感想:ウォーゲーム雑誌「Game Journal(ゲームジャーナル) No.63」『クルスク南方戦線・プロホロフカ1943』(2017年6月1日発売)

ゲームジャーナル63号 クルスク南方戦線・プロホロフカ1943

ゲームジャーナル公式サイト http://www.gamejournal.net/
発売日:2017年6月1日(3,6,9,12月の1日発売)

【※以下ネタバレ】
 

付録ゲーム

クルスク南方戦線・プロホロフカ1943(ゲームデザイン:呼拉中村)

http://www.gamejournal.net/item_list/gj_063/index.html
本作はチットシステムを採用することにより、師団規模の作戦級の戦闘と、戦車、砲兵、航空機などの戦術レベルにおける各兵器の個性を再現した戦闘システムを両立したゲームシステムで、クルスク南方における南方軍集団の陣地突破戦闘、およびそれに続く戦車戦を描く。

 テーマは超有名なクルスクなのですが、上記に書かれている通り、スケールは作戦級なのに、ユニットに戦術級の細かい要素を付加しているため、軽く概要説明を読んだだけで頭が痛くなりそうな代物でした。さすが難易度五段階の四だ。


特集「クルスク南方戦線・プロホロフカ1943」

 ヒストリカルノート、ユニット解説、松田大秀氏のリプレイ漫画、座談会「ゲームの殿堂 ゲームの中のクルスク★大戦車戦」など。いつも通りの内容というところです。


その他

◆GAME GUIDE

 新作ゲームを(時々旧作も)紹介するコーナー。なんと国際通信社の「ぱんつぁー・ふぉー2」が堂々紹介されています(執筆しているのがデザイナーの堀場瓦氏)。GJはこの手のアニメゲーは大嫌いだから載せない方針だと思っていたので意外。前作は紹介していましたっけ?



◆追悼 仮想戦記の巨匠 佐藤大輔氏 逝く

 今年3月22日に亡くなった佐藤大輔氏を忍んで、関係者によるお悔やみの言葉。GJですから、当然小説家になる前のゲームデザイナー時代の氏と親交のあった人たちであり、高梨俊一、鈴木銀一郎、中澤孝継、大山格、といった方々の言葉が並んでいます。誰もが「才能と性格は別」云々と書いてあるのが妙に印象に残りました。

 佐藤氏の小説は読んだことが無かったものの、シミュレイターに書いていたリプレイとかゲーム紹介とかは面白かったなぁと、しみじみ思い出しました。



◆[連載]絶版ゲーム再生Project RENEWAL(錦大帝)

 今回のお題は「THE GUNS OF AUGUST(西部戦線異状なし)」(アバロンヒル)。記事内でも書かれていますが、このゲームに関する文章なんて、隔月時代のタクテクス12号の1~2ページの紹介記事以来です。ちなみに、さらっと記事内で「STOSS」という兵科が書かれていますが、何ぞこれ? 『シュトース・トゥルッペン』の事?



◆[連載]Mrことくの過激にレポートするぜ!

 今回のお題はGJ付録ゲーム「本能寺への道」。ただし、『ボードゲームアイドル』を呼んできてのリプレイとなっており、どんどんはっちゃけ度が加速しております。



◆[連載]B級SFゲーム分科会出張所(いしだたかし)

 今回のお題は「南極未来戦争」(SPI)。「地底人との戦い」があまりにも有名なゲームです(笑)



◆[連載]第二次大戦 各国軍隊 部隊編成研究シリーズ(古谷晋作)

 多分52号を最後にお休みしていた連載が、何の断りもなくしれっと再開。今回のお題はドイツ軍装甲擲弾兵中隊/小隊。アラフィフばかりだと思われるGJ読者に、この連載の細かい字はきつそう、というか私にはキツイです。


次号予告

 No.64(2017年9月1日発売予定)の特集/付録ゲームは「シン・関ヶ原」。関ケ原テーマをドミニオン的デッキ構築システムで、という説明ですが、あまりにもふざけているゲーム名のせいで、そういう内容は殆ど頭に入りません(笑) こんな冗談みたいなゲーム名にOKをだすのが、いかにもGJだなぁと。