【SF小説】感想「さらばマスクの男」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 595巻)(2019年6月20日発売)

さらばマスクの男 (宇宙英雄ローダン・シリーズ595)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122334
さらばマスクの男 (宇宙英雄ローダン・シリーズ595) (日本語) 文庫 2019/6/20
マリアンネ・シドウ (著), クルト・マール (著), 星谷 馨 (翻訳)
文庫: 264ページ
出版社: 早川書房 (2019/6/20)
言語: 日本語
発売日: 2019/6/20

【※以下ネタバレ】
 

ローランドレに到達したローダンは、偵察隊を組織する。それに参加したアラスカ・シェーデレーアは、体に不調を感じていたが……


銀河系船団がフロストルービンを通過したさい、“マスクの男"アラスカ・シェーデレーアの顔からカピン断片が消えた。断片は体内で動きまわるようになり、以来、かれは不調に苦しんでいる。そのアラスカは、ローダンの指示によりソルゴル人カルフェシュとローランドレ偵察隊に参加するが、目的地に近づくとともに幻覚に襲われ、艇を墜落させかけてしまう。ふたりは艇を放棄し、ローランドレ内部に向かうことになるが……

 

あらすじ

◇1189話 さらばマスクの男(マリアンネ・シドウ)(訳者:星谷 馨)

 アラスカ・シェーデレーアは、ソルゴル人カルフェシュと共にローランドレの偵察に向かうが、ローランドレに接近するにつれて体内のカビン断片が活性化し、苦痛や幻覚で任務どころではなくなってしまう。苦しむアラスカの前に謎の少女キトマが再度現れ、アラスカに、このまま死ぬか、自分たちの世界に一緒に行くか、の選択を迫る。アラスカはキトマと共に旅立ち、旅の過程でカビン断片との意思疎通を果たす。(時期:不明。NGZ427年5月頃)

※初出キーワード=プレギク=トロフェ種族



◇1190話 トルカントゥルの要塞(クルト・マール)(訳者:星谷 馨)

 クリフトン・キャラモンと《バジス》兵器主任レオ・デュルクは、ローランドレ偵察中にクモ型種族「ガルウォ」に捕まり、彼らの女王トルカントゥルの住む要塞に連行される。二人は脱出したものの、次はガルウォの別の勢力の捕虜となり、オルドバン殺しの犯人として死刑を宣告される。しかしキャラモンは潔白を主張し、さらに偶然知った「ヒールンクスのプラネタリウム」という言葉を使い、自分たちをそこに連れて行けばオルドバンを救う可能性があると納得させる。(時期:不明。NGZ427年5月頃)

※初出キーワード=ガルウォ種族、ネット賤民、退廃の民、ガルウォ・ネット、ヒールンクスのプラネタリウム

あとがきにかえて

・アラスカ・シェーデレーアの話
・表紙のキトマの服が青い理由について


感想

 前半エピソード … 憂鬱になるエピソードで、アラスカが偵察に出かけたものの、カビン断片のせいで苦痛と妄想の嵐に襲われて完全に任務を忘れた行動に走る、という、なんというか救いのない話。最終的にアラスカは、唐突に再登場した(いつ以来?)キトマと共に消えてしまうという、なんというか投げだしっぽい結末に。アラスカはフォルツの持ちキャラだっただけに、フォルツ亡きあとは使い辛くなって消してしまったということなのでしょうか。まあ「あとがきにかえて」を読むと、将来的に戻って来るそうですけど。


 後半エピソード … 前半に続いてローランドレ偵察隊の話ですが、こちらも果てしなく広いローランドレをうろついているだけで何の進展も無し。サイクルの最終段階で、話を盛り上げるどころか、引き伸ばしに入るとはどういう了見なのでしょうか……
 
 

550巻~600巻(「無限アルマダ」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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