【ゲーム番組】感想:NHK番組「ゲームゲノム シーズン2」第6回「熱狂へ至る道のり ~パワフルプロ野球~」(2024年2月14日(水)放送)

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放送 NHK総合

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【※以下ネタバレ】
 

あなたの心に刻まれた“ゲームの遺伝子”を呼び覚ます!

 

第6回「熱狂へ至る道のり ~パワフルプロ野球~」(2024年2月14日(水)放送)

 

内容

ゲームゲノム 熱狂へ至る道のり ~パワフルプロ野球
[総合] 2024年02月14日 午後11:00 ~ 午後11:30 (30分)


野球ゲームの金字塔「パワフルプロ野球」シリーズ。人々を熱狂させるスポーツの魅力に、ゲーム体験で迫り続ける本作。その30年にわたる試行錯誤の道のりを開発陣が語る。


今年30周年を迎える野球ゲームの金字塔「パワフルプロ野球」シリーズを特集。実在する球場や選手、プロのアナウンサーによる実況など、リアリティを追求してきた本作の代名詞は2頭身キャラ。2頭身なのに思わず感情移入してしまうキャラ作りの秘密とは?さらに野球の泥臭さにこだわった育成モード開発など、手に汗握る熱狂の世界へ誘う本作の魅力を徹底解剖。そして名投手・川上憲伸が選手の「能力査定」について激白する。


【司会】三浦大知,【ゲスト】水川かたまり,川上憲伸,豊原浩二,池本健二,【語り】神谷浩史,【実況】2BRO.

 
 今回のお題はパワプロこと「パワフルプロ野球」シリーズ。1994年にシリーズ第1作「実況パワフルプロ野球'94」がスーパーファミコン用ソフトとして登場してから,今年(2024年)まで30年間作り続けられている長寿シリーズ。

 番組テーマは「熱狂へ至る道のり」



●KEYWORD 1 2頭身が宿した“心”

 第1作「実況パワフルプロ野球'94」は、「投球は左右以外に高低差も表現」「バットの当たりどころやタイミングによって打球が変化」「プロのアナウンサーによる実況」など野球のリアルを追求しているが、選手の表現はリアルのかけらもない二頭身キャラ。

 ところがこの二頭身キャラの大きな頭や体形が選手の心理をうまく表現している。例えば投手なら一塁に走者がいる場面で盗塁を警戒して投手の視線が一塁に細かく動く。打者なら際どいコースがストライクになったときに審判を振り返って目で不満を訴える。守備なら内野ゴロでも塁に走者がいる場合はそちらの動きを確認するようなそぶりを見せる。二頭身キャラの大きな頭だからこそ、視線の動きなどがはっきり描写できる。また、エラーをしたときの焦りやスタミナ切れの肩を落とした姿など、二頭身キャラでこそだせる動き。

 スタッフは当初は特にそういう事を考えて二頭身にしたわけではなかったが、作っているうちに二頭身キャラににすると、選手が何を気にしているかなどがはっきり描写できることに気が付いたという。



●KEYWORD 2 一瞬の勝負 輝かせる“個性”

 パワプロは実在選手が実名で登場し、キャラクターのパラメーターが細かく設定されている。それらにはパワー・守備力・走力などの基本能力以外に、特殊能力が存在する。例えば阪神時代の新庄には「悪球打ち」という能力があった。それは現実の試合で、新庄が敬遠されたのにその球を強引に当てに行ってヒットにしたというエピソードからきている。

 ただし特殊能力は良い物ばかりではなく「スロースターター」とか「エラーしやすい」とかマイナスの物もある。
 特殊能力の数は最新作では252種類。


 元プロ野球選手の川上憲伸インタビュー。パワプロの自キャラの設定を見て、投手にしては打力が強めになっているのを見てよく取材しているなと感心。実際川上は投手でありながら本塁打八本を打った「二刀流」だった。またマイナス特殊能力がついていたことについても「二軍選手なら注目されることもない。自分は一軍に上がって認められ始めた」と前向きに考えたとのこと。


 選手の能力の査定では、12球団の担当者が(ユニフォームを着こんで)一堂に会し、自球団の選手の能力のアピール合戦を繰り広げるという。



●KEYWORD 3 成功(サクセス)のカギを握る“泥臭さ”

 パワプロには「サクセスモード」という、プレイヤーがオリジナル選手を育てていくモードがある。最新作はプロ野球入りを目指す高校野球選手を育てる。練習して自らを鍛えていると、ランダムイベントが発生。アルバイトをして野球グッズを購入したり。

 2002年発売の「実況パワフルプロ野球9」では高校野球が舞台。プレイヤーキャラが強豪野球部の二軍に入り一軍昇格を目指すところから始まる。ところが練習だけしていても監督の目に留まらず昇格試験を受けさせてもらえない。監督に評価されるには地味な球拾いもする必要がある。そして昇格試験に合格するとはれて一軍入りできる。



●KEYWORD 4 想像が生む 唯一無二の感動

 さらに別の「栄冠ナイン」モードでは新興の高校野球部の監督となり選手を育てていく。高校名、校歌、校章、ユニフォーム、選手の名前や見た目、等々を細かく設定できる。

 しかし監督は選手に練習メニューや試合中の指示だしは出来るが直接操作はできない。また試合中に指示を出しても選手がその通りに動いてくれるとは限らない。ランダム性が強いが、それがドラマを作っていく。


感想

 全然知らないゲームでしたが(マジで)今期で一番面白かったな。背景がファンタジーとかだと入り込みにくいけど、ドカベンとかで知っている野球だからすっと世界観(?)に入り込めるからですかね。

 あと「栄冠ナイン」モードで、補欠だった選手が大活躍して勝ち上がるも、最後は力尽きて甲子園には行けませんでした……、という流れに感動しました(ちと大げさ)。まあある程度番組スタッフが盛って語っているとは思いましたが、これらも含めて一番楽しめたですよ。
 
 

この番組について

ゲームを“文化”として捉え、名作の魅力を深堀りするNHK初のゲーム教養番組!古今東西の作品を取り上げ、MCの三浦大知や作品愛あふれるゲストがその奥深さに迫る。何がおもしろいのか、なぜ語り継がれるのか…開発者が作品に込めた思いも紐解き、”文化としてのゲーム”に秘められた奥深い世界へといざなう!

 
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