電子書籍がゲームブックの世界に新たな可能性をもたらす。幻想迷宮書店代表・酒井武之氏と,新作「護国記」の著者・波刀風賢治氏インタビュー - 4Gamer.net
https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20181203003/
2018年末になって、ゲームブックマニア大注目の記事が掲載されました。2010年代になおゲームブックを発売し続けるブランド「幻想迷宮書店」の代表・酒井武之氏と、このブランドで超大作新作ゲームブック「護国記」を書いた波刀風賢治氏、の御二方へのインタビューです。これが内容が濃いので、ゲームブック好き必読です。
参考
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【ゲームブック】記事『「ドルアーガの塔」を電子書籍化した幻想迷宮書店が語る今と未来 』にゲームブックの明るい未来を見た
http://perry-r.hatenablog.com/entry/20160507/p4
●「護国記」とは
「護国記」はパラグラフに番号を振らず,ハイパーリンクをタップすることで直接該当ページにジャンプする「ナンバーレスパラグラフ」,アイテムやフラグの管理がいらない「シームレスフラグシステム」といった試みを取り入れ,紙に換算して2934ページという大ボリュームによって細かな分岐を実現する,電子書籍のメリットを活かした現代型のゲームブックだ。
物語では,太古に魔神を封じ込めた五つの国を舞台に,主人公であるひ弱な文官・ライゼの成長と冒険が描かれる。ハイファンタジーの王道を行く,作り込まれた世界観と,中盤以降に広がる広大な世界をさ迷う冒険感覚が大きな魅力である。
最終的には3000ページ,1600~1700パラグラフほどの大作になり,自分自身でも驚いています(笑)。
3000ページ,1600~1700パラグラフ……凄すぎる。というか、よくそれだけの大作を完成させられたもんだなぁとビックリです。
●波刀風氏がプロになった理由
波刀風氏:
子供の頃から読書やゲームブックが好きで,宮沢賢治のような小説家になるという夢もあったんですが,いつしかそれを忘れて日々を過ごしていました。その後,少し重い病気にかかってしまい,そのときにゲームブックと夢のことを思い出したんです。それから同人サークルに参加するようになり,30パラグラフくらいの短編から中編まで,5年ほどのあいだに大量に書きました。
4Gamer:
そこから,どのようにプロへ転向したのでしょうか。
波刀風氏:
「こんなに面白いものが世の中から無くなりかけているのなら,そうならないくらいの名作を書けばいいんじゃないか」と思い,いろいろなところにコンタクトを取りました。その中に酒井さんの幻想迷宮書店があったんです。
21世紀にこういう書き手がまだいてくれて嬉しい。
●シームレスフラグシステム
4Gamer:
では「護国記」における,システム的なこだわりについて聞かせてください。
波刀風氏:
なんと言っても,アイテムやフラグの管理がいらない「シームレスフラグシステム」ですね。普通のゲームブックでは,入手したアイテムを読者自身に管理してもらいます。「この鍵を持っているなら○番へ。持っていないなら×番へ」……というアレですね。「護国記」ではこうした手間は必要ありません。読者も気づかないうちに見えないフラグが立って,自然に分岐が行われるんです。
波刀風氏:
アイテムを持っているときと,そうでないときのそれぞれの展開で,別々にページを用意しています。途中までは同じ文章が続き,結末だけが変化しているんです。
1990年代にノベル系のゲームで散々体験したパターンですね。前とは異なる選択肢を選んだのに文章が変わらないので「あの選択肢は意味が無かったのかな?」と思っていたら、最後の方でほんの数行だけ微妙な変化が有って別展開だと解るというやつ……、手でフローチャートを書いていたころは、こういうシステムに泣かされましたよ……
●絶対に読みたいゲームブック40選
4Gamer:
なるほど。すごく納得のできるお話で,続編がますます楽しみになりました。
楽しみといえばもう1つ,幻想迷宮書店から12月1日に「絶対に読みたいゲームブック40選」がKindleストアで発売されますね(関連記事)。
酒井氏:
はい。こちらは歴史的名作から現在でも手に入るものまで,計40作品を厳選して紹介しつつ,お試しのゲームブックも付いてきますので,このジャンルをまったく知らない方にも読んでいただければと思います。
うーん、これは護国記共々買うしかないか……、キンドル今まで未体験なので敷居が高そうですが、既にiOSアプリとか任天堂ゲームのダウンロードとかはしたことあるからなぁ、それと似たようなもんですかね?
2018年末なのにゲームブックが息を吹き返しそうで嬉しい記事でした。