【ゲーム】プレイ日記「Ever17 the out of infinity Premium Edition」(2009年/PSP)【2】(空編クリア)

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Ever17 ~the out of infinity~ Premium Edition 限定版 | ソフトウェアカタログ | プレイステーション オフィシャルサイト
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【以下ネタバレ】
 
 

前回までのプレイ内容

perry-r.hatenablog.com

 
 

今回のプレイ内容

 今回のプレイ時間:10時間00分(累計10時間30分)

 初回終了。空編をクリア。


 5月1日昼。「LeMU(レミュウ)」に何らかの突発事態が発生し、倉成武ら6人の男女がレミュウ内に閉じ込められてしまった。脱出の手段は皆無で、外部との連絡もつかず、さらに施設は5月7日早朝頃に崩壊する見込みだった。それでも武たちは救助が来ることに望みを託し、待ち続けることにした。

 そんな中て、武はレミュウのシステムエンジニアだと思っていた茜ヶ崎空が、実は施設のコンピューターのAIによって映し出されていた精巧な映像だと知る。空はレミュウの客をサポートするための存在だったが、武は入場時に説明を聞き逃していて、今まで人間だと思い込んでいたのだった。それ以降も武は空を人間と同様に扱い、恋愛指南などを行って親しくなっていく。

 5月6日。施設の崩壊予定時刻まで24時間を切ってもまだ助けは来なかった。そんな時、メンバーの一人・八神ココの体調が悪化し、伝染病「ティーフ・ブラウ」に感染していることが明らかとなる。それをきっかけに、空は隠されていたレミュウの秘密を明かす。

 実はレミュウのさらに下、水深120メートルの場所には、製薬会社の研究施設「IBF(イー・ベー・エフ)」が存在し、海底で発見されたティーフ・ブラウの研究を行っていた。レミュウはIBFの存在を隠すカモフラージュとして作られていたのだった。

 武たちはココを救うためIBFに向かうが、研究員たちも殆どが死んでいた。さらに武たちもティーフ・ブラウに感染していることが明らかになる。それでも武はIBFの通信機を使って海上と連絡を取り、助けを呼ぶことに成功する。

 しかし、武はそのあと空と会うためにレミュウに戻る。プログラムとしての空は海上のコンピューターで動かされているが、レミュウで武たちが出会った空のデータ、つまり空の「記憶」はレミュウ内に保管されていた。武はそのデータをメディアにコピーして一緒に脱出しようとするが、施設の崩壊によりもはや逃げ道は無くなる。その間にIBFにいた他のメンバーは無事に救助されていた。武は空の「記憶」をメディアに保存する。

 5月7日。ついにレミュウは崩壊し、武も空も海水に飲み込まれる。しかし何故かレミュウの機器には「生体反応1」と表示されていた。



コメント

 伝説のゲーム「Ever17」ようやく初回クリア。

 ……、うーん、微妙……。


 まあ、人間と人工知能との愛、というのは、斬新な発想ではないものの、そこそこうまく描けていて、話のあらすじ自体は悪くないと思いました。ギリシャ神話のピグマリオンの話をしつこく持ち出すのはちょっとくどいとは思いましたけど、全体的な発想はそれなりには評価できました。そう、「あらすじ」は悪くないのです。

 また、このゲームはシナリオがヒロイン5人分あるとのことで、5回クリアしてようやくストーリーの全貌が解るという仕様らしく、空シナリオは「これで終わり?」と呆然とする結末でしたが、そういう作りはマルチサイトとか複数シナリオ形式のケームで慣れているので、今後に期待したいとも思います。


 し・か・し、それでも、これはちょっとと思うところが多すぎる……、以下列挙してみます。


1.設定と展開がかみ合っていない

 主人公たちがトラブルで閉鎖環境に閉じ込められる、という設定を見て、パニックサスペンス的な内容を予想していたのですが、実際には全然違いました。

 遊びに来ていたテーマパークで突然内部に閉じ込められ、脱出も連絡もできず、という状況に陥ったら、普通の人間ならば恐怖で動揺したり、パニックで混乱したり、と平常ではいられない筈です。さらにあと5日ほどで施設が崩壊して死ぬしかない、と解ったら、もう精神がどうにかなっても不思議ではないでしょう。

 ところが、武たちは全く慌てもしなければ怯えもしません。あと5日でレミュウが崩壊すると聞いても、「それまでは大丈夫だ」とニコニコしています。そして「助けが来るまでは待つしかない」とのんびり構えて、時間が有って暇だからと言って缶蹴りをして遊んでいます。これが数日後に死ぬかもしれない人間たちの行動でしょうか? 正気の沙汰とは思えません。

 まあ「全員の精神が病んでいく様を描くパニックホラー」をプレイしたかった訳ではありませんが、それでもこのキャラクターたちの落ち着きぶりには、違和感というレベルを超えて異常さすら感じました。



2.テンポの悪さ/ペース配分の失敗

 この二つは表裏一体です。

 物語は5月1日から7日までの7日間を描きますが、実のところ、重要なイベントは終盤の6日・7日にしか起きず、それまではほぼ何も無い日々が延々と続きます。1クール(全12話)のテレビアニメで例えるなら、第1話から10話までは何も起こさないまま会話シーンだけでつないだ、というようなものです。

 物語の内、語るべき内容があるのはプレイ時間10時間半の内の終盤2時間程度で、そこまではほぼ日常パートしかありせん。具体的には「朝起床→朝食&おしゃべり→休憩→昼食&おしゃべり→休憩→夕食&おしゃべり→休憩→就床」を延々と繰り返しているだけ。

 イベントが無いのなら、時間経過を省略してスピーディーに話を進めればいいのに、馬鹿正直に日常を繰り返すので、話の中身がないのにプレイ時間ばかり食ってしまい、全然先に進まなくてイライラしました。

 それでも、日常会話が読んでいて楽しい物ならば救いがありますが、これが会話のセンスが絶望的に無い。よくもまあ、こう中身のない会話をいくらでも続けられるものだ、と暗い気持ちになるくらい。面白おかしい掛け合いで退屈させないのならともかく、とにかく文字数を埋めるためだけにひたすら適当に書きなぐったようなセリフを延々読まされて、あまりの退屈に閉口させられ通しでした。

 意味のあるプレイは終盤二時間のみ、そこまではつまらない会話で延々無駄な時間を消費させる、とペース配分の酷さはもうあまりにひど過ぎました……


 このゲームは、今後、こういう難点を乗り越えてもなおプレイする価値はあるのでしょうか。あってほしい。多分このゲームプレイ時間50時間超えるはずだから、最後まで行って合わなかったら悲しすぎる。
 
 
Ever17 -the out of infinity-(限定版) Premium Edition - PSP
Ever17 ~the out of infinity~限定版