すべてがFになる -THE PERFECT INSIDER-(1) (KCx)
- 作者: 霜月かいり,森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/10/07
- メディア: コミック
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※放送 フジテレビ系。全11話。
【※以下ネタバレ】
前回の内容→ 九章 黄色の死角
第10話 『第十章 紫苑色の真実』 (2015年12月10日(木)放送)
■あらすじ
犀川と萌絵は自称「四季」の指示に従い、バーチャルマシンに入って、仮想空間で「四季」と対面する。犀川は「四季」に自分の推理を語りだす。
四季は15年前、誰にも知られる事無く娘を出産した。四季は、娘に「15歳になったとき、自分同様に両親を殺す」様に吹き込んで育てた。ところが娘は、萌絵とテレビ電話で対話したしたことで自分の生き方に疑問を抱くようになった。その後娘は自殺したのかどうかは不明だったが、四季はその死体を自分の身代わりにした。そのあと、見つからないように屋上に行き新藤を殺した。四季は、死体を調べられれば指紋から自分ではない事が解ってしまうので、両手を切断し、さらにそれを隠すため両足も切り取ったのだった。
謎めいた「すべてがFになる」とは、四季がレッドマジックに仕込んでいた2バイト変数が上限に達したときの16進数「FFFF」を表していた。
警察は四季がまだ島内にいると考え大捜索を開始するが、犀川は四季が既に船で島から逃走したことに気が付く。四季の妹「未来」と名乗っていた女性こそが実は四季で、新藤がヘリで未来をつれてきたという話が偽りだったのだ。犀川は四季に完敗した事を認める。
脚本:大野敏哉
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/12/11
- メディア: 文庫
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■感想
ようやく完全な謎解きに到着。しかし既に「四季が子供を生んでいた」という話は前回( 九章 黄色の死角)で既に行なっているため、犀川がその推理を自称四季に説明するくだりは、二度手間感が有り、非常にまどろっこしかった。はっきり言って説明を二話に分割したのは構成に失敗しており、このアニメが最初から見せていたもたつき感を増幅しただけだった。しかも無意味に四季が犀川と仮想空間で散歩したりして、本当に原作はこんな話なのかと疑わしくなってきた。スタッフは真面目に推理物を作る気がなかったらしい。まあ、ラストで「未来=四季」という真相が明かされたときには、さすがにアッと驚いたが、それは原作が凄いのであってアニメの力ではないし。
今回も萌絵はムダ話による尺稼ぎ担当となっており、四季にしつこく「実はあなたは娘のほうでしょう?」と粘着して時間の引き伸ばしを計っていた。考えてみればスタッフの無能のために、放送時間の水増しにいいように使われる萌絵も、ある種の犠牲者なのかも。
ところで、アニメのあらすじは、現在少女漫画誌の「アリア」で連載中のバージョンと違うのだが、どっちが原作に近いのだろうか(漫画版では、3人目の死人が出る)。
結局、「謎」(=原作)は面白かったが、その素材をアニメは全く生かせていなかった。アニメ「アナザー」が、最終回で驚天動地の真相を見せて、すさまじい満足感を与えてくれたのとはあまりにも対照的だった。原作者はこんなアニメで満足できたのだろうか。
最終回の様な感想を抱いてしまったが、実はまだもう一回放送が残っている。一体何をする気だろうか。またムダトークで30分浪費する気か?
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/11/16
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