【歴史】感想:NHK番組「ダビンチ・ミステリー 第1集  幻の名画を探せ ~最新科学で真実に迫る~」(2019年11月10日(日)放送)

レオナルド・ダ・ヴィンチ 上

NHKスペシャル | ダビンチ・ミステリー第1集 幻の名画を探せ~最新科学で真実に迫る~
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20191110
放送 NHK総合

【※以下ネタバレ】
 

ダビンチ・ミステリー 第1集  幻の名画を探せ ~最新科学で真実に迫る~ (2019年11月10日(日)放送)

 

内容

[総合]
2019年11月10日(日) 午後9:00~午後9:49(49分)
https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2019-11-10&ch=21&eid=34582&f=46


絵画だけでなく、あらゆる学問を究め「万能の天才」と呼ばれたレオナルド・ダビンチ。残された絵画は14作品。果たして、まだ見ぬ新作はこの世に存在するのか


人類は500年もの間、新しいレオナルドの作品を探し続けてきた。そんな新作探しに、今、かつてない局面が訪れている。科学技術を使って、レオナルドの絵画を特定しようというのだ。その調査に密着。ダビンチの超絶技巧を解析。果たして新しい作品の発見を目の当たりにできるのか?!ナビゲーターは、サカナクションの山口一郎さん。ルーブル美術館のダビンチ展を訪ね、ダビンチの作品の謎を紐(ひも)解いていく。


【出演】アーティスト…山口一郎,専門家…池上英洋,【語り】守本奈実

 
●未知のダビンチ作品を求めて

 モナ・リザで有名なレオナルド・ダビンチ。実はダビンチが描いたとされる絵は世界で14点しか無い。しかし人類は、まだどこかにダビンチの絵があるのではないかと必死に探し求めてきた。

 そして、密かに二点の作品がその候補に挙がり、専門家によって徹底調査された。一つは「糸巻きの聖母」(通称ランズダウン版)という、聖母マリアが赤ん坊のイエスを抱きかかえているという絵。何故ダビンチ作品と目されたかというと、これはレオナルドの元を訪ねた人物が、このような絵を描いていたと手紙に書き残しているため。しかし、手紙には絵に「糸」と「籠」が描かれていると書いているのに「糸巻きの聖母」にはそれが無かった。

 もう一つがスペインにある「プラドののモナ・リザ」という作品で、絵の構図がモナ・リザそっくりとして知られていたが、モデルがモナ・リザより若い上、背景が真っ黒のため、別人の作品と見なされていた。ところが修復のため背景の汚れを落としてみると、なんと真っ黒の背景の下に風景画が隠れていたのである。その風景はモナ・リザにかなり近かった。


●科学による鑑定

 赤外線で絵を調べてみると、下絵が浮かび上がる。プラドのモナ・リザは、下絵の頭の部分が実際の絵より上に有ったことが解り、なんと本物のモナ・リザも同じだった。またプラドのモナ・リザは右手に椅子のひじ掛けが描かれているが、本物のモナ・リザも下絵段階ではひじ掛けが有った。

 また糸巻きの聖母も下絵の段階では「糸」と「籠」が書かれていたことが判明し、どちらの絵も本物のダビンチ作品かもという期待が高まった。


●美術専門家による鑑定

 両方の絵はさらに美術の専門家によって詳しく調査されたが、汚れを取り除いて調べていくと、ここで明暗が分かれた。プラドのモナ・リザはあごの下に筆の跡が見つかったが、本物のモナ・リザにはそれが無かった。またプラドのモナ・リザには本物の様な肌の透明感が欠けていた。

 実のところ、ダビンチがどういう風に絵を描いていたのか解っていない。指で描いていたとも、細い筆で細かい点を延々打っていったのだとも推測されている。

 専門家はプラドのモナ・リザは弟子の作品だと結論付けた。ダビンチの時代は工房制が取られており、弟子が師匠と同じ構図の絵を同時進行で描いていた。プラドのモナ・リザもそういった弟子の作品だと推測されている。

 一方、糸巻きの聖母は、肌にモナ・リザ同様の透明感があった。そのため、さらに「X線ラジオグラフィー」という最先端の技術で絵を解析することになった。この装置では絵の濃淡を強調し、輪郭をはっきりさせることができる。ところがダビンチの絵にX線を当てると、輪郭どころか絵が消えてしまう。

 ダビンチの絵を調べると、肌の部分は絵具を15層も塗り重ねている事が解った。これが透明感のある肌の理由であり、同時に厚く絵の具を塗り重ねているため、絵の濃淡が無くX線分析では絵が消えてしまう理由だった。

 そして、糸巻きの聖母は絵の具を塗り重ねていること、またX線で調べると絵が消えてしまうことから、ダビンチが関与したとみなされ、「ダビンチと工房作」という評価に落ち着いた。


●さらなるダビンチ作品?

 さらにフランスの古城からは「裸のモナ・リザ」と呼ばれる絵が見つかり調査が進められている。右手の構図はモナ・リザと完全に一致しているし、また描かれている紙からはブランドを表す刻印が見つかったが、それはモナ・リザが描かれたのと同じ時代場所で使われていた紙だという。


感想

 期待したよりはちょっと中身が薄くて失望したものの、そこそこには面白かったかな、というところ。ただダビンチの描いた絵が新たに見つかったなら大ニュースになっているはずなのですが、何故騒がれていないのか不思議。なんとなくNHKが視聴者を騙しているんじゃないかという気が……
 
 

今年は、レオナルド・ダビンチ没後500年のアニバーサリーイヤー。この希代の天才を巡り世界では最先端の科学を駆使した研究が、かつてなくヒートアップしている。その画期的な成果を紹介しながら、推理小説を紐解くように世紀の大天才の謎を解き明かしてゆく知的エンターテインメントの2本シリーズ。ナビゲーターはサカナクションの山口一郎さんだ。


第1集は、絵画の内部を透視し、描かれたプロセスを再現できる最先端の科学技術で、モナリザをはじめとするダビンチ絵画に秘められた数々の秘密に迫る。


実は、ダビンチが深く関与し「本物」だと考えられる絵画は、わずか14点しか現存が確認されていない。あらゆる芸術作品の中で、ダビンチの絵画は特別に貴重なものなのだ。そのため、「ひょっとすると、まだ見ぬダビンチ絵画がこの世界のどこかに隠れているのではないか」と人々は取りつかれたように、まだ見ぬダビンチの絵画を探し続けてきた。


今回、特別の許可を得て、ルーブル美術館を始めとする世界最高の専門家たちが極秘裏に行った、ダビンチ作の可能性が高いとされる一枚の未確認絵画の徹底調査プロジェクトに3年間にわたって密着。そこから、驚くべきことが次々に解明された。


果たして、私たちは「ダビンチの新作発見」を目の当たりにすることができるのか。

 
レオナルド・ダ・ヴィンチ 下