【ドラマ】感想:NHK番組「藤子・F・不二雄SF短編ドラマ」『どことなくなんとなく』(2023年6月4日(日)放送)

藤子・F・不二雄SF短編ドラマ

藤子・F・不二雄SF短編ドラマ NHK https://www.nhk.jp/p/fujiko-sf/ts/N93R8JJ329/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

国民的漫画「ドラえもん」の生みの親 藤子・F・不二雄が描いた刺激的でシュールなSF短編漫画を実写化!

 

「どことなくなんとなく」(2023年6月4日(日)放送)

  

あらすじ

どことなくなんとなく
https://www.nhk.jp/p/fujiko-sf/ts/N93R8JJ329/episode/te/N7PZPVN3LP/
初回放送日: 2023年6月4日


天地(岡山天音)は友人(竜星涼)と山にキャンプに来ていた。今朝も、最近よく見る「白い夜」の夢のせいで寝覚めが悪い。最初に白い夜の夢を見て以来、天地はこの世のすべてに実在感がないと感じている。妻と子供との日常、繰り返される会社勤めの日々…。天地はこの世に実在するのは自分の意識だけなのではないかと思い始める。この世のすべてに意外性がなく、最近では、自分が思ったことがそのまま現実になるように…!?

 
 天地は旧友と久しぶりに登山に来ていた。天地は以前に「白い夜」の夢を見て以来、「自分の身の回りの全てに現実感が感じられず」「何でも自分が考えた通りになってしまうため何も驚きがない」という奇妙な感覚に苦しめられていた。そして、その感覚がどうしても払しょくできず、妻に縋りついて泣き出すような有様だった。

 友人は、天地の妻に頼まれて山に誘ったと明かし、妙な考えはもう止めるように諭すが、天地は友人に対しても自分の悩みを延々と繰り返す。そのしつこさに友人はついに怒り出し、天地は自分自身が創造主のつもりでいるのかとなじってナイフを突きつけてくる。

 友人は、天地が創造主なら自分(友人)を消して止めてみろとすごみ、できないなら変な考えはもう捨てろという。天地は友人ともみ合いになり、友人を崖から突き落としてしまった。その瞬間世界は消滅した。


 大昔、地球は核戦争によって消滅した。「地球遺跡」を訪れた宇宙人二人は、たった一個だけ見つかった地球人の細胞をクローン培養して再生し、記憶を元に世界を作り直した。しかし地球人はあまりに疑い深く、実験は失敗してしまった。宇宙人は去り、天地が宇宙空間に放り出されている場面で〆。

感想

 評価は○。

 切れ味の良い作品。なんというか「トワイライト・ゾーン」の一エピソード風味というか、オチのあとにあの曲「ティラティラ、ティラティラ、ティララララー」という曲が聞こえてきそう。
 
 

藤子・F・不二雄SF短編ドラマ どことなくなんとなく
[BSプレミアム] 2023年06月04日 午後11:05 ~ 午後11:20 (15分)


【出演】岡山天音竜星涼西野七瀬,一平,岡本ヒロミツ,江越聖也

“僕にとっての「SF」はサイエンス・フィクションではなく「少し不思議な物語」のSとFなのです。”(藤子・F・不二雄


国民的漫画家、藤子・F・不二雄は、「ドラえもん」「オバケのQ太郎(共著)」「パーマン」「キテレツ大百科」など児童漫画の名作の数々を送り出してきました。そんな藤子には、もう一つのライフワークがありました。「ドラえもん」の連載が始まる前年の1969年、大人向けコミック誌にSF「ミノタウロスの皿」を発表。その衝撃的な内容が評判となり、その後、生涯にわたり、刺激的でシュールな味わいのあるSF短編を多く執筆していたのです。その作品数は110以上に上り、未知のウイルスによる未曽有の災厄、核戦争の脅威、食糧危機と超高齢化、神の領域まで浸食する生命科学技術など、まるで21世紀の世界を藤子が予見していたかのような物語が描かれています。藤子ファンにとっては、どれも傑作ぞろいと言われ、長年本格的なドラマ化が待ち望まれていたシリーズです。


2023年、藤子・F・不二雄生誕90周年の年に、満を持して10作品を実写ドラマとして放送する運びとなりました。4月9日からBSプレミアム/BS4Kにて毎週日曜日、よる10時50分から放送(15分×2話連続)です。