感想:アニメ「世界の闇図鑑」第5話「機械人がやってくる」

宇宙怪物図鑑 復刻版 (ジャガーバックス)

テレビ東京あにてれ 世界の闇図鑑 http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/yamizukan/
放送 AT-X。5分ショートアニメ。

【※以下ネタバレ】
 

第5話 機械人がやってくる

 

あらすじ

監督:井口昇
イラストレーター:加藤礼次朗


文明が発達し、人間とロボットが一緒に暮らす時代。果たして、共存することは可能なのか?遠くない未来に疑問を投げかける、問題作!勝つのはどっちだ?

 ある日、「私」(中年紳士)は、レストランにいる客・店員が実は、見た目は人間だが体は機械の機械人たちであることに気が付き、慌てて逃げ出す。街は機械人の突然の出現により大混乱になっていた。「私」は半年かけて自宅へ帰り、妻と娘を機械人から助け出す。そして残った人間たちを率いる指導者として、彼らを導くことになった。

 ところが「私」は、その人たちを罠へと誘い込み一網打尽にしてしまう。実は「私」もまた機械人であり、今までの行動は、人間目線でふるまい人間たちを罠にかける、という壮大な作戦だったのだった。

 最後。今までの光景は機械人がバーチャルリアリティで体験した過去の光景であったことが明かされる。未来、世界は機械人のものとなり、人間は一匹たりとも生き残っていないのだった。


感想

 今までの作品の「昭和子供向け恐怖本風イラストアニメ」から一転、「昭和のユーモア小説風イラストアニメ」で、恐怖というよりシュール系の世界を描いた話。これはこれで悪くなかったな。


 あと、イラストが漫画家の加藤礼次朗先生だという事に驚いた。どこをどう見ても加藤タッチ皆無だったもんなぁ。
 

他のエピソードのあらすじ・感想はこちら

「世界の闇図鑑」あらすじ・感想まとめ
 

感想:アニメ「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」第4話「帰らぬ者と、待ち続けた者たち」


TVアニメ『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』OPテーマ「DEAREST DROP」(アニメジャケット盤)

TVアニメ「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」公式サイト http://sukasuka-anime.com/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)

【※以下ネタバレ】
 

第4話 帰らぬ者と、待ち続けた者たち (2017年5月2日(火)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 倉庫で暮らす妖精の一人ティアットが特別な夢を見たため、検査を受けることになり、ヴィレムが付き添うことになった。その夢とはティアットが成長したことの証であり、つまり彼女が兵士として戦場に出る日が近づいたことを意味していた。

 そんな時、ヴィレムはクトリたちが防衛するはずだった「島」の防衛が失敗したという知らせを聞き、ショックで崩れ落ちる。ところが直後、クトリたちが無事な姿で現れたため、ヴィレムは安堵してクトリを抱きしめるが、クトリに張り倒される。


■脚本:根元歳三 ■絵コンテ:安齋剛文 ■演出:安田賢司 ■作画監督:杉本功


感想

 ヴィレムのえこひいきがすげぇ。アイセアとネフレンも一緒に出撃してたのに、心配していたのはクトリだけって。しかも二人ともこの差別っぷりに怒るどころか、温かく見守ってくれるという……、天使ですか?


終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? (角川スニーカー文庫)

感想:アニメ「正解するカド」第4話「ロトワ」

正解するカド クリアファイル

正解するカド KADO: The Right Answer http://seikaisuru-kado.com/
放送 BSフジ。

【※以下ネタバレ】
 

第4話 ロトワ

 

あらすじ

 真道は、異方側の代表としての立場を貫くため、外務省を辞め、一私人として日本政府と交渉する事にした。カドからは、ついに適応が完了した旅客機の乗客が解放され始めた。

 国連は日本がワムを独占することに文句をつけ、全てのワムを差し出さなければ日本を制裁する、との姿勢を打ち出す。

 ヤハクィザシュニナは、ワムはあくまで人類に対して提供したものであるとして、国連や一部国家に管理させるという案に反対の姿勢を示す。真道たちはヤハクィザシュニナの意をくみ、ある強硬策に打って出る。

感想

 うーん、展開が遅ーい。話の筋は悪くないけど、あきらかに「水増し」「引き伸ばし」をやってきているのがね。徭沙羅花が交渉の時に笑ったとか笑ってないとか、そんなことどうでもいい気がするんですが。そんなキャラの掛け合いとかの部分はすっ飛ばした、ファーストコンタクトテーマハードSFアニメじゃなかったのか。


永遠のこたえ(DVD付)

感想:アニメ「タイガーマスクW」第26話「謎のミラクル1」

テレビ朝日系アニメ「タイガーマスクW」オリジナルサウンドトラック

テレビアニメ「タイガーマスクW」公式サイト http://www.toei-anim.co.jp/tv/tigermask_w/

【※以下ネタバレ】
 

第26話 謎のミラクル1(ワン)

 

あらすじ

 タクマはザ・サードの試合で首と足を大怪我し、復帰の目途も立たないまま、父大助と同じリハビリ施設に送られた。ここで父子は3年ぶりの再会を果たす。

 一方、タイガーマスク/ナオトは、過去の色々があってタクマの見舞いに行くことに躊躇していた。春奈はミスXに、ザ・サードタイガーマスクの試合を組めないかと打診するが、実績不足だと門前払いされる。

 やがて新日本のシリーズが始まり、タイガーマスクも参戦することになった。このシリーズは、初来日のマスクマン「ミラクル1(ワン)」が初参戦し、前座戦線をにぎわせていた。ところがある日、ミラクル1は若手の若松龍との試合前に、自分の扱いが悪いとマイクアピールし、おそろいの恰好のマスクマン「ミラクル2(ツー)」を呼び込むと、若松を二人がかりで痛めつけて反則負けとなる。ミラクル1は、今後自分たちがさらに増殖することを予告した。


脚本:千葉克彦  演出(絵コンテ):西田正義/広嶋秀樹  作画監督:浅沼昭弘  美術:杦浦正一郎/斉藤信二/木賊美香


感想

 第三クールに入って、また「振り出しに戻って一からやり直し」的な展開に。また12回かけて決戦ムードを盛り上げていくんですかね。まあ全3クールアニメとの事なので、今度こそ決着がつくのでしょうけど……、多分、その時にはタイガーとザ・サードの試合のセコンドには、なんとか歩けるようになったタクマが付く的な感じかな。

 新顔外人「ミラクル1」が笑わかす(笑) 前作アニメでは「ミラクル3」という強豪マスクマンが出てきたので、そのリスペクト的な物であるのは間違いありませんが、まさかいきなり増殖するとは(笑) 新日本プロレスでマスクマンが増えていく、といえば、アレですよ、マシン軍団。テレビ画面に「お前らマシン軍団か!」とツッコミを入れた人が全国で5人はいるはずです。

 あと、次回登場予定の「キングタイガー」がまたねぇ。こいつも先代「タイガーマスク」に同じ名前のキャラがいたんですよね。虎マスクでワンショルダータイツというところまでそっくり。スタッフはどれだけ先代アニメリスペクトの姿勢なのかと。

 今回は、龍が春奈を焼肉デートに誘ったら、呼んでもいないミルクとミントが勝手についてきて、何の遠慮も無く山のように肉を注文するシーンにも笑わせてもらったですよ。


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【映画】感想:映画「ヘラクレス」(2014年:アメリカ)

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BSジャパン シネマ・アディクト ~BSジャパン映画情報~ http://www.bs-j.co.jp/cinema/
放送 BSジャパン 2017年5月3日(水)

【※以下ネタバレ】
 

超人的肉体を持つ男ドウェイン・ジョンソンが、ケタ外れの破壊力で暴れ回る!神話の英雄ヘラクレスの知られざる死闘を描いたアクションアドベンチャー超大作(2014年/米)

 

あらすじ

 紀元前4世紀、傭兵ヘラクレスは「神ゼウスと人間の女性の間に生まれた半神で、神に課せられた12の難行を全て果たした」として伝説として語られていた。しかし、ヘラクレスは勇猛ではあるが普通の人間であり、伝説は甥のイオラオスが宣伝として広めたものだった。

 ヘラクレスと五人の仲間たちは、トラキアの王女ユージニアからの招きでトラキアにやってきた。トラキアは内戦中で、王のコテュスはレーソスという男が率いる反乱軍によって追い詰められていた。ヘラクレス一行はコテュス王に雇われ、練度の低い兵士たちを徹底的に鍛え上げて、ついに決戦で反乱軍を破りレーソスを捕虜にした。

 ところが、実はコテュス王こそ先代の王(ユージニアの夫)を殺して王位を簒奪した上に圧政を敷いて民を苦しめていた独裁者だった。そして、レーソスはコテュスを倒すために兵をあげていたのだった。ユージニアも父コテュスに息子アリウスを殺すと脅されて、嫌々ヘラクレスたちを騙したことが判明する。

 コテュスはヘラクレスたちに報酬を払って追い出すが、ヘラクレスはアリウスを助け出そうと王宮に忍び込む。しかし待ち構えていたコテュスに捕まり、しかもそこには以前ヘラクレスが仕えていたアテネのエウリュステウス王もいて、コテュスと同盟を結んでいた。

 エウリュステウスは、3年前、ヘラクレスの人気に嫉妬してヘラクレスの妻子を殺し、その罪をヘラクレスに擦り付けたことを自慢げに白状する。真相を知って怒り狂ったヘラクレスは、拘束の鎖を引きちぎってエウリュステウスに復讐し、さらに悪党のコテュスも成敗した。トラキアの兵士たちは、ヘラクレスの雄姿に、ひざまづいてその名を称えるのだった。

感想

 評価はまあ○。

 アクションシーンは迫力あるし(何せドウェイン・ジョンソン<ロック様>は相変わらずムキムキマッチョ)、コテュス軍対レーソス軍のバトルは古代戦の雰囲気抜群だったし、クライマックスの王宮前での大激闘がまた凄い金かかってそうだし、結構面白かった部類です。傑作ではないけど、まあ悪くはなかったなと、そんな感じでしたね。

全能の神ゼウスと人間との間に生まれた半神ヘラクレスドウェイン・ジョンソン)は、恐るべき怪物と戦う12の試練を成し遂げ、生ける伝説となる。彼は3年前まではアテネのエウリュステウス王(ジョセフ・ファインズ)に仕えていたが、最愛の妻と子供たちを亡くし、その地を去ったのだった。今は予言者アムピアラオスイアン・マクシェーン)、戦略家アウトリュコス(ルーファス・シーウェル)ら5人の仲間と共に幾多の戦場を渡り歩いていた。そんなある日、トラキアの王女ユージニアに、父コテュス王(ジョン・ハート)に反旗を翻した反乱軍から国を守ってほしいと頼まれる。高額な報酬と引き換えにこれを引き受けたヘラクレスを戦地で待っていたのは、過酷な戦いと卑劣な罠だった…。



ギリシャ神話最大の英雄ヘラクレスの知られざる物語を壮大なスケールで描き出したスペクタクル・アドベンチャー。主人公ヘラクレスを「ワイルド・スピード EURO MISSION」「カリフォルニア・ダウン」の“ハリウッド最強の男”、ドウェイン・ジョンソン。その他にイアン・マクシェーンジョン・ハートジョセフ・ファインズが出演。監督は「ラッシュアワー」シリーズのブレット・ラトナー



原題 HERCULES
監督 ブレット・ラトナー
脚本 ライアン・J・コンダル、エバン・スピリオトポウロス
制作年 2014年
製作国 アメリカ



出演
ドウェイン・ジョンソンヘラクレス):【声】楠大典
イアン・マクシェーン(アムピアラオス):【声】辻親八
ジョン・ハート(コテュス王):【声】中博史
ジョセフ・ファインズ(エウリュステウス王):【声】桐本琢也
ルーファス・シーウェル(アウトリュコス):【声】高木渉

 
 
 

2017年視聴映画のあらすじ・感想の一覧はこち

2017年視聴映画あらすじ・感想一覧
 
 

感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン9」第20話(最終回)「真実 Part2」

X-ファイル シーズン9 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン9 http://dlife.disney.co.jp/program/drama/xfile_s9.html
放送 Dlife。全20話。

【※以下ネタバレ】
 
※シーズン9の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン9」あらすじ・感想まとめ
 

第20話(最終回) 真実 Part2 THE TRUTH II

 

あらすじ

 お題は「政府の陰謀、異星人の地球侵略」。


 第19話「真実 Part1」の続編。


 スキナーは証人として、ギブソン少年、ドゲット、レイエスを召喚するが、彼らの証言も裁判の流れを変えることはできなかった。スカリーたちは、手に入れた「ノエル・ローラーの遺体」を検死し、それが別人だと突き止めて、ノエル殺しについて裁くこの裁判は意味がないと訴えるが、カーシュに無視される。そしてモルダーに下された判決は、薬物による死刑だった。

 スキナーたちは協力してモルダーを脱獄させ、何故か現れたカーシュもそれを手助けした。カーシュはモルダーに、カナダ経由で別の大陸に逃げるように指示するが、何故かモルダーはスカリーを連れ南に向かう。翌日、X-ファイル課の部屋から何者かによって無断で全ての資料が運び出されていた。

 モルダーとスカリーは、ニューメキシコ州の、先住民族アナサジ族の砦の廃墟にたどり着く。そこにはモルダーの秘密施設への侵入を手助けした「賢者」が隠れていた。ところがその賢者の正体とは、スモーキング・マンだった。そしてモルダーが秘密施設で知った「真実」とは、西暦2012年12月22日(このエピソードの放送は2002年5月)に、異星人による地球乗っ取りが完了する、というマヤ族の予言だった。その日「影の政府」はマウントウェザーの秘密施設に逃げこみ身の安全を図るのだった。そしてスモーキング・マンは、この一帯は、異星人を唯一殺せる隕石経由のマグネタイトで守られているため、自分の身は大丈夫だという。

 やがて、モルダーたちを追って、ドゲットとレイエス、さらにノエル・ローラーが出現した。ノエルはマグネタイトのために死に、モルダーたちはすぐさま砦から逃げ去った。直後、砦は飛来した軍用ヘリの攻撃で爆破され、スモーキング・マンは死んだ。

 モルダーとスカリーは、人類の絶望的未来を知っても、なお戦うことをあきらめないと誓うのだった。<完結>


監督 キム・マナーズ
脚本 クリス・カーター


感想

 評価は△。

 9シーズン10年間にわたって放送された大長編ドラマの最終エピソードという事で、シーズン1から展開してきた「政府の陰謀&異星人の侵略」テーマ、いわゆる「神話」に納得のいく決着がつくのだろうと期待していたら、決着どころか解決を諦めたような結末だったため、もう唖然としてしまった。


 今回ついモルダーが手にした「真実」とは、「2012年12月22日に異星人の地球侵略が完了する」という情報で、マヤ文明の「予言」が根拠になっているという物だった。さて、このマヤ文明の「人類滅亡の予言」とは、番組のオリジナル設定ではなく、オカルト好きの間では広く知られている話の一つである。

 マヤ文明の使っていたカレンダーの一つ「長期歴」は2012年末で終わりになっている事から、オカルトマニアたちが「これは2012年の人類滅亡を意味している」という飛躍した結論をひねり出して、色々楽しんでいたわけで、X-ファイルもそのネタを取り入れたわけである。もっとも、現実にはマヤ文明は別に2012年の人類滅亡を予言したわけではなく、単にこの年から新しい暦のサイクルが始まるだけ、というのが現実的な解釈である。

 今回秘密基地に潜入したモルダーが突き止めて衝撃を受け、終盤にスモーキング・マンがもったいぶってスカリーに語った「真実」とは、このうさん臭い予言ただ一つだった訳で、明かされた内容よりもこんな薄っぺらいネタを最後に持ってきたのかと思うと、その方が衝撃的だった。

 そもそも、この情報はあくまで「当たるかどうかわからない未来予想」であって「真実」でもなんでもない、と思うのだがどうだろうか。この日付だけを元に、モルダーが「これが求めていた真実だった。もう負けた……」とか打ちひしがれているのを見ても、どうにも納得がいかなかった。


 ということで、ほとんど意味のない「真実」が語られた代わりに、色々な設定が説明も無く無視されたまま終わってしまった。例をあげれば

・スカリーの息子ウィリアムは、異星人たちにとって何故重要だったのか?
・ウィリアムが救世主にも異星人の先導役にもなる可能性がある、という話は何だったのか?
・モルダーも救世主になるというあの話はどこへ行ったのか?
・異星人の宇宙船の外壁に聖書やコーランが刻まれていたというあの話の意味は?
・ウィリアムと宇宙船の破片「遺物」との関係は?
・第2話「リターン・トゥ・ウォーター Part2」に出てきたシャノン・マクマホンは、何故同じ無敵兵士のノエル・ローラーと対立していたのか?
・第10話「神託  Part2」で、UFOカルトのリーダーに呼びかけた声とは何者だったのか?

 といった話がもう謎のまま永遠に封印されてしまった訳である。がっかりにも程がある。


 まあ、今回明確な説明はなかったにしても、切れ切れに提供された情報から推測できることもあり、

・「無敵兵士」と呼ばれる不死身人間たちは、やはり政府のバイオ戦士ではなく、人間そっくりの異星人だった(シーズン8で「代替人間」と呼ばれていたものとイコールの存在)
・異星人(無敵兵士)たちは政府内で新たな勢力を作りつつある。つまりアメリカ政府は異星人に乗っ取られ中
・無敵兵士がマグネタイトに弱いのは、それが隕石経由の物質だから

 などが解った。「無敵兵士」という説明は、彼らの不死身を説明するための現実に寄せた偽装設定、というところだと思われる。まあ確かに「人間そっくりに化けた異星人」より「アメリカ軍が何十年もかけて完成させたバイオ戦士」という説明の方がまだしも信じられやすいとは言える。しかし、どっちにしろマグネタイト磁鉄鉱)に近づくと何故あんなに派手に死んでしまうのかの回答は得られないままだった。


 さて、この「真実」二部作は、シリーズの懐かしのキャラたちの同窓会の様相を呈しているが、今回遂に真打とも言えるスモーキング・マンがシーズン7の最終回(第22話)「レクイエム」から2年ぶりに帰ってきてくれて、ちょっと嬉しかった。容姿はすっかりしなびてしまってはいたが、あの一々人を揶揄するような話し方は変わってはいなかったのが良かった。もっとも、せっかく出てくれたというのに、役目は特別出演というかのポジションで、ほとんど物語には関わっておらず、終盤登場したと思ったらすぐさまミサイルで吹き飛ばされてあの世送りになってしまう。かつては番組のラスボス的な地位にいたわりには、あまりともいえる最期だった。

 それにしてもなぜ異星人たちはスモーキング・マンを殺したのか理由が解らない。スモーキング・マンは、立場的に言えば異星人の味方側にいる「影の政府」の一員だと思うのだが……、単にモルダーを殺そうとした巻き添えを食っただけだとしたら、それはそれであんまりな犬死であるが、真相はどんなものなのだろうか。

 同窓会展開としては、第15話「英雄に捧ぐ」で勇敢に散ったローン・ガンメン三人組も、幽霊としてモルダーの前に現れて、視聴者を喜ばせてくれた。三人とモルダーの絡みが最後に用意されていたのは嬉しいサプライズだった。


 今回、物語の謎解きというかがいい加減に済まされたのと同様、モルダー&スカリー以外のキャラクターたちの扱いもぞんざいなまま終わってしまった。シーズン9の主役だったドゲット&レイエスはニューメキシコ州の荒野で別れておしまいだし、スキナーとカーシュというFBI首脳陣は政府内の謎の勢力に正面から反抗したのだからもう消されても仕方ないところだが、その運命はついに語られずに終わる。終盤カーシュがモルダー救出に手を貸した理由も見えなかったし、投げっぱなしの印象ばかりが残る締めくくりだった。


 最後、モルダーが「ずっと追いかけていた真実がこれだった」云々と言ってがっかくりうなだれていたが、視聴者としても9シーズンも見続け来た作品の結末がこれだったので、心底うなだれたくなった。せめて、もうちょっと「見て良かった」と思えるラストにしてほしかった、というのが正直な感想である。

シーズン9の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら

「X-ファイル シーズン9」あらすじ・感想まとめ
 

感想:アニメ「武装少女マキャヴェリズム」第5話「愛狂しき刃「花酒蕨」」

TVアニメ『武装少女マキャヴェリズム』エンディング・テーマ「DECIDE」

TVアニメ「武装少女マキャヴェリズム」公式サイト http://machiavellism-anime.jp/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)。

【※以下ネタバレ】
 

第5話 『第五節  愛狂しき刃「花酒蕨」』 (2017年5月3日(水)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 花酒蕨は愛熊キョーボーが敗れたことに憤慨し、唐突にワラビンピック閉幕を宣言した。そして納村の外出許可証に判子を押す「授与式」を行うので、校舎の屋上まで来るように指示する。しかし、その言葉とは裏腹に、屋上へ向かう階段は一つ以外は閉鎖され、さらに唯一使用できる階段には、花酒配下の東狐・狸原・猿渡を筆頭とする34人の精鋭たち、つまり、花酒さんじゅうし、別名「WRB34」(ワーラービー・サーティーフォー)が殺る気満々で待ち構えていた。

 ところが、天下五剣の一人・眠目(たまば)さとりは、五剣会議で決めたのはワラビンピック開催までだと言って、納村が嫌いだと断りながら、屋上への別の階段を開放する。そして、先行したののと蝶華が雑魚を蹴散らしている間に、納村・輪・メアリは屋上へと駆け上がる。納村はキョーボーとボクシング勝負、輪は蕨との対決、メアリは東狐・狸原・猿渡の足止め、とそれぞれの戦いが始まり、各人がそれぞれ勝利をつかむ。結局、蕨は納村の外出許可証に判子を押す羽目になった。


脚本 : 山下憲一 絵コンテ : 澤井幸次 演出 : 立仙裕俊

感想

 バトルたっぷりの王道系エピソード。各階に幹部が待ち構えていて屋上のボスがさあ登ってこいと挑発するとかの展開も熱かった(まあ結局幹部連とのバトルはスルーしちゃうけど)。

 蕨・輪・メアリの着替えの下着シーンもばっちり完備で、スポプラ蕨のひんぬー体形から、アダルツなメアリの黒ブラまで、各自のお好み次第というバリエーションも嬉しい所でした。
 
 
TVアニメ『武装少女マキャヴェリズム』オープニング・テーマ 「Shocking Blue」【通常盤】
武装少女マキャヴェリズム B2タペストリーA
【電子版】武装少女マキャヴェリズム(1)<武装少女マキャヴェリズム> (角川コミックス・エース)
 
 

感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン9」第19話「真実 Part1」

X-ファイル シーズン9 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン9 http://dlife.disney.co.jp/program/drama/xfile_s9.html
放送 Dlife。全20話。

【※以下ネタバレ】
 
※シーズン9の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン9」あらすじ・感想まとめ
 

第19話 真実 Part1 THE TRUTH

 

あらすじ

 お題は「政府の陰謀、異星人の地球侵略」。

 モルダーはとある情報を得るため、マウントウェザーに有る政府の秘密施設に潜入するが、発見されてノエル・ローラーに殺されそうになり、逆にノエルを突き落として殺してしまう。

 スカリーとスキナーは軍から知らせを受けて駆け付け、ようやくモルダーと再会した。モルダーは失踪していた間、ニューメキシコ州で調査をしていたと言い、その裏付けを得るため基地に侵入したと説明する。モルダーはノエルは無敵兵士なので死んだはずがないと言うが、軍は数十人の証人の証言をもとに、モルダーを殺人で告発していた。

 軍はFBIに圧力をかけ、FBIの人間だけで軍事裁判を開いてモルダーを裁かせ、有罪にさせようと企む。モルダーの弁護は、モルダーの指名でスキナーが当たることになった。スキナーは証人として、スカリー、ジェフリー・スペンダー、マリタ・コバルービアス、を次々と召喚し、政府と異星人の陰謀についての証言を引き出すが、異星人云々を全く信じない検事に対しては何の意味も無かった。 →第20話「真実 Part2」へ続く。



監督 キム・マナーズ
脚本 クリス・カーター


感想

 評価は○。

 最終回直前回。9シーズン10年間続いてきた番組の最終エピソードという事で、シーズン1から展開してきた「政府の陰謀&異星人の侵略」テーマ、いわゆる「神話」の総決算が開始され、わりと見ごたえがあった。


 今回一番嬉しいのは、なんといってもモルダー(デヴィッド・ドゥカヴニー)の一年ぶりの帰還である。ドゥカヴニーはシーズン8の最終回(第21話)「誕生 Part2」を最後に番組を完全降板してしまい、番組上では「自ら身を隠した」という設定で不在をごまかして(?)いたが、最終回になんとか帰ってきてくれた。ドゥカヴニーが、何故一度縁を切った番組に戻ってきたのかは不明で、スタッフと和解したのか、はたまた大枚のギャラを提示されたのか、そのあたりの事情は定かではないが、やはりモルダーがいると雰囲気が違い、モルダーがいてこそのX-ファイルだと改めて実感させられた。

 またモルダーの復活と合わせて、過去に登場した様々なキャラクターたちも続々と再登場してくれて、驚きと嬉しさでもう半笑い状態となってしまった。ジェフリー・スペンダーはついこの間の第16話「ウィリアム」以来だが、その他に、実験台にされててっきり死んだと思っていたマリタ・コバルービアスや、超能力少年ギブソンなど、長いストーリーの中でもはや忘れられていたキャラたちが次々と蘇ってきて、この番組の歴史の長さを実感させられた。

 しかも、さらなる豪華ゲストとして、既に死んでしまっているクライチェックやミスターXまでが(モルダーの幻覚的な形で)駆け付けてきてくれており、完全にX-ファイルのキャラの同窓会状態で、スタッフのサービス精神ここに極まれり、という感じだった。あとはモルダーと仲の良かったディープ・スロートが戻ってきてくれると嬉しかったのだが……


 しかし、さすがにこれだけのキャラを再登場させて、いつものように自然にストーリーを展開させるのは不可能と判断したのか、今回は「モルダーの裁判」という形を取り、各キャラが「証人」として各人が知っている政府の陰謀/宇宙人の情報をとうとうと述べ立てる、という形になっている。いくつかは過去のエピソードで明かされた物もあったが、逆に「そんな設定は聞いたことも無い」という初耳な物も結構あり、結構驚かされた。


 特に第一の証人スカリーの発言はそれが顕著で

・地球の生命は火星から飛来した隕石でもたらされた
・隕石に地球外ウイルスも含まれていた
・ウイルスは有史以前の原人にも感染し、その体を別の生物=異星人に変えた
・しかし35,000年前の氷河期に原人/異星人は滅びてウイルスは仮死状態になった
・その後ウイルスは地下のブラックオイルという石油層で繁殖した
・ウイルスは知能も知覚もあり、1947年にニューメキシコに墜落したUFOと連絡を取り合っていた
・1947年、政府は墜落したUFOから地球外テクノロジーと、異星人の地球「再入植」計画を知った
・政府は人と異星人の交配種を開発していた。目的は異星人の奴隷として働かせるため。

とまあ、どこから出てきたのか、という新情報のオンパレードである。

 ブラックオイルと石油の関係はシーズン8の第18話「到来」で唐突に持ち出された設定で、スタッフはオイル繋がりのシャレのつもりなのかと思っていたが、本気で「ブラックオイル=実は黒いのは石油だった」という設定に確定した模様である。まさかの展開としか言いようがなかった。


 さらに、懐かしのマリタ・コバルービアスも証言してくれたが、どうにも理解しがたい部分があって困惑してしまった。

・秘密組織「シンジケート」は地球外ウイルスのワクチンを異星人に隠して開発していた
・シンジケートは異星人は全てウイルスに感染していると信じていた
・しかし実は反乱軍と言われる勢力は別だった
・シンジケートは反乱軍のせいで幹部を殺されて壊滅した

という話だが、「異星人がウイルスに感染」というくだりが理解不可能である。ウイルスというかブラックオイルは、シーズン6の第11話「ファイト・ザ・フューチャー Part1」でカサンドラ・スペンダーが「異星人の生命の源」とか証言していたのだが……、まあ、その反面、エイリアン反乱軍はブラックオイルを恐れて顔の開口部を全てふさいでいるとかいう話も有り、ここに来ても「結局正解はどれなのか」感が払拭されていない。スタッフも色々設定を展開させすぎて、整合性が取れなくなっているのだろうか。それともこちらの理解力が足りないのだろうか。


 という事で、なんだかよく解らないまま、ついに次回の最終回を迎えることになってしまうのだが、ここに来ても「無敵兵士」の説明は無く、シーズン8で連呼していた「代替人間」という設定は出てこず、ウィリアムやモルダーが人類の救世主だとかいう話だとか、エイリアンが人類に聖書やコーランをもたらしたという話も未タッチである。次回で本当に全ての真相が解明されるのだろうか。


一言メモ

 最終回は、アメリカのテレビ放送では2時間スペシャルとして放送されたが、レンタル版では、1時間×2話の前後編となっている。単純に二つに分けただけではなく、レンタル版用に別カットが撮影された。

シーズン9の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら

「X-ファイル シーズン9」あらすじ・感想まとめ