではないかと……。なので,とくに大好きな作品とのコラボレーションは,憧れよりも恐怖が先に立ってしまいます。


リビングストン氏:
 なら「ファイティング・ファンタジー」のゲームブックを,宮崎さんが書いてみるのはどうでしょう。ゲストとして書いてもらえたら,すごく嬉しいのですけど。

 
 とか互いに褒めまくってました。


 あと、近年のFFシリーズのイラストって1980年代のどろどろした感じと比較してあまりにもアレだ……、と思っていたのは日本の読者だけでは無かったようで……
 
 

リビングストン氏:
 アートワークは,それこそ1982年の「火吹山の魔法使い」の当時からとくに重視していた要素の一つです。細部まで描き込まれたイラストはゲームの雰囲気を盛り上げるだけでなく,読者の想像を掻き立てる役割もありますから。ただ,現在Scholastic(スコラスティック)から発売されている復刻シリーズは,イラストがあまり作風に合っていないと感じていて……。


リビングストン氏:
 でもScholastic版も,直近の2冊は私達としても申し分のない仕上がりになったんですよ。昔の路線に近い作風のイラストになっていて……意見を出した甲斐がありました。

 
 だそうです。良かった良かった。


 まあとにかく、この記事、ゲームブックファン、ファイティングファンタジーファンなら一読する価値のある記事ですよ。是非読んでください。
 
 
ファイティング・ファンタジー・コレクション 40周年記念~イアン・リビングストン編~「巨人の影」
ファイティング・ファンタジー・コレクション 40周年記念~スティーブ・ジャクソン編~「サラモニスの秘密」
 
 

【PBM】遊演体のネットゲームを調べてみた【懐かしい】

なんでもかんでも蓬莱学園!

■いきなりPBMネタ

 突然最近になって、郵便でプレイするゲーム「PBM」(プレイ・バイ・メイル)の事が気になり始め、スターウェブとかフューダルローズとかイングリッズ・レースとかロボクラッシュとかその他諸々調べ始めたのですが……、対象範囲が広すぎて収拾がつかない(笑)

 ということで、とりあえず、PBMでも知名度最強クラスの「蓬莱学園」の遊演体のゲームに限定して調べはじめたのですが……

 いやまいったね。蓬莱学園とその前身のネットゲーム88は調べると結構情報が出てくるのですが、それ以降の作品が…… 蓬莱学園が如何に大成功したかわかると同時に、それ以降の遊演体ゲームって後10年もしたら忘れられてしまうのでは……


 まあ、ここも同じ心配をしていますね。
 ↓
jpbma.or.jp

いまから30年以上前の1988年。神奈川県相模大野で設立されたゲーム会社「遊演体」は、インターネットという概念が出てくる前に、「大規模コミュニケーションエンターテイメントを実現しよう」と『ネットゲーム‘88』というゲームを作り出しました。


数百人から数千のプレイヤーが1つの仮想世界でRPGをするこのゲームは、当初は「ネットゲーム」と呼ばれていましたが、後の電子ネットワークを使ったゲームとは区別されるようになり、「Play by Mail(PBM)」と呼称されるようになります。
やりとりの手段こそ郵便でしたが、その根本は後のMMORPGの包含すらも目指した壮大なもので、熱狂的なファンを獲得しました。


その後、当時のRPGブームにも後押しされる形で、多くのPBM会社が設立されました。郵便だった媒体は、通信技術の発展とともに、Eメールを使用したPBeM、インターネットを活用したPBWへとゲームシステムは進化を続け、PBM出身のクリエイターが大規模オンラインゲームの制作などにも関わるようになりました。


本年30周年を迎えた『蓬莱学園の冒険!』『クレギオン#1 遥かなるアーケイディア』から始める形で、PBMという一時代を記したゲーム資料の散逸を防ぐためのアーカイブを作ろうというのが、本組織の目的です。

 
 いやほんと、今集めておかないと、そろそろ当時の参加者が死に始める頃合いだからなぁ……、ファミコンレトロゲームの方がよほど詳しく情報が解るもんなぁ。


 ということで、今わかる時点で遊演体ゲームを調べまくってみました。


■目次

・ネットゲーム88(期間:1988年8月~1989年7月(全12回))
・ネットゲーム90 蓬莱学園の冒険!(期間:1990年1月~12月(全12回))
・ネットゲーム91 那由他の果てに(期間:不明。1991年秋~1992秋頃(全12回))
・ネットゲーム93 夜桜忍法帖/女神たちの黙示録&狼たちの決死圏(期間:不明。1993年春~1994春頃(全12回))
・S-NET 蓬莱学園の休日!(期間:1994年2月~7月(全6回))
・ネットゲーム95 鋼鉄の虹~Die Eisenglorie~(期間:不明。1994年秋~1995秋頃(全12回))
・ネットゲーム96 こうもり城へようこそ!(期間:不明。1996年春~1997年春頃(全12回))
・ネットゲーム97 勇者110番 -Call To Brave-(期間:不明。1997年春~1998年春頃(全12回))
・Team root-T(期間:1997年6月~9月)
・映画祭殺人事件~蛍坂純情探偵団(期間:不明(全6回))
・ネットゲーム98 星空までは何マイル?(期間:1998年5月~10月(全6回))


■ネットゲーム88(期間:1988年8月~1989年7月(全12回))

日本神話を元にした伝奇物。ライブ性が強く、リアクション以外に劇中で入手した様々な物品(メモを始めとする様々な手掛かり)が送付されることもあった。 (Wikipedia「プレイバイメールのタイトル一覧」)

http://www3.airnet.ne.jp/ashen/PBM/k_pbmdic.htm
日本古代神話とクトゥルー神話を融合させたオカルトホラーPBM。邪神を復活させようとする怪物と、それを防ごうとする人類と2サイドに別れてプレイされた。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/history/history.html
テーブルトークRPGの面白さと、ゲームブックの手軽さに、ライブゲームの興奮を加味した新たなホビーとして遊演体のロール・パフォーマンス『ネットゲーム'88』(YOU)が登場。全12回を1年かけておこなうパターンはしばらく主流となる。アクション記入欄はハガキ1/2程度。アクション提出後もリアクション到着まで調べておくことが山ほどある、プレイヤーの努力が必要な作品。機械処理の「定番アクション」とマスターが処理する「フリーアクション」の2種類のアクション。パンフ兼用の無料スタートブック。

 
参加者のプレイの記録がこちら。

PBMプレイヤー列伝  神話への回帰
http://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/history/story01.html

 
 

■ネットゲーム90 蓬莱学園の冒険!(期間:1990年1月~12月(全12回))

試験に出る蓬莱学園!

生徒数10万人を越える超巨大学園「蓬莱学園」の生徒となり、一年間を過ごすプレイバイメール。グランドマスター柳川房彦が務めた。日本では2番目に行われた商業プレイバイメールであり、遊演体とプレイバイメールの知名度を一気に上昇させた作品である。

ストーリーの軸になったのは「90年動乱」と呼ばれる学内政権のクーデター話であるのだが、オーパーツや地球空洞説などのオカルトな要素がそれに絡み、学園ドラマというよりも学園を舞台にした軍事もの/伝奇アクションものの様相を見せた。 (Wikipedia「ネットゲーム90 蓬莱学園の冒険!」)

http://www3.airnet.ne.jp/ashen/PBM/k_pbmdic.htm
南の島にある巨大な学園都市に入学して、そこで繰り広げられるアクション学園モノPBM。
一応「世界最後の秘宝」を探すという最終目的があったのだが、普通に学園生活をエンジョイすることから、部活動、軍事活動、政治活動までプレイングの幅が広いのが最大の特徴。

 
参加者のプレイの記録がこちら。

PBMプレイヤー列伝  蓬莱八仙と私
http://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/history/story02.html

 
2017年の座談会

【ゲームの企画書】リアルを舞台に数千人規模でゲーム…そんなのは約30年前に存在した! 「蓬?学園」狂気の1年を今こそ語りあおう【新城カズマ×齊藤陽介×中津宗一郎 】
https://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/171230

news.denfaminicogamer.jp

 
 ゲーム終了後に、設定資料集、小説、TRPG、漫画、ファミコンゲーム、等が発売された。PBM史上最も成功した作品と言って間違いなし。
 
 

■ネットゲーム91 那由他の果てに(期間:不明。1991年秋~1992秋頃(全12回))

架空の街、神奈川県波津野市が主な舞台となる多次元宇宙物。PCは迫り来る時空嵐に立ち向かう。同時平行で『RPGマガジン』にて、読者参加ゲームN91『HAZNOLIAは永遠に』が連載されていた。 (Wikipedia「プレイバイメールのタイトル一覧」)

http://crosshill.cool.coocan.jp/pbm.html
時空嵐という災害が発生し、神奈川県波津野市に多数の異世界との接点が開いてしまいました。怪事件に遭遇したり、異世界の生物と接触したり、罹災者を助けたり、といったお話でした。

http://sn.cocolog-nifty.com/sanzai/2005/04/pc_f962.html
 神奈川県波津野市、波津野ニュータウン。閑静な新興住宅地はしかし、多次元世界の交差点となる特異点だった! 次々と開く異世界との扉、陸続する時空罹災。そして迫り来る時空嵐。独自に「時空救助隊」を立ち上げた市役所を中心に、市民とご近所さん達が世界を守るため立ち上がる!

http://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/history/history.html
それまでゲーム全体の統一感を重視していた遊演体が『那由他の果てに』(YOU)でサブシナリオ制を導入。隔号でコミック・リアクションを誌上掲載。

http://www3.airnet.ne.jp/ashen/PBM/k_pbmdic.htm
神奈川県に波津野という架空の都市を作り出し、そこに異次元SFネタを絡めたPBM。異次元ということで各次元世界に複数のストーリーが展開された。
この作品から、いわゆる定番行動というものが無くなり、リアクションが小説形式一本に締められた。

 
 

■ネットゲーム93 夜桜忍法帖/女神たちの黙示録&狼たちの決死圏(期間:不明。1993年春~1994春頃(全12回))

スクールガール=オペレーション (富士見ファンタジア文庫―夜桜忍法帖)

現代日本を舞台にした忍者物。PCの立場は覚醒した忍者。最終的に全人類の半数以上が死滅する結末を迎えた(Wikipedia「プレイバイメールのタイトル一覧」)

http://crosshill.cool.coocan.jp/pbm.html
秘宝を巡って日本各地で繰り広げられる八大忍軍の闘争。6月の本拠地攻防戦を機に新たな展開に。忍者発祥の秘密が明らかにされてからは、忍者本来の姿である魔忍と魔王に対する戦いにと変化していった。遊演体サイキョウ(文字は想像に任せます)のマスター甲斐甲賀氏の個性が強く出た熾烈な戦いが繰り広げられました。複数のストーリーが絡み合って一つの大きな流れが作られていました。八大忍軍に大きく分かれたプレイヤーは組織内で強く結束しました。参加したゲームの中で一番まとまりがよかったと思います。組織内での昇進システムもモチベーションを高めていました。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/index.html
プレイヤー同士の競争を軸にした『ネットゲーム93~夜桜忍法帖/女神たちの黙示録&狼たちの決死圏』(YOU)では物語内での犯罪行為に対し「プレイヤーはどこまでやって良く、マスターはどこまで描写すべきか」が議論の対象となる。最終的に人類文明が滅亡する結末の異色作。システム的にはPCの能力値アップ専用選択肢を用意した最初の作品。ヒントの詰まったドラマやテーマ曲を収録したCDの配布や販売も行われた。アクションをかけるためには、参加者にランダムにばらまかれた「合い言葉」を集める必要があった。

 
 ネットゲームと並行して以下も発売された。

・小説「レディ・スパイダー―夜桜忍法帖」(甲斐甲賀

・小説「スクールガール=オペレーション」(甲斐甲賀

TRPG「夜桜忍法帖~卓上血風録~」(遊演体
 
 

■S-NET 蓬莱学園の休日!(期間:1994年2月~7月(全6回))

蓬莱学園ワールドツアー

http://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/index.html
コンピュータ処理重視によるマスターの負担軽減と価格引き下げを狙った『ネットゲームS-94~蓬莱学園の休日!』(YOU)が全6回で開催。リアクション・パターンの少なさやシステムトラブルで不評。

 
 

■ネットゲーム95 鋼鉄の虹~Die Eisenglorie~(期間:不明。1994年秋~1995秋頃(全12回))

鋼鉄の虹―パンツァーメルヒェンRPG

メルヒェンの要素を内包した架空戦記物。1938年の中欧で発生した架空の戦争「硅緑内戦」が舞台。物語当初から重要PCを演じられる「コアプレイヤー制度」が導入されて話題を呼んだ。(Wikipedia「プレイバイメールのタイトル一覧」)

http://crosshill.cool.coocan.jp/pbm.html
第二次大戦前夜、中欧にある架空の国ケルンテンとグリューネラントの戦争。その背景には妖精界からもたらされた技術を元にした人型兵器イエーガーと、妖精界の父神オーディンと母神エルダの闘争、そしてナチスドイツの存在など。キャラクター面では軍人と民間人という大きな分類がなされました。

http://sn.cocolog-nifty.com/sanzai/2005/04/pc_f962.html
ナチスドイツの支援を受け、中欧の小国ケルンテンの北部諸州は、グリューネラントを名乗り独立を宣言した。内戦状態に陥るケルンテン、両軍が繰り出すのは有り得ざる人間型の兵器イェーガー、そして祖形たるウービルト。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/history/history.html
遊演体は『ネットゲーム95~鋼鉄の虹』(YOU)でパートナー制度を採用。PCは別世界に住む独立した人格を持った存在であり、プレイヤーはその行動を強く示唆することはできるが、すべて思い通りにはいかないとするもので、以後の遊演体の基本的なパターンの1つとなる。それを補完する意味で、プレイヤーの選択以前に既にキャラクターの氏名や能力が決定しているプレロールドキャラクター・システムを導入。また戦争部分の判定は実際にプレイヤー代表を集め、シミュレーション・ゲームで対戦させて決定した。

 ネットゲームと並行して以下も発売された。

・小説「装甲戦闘猟兵の哀歌」

・小説「彗星城に亡霊は哭く」

TRPG資料集「鋼鉄の虹 イェーガーハンドブック」

TRPG「鋼鉄の虹―パンツァーメルヒェンRPG」(アスペクト

 
 

■ネットゲーム96 こうもり城へようこそ!(期間:不明。1996年春~1997年春頃(全12回))

こうもり城へようこそ! (スーパークエスト文庫)

モンスターが闊歩する架空の街、北米はシスタージョウンを舞台にしたSFファンタジー。ストーリー本筋が三本の読者参加ゲームだった異色作。(Wikipedia「プレイバイメールのタイトル一覧」)

http://sn.cocolog-nifty.com/sanzai/2005/04/pc_f962.html
ペンシルヴァニア州シスタージョウン、ここは本物の怪奇に会える街。世界で唯一、本物の怪物が住み本物の超常現象が起こるこの街は、今日も危機寸前でいっぱいいっぱい。ゾンビとキョンシーが抗争し、タコゲル星人やロボットが徘徊し、吸血鬼よりもヤバい警官達が闊歩する。窓に、窓に、今日は怪獣昨日は隕石、銃撃戦もお好み次第。異常が普通なこの街の、人々そして人外達の毎日とは…。

http://crosshill.cool.coocan.jp/pbm.html
アメリカのとある地方都市が舞台。そこには妖怪や宇宙人など異形のモノが集まり様々な事件が起きています。また、それを見るために観光客が訪れます。各場所ごとに全く独立したストーリーで、マスターの個性が表現形式を含めて最大限に発揮されました。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/history/history.html
どんな能力のPCでも設定できる『こうもり城へようこそ』(YOU)。また各シナリオごとに専用の別ルールを用意することで謎解き、アクション、ラブコメと個性に富んだシナリオを可能とした。

 ネットゲームと並行して以下も発売された。

・小説「こうもり城へようこそ!」(甲斐甲賀

 
 

■ネットゲーム97 勇者110番 -Call To Brave-(期間:不明。1997年春~1998年春頃(全12回))

勇者110番―あたしとあいつは最強ペア!? (電撃文庫 た 6-1)

ファンタジー物。PCは異世界「フィア=メルト」へ転移してしまった桜崎市の住人。世界観的に「蓬莱学園」「那由他の果てに」「鋼鉄の虹」「こうもり城へようこそ!」と繋がっていて、ゆかりのキャラをエントリー可能。(Wikipedia「プレイバイメールのタイトル一覧」)

http://crosshill.cool.coocan.jp/pbm.html
都市ごと異世界へ召喚された桜崎市の人々と、魔王を倒す勇者を望んでいた世界の話。 勇者となって魔王の軍勢と戦ったり、魔王軍側に就いたり、地元の人と仲良くなったりという物語でした。基本的に一つの流れがあるも、各地域ごとにストーリーが展開しました。波津野市へ行く者がいたり、忍法を使う敵が登場したり、イエーガーが登場したりと遊演体ネットゲームの集大成でした。

http://sn.cocolog-nifty.com/sanzai/2005/04/pc_f962.html
 剣と魔法の世界フィア=メルトはいま、魔族の進行の前に滅亡の危機に瀕していた。若き王はこの苦難を乗り切るべく、古の秘術で異世界の勇者を召喚する。
 やがて門は開き、勇者が現れた… 呼びも呼んだり二万人!

 住民も建物も、まるごと引っこ抜かれて異世界に召喚された十万都市・桜崎市。勇者になった人もならなかった人も、元の世界に戻るためには魔王を倒すに他はない。出だしから調子の外れたヒロイックファタジーがはじまった!

 
 ネットゲームと並行して以下も発売された。

・小説「勇者110番―あたしとあいつは最強ペア!?」(高城響)

 
 

■Team root-T(期間:1997年6月~9月)

http://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/history/trt/trt.html
概略
 これは1997年6月1日から9月4日までの期間限定で開催された電子メイルを媒介としたPBM(PBeM)です。主催は商業PBMオフィシャルとしては最古参の遊演体ですが、実験作という位置づけであり、プレイヤーの一般募集はしていましたが、宣伝広告もせず、参加費も徴収しないでごく小規模で開催されたものです。
 
状況  
 プレイヤーは謎の組織(おそらくは政府系の組織であることは示唆される)「Team-root-T」の特別司令官に任命されます。プレイヤー・キャラクターではなくプレイヤー自身がです。その使命はパラサイトと呼ばれる特殊能力者による犯罪を阻止し、犯人を捕獲または駆除すること。そして任務を遂行するために、「Team-root-T」に所属するパラサイトである少女たちに電子メールを通じて指令を下していかねばなりません。

 
システム  
 指定されたインターネット上のサイトの一角にデータベース等が設置されており、そのニュースソースからプレイヤーは現在起きている事件の状況を知ったり、上司との質疑応答を行ったり、あるいは他の特別司令官と掲示板で相談することができますが、一部データベースは閲覧不可能となっています。またメンバーの少女たちと面談をおこなったり、私室の様子をうかがったり、その日記を盗み読みすることもできるようになっています。
 調査段階での指令は各個にEメールを使っておこない、結果報告も重要で緊急性のあるものはサイト上でも告知されますが、それ以外はEメールで個別におこなわれます。最終的な捕獲・殲滅作戦については各特別司令官が提案をおこない、その中から優れたアイデアを取りまとめたものが少女たちに通達されます。そして1つの事件が完全に解決した時点で、一部始終の報告書が小説の形で掲載されるのです。

「Team root-T」 遊演体 - 付け焼き刃の覚え書き
https://blog.goo.ne.jp/jingujitsukiko/e/0df6046e00e2e3fea595567204fc08ec
遊演体がインターネット黎明期にこっそりテストプレイしていた企画の1つで1997年6月1日から9月4日までの物語。
 プレイヤーは専用サイトにアップされる事件の数々から重要なものを見つけ出し、e-メイルでルートTメンバーたち少女や協力者たちにそれぞれの特性に応じた調査依頼を出し、その結果をもとに作戦を立案してルートTメンバーに実行を指示して事件を解決していくことが目的です。途中で手に入れたパスワードで閲覧禁止のデータベースにアクセスして事件の背後に隠された陰謀を知ったり、こっそりとメンバーの部屋に入って日記や彼女たちの趣味を調べ、それをもとに彼女らの心をなごませたり、相談にのってあげるといったことも任務のうちと、「直接に顔を合わせることはないけれど、インターネットの向こう側には自分と同じような人間がいる」と思わせるのが特色の作品。メールでしかつきあいがないという意味では、他のプレイヤーもNPCも同等なのです。

 
 

■映画祭殺人事件~蛍坂純情探偵団(期間:不明(全6回))

http://hiki.trpg.net/PBW/?MBM#l0
商業PBMで初の賞金をプレゼントされる本格ミステリー懸賞PBMRPG。

 
 

■ネットゲーム98 星空までは何マイル?(期間:1998年5月~10月(全6回))

http://kumatta.baconpotato.net/old/mg/n98/index.html
宇宙救助隊SRWFの決死の救助活動を追ったヒューマンタッチSFドラマ。

http://sn.cocolog-nifty.com/sanzai/2005/04/pc_f962.html
 近未来、人類は宇宙へと雄飛していた。政府に変わる新たな社会組織フェデレーションを基盤に、エングラム能力に目覚めた人々は、はるか海王星を望み、他の惑星系を視野に入れるほどになっていた。
 だが輝かしいはずの未来に影指すいくつもの事件そして事故。一つの糸に結びつくそれが導く結論は、太陽が超新星化しつつあると言う遥かな脅威の存在だった!

http://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/history/history.html
遊演体最後のPBM『ネットゲーム98~星空までは何マイル?』(YOU)はスペースオペラ。新型エンジンやテラフォーミングの予備実験など成功すれば影響は大きいけれど、マスターの用意した選択肢には無い計画が実現可能かどうか、事前に往復はがきで問い合わせることが可能。インターネットからのアクション受付やFAXによる情報サービスも企画されたがシステムトラブルが相次ぎ実用にはならなかった。

 
 そして、この後、遊演体は社員が大量退社して、エルスウェアとかライアーソフト(えっちいゲームの会社)とかを立ち上げていくのだった……
 
 

■あとがき

 ネットゲーム88に参加したのですが、既に社会人だったのですぐについていけなくなり、月一で送られてくる冊子を読むだけの存在でした。まあ「お金が有って、24時間ゲームに向かい合える時間があって、体力があって」という状態ならまた違ったことになったかもしれませんけどねぇ。懐かしいというか苦い思い出ですな……
 
 

■参考にしたサイト

郵便遊技資料編纂室
http://www7b.biglobe.ne.jp/~manase/index.html

ネットゲームの思い出
http://crosshill.cool.coocan.jp/pbm.html

PBM辞典
http://www3.airnet.ne.jp/ashen/PBM/k_pbmdic.htm

PBW Wiki - 遊演体
http://hiki.trpg.net/PBW/?YouEnTai

ChannelNOA:メールゲーム/Channel X
http://kumatta.baconpotato.net/old/mg/n98/index.html

PC履歴(遊演体編): 散財さんの完全散財!
http://sn.cocolog-nifty.com/sanzai/2005/04/pc_f962.html

蓬莱学園高等学校
http://www.hourai-fc.com/index.html

 
 

蓬莱学園の探検!! 蓬莱学園の冒険
蓬莱学園の探検!! 蓬莱学園の冒険 サプリメントNo.3