【ゲーム】プレイ日記「Ever17 ~the out of infinity~ Premium Edition」(2009年/PSP)【6】(ココ編クリア/ゲームクリア)

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Ever17 ~the out of infinity~ Premium Edition 限定版 | ソフトウェアカタログ | プレイステーション オフィシャルサイト
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【以下ネタバレ】
 
 

前回までのプレイ内容

プレイ日記「Ever17 the out of infinity Premium Edition」(2009年/PSP)【5】
http://perry-r.hatenablog.com/entry/2020/02/12/141340

perry-r.hatenablog.com

 
 

今回のプレイ内容

 今回のプレイ時間:11時間50分(累計37時間25分)

 5回目終了。ココ編をクリア=ゲームクリア。


 5月1日昼。「LeMU(レミュウ)」に何らかの突発事態が発生し、倉成武ら6人の男女がレミュウ内に閉じ込められてしまった。脱出の手段は皆無で、外部との連絡もつかず、さらに施設は5月7日早朝頃に崩壊する見込みだった。それでも武たちは救助が来ることに望みを託し、待ち続けることにした。

 取り残されたうちの一人で、記憶喪失の若者「少年」は、何故か初対面の少女の名前が「沙羅」である事や、空が生身の人間ではなく映像である事などを知っていた。さらに少年は、レミュウの中にいるはずの無い少女を頻繁に目撃するが、周囲からは信じてはもらえない。さらに自分の顔が自分の物では無いという違和感にさいなまれる。

 やがて少年は、沙羅が生き別れの妹であることを知るが、自分の名前が「ホクト」だと知らされても、まるで自覚が無かった。また優のフルネームが「優美清<秋>香奈」だと知って、何故か本当は「優美清<春>香奈」の筈だと考える。

 そして、少年は「今」が「2017年」ではなく「2034年」だという事、さらにつぐみが自分と沙羅の母親であるという事実を知る。今から17年前の2017年にもレミュウで今回と同様の事態が発生し、その際閉じ込められたつぐみは倉成武と結ばれた。そして脱出後、2018年に武の子供の双子を出産するものの、自分を実験体と見なすライプリヒ製薬からの逃亡生活の末に、二人を施設に預けたのだった。少年は、死んだ父・倉成武を名乗る偽物を追及すると、相手は本名「桑古木涼権(かぶらぎ・りょうご)」だと名乗る。

 少年はまた謎の少女「八神ココ」に会い、彼女が時空を超えて物事を知覚できる「第三視点」の能力を持つこと、少年も似たような能力を持つこと、を教えられる。

 少年は、自らの能力で17年前の2017年に起こったことを見る。倉成武は空のデータをコピーし、つぐみと脱出しようとするものの、潜水艇の動力切れでつぐみを助けるため、自分は潜水艇の外に出て死んだのだった。


 2034年の世界では、突然レミュウの外への脱出路が用意され、閉じ込められていた全員が浮島に脱出した。17年前の事故をそっくり再現していた黒幕は、優美清<秋>香奈の母親「優美清<春>香奈」だった。少年は優美清<春>香奈に詰め寄るが、彼女は全ては少年に指示されたと言い出す。

 そして少年は自分が時空間を超越した四次元人「プリックヴィンケル」であり、ホクトの意識の中に入り込んでいただけだと思い出す。ホクトが記憶喪失だったのは、その意識が「ホクト」ではなく「プリックヴィンケル」だったからで、顔に違和感があるのも、名前に聞き覚えが無いのもそのせいだった。そして今回の一連の出来事を仕組んだのも、実はプリックヴィンケル自身だった。

 ブリックヴィンケルは17年前に戻り、ココは救出されずIBFに置き去りにされており、海底に沈んだ武も、IBFに帰り着いて蘇生していた事を知る。しかし二人は脱出する方法が無く、プリックヴィンケル/ホクトのアイデアで、冷凍睡眠に入り助けを待つことになった。

 しかし、もし17年前の優たちにそれを知らせて救出させれば、2034年に自分が四次元人として覚醒することはなく、武が蘇生してココとIBFで冷凍睡眠に入る事も無く、タイムパラドックスが発生して結局武もココも助からない。プリックヴィンケルは、2017年に救出された優美清<春>香奈に、2034年まで待って今回と全く同じ出来事を起こして自分を騙すように頼んだのだった。

 2034年。プリックヴィンケル/ホクトはIBFに行き、冷凍睡眠状態だった武・ココを救出した。優美清<春>香奈によって、諸悪の根源のライプリヒ製薬に司法のメスが入ることになり、もうつぐみたちが追われることも無くなった。最後にプリックヴィンケルが立ち去っていくシーンで〆。


コメント

 5回目ココ編をクリア。

 うーんんんん……、これはちょっと……


 武視点と少年視点が同時の話と誤解させておいて、実は別の時間帯の話、という叙述トリックは、ティーフブラウについての記述や、注射器の描写でおおよそわかっていましたので、あとは謎解きのココ編でどう納得させてくれるか、というところに注目していたのですが……、

 いや、これ、あんまりじゃないでしょうか? 確かに複雑な話で、こんな仕掛けを考えたのは凄いとは思いますが、感心は全くしませんでしたし、期待していた感動も無かったし。叙述トリックは出来るだけシンプルな方法で読者を誤解させて、「注意深く観察していれば気が付いたはずなのに騙されてしまった」と思わせるのがキモだと思いますが……

 まあ、視点を入れ替えることで「武視点の武・少年」と「少年視点の武・少年」が別人で有ることを気が付かせないのはうまいとは思いましたが、その他のキャラクターの


・優→そっくりのクローン人間だから別人と解らない
・つぐみ→ウイルスに侵されて不老不死で見た目が変わらない


とかの設定は反則のように思えました。それに、二人の優が別人であることを隠すため「優美清<春>香奈」「優美清<秋>香奈」などというあり得ないような名前を付けて、普段は「優」とだけ呼ばせるという手法で騙すのも、実に姑息に感じました。


 また物語のキーとなる設定に、時空を超越した「四次元人」まで出して来たら、もう話として何をしようがアリになってしまいます。それでいて四次元人が黒幕だった(?)という話を成立させるため、


・四次元人が2017年の優に全ての計画を「口頭」で説明して、優が完全に理解する
・一個人の優が17年後にまたレミュウで事故を起こして、つぐみと沙羅と少年だけが取り残されるよう仕組む

 というのは、無理があり過ぎでしょう。


 結局、異次元人、超能力(第三視点)、クローン人間、不老不死、悪の製薬会社、タイムパラドックス、等々、要素を盛り込みすぎて胸焼けしそうな話になってしまっています。


 最後までプレイしていて感じたのは、このケームのスタッフは読者/プレイヤーを楽しませるという視点が無さそうだということ。その代わりとして、スタッフの「こんな凄いどんでん返しの話を考えたから、さあ見てくれ!!」という自己顕示ぱかりが伝わってきます。

 例えば、プレイヤーの気持ちを考えるなら、同じ内容の展開をわざわざ二度も三度もそっくりそのまま再現して体験させようとは思わないでしょう。まさか真相究明編のココ編が一番長いとは思いもしなかった。逆にココ編が一番長いなら、序章である四人(空・優・つぐみ・沙羅)の話はもっと短くまとめるべきなんじゃないのかなとか。


 振り返れば、本当にこんな込み入った話を思いついたな、とは思いましたが、娯楽としての評価は辛くなりますね……
 
 
 

参考

「1人目:空編」感想
perry-r.hatenablog.com
「2人目:沙羅編」感想
perry-r.hatenablog.com
「3人目:優編」感想
perry-r.hatenablog.com
「4人目:つぐみ編」感想
perry-r.hatenablog.com
 
 
Ever17 -the out of infinity-(限定版) Premium Edition - PSP
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