【歴史】感想:歴史番組「ダークサイドミステリー」シーズン4(2022年版)「ボニー&クライド その生と死 ~自由で危険な恋人たち~」(2022年5月5日(木)放送)

Bonnie and Clyde: The Lives Behind the Legend

ダークサイドミステリー NHK https://www.nhk.jp/p/darkside/ts/4847XJM6K8/
放送 NHK BSプレミアム。毎週木曜夜9時放送。

www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
 

他の回の内容・感想

perry-r.hatenablog.com
 

本当の謎は、人間の闇


シーズン4スタートしました!
今年度はなんと、地上波・Eテレで毎週(火)夜10:45放送の、名作の数々のコンパクト29分版と同時期放送です!
背筋がゾワゾワ、心がドキドキ、怖いからこそ見たくなる。世界はそんなミステリーに満ちている。世間を揺るがした未解決の事件、常識を越えた自然の脅威、いにしえの不思議な伝説、怪しい歴史の記録、作家の驚異の創造力…。
人智を超えた謎に迫る「幻解!超常ファイル」のスピンオフ!
栗山千明中田譲治志方あきこのダークなトライアングルに加え、伊藤海彦アナウンサーも参加!

 

ボニー&クライド その生と死 ~自由で危険な恋人たち~ (2022年5月5日(木)放送)

 

内容

ダークサイドミステリー「ボニー&クライド その生と死~自由で危険な恋人たち~」
[BSプレミアム] 2022年05月05日 午後9:00 ~ 午後10:00 (60分)


退屈な日常も、抑えつける世間も大キライ!最新の車を飛ばし犯罪を重ね愛しあったギャングカップルの、知られざる青春とは?出会いから壮絶な死まで、貴重な映像で迫る。


名作映画「俺たちに明日はない」の鮮烈な生と死。日本でも今なお人気アーティストたちが歌う実在のギャングのカップル、ボニーとクライド。今この瞬間のために人生を駆け抜け、強盗殺人犯なのに若者に大人気だった2人の、映画とは違う知らざる実像とは?▽ため息…泣ける恋人写真!▽カッコいい女・ボニーが全米女性のあこがれに?▽女を不幸にする?クライドの素顔▽貴重映像!銃撃された車の動画に…▽死を覚悟?ボニー謎の詩。


【出演】栗山千明,【ゲスト】君塚淳一,大杉朱美,【語り】中田譲治,【司会】伊藤海彦

 
 今回のテーマは「ボニーとクライド」。


●ボニーとクライドとは

 ミュージシャンの歌詞の中にやたら登場するコンビ「ボニーとクライド」。この二人は、1930年代のアメリカに実在した男女コンビの強盗殺人犯だった。



●二人の出会い

 ボニー・エリザベス・パーカーは1910年生まれ。テキサス州ダラス郊外のスラム街育ち。幼いころは成績も良かったが、16歳の時突然当時流行の「フラッパー」に影響される。フラッパーとは、当時の女性たちの流行で「短い髪」「肌を露出した服」「煙草」というそれまでの保守的な女性像を打ち破るスタイル。ボニーは将来女優か歌手になりたいと思っていたが、現実はカフェのウェイトレスで延々働く日々だった。

 1930年1月。ボニーはクライド・チャンピオン・バロウと出会い一目ぼれする。クライドは1909年生まれ。やはりスラム街出身。格好いい服を着て自動車を乗り回すクライドとボニーはデートを重ねるが、2月にクライドは窃盗で逮捕される。実はクライドは自動車を盗んで、その金で派手な生活をしていたのだった。

 クライドは二年の実刑となるが、ボニーに頼んで銃を持ち込んでもらい脱獄する。しかしすぐさまつかまり、今度は14年の刑となった。ボニーはもうクライドから心が離れかける。ところが1932年2月、クライドは恩赦で仮釈放された。ボニーは付き合っていた相手を捨ててクライドのところに戻ったのだった。



●バロウギャング誕生

 1932年4月から、クライド・ボニーと仲間二人は「バロウギャング」を結成し、強盗を開始する。最初は行き当たりばったりのつたない手口だったが、だんだんやり口は洗練されていった。機関銃を武器にして、最高時速120キロの当時の最新自動車フォードV8を乗り回し、警察無線を傍受して警官たちの裏をかき、追われればパトカーを振り切って隣の州に逃げこみ、とやりたい放題。

 しかし、冷酷な殺人・強盗を重ねるにもかかわらず、バロウギャングは大衆の支持を受け、彼らに隠れ家を提供したりするなど協力する市民が後を絶たなかった。というのは当時は1929年の世界恐慌後の不景気の時代で、デモを行えば警官に暴力的に制圧されるなど、大衆は権力に対して不満を抱いていた。そのため警察をきりきり舞いさせるクライドたちは大衆のヒーローになったのである。



●ボニー、人気者となる

 1933年4月。クライドたちはダラス郊外に隠れ家を構えていたが、すぐに警官の襲撃を受け、命からがら逃げだした。しかし隠れ家からは様々な遺留品が押収された。その中にはボニーの写真もあり『葉巻をくわえ、右手に銃を持ち、車のバンパーに足を載せてポーズを取った写真』が新聞に掲載された。フラッパーでさえ「タバコ」を吹かす程度なのに、男の物と思われていた葉巻を吹かす姿は当時の大衆から「新しい女性」の代表のように見られるようになったのである。



●果てしなき逃亡の日々

 しかし、クライドに続いてボニーも有名になったことで、バロウギャングはうっかり街に近寄ることもできなくなった。車で当てもなく放浪し野宿の日々。体を休めようとモーテルに泊まればすぐさま通報され、警察がやって来る。こんな生活の中でバロウギャングたちは疲れ切り、メンバーは、逮捕されたり、死んだり、逃げ出したり、とバラバラになり、結局ボニーとクライドの二人だけになってしまう。



●ボニーとクライド、大衆の支持を失う

 1934年5月。大衆に大人気だったボニーとクライドの評価が一転した。きっかけはニュース映像。ボニーとクライドは、二人の正体を知らずに近寄って来た警官二人を射殺したが、その時の再現映像がニュースフィルムとして流された。それはボニーが倒れた警官に近づきとどめをさすという内容で、その冷酷さに大衆は今まで持ち上げていた二人を、警告な殺人者と見なすようになった。



●二人の最期

 1934年5月21日。ルイジアナ州の警察に設立されたボニーとクライドを専門に捜査する特殊チームに、二人の居場所を教える密告電話が入る。チームの六人はすぐさま出動し、5月23日に二人の乗った車を待ち伏せし、一斉に銃を乱射した。ボニーとクライドは車ごと撃たれて死亡した。ボニー23歳、クライド24歳。

 警察が二人の死体を車ごと運ぶと、大衆は記念にしようと二人の髪の毛を切ったり、中には指を切り取ろうとしたものもいたという。5月25日のクライドの葬儀には一万人、翌26日のボニーの葬儀には一万五千人、がそれぞれ参列したという。


感想

 名前だけは有名な「ボニー&クライド」。ミュージシャンの歌詞の中ではシャレオツに歌われれていて、なんか格好いい存在のように扱われていますが、実態は全然知らなかったので、今回の放送内容は面白かったです。

 そして、視聴後は「こんな強盗殺人コンビを無邪気に歌詞に取り入れて歌うミュージシャンてどうよ?」とそのように、ものすご~く感じました。ヒーローとかそういう風に扱ったらダメだろ、このコンビ。
 
 

光と闇のナビゲーター 栗山千明
語り 中田譲治
テーマ音楽 志方あきこ
司会 伊藤海彦 (アナウンサー)

 
 

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