【SF小説】感想「戦闘部隊ラグナロク」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 698巻)(2023年10月4日発売)

戦闘部隊ラグナロク (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-698)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150124213
戦闘部隊ラグナロク (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-698) 文庫 2023/10/4
ペーター・グリーゼ (著), マリアンネ・シドウ (著), 工藤 稜 (イラスト), 林 啓子 (翻訳)
出版社:早川書房 (2023/10/4)
発売日:2023/10/4
文庫:288ページ

【※以下ネタバレ】
 

宇宙ステーション"ウリアン"のある宙域に到着した戦闘部隊ラグナロクの艦隊は、ハウリ人の戦闘艦隊に航路を封鎖されてしまう!


レジナルド・ブルから時空断層のなかに隠された宇宙ステーション“ウリアン”の報告を受けたギャラクティカムは、ガルブレイス・デイトンひきいる戦闘部隊ラグナロクをただちに編成した。“ツナミ=コルドバ”級の最新鋭大型戦闘艦五隻からなる小艦隊は、ただちに時空断層のある宙域へと向かう。だが、いかなる機器を使っても構造歪曲の場所を特定できない。しかもその宙域は、ハウリ人の戦闘艦隊により封鎖されてしまう!

 

あらすじ

◇1395話 戦闘部隊ラグナロク(ペーター・グリーゼ)(訳者:林 啓子)

 NGZ448年2月。通常宇宙。ガルブレイス・デイトンは、ハウリ人の巨大宇宙ステーション・ウリアン(ウル・アム・タロク)を破壊するため小艦隊「戦闘部隊ラグナロク」を率いてハンガイ銀河に向かった。目的地に向かう途中、デイトンは謎の存在「ヒルダル」の声を聴くが、ヒルダルとは超越知性体エスタルトゥの具象だった。デイトンたちはウリアンが隠された構造歪曲に侵入できず苦戦するが、最終的にウリアンを破壊し、構造歪曲を消滅させることに成功した。(時期:NGZ448年2月11日~)

※初出キーワード=恒星ラグナロクI。サンゴ星系/惑星ジキル&惑星ハイド。トト・ドゥガ(ちいさな子供たち)


◇1396話 かくされた世界(マリアンネ・シドウ)(訳者:林 啓子)

 ニッキ・フリッケルたちは通常宇宙側のハンガイ銀河でハウリ人の基地を探していたが、「惑星ナルナ」からベングエル種族を呼び集める通信が発信されたのを知り調査に向かった。ナルナの地下には、ジュアタフ・ロボット(別名トト・ドゥガ)が巨大地下施設を建造しており、さらにヒルダルが現れ過去の秘密を明かした。

 その昔、エスタルトゥは危機に陥った際に、自分の遺産を受け継がせるため500体のトト・ドゥガを製造し、トト・ドゥガたちは仲間を40億体まで増やして遺産を分配した。さらに彼らは動物から進化しつつあったベングエル種族40億にも遺産を分け与えたか、やがて遺産の記憶は失われ、自分たちが何を守っていたのかも忘れてしまった。

 ヒルダルは「成熟の時」が近いと予告して姿を消した。(時期:不明。NGZ448年2月頃)

※初出キーワード=恒星ミスティコン/惑星ナルナ。惑星ウシンディ。六日間勢力。


あとがきにかえて

 「不思議の国のアリス」と「となりのトトロ」の話。


アンケート葉書

 700巻到達を記念しての読者アンケート葉書あり。

・定期購読の申し込み

 『最近諸々の理由で紙の価格が高騰している。早川書房としてはローダンを必要な場所に必要な部数届ける仕組みを作りたい。だから本屋に定期購読の申し込み用紙を出してください』とのこと。


・読者アンケート

・ローダンを読み始めたきっかけは?
・それは西暦何年で何歳の時?
・本シリーズを読み続けてくれますか? はい/場合によっては止める
・シリーズが紙と電子版の両方になったら買ってくれますか? 紙だけ/両方/電子版だけ
・シリーズが電子版だけになったら買ってくれますか? はい/いいえ
 等々

 アンケートを送ると全員に「ローダン特製エコバッグ」をプレゼントしてくれるとのこと。


感想

・前半エピソード「戦闘部隊ラグナロク」 原タイトル:KAMPFKOMMANDO RAGNAROK(意訳:戦闘部隊ラグナロク

 ガルブレイス・デイトン率いる部隊がハウリ人の宇宙ステーション・ウリアンを破壊する回。新型ツナミ艦たった五隻で攻撃に向かった結果、当然のごとくハウリ人に容赦なくバッサバッサ撃沈されて、次から次から人が死んでいく結構残酷な回でした。

 ところで前巻の1394話「ローダン救出作戦」(H・G・エーヴェルス)のP198~P199で、行方不明のトヴァリ・ロコシャンはウル・アム・タロク/ウリアンの中に居ると示唆されていたのに、ガルたちが完膚なきまでにウリアンを破壊しちゃった(笑) 

 作者間の連携が上手くいなかったのか、もしくはエーヴェルスが自分勝手に伏線を張ったか、真相は不明ですが、何にせよ1213話「アストラル漁師」で初登場し、好き勝手に暴れまくったギフィ・マローダーことトヴァリ・ロコシャンともついにお別れか……



・後半エピソード「かくされた世界」 原タイトル:DIE VERBORGENE WELT(意訳:かくされた世界)

 ニッキ・フリッケルたちが惑星ナルナで、ようやくジュアタフ・ロボットとベングエル種族の秘密を(肝心なところは除いて)聞かされる回。

 ようやくクライマックスらしい雰囲気になってきました。
 
 
 

675巻~700巻(「タルカン」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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